「おはよーございまーす!!!!!!」
命蓮寺どころか人里にまで、響子の声が響きわたる。
朝6時。命蓮寺の朝は早い。
「・・・っうっさいなあ」
人里に響く響子の声、命蓮寺内の音量は当然凄まじい。嫌が応にも目は覚める。
だがしかし、眠い。とにかく眠い。聖がうるさいが、まあ説教の一つや二つ。聞き流せばいい。寝よう。
「響子」
聖がぬえの枕元で指示をする。
「はい!おっはようございまああああす!!!!!」
「!?!?!?!?」
聖はうるさくなかった。本当にうるさかったのは・・・
なんだか分からない。自分の鼓膜を消し飛ばしたのは誰か、キーンと延々響く脳では彼女は考えられなかった。
▼
「はあ、鼓膜がほんとに無くなるかと思った・・・」
一応、聴力の復活した耳ではあるが、未だに痛い。頭にもキーンとまだ響いている。
「やあ」
ばったりナズーリンに出会った。
「ああ、ナズ」
「ハハッ、今日はいい目覚めかい?」(また、罰食らってるよこいつ)
「?
あ、ああ、そんなわけないじゃん」
なんか聞こえた。まあ、気のせいか
「少しは真面目にしたらどうだ。修行も含めて」(どうせ、聞かないだろうな。こいつは)
「??
や、やだね、私は私だよ、別に修行やるとはいってないし」
またなんか聞こえた。
(やっぱりか・・・聖もなぜこんなやつを。
こっちはダメ虎の世話もしてやらんといけないのに・・・)
聞こえる。なんか、「真面目にやらないなら出てけよ」みたいな欲が聞こえる。
「じゃあ、また。私は宝塔を探しに行かなきゃいけない」
「あ、うん、じゃあ」
帰り際にまたなんか聞こえた気がする。じゃあな、中途半端。そんな事が聞こえたような気がする。
どうしてしまったのだろうか、この耳は。いや、気のせい。気のせいに違いない。これは、気のせいだ。
ぬえはそう心に言い聞かせた。
▼
「あはははは!なにその髪型~!」
「あなた、本心で言っているみたいですね・・・」
ぬえは妖怪の山付近をなんとなくぶらついていた。
が、そこで出会ったのは、東風谷早苗だ。危機を本能で感じ逃げようとしたが、妙に彼女に力が無い。それに退治したいのにできないみたいな事も聞こえた。そんな早苗の髪型は
「え?なに?神子の真似してんの!?あんた!」
「こんな耳じゃなければ今すぐにでも退治してやるのにい・・・」
神子のように大きなキツネ耳のようなものとなっていた。さらには耳あてまで。もはやコスプレである。
それが可笑しくって笑っていたのだが、ぬえは耳という言葉に引っ掛かった。
「って、耳?」
「ええ、なんか神子さんみたいによく聞こえる耳になったと思ってたら、髪型までこんな感じになっちゃって・・・
ってあなたも同じようですね」
「はあ?ま、まあ、なんか変なのが確かに聞こえるけど・・・」
「変なのが聞こえる。それが始まりですよ」
「え?ええっ?」
早苗が話さなくともここまでの経緯、そしてどうなったのか、それらがどんどん聞こえる。
ある日起きたら、聞こえるようになっていて、そこからどんどんひどくなって、さらには徐々に髪型が変わり、さらには耳あてをするようになり、そして今に至るという。
「まあ、こんな感じですよ・・・私はこれから永琳先生の元に向かいます。あなたもどうですか?」
「えっ、いや、私はいいや」
「そうですか、ではこれにて」
早苗は急ぐように永遠亭に向かった。
ぬえは言った通りに何もしないつもりだったが、一応見に行くだけ行ってみようと、こっそりとついて行った。
▼
「あらあら、早苗さん。あなたも?」
永琳は軽く診察して早苗にまず一言。そう述べた。
「最近多いのよねえ、その症状。感染症かしら?」
「多いんですか?」
「ええ。ちなみにこれ進むとこうなるわよ。」
そういって、永琳が早苗に見せたのは
神子の服を着て、十人の話を聞いている大男の姿だった。
「こ、これは・・・」
「この謎の症状の末期症状よ」
「せ、先生!?な、なんとか!?」
「できるわ。まあ、ちょっと痛いわ」
「いやあああああああ!!!!」
隠れて聞いていたぬえは末期症状なんてどうでもよくなるぐらい怖くなって急いで逃げた。
▼
(うわっ、鵺だ)
聞こえる。
(また、聖様に怒られたらしいぞ・・・)
聞こえる。
(ぬえちゃんチュッチュッ)
聞こえる。
(お前はここで終わりだがな)
聞こえてしまう。
ぬえは人里をふらついていた。しかし、どうしてか異常なまでに聞こえてしまう。
気持ち悪い。率直な感想がそれだ。聞きたくないから、耳をふさぐ。少しはマシになるがやはり聞こえてしまう。
もう、帰りたい。帰ろう。しかし、あまりの気持ち悪さに力が入らない。ふらつくように命蓮寺に向かって歩くのが精一杯だ。
せめて、誰もいないような、静かな静かな場所に
が、しかし、力尽きた。人里の道の真ん中で彼女は倒れた。
意識が朦朧とする。朦朧とするが、それでもなお聞こえてしまう。
もう、何も考えられない。ありとあらゆる欲を聞きながら彼女の意識は無くなった。
▼
「ん・・・」
「ぬえ?起きたの?良かった」
ぬえは目が覚めた。
命蓮寺の天井だ。そして白蓮の優しい声が耳に入ってくる。
ぬえは安心
「ああ、ひじr・・・・!?」
「ぬえも同じだったのね」
しなかった。白蓮の髪が神子のものだ。
「ひ、ひ、聖!その髪型は!?」
「ああ、豊聡耳様のものと同じ、私も選ばれた者となったのです」
「豊聡耳”様”!?」
「みんな、ぬえが起きましたわ」
白蓮の呼びかけにみんなが集まる。普通なら心があったまるのに、
あったまらない。冷える。
みんな豊聡耳ヘアーだ。
ナズの鼠耳も、星の虎耳も、マミゾウの狸耳も、みんな
響子の犬耳も立っていると思えば、
雲山まで頭部の雲の形が変わっている。一輪も頭巾を外せば
みんな豊聡耳ヘアー
「み、みんな、どどどうしちゃったんだ!?」
「落ち着きなさいよ、ぬえ」
そう、怖がるぬえの顔に顔を近づけるのは村紗だ。村紗はZUN帽被っているから、髪型がどうなっているかは分からない。最後の最後の希望だ。村紗だけが最後の
「ほら、これ見たら落ち着くかな?」
「村紗ぁ!?」
希望なんてなかった。帽子を外してもらいたくなかった。
「そんなに怖がらないでください、ぬえ」
自分の宗教はどこへ行った。白蓮は完全に変わっていた。
逃げよう。逃げなきゃダメだ逃げなきゃダメだ逃げなきゃダメだ。
ぬえは正体不明の能力を使って、逃げようとした。が、
「逃げたいという欲がまる聞こえです」
「君は実に馬鹿だ」
星とナズに抑えられ、そして逃げることなどかなわないほどに完全に囲まれた。
「み、みんなどうしたの!?ねえ、みんな!?」
「どうかしているのは君の方だ。これを見るんだ」
ナズはぬえを抑えながら鏡を見せた。そこに写ったぬえの髪型は
豊聡耳ヘアーだ。
「うわあああああああ」
▼
「あああああああああああっ!?」
ぬえはガバッと目を覚ました。そして辺りを見回す。
横には白蓮と響子がきょとんとした様子で枕元に座っていた。
いつもの髪型だ。安心してぬえは少し涙目になる。
そして急いで洗面所に向かった。
「い、いつもの髪型だ!やったいつもの髪型だ!」
ちょっと寝癖がついているがいつもの髪型だ。
ぬえは喜んで、朝飯を食べにみんなが待つであろう居間へと向かった。
「まったく昨日は大変でしたわ」
「叫び声私より大きかったかも」
「さ、今日も豊聡耳様を信仰しましょう」
命蓮寺どころか人里にまで、響子の声が響きわたる。
朝6時。命蓮寺の朝は早い。
「・・・っうっさいなあ」
人里に響く響子の声、命蓮寺内の音量は当然凄まじい。嫌が応にも目は覚める。
だがしかし、眠い。とにかく眠い。聖がうるさいが、まあ説教の一つや二つ。聞き流せばいい。寝よう。
「響子」
聖がぬえの枕元で指示をする。
「はい!おっはようございまああああす!!!!!」
「!?!?!?!?」
聖はうるさくなかった。本当にうるさかったのは・・・
なんだか分からない。自分の鼓膜を消し飛ばしたのは誰か、キーンと延々響く脳では彼女は考えられなかった。
▼
「はあ、鼓膜がほんとに無くなるかと思った・・・」
一応、聴力の復活した耳ではあるが、未だに痛い。頭にもキーンとまだ響いている。
「やあ」
ばったりナズーリンに出会った。
「ああ、ナズ」
「ハハッ、今日はいい目覚めかい?」(また、罰食らってるよこいつ)
「?
あ、ああ、そんなわけないじゃん」
なんか聞こえた。まあ、気のせいか
「少しは真面目にしたらどうだ。修行も含めて」(どうせ、聞かないだろうな。こいつは)
「??
や、やだね、私は私だよ、別に修行やるとはいってないし」
またなんか聞こえた。
(やっぱりか・・・聖もなぜこんなやつを。
こっちはダメ虎の世話もしてやらんといけないのに・・・)
聞こえる。なんか、「真面目にやらないなら出てけよ」みたいな欲が聞こえる。
「じゃあ、また。私は宝塔を探しに行かなきゃいけない」
「あ、うん、じゃあ」
帰り際にまたなんか聞こえた気がする。じゃあな、中途半端。そんな事が聞こえたような気がする。
どうしてしまったのだろうか、この耳は。いや、気のせい。気のせいに違いない。これは、気のせいだ。
ぬえはそう心に言い聞かせた。
▼
「あはははは!なにその髪型~!」
「あなた、本心で言っているみたいですね・・・」
ぬえは妖怪の山付近をなんとなくぶらついていた。
が、そこで出会ったのは、東風谷早苗だ。危機を本能で感じ逃げようとしたが、妙に彼女に力が無い。それに退治したいのにできないみたいな事も聞こえた。そんな早苗の髪型は
「え?なに?神子の真似してんの!?あんた!」
「こんな耳じゃなければ今すぐにでも退治してやるのにい・・・」
神子のように大きなキツネ耳のようなものとなっていた。さらには耳あてまで。もはやコスプレである。
それが可笑しくって笑っていたのだが、ぬえは耳という言葉に引っ掛かった。
「って、耳?」
「ええ、なんか神子さんみたいによく聞こえる耳になったと思ってたら、髪型までこんな感じになっちゃって・・・
ってあなたも同じようですね」
「はあ?ま、まあ、なんか変なのが確かに聞こえるけど・・・」
「変なのが聞こえる。それが始まりですよ」
「え?ええっ?」
早苗が話さなくともここまでの経緯、そしてどうなったのか、それらがどんどん聞こえる。
ある日起きたら、聞こえるようになっていて、そこからどんどんひどくなって、さらには徐々に髪型が変わり、さらには耳あてをするようになり、そして今に至るという。
「まあ、こんな感じですよ・・・私はこれから永琳先生の元に向かいます。あなたもどうですか?」
「えっ、いや、私はいいや」
「そうですか、ではこれにて」
早苗は急ぐように永遠亭に向かった。
ぬえは言った通りに何もしないつもりだったが、一応見に行くだけ行ってみようと、こっそりとついて行った。
▼
「あらあら、早苗さん。あなたも?」
永琳は軽く診察して早苗にまず一言。そう述べた。
「最近多いのよねえ、その症状。感染症かしら?」
「多いんですか?」
「ええ。ちなみにこれ進むとこうなるわよ。」
そういって、永琳が早苗に見せたのは
神子の服を着て、十人の話を聞いている大男の姿だった。
「こ、これは・・・」
「この謎の症状の末期症状よ」
「せ、先生!?な、なんとか!?」
「できるわ。まあ、ちょっと痛いわ」
「いやあああああああ!!!!」
隠れて聞いていたぬえは末期症状なんてどうでもよくなるぐらい怖くなって急いで逃げた。
▼
(うわっ、鵺だ)
聞こえる。
(また、聖様に怒られたらしいぞ・・・)
聞こえる。
(ぬえちゃんチュッチュッ)
聞こえる。
(お前はここで終わりだがな)
聞こえてしまう。
ぬえは人里をふらついていた。しかし、どうしてか異常なまでに聞こえてしまう。
気持ち悪い。率直な感想がそれだ。聞きたくないから、耳をふさぐ。少しはマシになるがやはり聞こえてしまう。
もう、帰りたい。帰ろう。しかし、あまりの気持ち悪さに力が入らない。ふらつくように命蓮寺に向かって歩くのが精一杯だ。
せめて、誰もいないような、静かな静かな場所に
が、しかし、力尽きた。人里の道の真ん中で彼女は倒れた。
意識が朦朧とする。朦朧とするが、それでもなお聞こえてしまう。
もう、何も考えられない。ありとあらゆる欲を聞きながら彼女の意識は無くなった。
▼
「ん・・・」
「ぬえ?起きたの?良かった」
ぬえは目が覚めた。
命蓮寺の天井だ。そして白蓮の優しい声が耳に入ってくる。
ぬえは安心
「ああ、ひじr・・・・!?」
「ぬえも同じだったのね」
しなかった。白蓮の髪が神子のものだ。
「ひ、ひ、聖!その髪型は!?」
「ああ、豊聡耳様のものと同じ、私も選ばれた者となったのです」
「豊聡耳”様”!?」
「みんな、ぬえが起きましたわ」
白蓮の呼びかけにみんなが集まる。普通なら心があったまるのに、
あったまらない。冷える。
みんな豊聡耳ヘアーだ。
ナズの鼠耳も、星の虎耳も、マミゾウの狸耳も、みんな
響子の犬耳も立っていると思えば、
雲山まで頭部の雲の形が変わっている。一輪も頭巾を外せば
みんな豊聡耳ヘアー
「み、みんな、どどどうしちゃったんだ!?」
「落ち着きなさいよ、ぬえ」
そう、怖がるぬえの顔に顔を近づけるのは村紗だ。村紗はZUN帽被っているから、髪型がどうなっているかは分からない。最後の最後の希望だ。村紗だけが最後の
「ほら、これ見たら落ち着くかな?」
「村紗ぁ!?」
希望なんてなかった。帽子を外してもらいたくなかった。
「そんなに怖がらないでください、ぬえ」
自分の宗教はどこへ行った。白蓮は完全に変わっていた。
逃げよう。逃げなきゃダメだ逃げなきゃダメだ逃げなきゃダメだ。
ぬえは正体不明の能力を使って、逃げようとした。が、
「逃げたいという欲がまる聞こえです」
「君は実に馬鹿だ」
星とナズに抑えられ、そして逃げることなどかなわないほどに完全に囲まれた。
「み、みんなどうしたの!?ねえ、みんな!?」
「どうかしているのは君の方だ。これを見るんだ」
ナズはぬえを抑えながら鏡を見せた。そこに写ったぬえの髪型は
豊聡耳ヘアーだ。
「うわあああああああ」
▼
「あああああああああああっ!?」
ぬえはガバッと目を覚ました。そして辺りを見回す。
横には白蓮と響子がきょとんとした様子で枕元に座っていた。
いつもの髪型だ。安心してぬえは少し涙目になる。
そして急いで洗面所に向かった。
「い、いつもの髪型だ!やったいつもの髪型だ!」
ちょっと寝癖がついているがいつもの髪型だ。
ぬえは喜んで、朝飯を食べにみんなが待つであろう居間へと向かった。
「まったく昨日は大変でしたわ」
「叫び声私より大きかったかも」
「さ、今日も豊聡耳様を信仰しましょう」
肝心の豪族達はどうなっているのか気になるw
気になった所がひとつ、永琳のセリフより
>「できるわ。まあ、ちょっと痛いわ」
“痛いけれど”の方が言葉の違和感がなくなるかと。
この説明文だと三人称っぽい印象なのですが、その2行あとの
>人里に響く響子の声、命蓮寺内の音量は当然凄まじい。嫌が応にも目は覚める。
ここで唐突に1人称に切り替わっています。そのわりに文章の主体がよくわかりません。
ちょっと、文章が読みずらいかなと思います。
でも話は好きでした!