ある日、ルーミアは、お昼ごろに目を覚ましました。
とても早起きをしてしまったので、何をしようかなーと考えていると、すぐ近くから、誰かが楽しそうにしゃべっている声が聞こえました。木の影から覗いてみると、そこでは、人間の男の子が3人、楽しそうに木のぼりをしていました。
「おおーすげー!ずーっと遠くまで木しか見えねー!」
「早く降りてきて俺に代われよー!」
「そうだぞー!お前ばっかりずるいんだよー!」
「ちょっと待って!あとちょっとだけ!」
「しょうがねえなー……あと10秒だけだぞー!」
「「いーち、にーい、さーん」」
いいなー。たのしそうだなー。一緒に遊びたいなー。ルーミアはそう思いましたが、少し怖かったので、ただじっと見ていることにしました。
すると、さっきまで木に登っていた子供が、ルーミアに気づきました。
「ん?そこにいるのは誰?」
あわてて逃げ出そうとしますが、木の根につまづいて転んでしまいます。その音を聞いて、子どもたちが集まって来ました。
「大丈夫?」
「痛くない?」
「怪我してない?」
みんなはルーミアのことを心配して声をかけます。あんまり痛くなかったので、ルーミアは、大丈夫、と答えました。
「ねえ、君、名前は?」
木に登っていた男の子が聞いてきます。ルーミアは、自分の名前を答えました。
「知ってる?」
「ううん……聞いたことないや」
「るみ、なら知ってるんだけどなあ」
男の子たちが話すのを、ルーミアは地面に座ったまま、ぼーっと眺めていました。
「とりあえず、さ。るーみあ、ちゃん?」
一人が手を伸ばしてきます。人間とまともに話したことのないルーミアは、叩かれるかと思ってとっさに頭に手を当てて、ぎゅっと目をつぶりました。
「い、いや、そんなに怖がらなくてもいいよ。乱暴しようっていうんじゃないからさ」
ルーミアは薄く目を開けます。
「ねえるーみあちゃん、一緒に遊ばない?」
ルーミアは、ぱっと笑顔になって、うん、とうなずきました。
それから、ルーミアたちは、いろんなことをして遊びました。鬼ごっこをしたり、かくれんぼをしたり、缶蹴りをしたり。いつも一人ぼっちだったルーミアは、初めての遊びにずっと目を輝かせていました。楽しいね。ルーミアがそう言うと、男の子たちも笑顔になります。そんな楽しい時間は、あっという間に過ぎ去っていきました。
「あー楽しかった!」
何回目かわからない鬼ごっこが終わって、男の子がそう言いました。するとどこからか、くー、と可愛らしい音が聞こえてきました。それは、ルーミアのお腹の音でした。
「るーみあちゃん、おなかすいた?」
うん、と答えると、男の子たちは、ちょっと悲しい顔になりました。
「俺たちはいつももっと遅くまで遊んでるからいいけど、るーみあちゃんは門限とかあるよなあ……」
もんげん?ないよ?門限とは何のことだかルーミアにはわかりませんでしたが、ルーミアはもっと遊んでいたかったので、そう答えました。
「でも、お腹空いてるんだろう?もうそろそろご飯の時間かもしれないし……」
そう言って考えこむ男の子たち。すると、ある男の子が、何かを思いついた顔で、近くの木に登り始めました。何やってるの?と聞いても、木の葉の中にもぐって何かを探すばかりで、答えてくれません。そして、少し待っていると、何かを掴んで木から飛び降りてきました。
「はい、るーみあちゃん」
男の子から手渡されたのは、クルミでした。
「なあみんな、ここをどこだと思ってるんだ?ここは森だぜ?こんなにたくさんの食べ物がここにはあるじゃないか!お腹がすいたから帰るなんて、ばからしいよ!」
男の子は、そう言って手を広げました。
「なるほど!」
「そうだな!じゃあ俺も食べ物を探すよ!」
男の子たちは口々にそう言いました。ルーミアはみんなが何のことを言っているかわかりませんでしたが、食べ物がたくさんある、ということはわかったので、嬉しくなって男の子に飛びつきました。そして、
ルーミアは、男の子を食べてしまいました。
食べていると、男の子たちがこっちを見たまま固まっていました。分けて欲しいのかなーと思って、食べる?と手に持っていた腕を差し出します。すると、
「う、うわああああああああああああああああああああああ!」
そう叫ぶなり、みんなどこかに走って行ってしまいました。ルーミアは、何が起こったかわからず、ただそれを見つめていました。
食べ終わったあと、ルーミアは少し考えてみました。どうしてみんな私を置いていっちゃったんだろう。なにか悪いことしちゃったかなあ。考えても考えても、ルーミアにはわかりませんでした。
夜も更けて、人里から明かりが消えたころ。またどこからか、くー、と可愛らしい音がなりました。お腹がすいたルーミアは、今日のお夕飯を探しに行く事にしました。そして、頭だけが残った笑顔の男の子に、ばいばい、と手を振って、ルーミアは夜の空に飛んで行きました。
空には、明るい満月がポッカリと浮かんでいました。
とても早起きをしてしまったので、何をしようかなーと考えていると、すぐ近くから、誰かが楽しそうにしゃべっている声が聞こえました。木の影から覗いてみると、そこでは、人間の男の子が3人、楽しそうに木のぼりをしていました。
「おおーすげー!ずーっと遠くまで木しか見えねー!」
「早く降りてきて俺に代われよー!」
「そうだぞー!お前ばっかりずるいんだよー!」
「ちょっと待って!あとちょっとだけ!」
「しょうがねえなー……あと10秒だけだぞー!」
「「いーち、にーい、さーん」」
いいなー。たのしそうだなー。一緒に遊びたいなー。ルーミアはそう思いましたが、少し怖かったので、ただじっと見ていることにしました。
すると、さっきまで木に登っていた子供が、ルーミアに気づきました。
「ん?そこにいるのは誰?」
あわてて逃げ出そうとしますが、木の根につまづいて転んでしまいます。その音を聞いて、子どもたちが集まって来ました。
「大丈夫?」
「痛くない?」
「怪我してない?」
みんなはルーミアのことを心配して声をかけます。あんまり痛くなかったので、ルーミアは、大丈夫、と答えました。
「ねえ、君、名前は?」
木に登っていた男の子が聞いてきます。ルーミアは、自分の名前を答えました。
「知ってる?」
「ううん……聞いたことないや」
「るみ、なら知ってるんだけどなあ」
男の子たちが話すのを、ルーミアは地面に座ったまま、ぼーっと眺めていました。
「とりあえず、さ。るーみあ、ちゃん?」
一人が手を伸ばしてきます。人間とまともに話したことのないルーミアは、叩かれるかと思ってとっさに頭に手を当てて、ぎゅっと目をつぶりました。
「い、いや、そんなに怖がらなくてもいいよ。乱暴しようっていうんじゃないからさ」
ルーミアは薄く目を開けます。
「ねえるーみあちゃん、一緒に遊ばない?」
ルーミアは、ぱっと笑顔になって、うん、とうなずきました。
それから、ルーミアたちは、いろんなことをして遊びました。鬼ごっこをしたり、かくれんぼをしたり、缶蹴りをしたり。いつも一人ぼっちだったルーミアは、初めての遊びにずっと目を輝かせていました。楽しいね。ルーミアがそう言うと、男の子たちも笑顔になります。そんな楽しい時間は、あっという間に過ぎ去っていきました。
「あー楽しかった!」
何回目かわからない鬼ごっこが終わって、男の子がそう言いました。するとどこからか、くー、と可愛らしい音が聞こえてきました。それは、ルーミアのお腹の音でした。
「るーみあちゃん、おなかすいた?」
うん、と答えると、男の子たちは、ちょっと悲しい顔になりました。
「俺たちはいつももっと遅くまで遊んでるからいいけど、るーみあちゃんは門限とかあるよなあ……」
もんげん?ないよ?門限とは何のことだかルーミアにはわかりませんでしたが、ルーミアはもっと遊んでいたかったので、そう答えました。
「でも、お腹空いてるんだろう?もうそろそろご飯の時間かもしれないし……」
そう言って考えこむ男の子たち。すると、ある男の子が、何かを思いついた顔で、近くの木に登り始めました。何やってるの?と聞いても、木の葉の中にもぐって何かを探すばかりで、答えてくれません。そして、少し待っていると、何かを掴んで木から飛び降りてきました。
「はい、るーみあちゃん」
男の子から手渡されたのは、クルミでした。
「なあみんな、ここをどこだと思ってるんだ?ここは森だぜ?こんなにたくさんの食べ物がここにはあるじゃないか!お腹がすいたから帰るなんて、ばからしいよ!」
男の子は、そう言って手を広げました。
「なるほど!」
「そうだな!じゃあ俺も食べ物を探すよ!」
男の子たちは口々にそう言いました。ルーミアはみんなが何のことを言っているかわかりませんでしたが、食べ物がたくさんある、ということはわかったので、嬉しくなって男の子に飛びつきました。そして、
ルーミアは、男の子を食べてしまいました。
食べていると、男の子たちがこっちを見たまま固まっていました。分けて欲しいのかなーと思って、食べる?と手に持っていた腕を差し出します。すると、
「う、うわああああああああああああああああああああああ!」
そう叫ぶなり、みんなどこかに走って行ってしまいました。ルーミアは、何が起こったかわからず、ただそれを見つめていました。
食べ終わったあと、ルーミアは少し考えてみました。どうしてみんな私を置いていっちゃったんだろう。なにか悪いことしちゃったかなあ。考えても考えても、ルーミアにはわかりませんでした。
夜も更けて、人里から明かりが消えたころ。またどこからか、くー、と可愛らしい音がなりました。お腹がすいたルーミアは、今日のお夕飯を探しに行く事にしました。そして、頭だけが残った笑顔の男の子に、ばいばい、と手を振って、ルーミアは夜の空に飛んで行きました。
空には、明るい満月がポッカリと浮かんでいました。
特筆すべき事は無いけど、要所はしっかりと抑えられてるしグリムっぽくて良いと思います
ルーミアちゃんご愁傷様です
まあ突っ込むだけ野暮だが
けど最初が頬笑ましかったからおk
留美と聞いて浅木原忍さんのSS思い出したの私だけじゃないはず。
まあ突っ込みに突っ込むのだけ野暮だが
ルーミア怖いよルーミア