目覚ましのベルが鳴る。彼女―霊烏路空は目を覚ました。
「・・・・」
時計を見る。しかし、寝ぼけすぎてて時間が分からない。そして、二度寝した。
目覚ましのベルが再びなる。霊烏路空は再び目を覚ました。
「・・・眠い」
そうポツリとつぶやきながら今度はなんだかんだでベッドから降りる。また寝たいぐらいなのだが、時計を見ればそんな時間は無かった。
いつもの衣装に着替え、食堂へと向かう。食堂にはこれまた眠そうなペット達がたくさんいた。燐の姿は無い。先に仕事に行ったのだろうか。
「カァ!カァ!(おくー!おくー!おはよう!)」
「カァ!カァ!(おそよう!)」
未熟な地獄鴉達が鴉語で空に挨拶する。他の妖怪には分からないような鴉語でしか彼らはまだ伝えられない。
未だに何かを伝えたいならさとりを通すか、空を通すかのどっちかだ。
「おはよう、おくう。おりんちゃん達ならもう先行ったよ。さっさと飯食べちまいな」
そんなとても理解不能な会話があふれかえる食堂の中、人の言葉で空は呼ばれた。
食堂を仕切っているおばちゃんだ。彼女もまた地霊殿に住む動物が人の姿になったものだ。
「あ、おばちゃん。今日は何?」
「目玉焼きさ。早く食わなきゃ他の妖怪たちに食べられっちまうよ」
「それは勘弁!」
おばちゃんに急かされた空は急いで食事を受け取ると、これまた急いで朝食をかきこんだ。
▼
「よっ」
「あっ、お燐」
「今日はおゆっくりで」
急ぎで朝飯を食べ終え、仕事場に向かう。その道中に親友―燐に出会った。
燐の押している猫車には既に死体が山積みになっていた。状態のきれいなもの。最早、ほんとに死体なのかすら分からないもの。さまざまだ。
「いやあ、朝から集めるねぇ」
「今日はなんか早く起きちゃったからね、朝一に集めちゃったよ」
「真面目だね、おりん」
「まあね」
実は昨日も同じようなシチュエーションで同じような会話をしたのだが。
一応試しに覚えてみるか聞いてみた。
「・・・実は昨日も早起きしたんだけどなあ」
「そうなの?」
「・・・」
聞くだけ無駄だった。
燐が空と知り合いもう何年も立つ。姿、力はどんどん成長しているというのに、
頭だけはほとんど変化が無い。
もうこういうのに期待するのはやめよう。そう燐は決めた。
「じゃ、またあとで!」
「はいはい」
空は元気に自らの持ち場へと一足先に向かった。
その後ろ姿を見ながら「でもまた聞いちゃうんだよな」と思う。
幾度となく聞いて、忘れられて、あきらめて、あきれて、
それでもまた覚えているか聞いてしまう。
自分も空と変わらない頭かもしれない、何度も決めて何度も忘れているのだから。
燐はそんな発想をした自分に少し苦笑いを浮かべながら、自らも仕事場へと戻った。
▼
「今日は暇だなあ」
空は暇をしていた。
たまに様子見て、ちょっと火力をいじるだけの簡単すぎる作業。
絶妙な火力調整といえばそうなのだが、絶妙すぎてつまらない。
誰か来ないかな。神様とか巫女とか。
そんなことを考える。しかし、考えていても暇な事にはかわりない。
「よしっ、切り上げちゃお!」
あんまりにも暇なので仕事を早くに切り上げる事に決めた。もちろん独断である。
長年やっていることなので、早く切り上げてもいいかどうかはだいたい分かる。
「さあみんな!今日はもう任せるよー!暇だしー!」
地獄鴉仲間にそう呼びかける。すると一斉にその地獄鴉たちも仕事をやめる。
真面目に残って管理する鴉は数えられるぐらいでった。
実は前にも独断で早く切り上げて、主人に怒られているのだが
空含め、地獄鴉達はもう覚えてないのであった。
▼
「さ、外に行こうっと!」
「待った」
外に向かおうとする空を偶然居合わせた燐が止める。
「あっ、おりん!おりんも仕事終わったの?」
空は燐も一緒に外に行きたいと思って呼び止めたと思っているが、燐にはそんな気はない。
「仕事?まだだよ。おくうだって終わってないんじゃないの?」
「え?ああ、仕事ないから切り上げた」
「あのね・・・この前怒られたの・・・覚えてるわけないよね」
「大丈夫大丈夫。私が大丈夫っていうから大丈夫」
根拠が無い+信憑性のない言葉ばかりだ。
「まあ、そんな大丈夫って言うなら行って来れば?」
しかし、許可を出した。この言葉を後に付け加えて
「行けるならの話だけど」
▼
燐が朝一に死体を獲りに行けるのだから、きっと地上はいい天気。悪かったとしてもせいぜい小雨ぐらいだ。
空がそう考えていた幻想郷の天候は
地上へと繋がる穴が軽い滝となっているほどの豪雨。
木々が揺れる音がまだ出ていないにも関わらず聞こえてしまう暴風。
近くに雷を使える人でもいるんじゃないのかと思うほどの落雷。
幻想郷は間違いなく悪天候極まりなかった。
「うわあ・・・」
流石にこれだけ天気が悪いと行く気が失せる。燐はこの天候の中を行ったのだろうか
空は仕方がなく帰って行った。
▼
「ん?お早い事で」
分かっていた雰囲気のある燐達が空を迎える。
「もう、教えてよ!あんな天気悪いだなんて!」
「あたいが朝漁りに行ったときはただの曇りだったんだけどなあ」
「ほんとに!?」
「ほんとだよ」
朝一に向かった時点では曇りだったのは本当。
しかし、燐は空と別れた後、もう一度死体を回収しに外に向かおうとしていた。その時にとんでもない天候だと知った。
仕方なく戻った時、仕事を早く切り上げ外に向かおうとしている空と出会った。
「うにゅう・・・仕方ないから仕事場に戻ろう」
空はなんで燐が天候悪い事を知っているかなんて疑わずに、さらに落ち込んだ。そしてトボトボと元気なく仕事場へと向かった。
元気ない後ろ姿はなんだかかわいそうだったので、燐は提案した。
「おくう、仕事終わったら遊んであげるからさ」
なんでもない事だ。こんなこといちいち言わずとも仕事が終わったら二人は遊んでいる。が、
「ほんとに!?」
空は輝く瞳で燐の方を振り向いた。
「うん、あと真面目に働いたらね」
「ほんとに!?」
条件つけてもこれである。あまりの操作の軽さに燐は苦笑いしながら
「ほんとに」
と答える。空には苦笑いが苦笑いには見えなかった。
「わたしがんばる!」
空はものすごいスピードで仕事場に戻った。
「軽いなあ・・・」
「水素は重いのにね」
燐達は高速で戻る空を生あたたかい目で眺める。
「そんなうまくもないこといって・・・ってうわ、こいし様!?」
気がづけば、燐の隣にこいしがいた。
「この天気じゃふらつけないから今日は一日仕事場をまわっていたよ。それにしても気づくの遅いよ。まだまだ修行がたりないね」
こいしは相変わらずの何考えてるか分からない笑みで燐の隣から離れる。
「そ、そうですか。それよりなんの脈略も無しに突然現れないでください。お願いします」
「ふふふ、じゃまたね~」
こいしは自由奔放にどこかに行ってしまった。
▼
「ふああ、遊んでたら眠くなってきちゃった・・・」
「そりゃ、あんたあんだけ騒いだらね・・・」
空は遊び疲れて寝っころがる。燐はやっと落ち着いたか、とひとまず安心する。
仕事終わりの空のテンションの高さは半端ではなかった。
燐は簡単に操作しすぎたな、とちょっと後悔した。
仕事が暇だったのと、外に行けなかった鬱憤を晴らすかのように燐は振り回された。
ぶっちゃけ、眠いのは燐も同じではあるのだが、ひとまずこのハイテンション八咫烏をどうにかしようと考えると寝れない。
普段から子供っぽい思考で動いているが今日は一層子供っぽかったなと思う。
そんな事を考えていると疲れがどっと来た。燐も一緒になって寝っころがった。
寝ると今度は眠気に襲われた。半端ない眠気だ。
が、あるものを思い出して燐の眠気は飛んだ。
「あっ!?」
思わずそんな声をあげて、空を揺さぶり起こす。
「なぁに?」
もうほとんど眠っていたのか、空は寝ぼけた声で答える。
「日記!日記書いてないでしょ!?」
「あ・・・」
寝ぼけた声だが、どうやら思い出したには思い出したようだ。昨日渡されたばかりなのに早速忘れては主人になんて報告すれば
「・・・明日書く」
「おくうは忘れるでしょ!?」
「でも、もう眠い・・・」
「お、おくう・・・書いたら一緒に寝てあげるから、ね?」
寝ぼけた目で燐を見つめる。大人っぽい長身の体から、子供の目線で燐を見る。
流石に駄目か、もうこの子寝そうだ。そう思った矢先だった。
「ほんとに!?やった!」
空の目がぱっちり開き、自分の机に向かうとまだ真っ新なページを開き、もくもくと書き始めた。
その姿、受験生である。
「できた!」
「お!見せて見せて」
速攻で書き上げ、燐に見せた。
水ようび
きょうは仕事がヒマだったから、はやくきりあげた。
でも、外はおおあめであそべなっかった。
でも、お燐が仕事がんばったらあそんであげるといったので、すっごくがんばりました。
そのあと、おりんとたくさんあそびました。おりんがいっしょにねてくれるので、きょうはおりんとずっと一緒です。
小論文を書く受験生みたいな雰囲気から繰り出されるはいつも通りすぎる子供の作文。
「じゃ、おりん寝よう!」
「あ、うん」
あんな雰囲気だったから少しは期待した燐は期待するだけこの方面は無駄だなと思いながら空と一緒のベッドに入った。
先にベッドに入った空は既に目を閉じていた。一緒に入らなくとも気づかないんじゃないかと思ったが、かわいそうだと思って、燐も目を閉じた。
霊烏路空の慌ただしい一日が終わった。
「・・・・」
時計を見る。しかし、寝ぼけすぎてて時間が分からない。そして、二度寝した。
目覚ましのベルが再びなる。霊烏路空は再び目を覚ました。
「・・・眠い」
そうポツリとつぶやきながら今度はなんだかんだでベッドから降りる。また寝たいぐらいなのだが、時計を見ればそんな時間は無かった。
いつもの衣装に着替え、食堂へと向かう。食堂にはこれまた眠そうなペット達がたくさんいた。燐の姿は無い。先に仕事に行ったのだろうか。
「カァ!カァ!(おくー!おくー!おはよう!)」
「カァ!カァ!(おそよう!)」
未熟な地獄鴉達が鴉語で空に挨拶する。他の妖怪には分からないような鴉語でしか彼らはまだ伝えられない。
未だに何かを伝えたいならさとりを通すか、空を通すかのどっちかだ。
「おはよう、おくう。おりんちゃん達ならもう先行ったよ。さっさと飯食べちまいな」
そんなとても理解不能な会話があふれかえる食堂の中、人の言葉で空は呼ばれた。
食堂を仕切っているおばちゃんだ。彼女もまた地霊殿に住む動物が人の姿になったものだ。
「あ、おばちゃん。今日は何?」
「目玉焼きさ。早く食わなきゃ他の妖怪たちに食べられっちまうよ」
「それは勘弁!」
おばちゃんに急かされた空は急いで食事を受け取ると、これまた急いで朝食をかきこんだ。
▼
「よっ」
「あっ、お燐」
「今日はおゆっくりで」
急ぎで朝飯を食べ終え、仕事場に向かう。その道中に親友―燐に出会った。
燐の押している猫車には既に死体が山積みになっていた。状態のきれいなもの。最早、ほんとに死体なのかすら分からないもの。さまざまだ。
「いやあ、朝から集めるねぇ」
「今日はなんか早く起きちゃったからね、朝一に集めちゃったよ」
「真面目だね、おりん」
「まあね」
実は昨日も同じようなシチュエーションで同じような会話をしたのだが。
一応試しに覚えてみるか聞いてみた。
「・・・実は昨日も早起きしたんだけどなあ」
「そうなの?」
「・・・」
聞くだけ無駄だった。
燐が空と知り合いもう何年も立つ。姿、力はどんどん成長しているというのに、
頭だけはほとんど変化が無い。
もうこういうのに期待するのはやめよう。そう燐は決めた。
「じゃ、またあとで!」
「はいはい」
空は元気に自らの持ち場へと一足先に向かった。
その後ろ姿を見ながら「でもまた聞いちゃうんだよな」と思う。
幾度となく聞いて、忘れられて、あきらめて、あきれて、
それでもまた覚えているか聞いてしまう。
自分も空と変わらない頭かもしれない、何度も決めて何度も忘れているのだから。
燐はそんな発想をした自分に少し苦笑いを浮かべながら、自らも仕事場へと戻った。
▼
「今日は暇だなあ」
空は暇をしていた。
たまに様子見て、ちょっと火力をいじるだけの簡単すぎる作業。
絶妙な火力調整といえばそうなのだが、絶妙すぎてつまらない。
誰か来ないかな。神様とか巫女とか。
そんなことを考える。しかし、考えていても暇な事にはかわりない。
「よしっ、切り上げちゃお!」
あんまりにも暇なので仕事を早くに切り上げる事に決めた。もちろん独断である。
長年やっていることなので、早く切り上げてもいいかどうかはだいたい分かる。
「さあみんな!今日はもう任せるよー!暇だしー!」
地獄鴉仲間にそう呼びかける。すると一斉にその地獄鴉たちも仕事をやめる。
真面目に残って管理する鴉は数えられるぐらいでった。
実は前にも独断で早く切り上げて、主人に怒られているのだが
空含め、地獄鴉達はもう覚えてないのであった。
▼
「さ、外に行こうっと!」
「待った」
外に向かおうとする空を偶然居合わせた燐が止める。
「あっ、おりん!おりんも仕事終わったの?」
空は燐も一緒に外に行きたいと思って呼び止めたと思っているが、燐にはそんな気はない。
「仕事?まだだよ。おくうだって終わってないんじゃないの?」
「え?ああ、仕事ないから切り上げた」
「あのね・・・この前怒られたの・・・覚えてるわけないよね」
「大丈夫大丈夫。私が大丈夫っていうから大丈夫」
根拠が無い+信憑性のない言葉ばかりだ。
「まあ、そんな大丈夫って言うなら行って来れば?」
しかし、許可を出した。この言葉を後に付け加えて
「行けるならの話だけど」
▼
燐が朝一に死体を獲りに行けるのだから、きっと地上はいい天気。悪かったとしてもせいぜい小雨ぐらいだ。
空がそう考えていた幻想郷の天候は
地上へと繋がる穴が軽い滝となっているほどの豪雨。
木々が揺れる音がまだ出ていないにも関わらず聞こえてしまう暴風。
近くに雷を使える人でもいるんじゃないのかと思うほどの落雷。
幻想郷は間違いなく悪天候極まりなかった。
「うわあ・・・」
流石にこれだけ天気が悪いと行く気が失せる。燐はこの天候の中を行ったのだろうか
空は仕方がなく帰って行った。
▼
「ん?お早い事で」
分かっていた雰囲気のある燐達が空を迎える。
「もう、教えてよ!あんな天気悪いだなんて!」
「あたいが朝漁りに行ったときはただの曇りだったんだけどなあ」
「ほんとに!?」
「ほんとだよ」
朝一に向かった時点では曇りだったのは本当。
しかし、燐は空と別れた後、もう一度死体を回収しに外に向かおうとしていた。その時にとんでもない天候だと知った。
仕方なく戻った時、仕事を早く切り上げ外に向かおうとしている空と出会った。
「うにゅう・・・仕方ないから仕事場に戻ろう」
空はなんで燐が天候悪い事を知っているかなんて疑わずに、さらに落ち込んだ。そしてトボトボと元気なく仕事場へと向かった。
元気ない後ろ姿はなんだかかわいそうだったので、燐は提案した。
「おくう、仕事終わったら遊んであげるからさ」
なんでもない事だ。こんなこといちいち言わずとも仕事が終わったら二人は遊んでいる。が、
「ほんとに!?」
空は輝く瞳で燐の方を振り向いた。
「うん、あと真面目に働いたらね」
「ほんとに!?」
条件つけてもこれである。あまりの操作の軽さに燐は苦笑いしながら
「ほんとに」
と答える。空には苦笑いが苦笑いには見えなかった。
「わたしがんばる!」
空はものすごいスピードで仕事場に戻った。
「軽いなあ・・・」
「水素は重いのにね」
燐達は高速で戻る空を生あたたかい目で眺める。
「そんなうまくもないこといって・・・ってうわ、こいし様!?」
気がづけば、燐の隣にこいしがいた。
「この天気じゃふらつけないから今日は一日仕事場をまわっていたよ。それにしても気づくの遅いよ。まだまだ修行がたりないね」
こいしは相変わらずの何考えてるか分からない笑みで燐の隣から離れる。
「そ、そうですか。それよりなんの脈略も無しに突然現れないでください。お願いします」
「ふふふ、じゃまたね~」
こいしは自由奔放にどこかに行ってしまった。
▼
「ふああ、遊んでたら眠くなってきちゃった・・・」
「そりゃ、あんたあんだけ騒いだらね・・・」
空は遊び疲れて寝っころがる。燐はやっと落ち着いたか、とひとまず安心する。
仕事終わりの空のテンションの高さは半端ではなかった。
燐は簡単に操作しすぎたな、とちょっと後悔した。
仕事が暇だったのと、外に行けなかった鬱憤を晴らすかのように燐は振り回された。
ぶっちゃけ、眠いのは燐も同じではあるのだが、ひとまずこのハイテンション八咫烏をどうにかしようと考えると寝れない。
普段から子供っぽい思考で動いているが今日は一層子供っぽかったなと思う。
そんな事を考えていると疲れがどっと来た。燐も一緒になって寝っころがった。
寝ると今度は眠気に襲われた。半端ない眠気だ。
が、あるものを思い出して燐の眠気は飛んだ。
「あっ!?」
思わずそんな声をあげて、空を揺さぶり起こす。
「なぁに?」
もうほとんど眠っていたのか、空は寝ぼけた声で答える。
「日記!日記書いてないでしょ!?」
「あ・・・」
寝ぼけた声だが、どうやら思い出したには思い出したようだ。昨日渡されたばかりなのに早速忘れては主人になんて報告すれば
「・・・明日書く」
「おくうは忘れるでしょ!?」
「でも、もう眠い・・・」
「お、おくう・・・書いたら一緒に寝てあげるから、ね?」
寝ぼけた目で燐を見つめる。大人っぽい長身の体から、子供の目線で燐を見る。
流石に駄目か、もうこの子寝そうだ。そう思った矢先だった。
「ほんとに!?やった!」
空の目がぱっちり開き、自分の机に向かうとまだ真っ新なページを開き、もくもくと書き始めた。
その姿、受験生である。
「できた!」
「お!見せて見せて」
速攻で書き上げ、燐に見せた。
水ようび
きょうは仕事がヒマだったから、はやくきりあげた。
でも、外はおおあめであそべなっかった。
でも、お燐が仕事がんばったらあそんであげるといったので、すっごくがんばりました。
そのあと、おりんとたくさんあそびました。おりんがいっしょにねてくれるので、きょうはおりんとずっと一緒です。
小論文を書く受験生みたいな雰囲気から繰り出されるはいつも通りすぎる子供の作文。
「じゃ、おりん寝よう!」
「あ、うん」
あんな雰囲気だったから少しは期待した燐は期待するだけこの方面は無駄だなと思いながら空と一緒のベッドに入った。
先にベッドに入った空は既に目を閉じていた。一緒に入らなくとも気づかないんじゃないかと思ったが、かわいそうだと思って、燐も目を閉じた。
霊烏路空の慌ただしい一日が終わった。
あと三点リーダーは「・・・」より「…」の方が読みやすくなって良いですよ。
日記の部分ですが、「お燐」「一緒」の2つの単語が漢字だったり平仮名だったりしているのに違和感があります。