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東方能力創造奇譚 ~病気編~

2012/12/16 22:40:56
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※前回の 東方能力創造奇譚 ~出会い編~ を読んだら
  ストーリーが分かりやすくなるかもしれません




凍てつくような寒さの中、ひたすら何冊もある分厚い本を読み進めている男、
彼はどこから来たのかすら記憶がない。 つまり簡単にいえば記憶喪失である。
「『幻想郷縁起』まだまだいっぱい残っとる。一体読み終わるのはいつになるかのぉ・・・
 慧音先生もなかなか酷いことをさせるのぉ・・・」
などと愚痴りながらもひたすら本を読み続けている。

稗田家の9代目当主 稗田阿求 彼は阿求のところで
『幻想郷縁起』を読ませてもらっている。 
彼の生活サイクルは、寝る・本を読む・食事 基本はこの3つである。
しかし、居候をさせてもらっている身なので薪拾いや料理の手伝いをしている。
そのおかげでもともと料理の才能があったのかご飯の炊き方や簡単な料理などは大体マスターしていた。

「それにしてもわしの来ていた服・・・外の世界と似てるのぉ まあ多分気のせいじゃろ、まあ・・・いいか 気にしない 気にしない」
「む、 外が明るくなってる。 ん、もう雪が積もっとるのか・・・」
外はもうすっかり大河が来ていた時と変わらない景色になっていた。
「さてと腹も減ってきたしの、朝ごはんを作りに行くか」
このごろは、ほとんど大河が朝ごはんを作ることになっていた。

いつものように台所へ行くと・・・・・
カラフルな着物を着ているが火が付いてるかまどに薪をくべている人がいる、
「ん? 何をやっとるんじゃ?」
「きゃあ! び・・・・びっくりさせないで下さいよぉ!」
この人が当主の 稗田阿求 紫色の髪に花をちょこんと乗せている。
「おお! スマンスマン でも何でこんなところにいるんじゃ? 普段なら仕事をしているはずじゃろう?」
「そ・・・それは・・・その・・・」
「ん? なんか言いたいことがあるなら言うてみい」
「あの・・・大河さんにはいつも朝ごはんを作っていただいてるので・・・その・・・」
「うーむ・・・別にそういうのは大丈夫なんじゃがのぉ・・・まあ良い朝ごはんを作るというならわしも手伝うぞ!」
「!・・・はい!よろしくお願いします!」
阿求が食材を切り、大河が炒める、さながら夫婦のようにも見れた。

「ふう・・・やっとできたのぉ」
「すみません・・・いつもならもっと早くできていたのに・・・」
「いやいや 自分で作ったものの方がおいしいぞ じゃあご飯にするかの」
「む? 大丈夫かの? なんだか疲れているようじゃが・・・」
「ええ・・・大丈夫です。どうぞお気になさらずに・・・」
「んー ほんとかのぉ・・・ まあ何かあったら言うのじゃぞ」

何か今日の阿求は様子がおかしい、そう大河が思い始めたのは朝食を食べ終わり自分の部屋に戻る時だった。
「うーむ 本当に大丈夫だったのかのぉ・・・ まあ 本人がそう言ってるなら大丈夫じゃろ」
そして、暫く本を読んだ後 次は昼食を作ろうとした時、
食材がほとんどないことに気がついた。 朝食の時に使いすぎたのだろう・・・
「どうしようかの・・・なんとかやりくりすれば二人分出来そうじゃが・・・まあ考えていても仕方ないの さっさと作って買いに行けばいいだけじゃ」
彼は朝食の時よりも少し早く昼食を作り上げた。
そして、机の上に昼食を並べ、阿求を呼びに行った。

昼食を食べている時に、
「そうじゃ 食材が全然なかったからの この後買い物に行ってくるつもりじゃ。何か買ってきてほしいものはあるかの?」
「そうですか! それでは墨を買ってきてくれませんか? さっき使いきってしまったので・・・」
「『すみ』じゃの 分かった! それでは買い物に行ってくるからの」
と行って 勢いよく出て行った大河を見て阿求は自分の部屋に戻り、書物の構成を考えていた。

「しかし・・・ 買ってくるとは言ったものの・・・『すみ』とはなんじゃのぉ? 聞いてくるの忘れていたのぉ・・・」
「ん・・・大河じゃないか 何をやっているんだ?そんな困った顔をして」
「おお! 慧音先生!いいところに来てくれたのぉ!」
「おいおい そんな困った顔をしていたら助けてくれと言っているようなものじゃないか」
「うーんとなぁ この阿求さんが欲しがっている『すみ』というものが分からなくてなぁ・・・」
「『すみ』? 墨の事か、ならば一緒に買いに行こうじゃないか 私もちょうど墨を切らしていたからな」
寺子屋の少し先に行ったところに文具屋がある、そこで慧音先生は寺子屋に必要な物を買いそろえている。

「おーい 小鈴、居るかー?」
「あらー慧音だー お久しぶり~ 今日は何しに来たの~?」
「いやちょうど墨を切らしてしまってね 今阿求のところで居候している大河と墨を買いに来たんだ」
「へ~ そうかい ちょっと待ってて~ 今墨を取ってくるから」
そういって小鈴は店の奥に行き、2箱分の墨を持ってきた
「阿求と慧音分でしょ~ なら一人1箱ぐらいでいいよね~」
「うむ、ありがとう小鈴 代金は置いとくよ」
「いやいや~ こちとらそれが商売だからね~ じゃあまた来てよ~」
ひらひらと小さな手をふりながら眠そうに見送る小鈴。
「慧音先生、あの人はだれなんじゃ?」
「ん、そうかそういや説明してなかったな 彼女は 本居小鈴 鈴奈庵で貸し本とちょっとした文具の販売をしているんだ」
「ふーむ じゃあ次阿求さんが墨を買ってきてほしいと言ったら・・・」
「そう鈴奈庵で買ってくればいい ということだ」
「いやー慧音先生ありがとう! おかげ助かったのぉ では 早く帰らないと阿求さんが墨を待っているからの」
「ああ、気をつけて帰るんだぞ それと阿求にもよろしく言っといてくれ 無理矢理居候させる形になってしまったからな」
「分かっとるよ 慧音先生 そっちこそ気をつけての」
寺子屋が見えるところまで慧音を案内して阿求の屋敷に急ぎ足で帰った。
太陽は少し西に傾いているようだった。

「すまない! 少し遅れてしまった! 墨はこれで大丈夫かの?」
「ありがとうございます! それもこんな質のいいものを・・・」
「いやいや 喜んでくれてわしも嬉しいよ」
「今日は何から何までありがとうございます 後は『幻想郷縁起』続きを読んでいていいですよ」
「ありがとう、まだまだ読み終わっていないんでの存分に読ませてもらうわい」
「と思ったんじゃがのぅ、まだ晩飯が残っとる それの仕込みをするからの 阿求さんは、部屋に戻ってお仕事していて大丈夫じゃよ」
「そんな・・・すみません ではお言葉に甘えさせていただきますね・・・」
そういった阿求を部屋に送る大河、
そして台所に戻り晩飯の仕込みを始めた。

「お~い 阿求さん 晩飯出来ましたよ~」
おおきな声で阿求を呼ぶが、返事がない。 大河は昼の事もあり心配になったのか阿求の部屋に飛び出していった。
「阿求さん! 大丈夫ですか!?」
するとそこには、倒れてうなされている阿求がいた。
「阿求さん 大丈夫ですか!? っ! 凄い熱じゃ・・・ これは一旦慧音先生見せに行くかの」
そうして阿求を抱きかかえたまま、飛び出していった。
寺子屋に行く途中には、道端に苦しんでいる人が何人もいた。

「慧音先生! いるかの!」
寺子屋には赤い目をした白い髪の少女と慧音が話していた。
「大河!どうしたそんなにあわてて 何かあったのか!?」
「阿求さんが熱を出して倒れていたんじゃ! 話しかけても返事はなかったし・・・」
「それは多分 今村ではやっている伝染病だと思う。 いいか大河よく聞け、今からお前には永遠亭に行ってもらう
 そして八意永琳に阿求を診せてこの病気の特効薬を作ってもらって欲しい。」
「その薬を貰ったらどうすればいいんじゃ?」
「そして、その薬をこの村まで往復して運んでほしい。 永遠亭までは竹林を通るから永遠亭までの案内は妹紅にやってもらいたい
 妹紅引き受けてくれるな?」
「いいわよ 私もこの村にはお世話になっているし・・・」
「よし 私は村の様子を見に行かないといけないからここに残るが・・・ どうにか二人で頑張ってほしい」
慧音の鋭い目つきで大河は無言でコクリうなずいた。

「よし そうと決まればさっさと永遠亭に行くわよ」
「分かった ただ阿求さんに負担をかけるわけにはいかないからの、早歩き程度のペースでお願いしたいんじゃが・・・」
「それくらい分かっているわよ さ、行きましょ。 慧音行ってくるわね そっちも頑張って頂戴」
「ああ こちらも出来る限りの事はするさ さあ一分でも時間が惜しい早く出発してくれ」
同時に寺子屋を出た3人はそれぞれの目的の為に歩きだした。

「さあ 竹林は村から少し出たところにあるわ 行きましょう」
妹紅が先を歩き、その後ろに阿求を抱きかかえた大河がついていく。
そして、とても高く成長し続けている竹・足元からは筍がたくさん生えている。
「ここが永遠亭がある竹林だよ。 めちゃくちゃ迷いやすいからあたしの後ろから離れないでね 絶対だよ!」
コクリと険しい表情でうなずく大河。 
「あ、そうそう 一度迷ったら大体抜けだせないって思ってね そう思った方があたしの後ろから離れにくいでしょ」
「うーむ・・・そんなこと言われたらのぉ 逆にプレッシャーかかりそうだがのぉ・・・ まあ良い 早く永遠亭に行こうか
 段々阿求さんの熱が高くなっている気がするからの」
「それは大変ね・・・ 薬も運ばなきゃいけないから・・・  ちょっと険しいけど最短ルートで行くわよ! しっかりついてきてね!」
「おう! わかっとるぞ!」
流石にもう暗くなっていた、少しだけ雲がかかっていて月明かりが雲の間から差している。
竹林の中に入ると周りの景色はほとんど変わらなく、妹紅を見失ったら絶対にこの竹林から抜け出せない、と確信した。
しかし、妹紅はもとからそこに道があるかのようにすいすい進んでいくので大河は見失わないように必死についていった。
10分ぐらい歩いただろうか・・・ 少し開けた場所に出て
「着いたわ ここが永遠亭よ さあ早く永琳にその子を診せてきなさい 急いでるんでしょ? それと、薬が出来たら呼んでちょうだい 私はここで待ってるわよ」
そして大河は妹紅に簡単な挨拶を済ませて永遠亭の門を開けた・・・

門を開けると大きな屋敷に裏庭の池に橋がかかっていた。
「何か御用ですか?」
屋敷の戸が静かに開き、そこから薄紫色の長い髪 兎のような耳が付いている少女が
とても静かに落ちついた声で話しかけてきた。
そして抱きかかえられている阿求を見て、
「どうやらその方は病気のようですね どうぞお入りください」
そういって屋敷の奥に消えていく少女を追うように大河は永遠亭に入って行った。
 
前回のご指摘を踏まえて
登場人物の台詞・口調などを工夫してみたつもりですがどうでしょうか?
まだまだ未熟な点があると思いますので、どうぞご指摘の方よろしくお願いします。
八雲川
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コメント



0.160簡易評価
3.50名前が無い程度の能力削除
文章自体は第一話に比べ大分東方らしくなってきたと思います
でも阿求の家ってお付きの人とかいるはずだから居候の描写がおかしい気が…
あとまだ墨の事を知らないはずの大河が「墨じゃの」と答えるのも変だし
伝染病の下りも唐突すぎて違和感バリバリです
次からは作品内の整合性にも気を付けてください
7.無評価名前が無い程度の能力削除
三点リーダ
「……」を使うようにしましょう。
一気に読みやすくなります
8.無評価名前が無い程度の能力削除
纏めて投稿してほしい。