Coolier - 新生・東方創想話

犯人は私!

2012/10/28 21:35:29
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1.

真夜中の魔法の森。
人も妖怪もあまり寄り付かぬこの土地の入口に、少し大きめの店が建っている。
名は『香霖堂』。店主である森近霖之助が己が趣味を全開に出している店である。
その品揃えは充実しており、外の世界から流れ着いたものから冥界から仕入れたものなど、普段行けないところから仕入れられた商品は一部客から大ウケなのだが、あまり一般ウケするような商品は扱っていないので(霖之助が普通の商品を置かないせいで)人間の里にいる、所謂一般客というものがいない。
この店に来るのは決まって変人ばかりである。人間じゃないこともままある(というよりも大半が人外のお客様だ)。
そんな一風変わった店の前に一人の『お客様』がいた。外見は年幼い少女のようであるが、笑うときにちらつかせる異様に発達した犬歯がその少女を只者ではないと思わせる。
正しく言えば只者ではなく、化物なのだが。
化物の目は虚ろで、笑い方も何だか恐ろしい風を見せる。
彼女は店先についていた錠前を顎の力だけで壊す。その力はまさに、化物であった。
そして彼女は静かに、入店する。


2.

気持ちのよい日差しが私の顔に当たり、私は目覚める。
外を見ると太陽が紅々としながら下りてゆく。紅い日差しをまき散らしながら、まもなく夜が訪れるということを教えてくれているようだ・・・・・・。
・・・?私は壁にかけてある時計を見てみる。午後5時を回ったところか。ふむ。
つまり計算してみると、私は15時間寝ていたことになる。
て、いやいや。いやいやいやいや。なにが『15時間寝ていたことになる。』だ。寝過ぎた、やってしまった。最近はここまでひどくはなかったはずなのに・・・。
いや、こんな事考えていても仕方ない。とりあえず食事をとろう。食事をしなくちゃ何事も始まらない、と思いながら私はとりあえず食べれるものはないか探してみた。
しかし私の家には食料が一つも置かれていなかった。別に驚くことではない。私は必要最低限の物しか置かない人間なのだ。食料なぞ蓄えるものではないと私は考えている。
別にお金がないとかそんなんじゃないわよ?
しかしこの状況では私の癖が裏目に出てしまった。昨日の内に買い出しに行っとけばよかったなんて思うが、昨日は仕事が急に入ってきてそんな暇なかったんだっけなどと思いだす。という事は私は昨日の夕飯から何も食べてないことになる。いけない、俄然お腹が減ってきた。とりあえず動ける今のうちに里のほうで食料を買ってこよう。いつもは一週間分買うのだが、いかんせんこの状況では持ち帰るのは一苦労だろう。とりあえず今日明日分の食料を買って、明日にまとめて一週間分買ってこよう。
とりあえずの予定をたてた私は寝間着から巫女服に着替え、買い物用の手持ち鞄を持ち、里の方に向かうため階段を降りる。
そういえばまだ自己紹介をしてなかったわね。
私の名前は博麗霊夢。主人公をやらせてもらってるわ。


3.

人間の里に降りると、人々が賑わいを見せていた。平穏の象徴のようなその姿を見ると、妖怪退治をしてこの人達を守っているような気になれ、少し誇らしげになれる。と同時に、この環の中に入ることは出来ないんだろうというちょっとした疎外感を感じる。
私はよく通うお団子屋さんでみたらしとアンコを1串ずつ買いその場から離れる。店内で食べることも出来るのだが、私は店自体には入らず、店頭で団子だけもらいどこか人のいない場所で食べることにしている。私が店の中に入ると、空気が凍るというか、食う気が失せるというか・・・・・・。
面白いかなと思いちょっとかけてみたもののあまりのつまらなさに少し落胆しつつ私は人気のない所を探す。
といっても今は夕方で、人の出入りが激しい。当然人気のないところが見つからない。
それだったら仕方ないと、私は別のお店で焼きたてだというせんべいを数枚買い、人間の里を離れ、魔法の森の方へ向かう。
目的地は『香霖堂』だ。霖之助さんのところに行ってお茶をもらいつつせんべいでも食べましょ。
私は歩きながら手持ち鞄の中に入れておいた団子を取り出す。団子の周りを笹で包んでいて、鞄の中に入れてもアンコや蜜がつかないようになっている。
笹の葉を開いてみるとアンコとあんみつが1串ずつでなく、2串ずつ入っていた。おじさんがサービスをしてくれたのだろう。ありがたやありがたや、と団子屋のおじさんを思い出しながら2,3度拝み倒した後、アンコの串を手に取り口に頬張る。
うん、甘くて美味しい。とても緑茶がいただきたくなる味だが、私の手元には湯のみがないのでどうしようもない。緑茶を自由に持ち運び出来る道具でも売ってないかしら・・・・・・。
口内が苦味を求めているが、そんな事お構いなしに私は歩きながら団子を頬張る。
このままのペースだと香霖堂につく頃にはなくなってしまうだろうが気にすることはない。そのために私はせんべいを持って行くんだから。なんて考えていたら、早速一本食べきってしまった。
それでは次に、みたらし団子でも。


4.

香霖堂に入ると、中にはこの店では普段考えられないほどの人数が来店されていた。と言っても、私を含めて7人ほどなんだけど。
とりあえず中にいるメンバーを確認してみる。
一番奥にいるのは店主の霖之助さんで、その近くにいるのが魔理沙。二人で何か話しているみたい。魔理沙の隣にはアリスが机の上に置かれている小物を見てるわね。
店に入って右側の窓には咲夜と文がいる。なかなか珍しい二人組ね。それより咲夜は紅魔館に居なくていいのかしら。もうすぐ夜だというのに。
その二人の向かい側にはルーミアがいた。この店で見るのは初めてだけど、彼女もこのお店の常連なのかしら?
と、一通り紹介を終えたところで、魔理沙が私に近づき話しかけてくる。
「お、霊夢。遅かったじゃないか!」
遅かった?魔理沙とこの店で会う約束なんてしていたかしら?
「約束も何も、さっき神社まで行って伝えたじゃないか。すぐに香霖堂に来てくれってよぉ、そしたら霊夢も[うーん、わかったわかった]って言ってたじゃないか」
さっき?さっきっていつよ。
「さっきはさっきだぜ。大体お日様が山に入るかどうかってところだったか」
という事は、私が起きる少し前ってところかしら。日差しが私の顔面に当たったのは、魔理沙が私の部屋の襖を開けたまま出ていったからせいね。
「何だ霊夢、あの時寝てたのか。全然わからなかったぜ。まあそんなことはいいや、霊夢はちゃあんとここに来てくれたんだからな。それじゃあ香霖、早速教えてもらおうじゃないの。私達をここに呼んだわけを」
魔理沙は視点を私から霖之助さんに向け話し始める。前に後ろに忙しい人だこと。
「・・・それじぁあ、話させてもらおう」
霖之助さんはそう言いながら私達にもっと集まるように言ってくる。別に断るわけもないので霖之助さんを中心に半円状に固まる。
「実は昨日の深夜、誰かがこの店に侵入して僕の大切な商品を奪ったみたいなんだ」
なんと。このお店に盗みに入るような勇気ある者がいるとは。
「その商品は昨日仕入れたばかりの物で、しかも一見すると商品には到底見えないものなんだ。それを考慮して僕はその日来た人達にはそれが商品だと説明していたんだ。だから、それが商品だと分かる人は、昨日、僕の店に訪れた人だけなんだ。なにを言いたいか、わかってもらえるかい?」
「おいおい、それは私達の中にその商品を盗んだ奴がいるんじゃねえかって疑ってるってわけかい?」
「疑ってなどいない。確信しているよ。この中に、盗人がいる」
盗人、その単語だけを取り出すと一番似合うのは彼女ねぇ。なんて言いながら私は魔理沙をチラッと見てみる。もちろん冗談半分だ。この店で無断で盗みを働くということがどういうことか、彼女ならわかってるはずだから。
「なんだよ、私が犯人だって言いてぇのかよ?」
別にぃ。
「こらこら、いきなりそこで揉めないで。そういうのをなくすために、僕はここに集まってもらい、この場で解決させたいって思ってるんだから」
と言いながら霖之助さんは居住まいを正す。ここからが本番のようだ。
「昨日、僕が店を閉めたのが午後9時を回った頃で、その後色々と片付けて床についたのが日付が回って間もないころだった。作業をしてる間に変な音や、気配なんかはなかった。そこから僕は『犯行は深夜に行われた』と断定付けたんだ。だから僕が君たちに聞きたいのは『その後』のことなんだ。君たちは日付が回ったあたり、いやそこまで正確じゃなくて構わない。とにかく深夜、君たちがどんなことをしていたか教えてもらえないか?」
霖之助さん、その前に訪ねたいことがあるんだけど。
私は霖之助さんに質問をする。
さっきから霖之助さんが言ってる『盗まれた商品』なんだけど、私よく覚えてないのよね。良ければどんな商品化、もう一度教えてくれないかしら?
そう尋ねると、咲夜と魔理沙がウンウンと頷いていた。どうやらこの二人も全くもって分かっていないらしい。魔理沙の隣にいたアリスは呆れ顔で魔理沙の方を見つめていた。
「・・・それじゃあ、説明しよう」
霖之助さんは私達が商品について何も知らないということに少々落ち込みながらも、説明を始めてくれた。
「それの見た目は只の石ころなんだ。だけどその見た目とは裏腹にその石のエネルギーはすごくてね、使い方がわかれば魔力や霊力、それに曖昧で力の定義付けがはっきりできない妖力なんかも跳ね上がるみたいなんだ」
「石ころなら私も持ってるぞー」
と言いながらルーミアは辛抱たまらなくなったのか、宙に浮き始めた。霖之助さんはこれをスルーし話を再開する。
「一応商品とはいったけれど、僕はそれを売る気は全くなかったんだ。使い方がわかればそれを使ってパソコンを動かせるかもしれないんだからね、手放すわけにはいかなかった。その事を君たちに伝えたはずなんだけど、君たちは覚えてなかったみたいだね。全く悲しい限りだ」
霖之助さんはトホホというような表情を浮かべる。ごめんなさいネ。
だけどいまの説明で思い出せた。確かに昨日、そんな説明を聞いたことを。今のは簡潔に話してくれたけど、昨日はそれを発見した時から始まる20分近い説明だったもんだから忘れていた。というより、話を上辺だけで聞いてたきがする。
事情はわかったわ。それじゃあ昨日の深夜、どうしたか話せばいいのね?
正直あなた一人で勝手に探してなさいなんて思うけれど、このまま帰ればなんか私が一番怪しい存在になってしまうから私は話をすすめる。
「ああ、言うなればアリバイ調査ってやつだ。疑わしく思われないような事情説明をお願いするよ」
なんでちょっと上から目線なのよ。
これは心のなかで留めておいた。


5.

私の昨日の行動はこうだった。
昨日の夕飯を済ませた直後、私は里の人からの情報を頼りに最近不審な動きを見せているという妖怪を探し回っていた。
なんと、人間にあっても襲ってこず、只々こちらを睨みつけるという。
その妖怪の風貌から察するに妖怪の正体はルーミアなのだが、彼女がなぜ人間を襲わないのか。いや、人間を襲わないことはそれは素晴らしいことなのだが、何か違和感がある。普段見かけるルーミアとは何かが違うそうなのだ。それがまるで、嵐の前の静けさのように思えて仕方ないというのが人間の結論だった。
そこまで深く気にしなくても、いいんじゃなかなぁ。というのが私の率直な感想だったのだが、言わないでおいた。あんな所で無駄に討論を繰り広げたくなかったのだ。
私はとりあえずルーミアが出没するポイントを見て回ることにした。
点々と探しまわった結果、彼女は湖の近くで水遊びをしていた。彼女のよくやる遊びの一つである。
彼女は普段と変わらず笑顔のまま水と戯れていた。別段、変わった様子も見受けられない、まったくもっていつも通りである。おもしろくない。
私はとりあえず彼女に里の人間を見つけても睨みつけないように。ということと、そろそろ新しい遊びでも見つければいいんじゃないかということを伝え、その場を後にした。
家についた頃には疲れも溜まっていて、すぐに床についた。
・・・ということよ。これでいいかしら?
「それを実証できるもの、まあ言っちゃえば証拠とかはないかな?」
証拠というよりか、証人なら目の前にいるけどね。
私は窓の近くの棚に座っていたルーミアに、昨日私とあったかということを尋ねた。
「たしかにきのう、霊夢と会ったようなー会ってなかったようなーわははー」
ルーミアは昨日の変わらぬ屈託のない笑みを浮かべる。
「ふむ・・・。少し曖昧な表現だけど、会ってたみたいだね」
霖之助さんは少々疑問符を浮かべつつも、私は無実だということを認証してくれたようだ。やったー。
私の無実が証明されると、次に霖之助さんは魔理沙の方を向き、
「それじゃあ魔理沙。次は君の話を聞こうじゃないか」
と、話しかけはじめた。
もうここでのんびりできそうにもないのでさっさと里で買い出しをして家に戻りたいのだが、雰囲気的にはまだ帰れそうになさそうだ。
まったく、こんなことをしたのは誰なのだろう。私はふてくれてみた。


6.

ルーミアを除く全員の証言が終わった。まとめて紹介させてもらう。
まず魔理沙。
彼女は昨日は帰ってからすぐに寝ていたらしい。故に何か証拠があるわけでもないのだが、彼女曰く「借りはするが盗みはしない。借りたらちゃんと相手には報告する。それが私の流儀だ」だとのこと。現在一番の容疑者である。
次に声をかけられたのは咲夜だった。
彼女は昨日紅魔館に来館したお嬢様の(つまりレミリアの)友人に館内を案内したり、茶会に参加させられたりしたせいで盗みに行くどころか紅魔館から出ることすら許されていなかったそう。よく見ると白粉の下にうっすらと隈が見える。ご愁傷さまである。
射命丸は文々。新聞の特集記事を組むための撮影を行なっていたのでそちらにはいけなかったとのこと。証拠として一枚の写真が渡され、皆で確認してみるとそこには私が写っていたので破り捨てることにした。ついでに言うと既に買い物は前日にしていたので店の中に欲するものはなかったという。それを先に言え。
アリスは昨日、魔道具の材料になるものがないかと再思の道でひたすら探し回っていて、気付いたら朝になってたらしい。一心不乱にも程がある。
その成果として手に入れたのは『豆電球』という、光を放つ道具だという(霖之助さんにみてもらった)。
これで全部。物的証拠がないのは魔理沙と咲夜であるが、見た感じと普段の行動の差により咲夜のほうが分があるように思えたらしく。現在、魔理沙は簡易的に拘束されていた。


7.

魔理沙は両手を後ろに回され、縄で腕の部分を縛られているだけなので、やろうと思えばすぐに破ることは容易いのだが、それをやらないのはやはりこの状況で反旗を翻すのは逆効果だと理解しているからか。
「しかし、君が犯人だとしても、その盗んだものがなければ意味が無いよな」
霖之助さんは自分のしている行為を呆れるかのように指摘していた。
たしかにこんなこと、なんの意味もない。ただ、犯人というものを適当に作り上げただけだ。だけど誰もその事は言えない。一応逃れたとはいえ、私達はいまだ容疑者であり、この中に確実に犯人は存在しているのだから。
皆が何も言えずただ押し黙っていると、
「なーなー。私には『しょーげん』聞かなくてもいいのかー?」
ルーミアが霖之助さんに向かって話しかける。
「私だって昨日、ここにきてただろー?」
だからきたんだー。そう言ってルーミアはワハーと笑う。
「昨日きただって?何言ってるんだ君は」
霖之助さんはフン、と鼻で笑ってみせる。
「僕の店には人がぜんぜん来ないんだ。だから昨日誰がきたかなんか、一目瞭然なんだ。だから君が昨日来ていないことは僕が一番知ってるんだ。」
「そうなのかー?」
なぜか不満気な語調のルーミア。私は少し疑問に思いルーミアに質問を投げかけてみる。
あなた、昨日はいつこのお店に来たの?
「んーと、夜の暗い時、霊夢と会う前だったと思うよー」
霖之助さん。私は霖之助さんに話しかける。
考えてみれば、一番大事なことをきいてなかったではないか。
一番大事なこと。それはつまり、霖之助さんのその時何をしていたか。ということである。
霖之助さん、あなたは昨日、9時までここにいたのよね?
「ああそうだよ?それがどうかしたのかい?」
その後あなた、ここを去ったのよね?そのあとは何を?
思ってみれば、前提がおかしいのだ。
石がただの石に見えたからって、盗む者は存在するんだ。使い方としては、正しくないかもしれないけれども。
「昨日はその後、少し離れた部屋で日記を書いてたんだけど、その時も人がいる気配もなかったし、もちろん何も怪しい音はしなかったよ」
怪しい音というより、店の方からは何も聞こえて来なかったんじゃないかしら?
「たしかに、言われてみればあの時は、静かすぎた気もするなぁ」
私はルーミアの方を向き、確認する。
ルーミア、昨日はこのお店に入ったって言ったわよね?
「いったぞー」
ワハハ。ルーミアは鋭い犬歯をちらつかせながら笑う。
それじゃあ、昨日入ったっていう証拠はあるかしら?
「『しょーこ』?しょーこは無いけど、そこで『ひろったもの』ならあるぞー」
ルーミアはポケットをまさぐり、何かを探している。
お、あった。と言ってルーミアが取り出したものは、只の白くて丸い小石であったが、霖之助さんの反応からするに、これで正解みたいだ。
なんとも長々しく、無駄な時間だった。
私はため息をついた。


8.

妖怪『ルーミア』
彼女の能力は『暗闇を作ること』である。
暗闇の中では光は失われ、音は四方へ霧散することで、完全なる黒を作る。らしい。
らしいというのは、このことを教えてくれたのが八雲紫という、半分は嘘で出来ていそうな妖怪なので信憑性は定かではないのだが、まあそういう能力らしい。
つまりルーミアは、霖之助さんに気付かれない範囲に暗闇を作り、その闇の中で盗みというかなんというか、まあそういう行動をとったということである。
霖之助さんに気付かれない範囲で暗闇を作ったのは、まあ偶然なのだろう。
ルーミアの暗闇が霖之助さんに届かなかったという偶然と、ルーミアが犯人だと一欠片も考えなかった霖之助さん含む私たちのミスが重なって、このようなことになってしまったのだが、私たちは全責任を霖之助さんに押し付けるという形で話をつけた。
責任を全て抱え込んだ霖之助さんは、とりあえずルーミアが盗んだ白い石をあげることになったのだが、それだと余りにも霖之助さんが損であると言ったのはなんと魔理沙であり、ただであげるという条件を、なにか適当なものと交換するという条件に変えたのである。
というわけで、一旦ルーミアの手から霖之助さんの手に白い石は渡され、交換をするものを探すことになったルーミア。
ポケットを探りながら、これでいいかなーとか言って出したのはルーミアの犬歯の一本だった。妖怪の牙は何度も生え変わるらしく、最近一本取れたそうだ。しかし先ほど見た時には抜けた跡など見られなかったことから、すぐに新しい牙が生えたみたいだ。
ルーミアが交換物を探している間何やら作業をしていた霖之助さんが戻ってきて、交換開始となる。
霖之助さんは白い石を無くさないようにとネックレスにしてルーミアの首に付けてあげた。ルーミアは霖之助さんに犬歯を渡すとそのまま外に飛び出していった。嬉しかったのだろうか。
ルーミアの出ていった場所から外を見ると、すっかり暗くなっていた。
私たちはその場で解散となり、皆帰る場所に帰っていく。
お茶をもらうタイイングは完全にないわね、あきらめた私は素直に神社の方に向かう。
あたりが普段より暗い、空を見ると月は見えなかった。今日は新月だったのかと、私はその時やっと知ることになる。
まあ知ったところで、どうにもならないのだが。
初投稿です。書きたいことをつらつらと並べさせていただきました_/乙(、ン、)_ フラグとか伏線とかよくわからない初心者ですがんばります。
月顔
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コメント



0.280簡易評価
4.80名前が無い程度の能力削除
推理物で、しかもアリバイが鍵になる展開の容疑者に、時を止められる咲夜を登場させてしまうのはあまりうまくないです。
白い石が結局何だったのかも気になるところです。

ただ、読み進めている時間が悪い感触ではなかったので、次に期待したいと思います。
7.無評価名前が無い程度の能力削除
誤字報告
・香霖堂に入ると、中にはこの店では普段考えられないほどの人数が来店されていた。
来店されてたの部分

・もうここでのんびりできそうにもないのでさっさと里で買い出しをして家に戻りたいのだが、雰囲気的にはまだ帰れそうになさそうだ。
まったく、こんなことをしたのは誰なのだろう。私はふてくれてみた。
帰れそうになさそうだ、なんか違和感。
ふてくれてみた、はふて腐れてみたの間違い?
8.70楽郷 陸削除
容疑者がたくさんでてきたけど、霊夢・魔理沙・ルーミア+誰かぐらいでよかったかなぁ。
他は印象薄かったし。
10.70名前が無い程度の能力削除
オチが少し弱く感じたかも。ルーミアの雰囲気とかはだいぶ良かったです。