カップリング要素があるので苦手な方は見ないことをお勧めします
ゴホッゴホッ
香霖堂の寝室にはげしくせき込む音が広がる。ここの店主である霖之助はもうすぐ店の開店時間になるというのに布団から出れずにいた。
「まいったな、体に力が入らない。」
そう僕は風邪をひいてしまったみたいなのだ。確かに昨日から体に不快感があって気にはしていたんだ。だが半妖なので体質がら大丈夫だろうとたかをくくっていてそのままにしていた。その結果がこれなのだが。
僕は半妖であるため人間の病にも妖怪の病にもかかりにくい体質である。だが逆に両方の性質を持っているため、かかりにくいだけで可能性としてはどちらの病もかかりえるのだ。しかも性質の悪いことに、人間のほうの病はかかりにくいことが災いし耐性がなく風邪くらいの病でも重症になってしまうのだ。
仕方ない、お客さんには悪いが今日は休業にするしかないか。あまり困る客がいないような気がしたが頭が痛いので考えないことにした。決して売れない店だということを認めたわけではない。
僕は再び眠りにつこうとした時店の入り口からカランカランという誰かがきた音が聞こえた。
僕は動けないので布団の中でこうつぶやくことしかできなかった。
「頼むから商品を盗まない良識のある人妖であってくれ。」
この時霖之助が良識のある人妖だったら「休業中」の店に入ってこないだろう、という考えに至らなかったのは熱で頭がしっかり働いていなかったためだろう。
「霖之助、いないの~」
「お、おじゃましま~す」
店のほうから今入ってきた客の声が聞こえてきた。その声は最近になってよく聞くようになったものと、もうひとつ他の声の二つだった。
「霖之助いないの~」
「ルーミアちゃん、そんな大きな声で騒いだらだめだよ、店主さんがまだ寝てるかもしれないんだよ。」
ルーミアともう一人の少女が話している声が寝室まで聞こえてきた。
「ルーミア、僕はこっちにいるよ。」
ルーミアなら物を取って行ってしまうこともないだろうしも一人の少女もさっきの話から礼儀正しい子なのだろう。だからこそ僕はルーミアたちを呼んだ。これがほかの妖怪とかだったら帰るまで息をひそめていただろう。
ドタドタドタ
廊下を歩いてくる音が次第に大きくなってきた。そしてふすまが空けて入ってきたのはルーミアと薄い緑色の髪の毛をした少女だった。霖之助はその少女に見覚えがあった。前にチルノから氷をもらった時にチルノと一緒にいた少女だ。確か名前がなく周りから大妖精や大ちゃんと呼ばれていたはずだ。考え事をしていたらルーミアが笑いながら近づいてきた。
「あれ、霖之助まだ起きてなかったの。まったくお寝坊さんだな~」
そう言ってルーミアは僕を見て笑っている。しかし大妖精の反応は違っていた。
「店主さん、体の調子が悪いんですか?顔が赤いしさっきから呼吸が辛そうですから。」
「え、そうなの、霖之助?」
それを聞いたルーミアからさっきまでの笑いは消えて心配そうな顔をしていた。さっきまでの笑顔が消えて心配そうな表情にルーミアがなってしまったため、僕はとっさに嘘をついた。
「心配するようなことじゃないよ、少し寝坊しただけだか…ん。」「あ!」
ルーミアの声と同時に大妖精は自分のおでこを僕の額にあててきた。僕の額から離れた大妖精はおどろいた表情をしていた。
「店主さん、すごい熱じゃないですか!」
大妖精はあわてて別の部屋へ向かって行った。ふと、ルーミアのほうを見てみると何故か不機嫌になって頬をふくらましてこっちを見つめていた。
「むぅー」
その一言だけ残して大妖精のほうに向かって行った。まったくなにに怒っていたのかわからない、それでもすぐに機嫌を直してくれるといいのだが。
数分して水を入れたたらいとタオルを持った二人が戻ってきた。大妖精は僕の頭もとに座ると慣れた手つきでタオルを水につけて冷やし僕の頭にのせてくれた。タオルが火照った頭を冷やしてくれてこれだけでも先ほどより楽になった気がする。
「それで、店主さんは朝ご飯はちゃんと食べましたか。」
「それなんだが、朝起きた時からこの熱でね、体が動かせないから何も食べてないんだ。」
「だめですよ、病気の時はちゃんと栄養を取らないと。それじゃあおかゆでも作りますね。」
そう言って台所に向かって行こうとする大妖精にルーミアが声をかけた。
「おかゆなら私が作るよ。だから大ちゃんは霖之助とここでまってて。」
いつもよりルーミアの声が強かった気がするが気のせいだろう。
「そう、なら私はここで店主さんを見て待ってるからお願いね。」
ルーミアが台所に向かったため居間には僕と大妖精だけが残った。
「今日はすまなかったね。看病させてしまって。」
「気にしないでください。私も好きでやってることですから。それに店主さんの世話なら…」
「ん、すまない、それに…なんだい?」
最後のほうが小さくて聞き取れなかったため大妖精に聞き返してみた。
「い、いえなんでもないです。」
表情からはなんでもない様に見えないが本人がなんでもないとい言うなら深く聞かないでおこう。
「それにしてもさっきから看病に慣れているみたいだったけど、他にも風邪をひいたりする友達でもいるのかい。妖精は風邪をひかないと思っていたんだが。」
「風邪はひきませんよ。でもチルノちゃんがよく怪我をしてくるので、その時の手当てを私がしてるんです。だから誰かの面倒を見るのに慣れたんですよ。」
今の話で合点がいった。あのチルノならいろんな人妖に戦いを挑んで怪我をすることも多いだろう。いくら妖精の自然治癒力が高くすぐに治るとしても手当てをしたほうが早く治る。それに大妖精の性格だ、怪我をしていたら手当てしてあげないと気が済まないのだろう。
「店主さん、店主さん。」
「ん、どうしたんだい。」
「急に反応が無くなったのでどうしたのかなと心配になって。」
「ああ、すまないな。考え事をしだすと周りが見えなくなってしまうんだ。僕の悪い癖だよ。」
それを聞くと彼女はホッとした表情になった。
「よかった、急に店主さんの病気が悪化したんじゃないかと心配したんですよ。」
昔はこんなに心配されることなんてなかったのにな。いや、昔のことを思い出すのはよそう、もう過去のことだ。それよりも今は目の前の子を安心させるのが先だ。
「僕は大丈夫だよ、なんだかんだいって長く生きてるからね。それとさっきから気になっていたんだが、僕のことは名前で呼んでくれてかまわないよ。」
「そ、それじゃあ、り、霖之助さん…で」
急に大妖精は顔を真っ赤にしていたが何かあったのだろうか。
「霖之助、大ちゃん、お粥できたよ。」
「う、うんルーミアちゃん今行くね。あう」
大妖精はルーミアの声におどろいて、しかもあわてて向かおうとしたためにつまずいてこけていた。
「大ちゃんそんなとこでなにやってるの。」
「あぅ~」
大妖精はさっきよりも顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしていた。
「早く食べようよ~」
「そうだね。」
「栄養を取れるようにたまご粥にしておいたから。」
そう言ってルーミアは自分の分を食べ始めた。僕も食べようと体を起こすと、何故か大妖精が僕の分のおかゆを持っていた。
「霖之助さんは体が動かないとさっき言っていたんで私が食べさせてあげますね。」
「自分で食べられるから大丈夫だよ。」
「気にしないでください。それより早く食べないとおいしくなくなってしまいますよ。はい」
これも彼女の性格だから仕方ないと自分に言い聞かせ、僕は口をあけた。
「うむ、おいしい。」
ルーミアはもう一人でいろいろな料理が作れるようになっていた。教えた身としてはとてもうれしいことである。
「はい霖之助さんあーんしてください。」
しかしさっきからルーミアの視線が痛い。
「ふぅごちそうさま。ルーミアとてもおいしかったよ。」
「それならよかった。」
「ルーミアすまないが、そこの薬箱から風邪薬を取ってくれないか。」
ルーミアに取ってもらった薬を飲み、布団の中に戻った。それから数分で僕の意識は闇の中へ落ちて行った。
「ちゃんと効いたみたい。」
「霖之助って辛いとか表に出そうとしないからね。これでゆっくりと休めると思う。大ちゃんも手伝ってくれてありがとうね。」
「気にしなくてもいいよ。私も霖之助さんにはしっかり休んでほしかったからね。それに私の力はこういうときにしか使えないし。」
わたしたちがなにをしたかというと、霖之助がなかなか寝ないから私が闇を霖之助が気付かない程度にはり、大ちゃんが自然の力を使ってリラックスさせて眠らせたのである。
「それじゃあ私はもう帰るね。チルノちゃんもそろそろ帰ってくると思うから。霖之助さんにお大事にと伝えといて。」
「うん、またね。」
霖之助はまだ寝ているから、今のうちに夕食を作っておこう。雑炊なら食べれるかな。
ん、僕は眠ってしまってたか。日は沈み夜の帳が下りていた。
「霖之助もうすぐご飯できるよ。それと大ちゃんがお大事にだって。」
ふむ、大妖精はもう帰ったのか。そういえば何か用事があったんじゃないのだろうか。次来た時にお詫びしないといけないな。
「霖之助、ご飯出来たよ。」
ルーミアが熱そうな土鍋を持って居間に戻ってきた。
「まだ普通のものは食べにくいと思ったから食べやすそうな雑炊にしたよ。」
「ありがとう、まだのどが少し痛いからね助かるよ。」
ここまで気を使って行動してくれるととても助かる。
「霖之助はまだ体がだるいでしょ。だからその、私が食べさせてあげる。」
「いや…ん、そうだな、寝起きでだるいから、お願いするよ。」
ルーミアの顔がパッと明るくなった。
「うん、はい霖之助。」
笑顔でスプーンを差し出してるルーミアにしたがい僕は雑炊を食べていった。恥ずかしかったがこの笑顔が見られるならいいと思えた。
「それじゃあかたづけてくるね。」
そう言ってルーミアは食器を持って台所に戻って行った。
それからすぐに僕は眠りに落ちてしまった。だいぶ体が楽になったとはいえまだ完全みたいではないみたいだ。
食器をかたづけて戻ってくると、霖之助が寝ていた。私は寝ている霖之助の横に座りそっと髪をなでた。癖っ毛だがさわり心地のよい髪だ。
安心したのか急に睡魔がおそってきた。それにあらがうことができず私も眠りに落ちていった。
朝起きると昨日の風邪が嘘のように体が楽になっていた。体を起こそうとするとおなかのあたりに重みを感じた。
そこにはすやすやと寝息を立てて気持ち良さそうに寝ているルーミアがいた。僕はそっと頭をなでた。そしてもう少しこのまどろみを味わうため、目を閉じた。
ゴホッゴホッ
香霖堂の寝室にはげしくせき込む音が広がる。ここの店主である霖之助はもうすぐ店の開店時間になるというのに布団から出れずにいた。
「まいったな、体に力が入らない。」
そう僕は風邪をひいてしまったみたいなのだ。確かに昨日から体に不快感があって気にはしていたんだ。だが半妖なので体質がら大丈夫だろうとたかをくくっていてそのままにしていた。その結果がこれなのだが。
僕は半妖であるため人間の病にも妖怪の病にもかかりにくい体質である。だが逆に両方の性質を持っているため、かかりにくいだけで可能性としてはどちらの病もかかりえるのだ。しかも性質の悪いことに、人間のほうの病はかかりにくいことが災いし耐性がなく風邪くらいの病でも重症になってしまうのだ。
仕方ない、お客さんには悪いが今日は休業にするしかないか。あまり困る客がいないような気がしたが頭が痛いので考えないことにした。決して売れない店だということを認めたわけではない。
僕は再び眠りにつこうとした時店の入り口からカランカランという誰かがきた音が聞こえた。
僕は動けないので布団の中でこうつぶやくことしかできなかった。
「頼むから商品を盗まない良識のある人妖であってくれ。」
この時霖之助が良識のある人妖だったら「休業中」の店に入ってこないだろう、という考えに至らなかったのは熱で頭がしっかり働いていなかったためだろう。
「霖之助、いないの~」
「お、おじゃましま~す」
店のほうから今入ってきた客の声が聞こえてきた。その声は最近になってよく聞くようになったものと、もうひとつ他の声の二つだった。
「霖之助いないの~」
「ルーミアちゃん、そんな大きな声で騒いだらだめだよ、店主さんがまだ寝てるかもしれないんだよ。」
ルーミアともう一人の少女が話している声が寝室まで聞こえてきた。
「ルーミア、僕はこっちにいるよ。」
ルーミアなら物を取って行ってしまうこともないだろうしも一人の少女もさっきの話から礼儀正しい子なのだろう。だからこそ僕はルーミアたちを呼んだ。これがほかの妖怪とかだったら帰るまで息をひそめていただろう。
ドタドタドタ
廊下を歩いてくる音が次第に大きくなってきた。そしてふすまが空けて入ってきたのはルーミアと薄い緑色の髪の毛をした少女だった。霖之助はその少女に見覚えがあった。前にチルノから氷をもらった時にチルノと一緒にいた少女だ。確か名前がなく周りから大妖精や大ちゃんと呼ばれていたはずだ。考え事をしていたらルーミアが笑いながら近づいてきた。
「あれ、霖之助まだ起きてなかったの。まったくお寝坊さんだな~」
そう言ってルーミアは僕を見て笑っている。しかし大妖精の反応は違っていた。
「店主さん、体の調子が悪いんですか?顔が赤いしさっきから呼吸が辛そうですから。」
「え、そうなの、霖之助?」
それを聞いたルーミアからさっきまでの笑いは消えて心配そうな顔をしていた。さっきまでの笑顔が消えて心配そうな表情にルーミアがなってしまったため、僕はとっさに嘘をついた。
「心配するようなことじゃないよ、少し寝坊しただけだか…ん。」「あ!」
ルーミアの声と同時に大妖精は自分のおでこを僕の額にあててきた。僕の額から離れた大妖精はおどろいた表情をしていた。
「店主さん、すごい熱じゃないですか!」
大妖精はあわてて別の部屋へ向かって行った。ふと、ルーミアのほうを見てみると何故か不機嫌になって頬をふくらましてこっちを見つめていた。
「むぅー」
その一言だけ残して大妖精のほうに向かって行った。まったくなにに怒っていたのかわからない、それでもすぐに機嫌を直してくれるといいのだが。
数分して水を入れたたらいとタオルを持った二人が戻ってきた。大妖精は僕の頭もとに座ると慣れた手つきでタオルを水につけて冷やし僕の頭にのせてくれた。タオルが火照った頭を冷やしてくれてこれだけでも先ほどより楽になった気がする。
「それで、店主さんは朝ご飯はちゃんと食べましたか。」
「それなんだが、朝起きた時からこの熱でね、体が動かせないから何も食べてないんだ。」
「だめですよ、病気の時はちゃんと栄養を取らないと。それじゃあおかゆでも作りますね。」
そう言って台所に向かって行こうとする大妖精にルーミアが声をかけた。
「おかゆなら私が作るよ。だから大ちゃんは霖之助とここでまってて。」
いつもよりルーミアの声が強かった気がするが気のせいだろう。
「そう、なら私はここで店主さんを見て待ってるからお願いね。」
ルーミアが台所に向かったため居間には僕と大妖精だけが残った。
「今日はすまなかったね。看病させてしまって。」
「気にしないでください。私も好きでやってることですから。それに店主さんの世話なら…」
「ん、すまない、それに…なんだい?」
最後のほうが小さくて聞き取れなかったため大妖精に聞き返してみた。
「い、いえなんでもないです。」
表情からはなんでもない様に見えないが本人がなんでもないとい言うなら深く聞かないでおこう。
「それにしてもさっきから看病に慣れているみたいだったけど、他にも風邪をひいたりする友達でもいるのかい。妖精は風邪をひかないと思っていたんだが。」
「風邪はひきませんよ。でもチルノちゃんがよく怪我をしてくるので、その時の手当てを私がしてるんです。だから誰かの面倒を見るのに慣れたんですよ。」
今の話で合点がいった。あのチルノならいろんな人妖に戦いを挑んで怪我をすることも多いだろう。いくら妖精の自然治癒力が高くすぐに治るとしても手当てをしたほうが早く治る。それに大妖精の性格だ、怪我をしていたら手当てしてあげないと気が済まないのだろう。
「店主さん、店主さん。」
「ん、どうしたんだい。」
「急に反応が無くなったのでどうしたのかなと心配になって。」
「ああ、すまないな。考え事をしだすと周りが見えなくなってしまうんだ。僕の悪い癖だよ。」
それを聞くと彼女はホッとした表情になった。
「よかった、急に店主さんの病気が悪化したんじゃないかと心配したんですよ。」
昔はこんなに心配されることなんてなかったのにな。いや、昔のことを思い出すのはよそう、もう過去のことだ。それよりも今は目の前の子を安心させるのが先だ。
「僕は大丈夫だよ、なんだかんだいって長く生きてるからね。それとさっきから気になっていたんだが、僕のことは名前で呼んでくれてかまわないよ。」
「そ、それじゃあ、り、霖之助さん…で」
急に大妖精は顔を真っ赤にしていたが何かあったのだろうか。
「霖之助、大ちゃん、お粥できたよ。」
「う、うんルーミアちゃん今行くね。あう」
大妖精はルーミアの声におどろいて、しかもあわてて向かおうとしたためにつまずいてこけていた。
「大ちゃんそんなとこでなにやってるの。」
「あぅ~」
大妖精はさっきよりも顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしていた。
「早く食べようよ~」
「そうだね。」
「栄養を取れるようにたまご粥にしておいたから。」
そう言ってルーミアは自分の分を食べ始めた。僕も食べようと体を起こすと、何故か大妖精が僕の分のおかゆを持っていた。
「霖之助さんは体が動かないとさっき言っていたんで私が食べさせてあげますね。」
「自分で食べられるから大丈夫だよ。」
「気にしないでください。それより早く食べないとおいしくなくなってしまいますよ。はい」
これも彼女の性格だから仕方ないと自分に言い聞かせ、僕は口をあけた。
「うむ、おいしい。」
ルーミアはもう一人でいろいろな料理が作れるようになっていた。教えた身としてはとてもうれしいことである。
「はい霖之助さんあーんしてください。」
しかしさっきからルーミアの視線が痛い。
「ふぅごちそうさま。ルーミアとてもおいしかったよ。」
「それならよかった。」
「ルーミアすまないが、そこの薬箱から風邪薬を取ってくれないか。」
ルーミアに取ってもらった薬を飲み、布団の中に戻った。それから数分で僕の意識は闇の中へ落ちて行った。
「ちゃんと効いたみたい。」
「霖之助って辛いとか表に出そうとしないからね。これでゆっくりと休めると思う。大ちゃんも手伝ってくれてありがとうね。」
「気にしなくてもいいよ。私も霖之助さんにはしっかり休んでほしかったからね。それに私の力はこういうときにしか使えないし。」
わたしたちがなにをしたかというと、霖之助がなかなか寝ないから私が闇を霖之助が気付かない程度にはり、大ちゃんが自然の力を使ってリラックスさせて眠らせたのである。
「それじゃあ私はもう帰るね。チルノちゃんもそろそろ帰ってくると思うから。霖之助さんにお大事にと伝えといて。」
「うん、またね。」
霖之助はまだ寝ているから、今のうちに夕食を作っておこう。雑炊なら食べれるかな。
ん、僕は眠ってしまってたか。日は沈み夜の帳が下りていた。
「霖之助もうすぐご飯できるよ。それと大ちゃんがお大事にだって。」
ふむ、大妖精はもう帰ったのか。そういえば何か用事があったんじゃないのだろうか。次来た時にお詫びしないといけないな。
「霖之助、ご飯出来たよ。」
ルーミアが熱そうな土鍋を持って居間に戻ってきた。
「まだ普通のものは食べにくいと思ったから食べやすそうな雑炊にしたよ。」
「ありがとう、まだのどが少し痛いからね助かるよ。」
ここまで気を使って行動してくれるととても助かる。
「霖之助はまだ体がだるいでしょ。だからその、私が食べさせてあげる。」
「いや…ん、そうだな、寝起きでだるいから、お願いするよ。」
ルーミアの顔がパッと明るくなった。
「うん、はい霖之助。」
笑顔でスプーンを差し出してるルーミアにしたがい僕は雑炊を食べていった。恥ずかしかったがこの笑顔が見られるならいいと思えた。
「それじゃあかたづけてくるね。」
そう言ってルーミアは食器を持って台所に戻って行った。
それからすぐに僕は眠りに落ちてしまった。だいぶ体が楽になったとはいえまだ完全みたいではないみたいだ。
食器をかたづけて戻ってくると、霖之助が寝ていた。私は寝ている霖之助の横に座りそっと髪をなでた。癖っ毛だがさわり心地のよい髪だ。
安心したのか急に睡魔がおそってきた。それにあらがうことができず私も眠りに落ちていった。
朝起きると昨日の風邪が嘘のように体が楽になっていた。体を起こそうとするとおなかのあたりに重みを感じた。
そこにはすやすやと寝息を立てて気持ち良さそうに寝ているルーミアがいた。僕はそっと頭をなでた。そしてもう少しこのまどろみを味わうため、目を閉じた。
こーりんめ…
パルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパル
大ちゃんはこーりんが好きなのかー?
セリフにそんな節があったけど
こーりんは見覚えがある程度なんだよね?(こーりんが忘れてるだけかもしれないけど)
大ちゃんも店主さんって言ってたし…
そのあたりに違和感を感じたかな?