ぽかぽかとした暖かい日差しと柔らかい風が私を包む、春という季節はどうしてこう、人を眠くさせるさせるのだろうか。紅魔館の前で門番という仕事をしている今、眠気は大きな敵である。少しでも気を緩めたら、はるかぜに負けて眠ってしまいそうだ。ときどき頬を叩いて少しでも眠気を飛ばそうとするが、
焼け石に水。すぐに眠くなってしまう。
――とは言ってもそこまで気合を入れて門番をする必要はない。そもそもこの館に敵意を持って来る者などそんなにいない、強いて言うならば図書館の本を奪いに来る魔理沙(昨日来た)ぐらいである。あとの者は客人として招くのがほとんどだ。その魔理沙も来るのは週に一回程度だ。ちなみにちゃんと門から入りさえすれば客人として招くのだが、本人は「門は破るためにあるんだろ?」と、意地でも門から通ろうとしない。全く困った奴である。
「それにしても眠い……」
門番は本当に暇な仕事だ。基本的に門の前に立っているだけだし、何かやるといっても花壇で水やりをする程度。なんにもすることがない、しかしいつ客が来るかわからないのでサボるわけにもいかないし、サボったらサボったで後が怖い。なんとしてでも起き続けなければ……!
「すう……すう………………(ガクッ)はっ!?」
自分の体が崩れるのに気づいて、とっさに踏みとどまる。これはまずい、非常にまずい。
どうもこのぽかぽか陽気は完全に私を寝かしに来ている。ふと上を向くと、時計は寝ている間に30分程経っていることを示していた。すぐに周りを確認したが、これといって変わったところはなく問題はなさそうだ。
とりあえず顔を洗おう。
冷水を顔に浴びれば多少は眠気が冷めるだろう、そう思い花壇の近くにある水道に向かった。少し門とは距離があるが、ほんの少しの時間だし誰も来ないだろう、そんな軽い気持ちで門から離れていく。
キュキュッと蛇口をひねり出てきた水を顔にかける。冷たくて気持ちがいい、眠気も覚めてきた。あと数回浴びればしばらくは大丈夫だろうと思っていた矢先、門の方から元気な声が聞こえてきた。
「おねーさーん!あれ?いつものお姉さんがいない」
その声の主はチルノだった。暇な時たまに遊びに来るのだ、そして今日は遊びに来たのだろう。本当にただに来ただけなので館に害のあることはしない、多少弾幕ごっこをしたときの氷で壁に傷がつく程度だ。と、そんなことを考ええいると。
「お姉さんがいないならいいや、かーえろ!」
そう言って帰ってしまった。
……って!!何をやっているんだ、誰かが来たらすぐに対応してあげるのが門番の仕事。のんきに顔を洗っている場合じゃなかった!!私は目は覚めていたが、まだ頭は眠ったままだったらしい。急いで門の前に行くが、そこにチルノの姿はない。
……門番失格だ。だが過ぎてしまったことは仕方ない、次こそはしっかりしようと自分に言い聞かせて門の前に立つ。顔を洗った効果もありすぐに眠くなるようなことはない、しっかりと門番としての責務を果たせそうだ。
「春ですよ~♪」
しばらく立っていると、春になるとどこからともなく現れる春の妖精{リリー・ホワイト}の声が聞こえた。私はつぶっていた目を開いてその姿に心を和ませる。彼女はにこにこしながら幻想郷を飛び回っていて、その姿を見ているだけでなんだか暖かい気持ちになる。流石春の妖精と言ったところだろう、気が付いたら彼女の姿が見えなくなるまで眺めていた。
一息入れた後、気持ちを入れなおす。ふと時計を見るとあれから20分も時間が経っていた。
……えっ!?
そんなわけないと思いもういちど時計を見直すが、やはり20分経っている。見間違いではない……となると。
「寝てた!?」
よくよく思い出してみると私は、目を開いてからリリーを眺めていた。つまり私は眠っていたらしい……
睡魔とは恐ろしいものだ、起きていると思っても気が付いたら眠っている。何もしていないでただ立っていて、さらに暖かいはるかぜも吹いているのならばなおさらだ、この眠気にあらがうことは出来ないのだろうか?
両頬をベチッと叩いて目を覚まそうとするが、その後すぐに目がトロンと落ちてくる。体を動かせばいいじゃないかと重い、全力でその場を足踏みしてみるが、目を覚ますどころか疲れてもっと眠くなる。
結局眠気には勝てず、気が付いたら夕日が沈んでいた。
……ああ、たぶん私が寝ている姿……誰かに見られてるんだろうな。
そう思い肩を落とす。情けないなと思いながらも、昨日は忙しくて疲れていからと言い訳してしまう自分がいた。
それからは多少うとうとしながらも、眠らないで責務を全うすることができた。
とはいっても誰か来たわけではないので、仕事ができたかと言われれば、自信をもってハイとは言えない。
だが夜で私の門番としての仕事は終わりなので、夜中に門番として働く妖精たちにバトンタッチして、館の中に入る。
―――――――
「……美鈴」
「ハ、ハイ!なんでしょう?」
「ちょっといい?」
「……どうかしたんですか?」
「あなたに謝らなきゃいけないことがあってね」
「……はい?」
何を隠そう。今日はお嬢様の命で今日は門番をメイド長である私、十六夜咲夜がやっていた。
私は普段寝てばかりの(しかも侵入者は取り逃がす)美鈴を不満に思い、お嬢様に相談したところ。
「なら代わりにあなたがやればいいじゃない」
……美鈴の気持ちが少しはわかったかも
焼け石に水。すぐに眠くなってしまう。
――とは言ってもそこまで気合を入れて門番をする必要はない。そもそもこの館に敵意を持って来る者などそんなにいない、強いて言うならば図書館の本を奪いに来る魔理沙(昨日来た)ぐらいである。あとの者は客人として招くのがほとんどだ。その魔理沙も来るのは週に一回程度だ。ちなみにちゃんと門から入りさえすれば客人として招くのだが、本人は「門は破るためにあるんだろ?」と、意地でも門から通ろうとしない。全く困った奴である。
「それにしても眠い……」
門番は本当に暇な仕事だ。基本的に門の前に立っているだけだし、何かやるといっても花壇で水やりをする程度。なんにもすることがない、しかしいつ客が来るかわからないのでサボるわけにもいかないし、サボったらサボったで後が怖い。なんとしてでも起き続けなければ……!
「すう……すう………………(ガクッ)はっ!?」
自分の体が崩れるのに気づいて、とっさに踏みとどまる。これはまずい、非常にまずい。
どうもこのぽかぽか陽気は完全に私を寝かしに来ている。ふと上を向くと、時計は寝ている間に30分程経っていることを示していた。すぐに周りを確認したが、これといって変わったところはなく問題はなさそうだ。
とりあえず顔を洗おう。
冷水を顔に浴びれば多少は眠気が冷めるだろう、そう思い花壇の近くにある水道に向かった。少し門とは距離があるが、ほんの少しの時間だし誰も来ないだろう、そんな軽い気持ちで門から離れていく。
キュキュッと蛇口をひねり出てきた水を顔にかける。冷たくて気持ちがいい、眠気も覚めてきた。あと数回浴びればしばらくは大丈夫だろうと思っていた矢先、門の方から元気な声が聞こえてきた。
「おねーさーん!あれ?いつものお姉さんがいない」
その声の主はチルノだった。暇な時たまに遊びに来るのだ、そして今日は遊びに来たのだろう。本当にただに来ただけなので館に害のあることはしない、多少弾幕ごっこをしたときの氷で壁に傷がつく程度だ。と、そんなことを考ええいると。
「お姉さんがいないならいいや、かーえろ!」
そう言って帰ってしまった。
……って!!何をやっているんだ、誰かが来たらすぐに対応してあげるのが門番の仕事。のんきに顔を洗っている場合じゃなかった!!私は目は覚めていたが、まだ頭は眠ったままだったらしい。急いで門の前に行くが、そこにチルノの姿はない。
……門番失格だ。だが過ぎてしまったことは仕方ない、次こそはしっかりしようと自分に言い聞かせて門の前に立つ。顔を洗った効果もありすぐに眠くなるようなことはない、しっかりと門番としての責務を果たせそうだ。
「春ですよ~♪」
しばらく立っていると、春になるとどこからともなく現れる春の妖精{リリー・ホワイト}の声が聞こえた。私はつぶっていた目を開いてその姿に心を和ませる。彼女はにこにこしながら幻想郷を飛び回っていて、その姿を見ているだけでなんだか暖かい気持ちになる。流石春の妖精と言ったところだろう、気が付いたら彼女の姿が見えなくなるまで眺めていた。
一息入れた後、気持ちを入れなおす。ふと時計を見るとあれから20分も時間が経っていた。
……えっ!?
そんなわけないと思いもういちど時計を見直すが、やはり20分経っている。見間違いではない……となると。
「寝てた!?」
よくよく思い出してみると私は、目を開いてからリリーを眺めていた。つまり私は眠っていたらしい……
睡魔とは恐ろしいものだ、起きていると思っても気が付いたら眠っている。何もしていないでただ立っていて、さらに暖かいはるかぜも吹いているのならばなおさらだ、この眠気にあらがうことは出来ないのだろうか?
両頬をベチッと叩いて目を覚まそうとするが、その後すぐに目がトロンと落ちてくる。体を動かせばいいじゃないかと重い、全力でその場を足踏みしてみるが、目を覚ますどころか疲れてもっと眠くなる。
結局眠気には勝てず、気が付いたら夕日が沈んでいた。
……ああ、たぶん私が寝ている姿……誰かに見られてるんだろうな。
そう思い肩を落とす。情けないなと思いながらも、昨日は忙しくて疲れていからと言い訳してしまう自分がいた。
それからは多少うとうとしながらも、眠らないで責務を全うすることができた。
とはいっても誰か来たわけではないので、仕事ができたかと言われれば、自信をもってハイとは言えない。
だが夜で私の門番としての仕事は終わりなので、夜中に門番として働く妖精たちにバトンタッチして、館の中に入る。
―――――――
「……美鈴」
「ハ、ハイ!なんでしょう?」
「ちょっといい?」
「……どうかしたんですか?」
「あなたに謝らなきゃいけないことがあってね」
「……はい?」
何を隠そう。今日はお嬢様の命で今日は門番をメイド長である私、十六夜咲夜がやっていた。
私は普段寝てばかりの(しかも侵入者は取り逃がす)美鈴を不満に思い、お嬢様に相談したところ。
「なら代わりにあなたがやればいいじゃない」
……美鈴の気持ちが少しはわかったかも
ミスリードを仕掛けられていた!
門番って魔の仕事場なんでしょうかねぇ
けれども、いい空気の作品で気軽に読ませていただきました。