「お姉さま熱帯魚飼いたい」
「ん? こういうときだけお姉さまって言うのねフラン」
「ちがうよ、普段も言っているよ」
「まあ良いわ」
「熱帯魚買ってよ」
金魚にはもう飽きた。金魚は水草ばかり食べてフランをまったく見ていなかった。
「金魚がいるでしょ」
「金魚はもう飽きたよ」
「前に金魚買うとき約束したことおぼえてるわよね」
「最後まで責任持つよ。金魚もこれまでどおりに待遇するから」
待遇といっても世話は全部、咲夜がしている。
「どうせ、咲夜に飼育させるんでしょ?」
「そうだよ。だって、私が飼育すると全部。……壊しちゃうから」
「そう言って金魚買い始めて三日目で咲夜に飼育を押し付けたのよね」
「違う。それは違うよお姉さま」
全部ばれていた。このままではフランの水槽には無駄に大きくなった金魚に占領されてしまう。
「その、お姉さま。待ってよ。よく考えてよ。金魚にだって友達が必要だよ」
「何言ってるの? しょせんは下等な魚類そんなこと考えていないわ」
「そんなのわからないよ。直接聞いたの?」
「聞かなくてもわかるわ。魚類の脳なんてたいしたこと無いわ」
「難しい話しないでよ」
魚類の脳なんていわれても、ピンとこない。これは小難しい話でごまかすつもりだ。
ここで引き下がれば熱帯魚は永遠に手に入ることは無い。そう永遠に。
「じゃあ、この話はお終いね」
「待って、待ってよ」
「質問は受付ないわ」
「その、お願いだよ」
「……駄目って、言っているでしょう?」
旗色が非常に悪い。一発逆転の奇策を考えるしかない。さしあたり、霊夢も熱帯魚を飼いはじめたとか言えば買ってくれるかもし知れない。
しかし、それではリスクが高すぎる。吸血鬼の弱点は流れる水だ。小さな水槽だから大丈夫だが、それを言えば紅魔館全体を水族館にしかねない。
じゃあ、どうすればいいか。それはフランにはわからない。
「いいよ、もういいよ。わかったよ」
「ん? わかったのね」
「もう、もう、いいよ」
「……そこで、一つ約束守れる?」
「約束って何?」
「私とフランと金魚との約束」
「いったい何?」
約束って何なんだろうとフランは思う。
「もしも、私が熱帯魚買ってあげたらね。また金魚とも仲良くできる?」
「……金魚とまたお友達?」
「そうよ。熱帯魚買ってあげることの条件よ」
「……でき、できる」
「中途半端な気持ちで言わないで! ちゃんと金魚のことも考えてあげて」
さっきは、金魚のことを下等呼ばわりしていたがこれだ。実はレミリアは紅い金魚が大好きだった。でも、金魚で和む館の主の吸血鬼なんて恥ずかしくていえなかった。
「わ、わかったよ。また、金魚とも友達になるよ」
「絶対? 約束よ」
「わかった約束するよ」
「わかったわ。ちゃんと、約束守ってね」
とうとう、フランのお願いは聞き入れられることになった。
「で、どんな熱帯魚飼いたいの?」
「飼いたいのわね。黒くて、眼がね。すごくでてるんだよ」
「もしかして、それって出目金?」
「そうだよ。出目金って言ってブラックなんだよ。大人の感じがする色だよ」
「……出目金は熱帯魚じゃないわ」
「え?」
井の中の蛙、もとい、館の中のフランはまた一つ大人になった気がした。
「ん? こういうときだけお姉さまって言うのねフラン」
「ちがうよ、普段も言っているよ」
「まあ良いわ」
「熱帯魚買ってよ」
金魚にはもう飽きた。金魚は水草ばかり食べてフランをまったく見ていなかった。
「金魚がいるでしょ」
「金魚はもう飽きたよ」
「前に金魚買うとき約束したことおぼえてるわよね」
「最後まで責任持つよ。金魚もこれまでどおりに待遇するから」
待遇といっても世話は全部、咲夜がしている。
「どうせ、咲夜に飼育させるんでしょ?」
「そうだよ。だって、私が飼育すると全部。……壊しちゃうから」
「そう言って金魚買い始めて三日目で咲夜に飼育を押し付けたのよね」
「違う。それは違うよお姉さま」
全部ばれていた。このままではフランの水槽には無駄に大きくなった金魚に占領されてしまう。
「その、お姉さま。待ってよ。よく考えてよ。金魚にだって友達が必要だよ」
「何言ってるの? しょせんは下等な魚類そんなこと考えていないわ」
「そんなのわからないよ。直接聞いたの?」
「聞かなくてもわかるわ。魚類の脳なんてたいしたこと無いわ」
「難しい話しないでよ」
魚類の脳なんていわれても、ピンとこない。これは小難しい話でごまかすつもりだ。
ここで引き下がれば熱帯魚は永遠に手に入ることは無い。そう永遠に。
「じゃあ、この話はお終いね」
「待って、待ってよ」
「質問は受付ないわ」
「その、お願いだよ」
「……駄目って、言っているでしょう?」
旗色が非常に悪い。一発逆転の奇策を考えるしかない。さしあたり、霊夢も熱帯魚を飼いはじめたとか言えば買ってくれるかもし知れない。
しかし、それではリスクが高すぎる。吸血鬼の弱点は流れる水だ。小さな水槽だから大丈夫だが、それを言えば紅魔館全体を水族館にしかねない。
じゃあ、どうすればいいか。それはフランにはわからない。
「いいよ、もういいよ。わかったよ」
「ん? わかったのね」
「もう、もう、いいよ」
「……そこで、一つ約束守れる?」
「約束って何?」
「私とフランと金魚との約束」
「いったい何?」
約束って何なんだろうとフランは思う。
「もしも、私が熱帯魚買ってあげたらね。また金魚とも仲良くできる?」
「……金魚とまたお友達?」
「そうよ。熱帯魚買ってあげることの条件よ」
「……でき、できる」
「中途半端な気持ちで言わないで! ちゃんと金魚のことも考えてあげて」
さっきは、金魚のことを下等呼ばわりしていたがこれだ。実はレミリアは紅い金魚が大好きだった。でも、金魚で和む館の主の吸血鬼なんて恥ずかしくていえなかった。
「わ、わかったよ。また、金魚とも友達になるよ」
「絶対? 約束よ」
「わかった約束するよ」
「わかったわ。ちゃんと、約束守ってね」
とうとう、フランのお願いは聞き入れられることになった。
「で、どんな熱帯魚飼いたいの?」
「飼いたいのわね。黒くて、眼がね。すごくでてるんだよ」
「もしかして、それって出目金?」
「そうだよ。出目金って言ってブラックなんだよ。大人の感じがする色だよ」
「……出目金は熱帯魚じゃないわ」
「え?」
井の中の蛙、もとい、館の中のフランはまた一つ大人になった気がした。
おもしろかったです
ほのぼのとした空気に和めました。
ほのぼの。
直します。
「そうだよ。だって、私が飼育すると全部。……壊しちゃうから」
フランちゃんの計算された狂気