Coolier - 新生・東方創想話

まるくかがやくあさ

2012/12/28 20:39:10
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 彼女は不機嫌そうにしていた。朝日に抱かれた森の口、ちいさな岩に座って。光を半身に浴びて、目をこすっている。

 西の雲が白み、小鳥がそっと横ぎった。雀がよろこびを歌って、空がそれに聴き入っている。風は緑にほほを撫で、森の、柔らかな木の香を運ぶ。それらは紅潮しているように、ほのかな橙をおびていた。
 彼女のとなりに、一羽、雀がおりた。そこは木の陰にならず、小さな草がちょこんと生きている。葉にたたえた朝露を飲みにきたのだろう。彼女はすうっと目を細めた。
 彼女は再び、不機嫌そうな顔をする。手のひらぐらいの詩集を開いて、閉じて、また開いて。足をゆすり、体をゆらし、空を見上げ、周りを見渡す。景色がゆっくりと澄んでいった。

 森の口へ、ひとりの少女がやってきた。小走りで、手をふりながら。
「おおい、メリー。待たせたね。」
それを不機嫌そうに迎えて、彼女はぐちぐちと文句を言った。それから、せいいっぱいの笑顔で言う。
「蓮子が時間通りに来るなんてね。」
 ひらがなというのは、いいものです。まるいかたちは柔らかみをおび、飾ることなくかがやいています。そして、私の中では朝もまた、柔らかくかがやいているのです。
 というところで、この作品はおしまいです。読んでくださった皆様、ありがとうございました。この作品が処女作となりますので、至らぬ点もあると思いますが、のんびり読んでいただけたなら幸いです。
あおあお
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コメント



0.210簡易評価
2.10名前が無い程度の能力削除
多分この投稿は点数評価を受ける事が目的では無いと思います
なのでこういうSSは東方創想話ジェネリックへの投稿を勧めます
3.70プロピオン酸削除
うん、ひらがな。いいよね。ひらがなってすばらしい
10.603削除
これから何かが始まりそうな、そんな雰囲気ですね。