「今日の夕飯何にしようか」
「何にしようかのう」
ねぐらへ帰る烏天狗が一人、二人。空が橙色に染まる夕暮れ時。
私こと雲居一輪とマミゾウは、本日の夕飯の献立について考えていた。
「昨日は確か肉じゃがじゃったんじゃよな」
「えらく『じゃ』が多いわねラリッてるの?」
「おらんわ」
命蓮寺の食事は私とマミゾウ、献立会議に絶賛遅刻中のムラサが中心になって作っていて、他の住人はそのお手伝いとなる。
これが中々に大変な仕事なのだ。人数が多いから沢山作る必要があるし、その献立を決めるのも一苦労だ。
「ただいま~!」
通りのいい健康的な声と、どたどたどた、というやかましい足音。噂をすればなんとやら。ようやくムラサが帰ってきたようだ。
「遅いわよムラサ」
「ごめんごめん。今、どんな感じ?」
「丁度、献立を決めているところじゃ」
昨日は肉じゃが。そして一昨日は餃子だった。よし、今日は私の好きな焼き魚にでも……。
「じゃあカレーにしよう!」
「え?」
「何じゃと?」
ムラサの華麗なインターセプト。先を越されてしまったわね。しかし、意見を引っ込める気はない。
「あら魚が食べたいの? 奇遇ね、私もよ。煮付けとかにしようかしら」
「そりゃーおぬし、カレイじゃろ。アレじゃよ、積載量が二つで外洋に入れない」
「それはガレー船でしょ、マミゾウ食べる気なの?」
古代において活躍した木製の人力船を、バリバリと音を立てて喰らうマミゾウが脳裏に浮んだ。ワイルドにも程がある。
「ヘイヘイ、頼むよテンプルガールズ。カレーつったらカレーライス一択、今夜はカレーにしましょう」
「ちょっと待ってよ、私焼き魚がいいんだけど。最近肉系が続いてたし」
「儂は野菜炒めがいいんじゃが」
「ロイヤルネイビーより伝わりしカレーがお気に召さない……とな?」
ムラサの英吉利かぶれ海軍かぶれが始まったのは何時だったか。
山の河童に艦砲を発注しようとするムラサを取り押さえるのには非常に苦労した。その莫大な見積額に私の目ン玉がポップコーンばりにハジケ飛んだ覚えがある。
だいたい遊覧船にそんなもの積んだら客が……あ、里の男の子とかは好きそうね、そういうの。いや積ませないけど。
まあそれはともかく、意見が割れてしまったわね。これは戦いの予感がする。
「今日は渡し舟を2隻も沈めたから、お祝いしたいのです、カレーで。したいでしょ?」
「したくない。ていうか行くなって」
「おぬしも中々に聞かん坊じゃのう……」
こないだなんか、現役の三途の渡しが寺にやってくるなり、私達に必死の形相で訴えに来たのだ。
『あの死神を何とかしてくれ。このままだと上司が怒りの余り軍艦にトランスフォームしかねない』
死神と霊魂を載せた手漕ぎ船が川を進む中、ガスタービンの轟音を響かせて短魚雷を撒き散らしながら水上を疾駆する裁判長。怖過ぎる。
船を食べる狸とどっちが凄いかしら。激闘! 船喰い狸VS軍艦裁判長……ちょっと見たいかもしれない。
そして死神から死神扱いされるムラサは一体どこへ向かっているのだろうか。知りたくは無いけど。
「魚だの野菜だのじゃパワーがでないよパワーが。毎週金曜はカレーの日!」
「野菜が秘める力を理解できんようでは、まだまだじゃのう」
「パワーだけじゃ世の中渡っていけないわよ。脳を活性化させる魚料理にひれ伏すといいわ」
ぶつかる視線、飛び散る火花。睨みあう少女達に対し、雲山が『たかが夕飯で争うな、子供じゃあるまいに』と苦言を呈してきた。
たかが夕飯? されど夕飯だ。易々と譲渡を選択するほど、幻想少女はヤワじゃない。わがまま? 違うってば。
「睨みあっても埒があかない。ここは、他の皆の意見も賜ろうぞ」
「それもそうね、どんな結果でも恨みっこなしだからね?」
「その言葉、そっくりそのまま返すわよ。とにかく行きましょう」
▽
「突撃! 隣の毘沙門天!!」
「ひゃいッ!! なっ、何事ですか!?」
一切の躊躇い無く、ヤクザキックで襖を蹴破るムラサ。献立聞きに行くだけなのに何故壊した。
倒れたふすまの向こうには、本を片手に胡坐をかき、驚きと困惑を顔中に巡らせた寅丸の姿があった。
「オラッ! 金と酒と女を寄こせ! 我ら栄光のロイヤルぬぅおばぶ」
啖呵を切り始めたムラサを雲山で抑えつつ、寅丸にワビを入れる。
「ごめんね寅丸。仕事中だったかしら?」
「あ、いえ、本を読んでただけですので」
「本?」
「はい、短編集みたいなモノでして。子供向けらしいのですが、中々に面白いですよ」
なるほど、机の上にはそれらしい本が数冊置かれている。その内の一冊を取って、何となく開いてみた。
『「全然売れないわ」少女はため息をつくと、売り物の火縄に火を灯し、行き交う人々に銃口を……』
おかしい、何かがおかしい。巻頭のタイトル一覧を見ると『マッチロック売りの少女』と記されていた。
武器商人の少女が深刻な経営難によって錯乱し、罪無き人々の命を次々と奪っていく。こんな童話読まされたら子供が泣くぞ。
この本大丈夫か? と思いつつも次の話にページ飛ばしてみる。
『王様、こちらが馬鹿には見えない服で、王様の後ろに居るのが格下の能力者には捉えられない私の相棒です』
『(馬鹿な……! 余を上回る能力者がこの世界に居るというのか……!)』
『どうしました王様、凄い汗ですよ? ククク……』
洗ってないバトル物の臭いがする。
いやまあ、さっきの話よりは子供向けかもしれないけども。そういえば、ぬえの部屋に放ってあったノートにこんな感じの話が書いてあった気がする。こういうのが流行ってるのかしらね。
増していく不信感を胸に、更に次の話へ飛ばす。
『メロスは激怒した。この後メロスは驚くべき行動に出るが、この余白はそれを書くには狭過ぎる』
「ちゃんとした紙を用意しろ!!」
「ど、どうしたんじゃ一輪?」
三話目にしてこのざまである。確かにこの作者の正気を証明するのには三百年クラスの根気がい要りそうだ。
表紙には『衝撃の無推敲! 有名小説・童話パロディ集(児童書)』と書かれている。作品もそうだけど作者の脳味噌も推敲した方がいい。両方とも書き直しは確実だろう。
作者はパチュリー・ノーレッジ。色々と危ない作品を書く割には可愛らしい響きの名前ね。
「この本何処で買ったの?」
「里の本屋さんですよ」
「その本屋行かないほうがいいわよ。いや本当に」
「は、はあ……ところで、何か用があったんじゃないんですか?」
そうだった。すっかり忘れてた。本を机に戻し、窒息寸前のムラサを開放してから本題に入った。
「大したことじゃないわ。今日の夕飯、何がいいか聞きに来たのよ」
「ははぁ、お夕飯のメニュー」
「そう。寅丸は焼き魚と、カレーと、野菜炒め、どれがいい?」
「え、ちょっと待ってください。その三択なんですか?」
「あら、お気に召さないかしら」
「当然です」
むふぅ、と鼻息荒く不服を唱える代理様。思われている以上に欲望に忠実である彼女を、それでも神かと嘆くか、それでこそ神だと頷くか。意見の分かれるところだ。
「では、おぬしは何がいいんじゃ?」
「決まっています、お肉です。昨日、一昨日とお肉ですし、ここは三連続としゃれ込みましょうよ。あっ、よだれが」
自分で殺生したものでなければよい。仏教では一応そういう決まりもある。しかしこうも堂々と肉食を叫ぶ寺住まいもそうそう居ないのではないだろうか。
「野菜もとらないといかんぞ! 非健康的な!」
「今この瞬間は、カレーこそが全てだ!」
「いいえ、お肉こそが正義! アブラミートジャスティスです!」
「えーい、うるさい」
焼き魚だって言ってるでしょうが、分からず屋どもめ。
「勢力が増えてしまった……これでは本末転倒じゃぞ」
「とにかく次行くわよ、次」
▽
「まーるも攻めるも封獣の~♪ 浮かべるしーろぞ」
「ビブラコーラス!!」
「うっひ! ななな何!? ムラサ!?」
またしても襖をブチ抜いて妄言を吐くムラサ。それ直すの誰だと思ってるのよ。ねえ雲山?
「このヌエーンにレッド・ムラーサのエンジンを載せるんだ……おもしろいと思わないか?」
「身体裂かれたって入れさせぬぇーよ!」
イレーザーが云々、と唸り始めたムラサを雲山に任せて話を進める。
「ぬえ、今日の夕飯は何がいい?」
「夕飯?」
「好きなモノを言っていいお肉ですよ」
「遠慮はしなくて野菜よいぞ炒め」
「さり気なく露骨に焼き魚好みを推さないで。あ、寅丸の時に言い忘れてたけど、ご飯と味噌汁は固定ね」
「えー、じゃあチャーハンがいい」
まさかの五択目……本格的に面倒な事になってきたわ。
「また増えてしまったぞ一輪。どうするんじゃこれ、一輪どうしようかのうこれ」
「私に言わないでよ! んんん、どうしたものかしら」
「もう殺し合いとかでよくないですか?」
「眼が! 眼が代理になる前に戻ってるよ寅丸! お腹空いたの!?」
「大体流れがわかったよ。でも前みたいに全部混ぜ鍋とかは、やだかんね」
ぬえが巫女に敗北して、少し経った頃の夕飯前。今日と同じように皆の意見が完全に分かれた時のことだ。
それぞれが主張を譲らず会議は踊りに踊り、陽は落ちきり星が浮かび、月が昇る頃になって、空腹が限界を迎えた寅丸が獣の眼で提案を出したのだ。
『決まらないなら全部混ぜちゃえばいいじゃないですか』
いくらなんでもそれはと私を含めて皆が躊躇ったが、空腹と寅丸の背後に浮かぶ濃度3割増しの焦土曼荼羅に屈服し、全部混ぜ鍋は実行された。
一人一オーダーの料理を気合で作り、ソレを全て鍋にブッ込んではい出来上がり。完成品の出来栄えといったら、門前の小僧が即成仏しそうなイキオイであった。
その日はご飯味噌汁縛りがなかったのでより一層悲劇が加速した。スパゲッティとそば、豚汁とコーンポタージュが同じ鍋に入ってる光景など、一生見られないだろう。というか見たくない。
しかし一番キツかったのは、後日この話を聞いたネズミから賜った
『一人一オーダーで作ったなら、それぞれ好きなモノを食べればいいじゃないか。何故混ぜてしまったんだい?』
というあまりにも正論過ぎる指摘と、不思議そうな表情を浮かべて小首を傾げるネズミ。それは、この世のあらゆる刃物より鋭利だった。
ともあれ、我が命蓮寺において全部混ぜ鍋は鬼門であり、禁止項目に名を連ねる危険行為なのである。当たり前だけど。
「そうだ、聖には聞いたの?」
「姐さん? まだよ」
「じゃあ聖に決めて貰えばいーじゃん」
「うーん、それが一番遺恨が無いんだけど……だけどねぇ」
▽
「お夕飯、ですか」
「はい、姐さんは何がいいですか?」
流石にムラサも普通に入った姐さんの自室。仕事の途中らしい姐さんは筆を置き、身を乗り出して答えを待つ私達に対して微笑みを浮かべ、たおやかに答えた。
「……私は、皆が決めたモノでしたら、何の文句もありませんよ?」
「さ、さすが姐さん!」
「聖!」
「聖愛してる!」
ああ、花も恥らう素敵な笑顔。自らの欲を抑えて私達に……やはり姐さんは格が違う。決して厄介ごとを察して明言を避けたワケでは無いのだ。多分、恐らく。
「うまくかわしたねー聖。にっひひ」
「ち、違いますよぬえ。私は別に何も、ええ本当に」
「あーもうだめです。おなかすきました、ほんとまじできっついわこれ」
「こりゃいかん、寅丸の台詞から漢字が消えたぞ」
「品性もね」
腹を抱えて転げまわる寅丸。腹減ってる割にはずいぶん元気ね。というか、みっともないから止めなさい。
ため息をつきつつ目線を周囲にやると、ムラサがなにやら不審な動きを見せていた。何をしてるんだ?
「この鍋にカレールーをですね」
いやホント何やってんの!?
「ちょっ、何やって、ここ姐さんの部屋! ていうかその鍋どっから持ってきたの!? やめなさい!」
「止めるな一輪ッ! 最早手段を選んでは居られないの! ギブミーカレーライス!!」
「その鍋に野菜一式をじゃな」
「あ、じゃあ私も油とー卵とーごはんとー」
「牛肉鶏肉豚肉兎肉、あとは羊とー他にはー」
「え? え? じゃ、じゃあ私も何か食材を」
好みの食材を携え、じりじりと鍋ににじり寄る面々。
やめろ、あの鍋を再現するつもりか。まあ魚の干物を手ににじり寄っている私が言えたクチではないが。姐さん、エア巻物は食材じゃありませんからやめて下さいマジで。
しかしいい加減お腹が空いた。腹がアラートを鳴らしっぱなしだ。この材料なら全部混ぜでもいけるんじゃね? なんて妥協すら生まれてくる程度には腹が減ってきている。
いや正直いけそうな気がしないでもないのだけど、ここまできて全部混ぜなんて、スッキリしないじゃないの。やはり明確な一つの答えが欲しい。
幻想少女は信念を適当に扱う事はしないのだ。違うわ雲山、頑固とは違うの、決して違うのよ。本当だって。
「船幽霊を舐めないでよね……私の錨で愉快に整形されたいヤツからかかってきなさいよ……」
「いい度胸じゃのォ……歯向かう輩はみなポンポコリンにしてやるからのォ……」
「夕飯前に有りてなお輝き続ける脂の光―――この毘沙門天の肉欲の前にひれ伏す事になるでしょう!」
「まあ今日の夕飯はテャーハンらがな!!」
「噛んだね」
「噛んだのう」
「噛みまみたね」
「噛無三――!」
「やめて! 私を見ないで!!」
「えーい、うるさい」
しかしこのままじゃホントに話が纏まらない。纏まるどころかどんどん広がっている気がする。誰か、この状況を打破できる剛の者はいないかしら。
なんて事を考えていると、エア巻物を手ににじり寄っていた姐さんが何かを思い出したかのように手を打った。
「あ、そうでした。さっきナズーリンが帰ってきたので、彼女に解決策を聞いてみましょう」
「ネズミが?」
すると、廊下から軽やかな足音が聞こえ、襖の影から見知った顔が覗き込んできた。
「やあ諸君。元気だったかい? 聞くまでも無く元気そうだが」
「あ、ナズーリン! もー、帰ってきてたなら言ってくださいよー」
「いや、すまないねご主人、ついさっき着いたばかりなもので。しかし、久しぶりに寄ってみたらこの騒ぎ、一体何があったんだい?」
渡りにネズミとはこのことかしらね。例によって私が彼女に説明し、事態の解決方法を探して貰う事にした。
▽
「なんというか君達は、下らない事で騒がないと死ぬ病気にでもかかっているのかね」
「病気といわず外的ショックで死なせてあげようかしら」
「痛いのは嫌いでね」
何故か正座でネズミの言葉を聴いている寺の住人達。賢将の二つ名を持つ彼女の答えやいかに。信念? なにそれ喰えんの? そんな事よりお腹がすいたよ。
私達の期待の目線を一身に浴びるネズミは、いたってシンプルな解を提示した。
「簡単だ。自分達で決められないなら、他人、寺の外部の者に決めてもらえばいい。その者の好みの食べ物にすれば、後腐れもないだろう」
「外部の者って、誰?」
「次に来た来客とかでいいんじゃないか?」
「しかしナズーリン。もう陽が落ちていますよ? こんな時間に寺を訪れる者なんて……」
もう少し早い時間ならいい考えだとは思うのだけど……皆揃って首を捻る。そこらへん歩いてる里人にでも聞いてみようかしら。しかしそれすら居るかどうか。
そんな時、閉じたばかりの襖が勢いよく開いた。すぱーん、と小気味のいい音と共に、人影が飛び込んできた。
「うーらめーしやー!」
「はいはい、表はダイエット教室」
「マッチポンプ!?」
そこに居たのは色違いの瞳と大きな傘を携えた少女。その名は多々良小傘。相変わらず綺麗な脚してる、実に羨ましい。
「ぐっ、またしても失敗。わちき悔しい」
「あれで成功すると思ってるなら大したものだよ」
「やだぁネズミさんたら。褒めても舌しか出ないよ、えへへ」
「褒めたつもりはないんだが」
しかしながら、彼女の登場は僥倖である。今まさに求めていた外部の者だ。
「小傘、ちょっと聞きたいんじゃが、おぬしの好きな食べ物は何じゃ?」
「食べ物?」
「そう、何でもいいわよ、ご飯と味噌汁は固定だけど」
「雲山離して下さい! ここが最後のアピーゥむぐぐぐ!」
「ろ、ロイヤォおぼばぶ」
「ぬぅむー!」
またしても好みを推そうとする者どもを雲山で抑えつつ、小傘の答えを待つ。
「好きな食べ物って聞かれたら、アレしかないなぁ」
「それは?」
「決まってるじゃない」
固唾を呑んで聞き入る住人達。長い長い戦いの結末が、いまここに。
「みんなの驚き! これ以上に美味しいものなんてないわ!」
姐さんがエア巻物を引きちぎり、寅丸の宝塔が爆散する。ムラサはずっこけて傍に置いてあった錨に頭を強かに打ちつけた。ぬえの羽が背中から抜けて部屋を縦横無尽に飛び回り、マミゾウの眼鏡が割れて破片が飛散する。ナズーリンのダウジウングロッドがへし折れ、雲山は笑顔を浮かべたまま掻き消え、私は、私は……あれっ、私は損傷無しなの!?
「え、え? みんなどうしたの? 私何か変な事言った?」
何故か薄れ行く意識の中で私は、ご飯と味噌汁は固定だって言っただろ! という、わりかし平凡な突っ込みを脳内に巡らせつつ、何故か気を失った。
▽
「というわけなのよ」
「ははぁ、なんか大変だったんだね」
翌日の朝。朝食前から掃除と挨拶に勤しむ響子に対して、私は昨日の顛末を語っていた。
「それで、結局お夕飯は何になったの?」
「……古今東西驚いた話。イン命蓮寺」
「え? それが、夕飯?」
「ええ……」
「……ごしゅーしょー様です」
ちなみに昨晩のベストオブビックリは『わちきのオトナのうらめしや』だった。
いや……ビックリした、というか、凄かった。とてもじゃないけど放送できない。全員が食い入るように聞き入ってしまった。付喪神マジパネェ。
「まー兎に角、食事のメニュー決めに関しては改善しないと」
「いたいた。いちりーん、きょーこー」
「あ、おはよーございます!」
「おはようムラサ」
寺から眠そうに頭を掻きながら歩いてきたのはムラサだ。彼女の驚いた話は海難事故関連のモノばかりで、その生々しさに場の温度が5度ほど下がったのを覚えている。
「おはよう。そろそろ朝飯なんだけどさ」
「うん……うん?」
嫌な予感がする。冷や汗が一滴、私の頬を撫でていった。
「今日の朝飯、何がいい? 私はカレーパンがいいんだけど」
響子の方を見る。彼女の表情は苦笑いで一杯だった。
雲山の方を見る。彼の表情は、苦笑いと諦観が混ざり合っていた。
恐らく自分の表情も、似たようなものが浮かんでいるに違いない。
ため息を一つ。しかる後私はムラサにオーダーを伝えた。昨日食べ損ねた焼き魚だ。
ああ、今回はもう少し、候補が少なくありますように。
そしてパチュリー先生の本が凄く楽しそうなんだが…王様のくだりで変な笑いが…
あとヌエーンにL.E.D.ムラーサのエンジン載せてもクローソーいないと動かないんじゃ…更に動いてもサイ蓮に不意打ちされて…おっとこれ以上は蛇足か。ともかく愉快な作品でした。
皆アクが強いw
だが違和感。読んでてなんだか引っかかる。微妙にテンポが悪い。ぽん、と軽い感じで100点を置いていっても良かったけれど、その微妙さがその邪魔をする。
三人称の文章も見ておきたい所だが、思うに一文一文が少し重たい。元々軽やかなテンポを持っているタイプだと思うが、あれもこれもと描写を付け加えようとする結果、匙加減を間違えてしまっている。過ぎたるは及ばざるがごとし。
コメディ系は特にだが、もう少しテンポに重きを置いた方がいい。これも書いた方がおもしろいかな?と不安になることもあるだろうが、そこまで読者は見ていない。余計な文章は削除し、もっと短く喋りやすい言い回しが出来るよう努力して欲しい。
しかしこの命蓮寺、ノリノリである。
小傘は可愛い。
ハングリータイガーは誰か何とかしてやって下さい。
現役時代はスペインとかオランダとかの船でも沈めてたんですかね。
非常におもしろく読ませていただきました。
随所で笑わされました。いい寺ですなあ。
読んでて楽しかったです。
小ネタの詰め込み方が良い感じでした。
星の読んでた短編とかドジとは違う方向でダメなケモノっぽい星とか、なんか状況に流されて奇行に付き合う聖とか皆の台詞の内容とか所業とか全部面白かったです
ただ、他の方の感想にもありますが、確かに面白いはずなのに読み口が少し重い感じ?
テンポが良いはずなのに微妙に長く感じると言うか