Coolier - 新生・東方創想話

先人伝(守矢)

2012/09/09 13:41:53
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 初投稿です。見苦しい場面が多々ありますが、ご了承ください。



(1)山の主神 八坂神奈子 様より

そこにいるのは誰だい?こんな朝っぱらから
・・・なんだいつぞやの天狗かい。何の用か?・・・取材?
私達のことは随分と前に取材したろう?・・・っえ、違う?
・・・まさかあの子の事を聞くつもりかい!?
・・・・・・まあいいさ。別段隠す事じゃないからね。ただそう言うのは本人から聴くもんじゃないのかい?
「後で聞く」
ねぇ。いいだろう。あの子の事、話してやろうじゃないか。

あの子には年が離れた兄が居てね。いずれは東風谷の屋号を継ぐ優秀な兄がね。
・・・何?兄の話じゃなくてあの子の事?まあ待ちなよ。物事には順序ってのがあるんだよ。
ええとっ・・・、であの子の事だけど、小さい頃はいつもその兄と一緒だったよ。「兄様、兄様」って随分と懐いていたし、可愛がって貰ったようだったね。けどね、家族にはそれが気に入らなかったようでね。色々当たってた見たいだよ。

えっ?何故かって?
あの子の兄は優秀だった。けど、あの子は天才だった。それが答えさ。
本来屋号を継ぐ兄よりも優秀で、何より生まれながらにして奇跡的な力を持つあの子はそれだけで周囲から忌み嫌われたのさ。
どうしたい?微妙な顔してるね。けど、そういう世界だったのさ。東風谷の一族はね。
けどまあ、兄は出来た子だったからね。周囲がどれだけあの子を見限ろうと、兄だけはあの子の味方だったよ。
あの子も兄だけには心を許していた。けどね・・・、本当は両親の愛情が欲しかったんだろうね。だから、あんな事をしたんだろうけど・・・。

「あんな事とは」かい?たいした話じゃない。当時、外の世界にはまだ力の強い妖怪・亡霊なんかが居てね。東風谷一族はそんな魑魅魍魎を退治する仕事も請け負っていたのさ。
あの子の父親も昼は神主、夜は退治屋っていう風に活躍していてね。あの子はそれを知っちゃったのさ。
子供が親に期待するのは何だと思う?そう褒めてもらう事さ。父親の仕事を知ったあの子はお手伝い気分で父親に付いて行ってしまったのさ。もちろん内緒でね。

その場面を直接見たわけじゃないが、結果から言うとあの子は殆ど一人で妖怪を退治しちゃったのさ。それも、そこらに雑多する有象無象じゃなく、本職でも準備が要る中堅くらいの奴をね。
当然、運が良かったのもあるよ。いくらなんでもまだ子供さ。相手がそれで油断したんだろうとは思うがね。けど、父親はそう思うことは出来なかった。
「化け物っ!」そう一言叫んで、あの子を妖怪用の拘束具縛って、そのまま神社の離れに閉じ込めちゃったらしいよ。
あの子にすれば、「父親の仕事を手伝う」=「褒めてもらえる」はずだったのに完全に裏目に出た形になっちゃたね。
・・・それから、あの子はいつ出れるともいつ殺されるかも分からず、離れで飼われ始めたのさ。

「助けようとしなかったのか?」って。
「神は人の為す行いに干渉したりしない!!」・・・ていうのは建前さ。
正直に言うよ。私は・・・怖かったんだ。
神への信仰ではなく科学の発展により、私達はその存在を危ぶられた。
昔なじみの八百万の神々が、つい昨日会った一柱が、次の日にはその信仰の無さから消滅する。
特に、当時は科学技術が躍進中だったからね。疫病の如くそれらは蔓延し、神を死に追いやったのさ。
私も運が良かったとはいえ、その信仰を大幅に減らし、次は我が身かと・・・怯えた事もあったんだよ。

・・・だから、助けなかった。

もしあの子を助けたら、私への信仰心が無くなってしまうんじゃないかって。勝手に想像して、逃げ出しちまったんだよ。
・・・・・・笑ってくれてもいいよ。人に畏怖される存在である神が、人のご機嫌をとるようになってたんだから。
ただ、今の私が昔の私をみたら、多分あいつを殺して自滅するね。ゼッタイ。

幻滅したかい?ごめんよ。私の愚痴になっちゃったね。で話を戻すんだけども・・・。
ついでにごめんよ。私は離れに居たあの子の事はあまり知らないんだよ。ずっと本殿で人間様のご機嫌とっていたからね。
もし、知りたいなら諏訪子に聞きな。あいつはしょっちゅう離れに行ってたから。
うん?そうかい・・・。じゃあ、諏訪子の所に行きな。今は多分、湖に居るだろう。
じゃあ・・・。達者でね・・・。








(2)山の祟り神 洩矢諏訪子 様より

天狗風情が私に何のようだい?私は今水浴びで忙しいんだ。用があるなら後にしな。
・・・何?あの子についてだって。
・・・・・・お前どこでそれを?事と次第によっちゃあ、今晩の献立が鳥の水炊きに変わるかもしれないよ?
へっ?神奈子が?
・・・はあ。それを先に言いなよ。
良いよ、話したげる。
そこで待ってな、今上がるから。

・・・・・・少女着替え中・・・・・・

よっと。お待たせぇ。さってじゃあ早速話をしようか。確か、離れに閉じ込められた時からだったね。

離れに居たあの子はいい感じに絶望していたね。
そりゃそうさ、父親助けただけなのに、化け物扱いされて、牢に入れられりゃ誰でもああなるさ。
でさ、私はそんなあの子に興味抱いてさ。夜中にこっそりと侵入したわけ。
最初はさ、どこ居るか分かんなかったんだけど、隅っこの方でうずくまってたんだ。
私が声掛けたらさ。ゆっくり顔上げて「誰?」って聞いてきたからさ。
「神です。」って答えてやったんだよ。そしたらさ、なんて言ったと思う?

「神様。私を殺して下さい。」だって

初めて出会った神様にいきなり自分を殺してくれだなんて・・・。
結局あの子が一番憎かったのは自分自身なんだよ。この家のしきたりを破った自分が一番憎かったんだね。
だからさ私は言ってやんだよ。「馬鹿!、アホ!、間抜け!!、○○○○やろう!!」ってね
ふふっ・・・子供だからって関係ないさ。さんざん悪態をついてやったよ。
で、最後は泣きながら私に殴りかかってきたんだけどね。・・・うん?当たり前だろう。もち返り討ちさ。
「ど根性キック」食らわしたら、そのまま気絶しちゃったよ。
まあ、そのままにしておくのはやっぱアレなんで、明け方まで膝枕してやったけど。

それから、私は毎晩離れに行ってあの子とお喋りしたね。
最初がアレだったんで、好感度底辺からスタートだったけど。一ヶ月もしたら普通に話し掛ける位はしてくれるようになったね。
まっ、一日で離れに来るのは食事番とあの子の兄貴ぐらいだからね。話し相手も欲しくなるよ。
へっ?ああ、兄貴の方は頻繁に来てたね。時々、私も一緒に話に入ったよ。中々出来た好青年だと思ったね、あれは。
話し戻すよ。あの子との会話は私にとっても楽しかったよ。まあ、殆ど私が話してあの子が合いの手入れるって形だったけど。それなりにね。
色々喋ったね。「私と神奈子」の事とか「妖怪やその他人外」の事とか「服に取り憑いた黄色い蛙」の話とか、ほんとに色々さ。
・・・ただね、そんな中でもあの子の絶望は変わらなかった。

ある日の事さ。あたしは聴いちゃったんだ。「あの子を殺そう」って話を。神奈子から
ほんとに馬鹿ばっかだよね!自分に無いモノ持ってるだけで、子供でも平気で殺そうとするんだもん!!
さすがの私もアレには切れてね。その晩、境内中に祟りを起こしてやったんだ。
あいつら慌てふためくだけで何の対処も出来やしない。その姿を見てしこたま笑ってやったさ。
でさ、私は離れに行ってあの子に言ったんだ。「もし生きたいならもう此処に行っちゃいけない。連れ出して欲しいかい?」ってね。
返事は「うん」だった。だから、私はあの子を逃がしたのさ。
あの子逃がす途中で兄貴に会っちゃたわけ。しかも、逃亡の手伝いしてくれるんじゃなくて止めに来たんだよ。
「お前が居なきゃ、俺は誰を比較すれば良い!」とか色々言ってたけど「ど根性キック」で伸しちゃったよ。
思えば兄貴も可哀想なもんさ。周囲から比較され続け、優良を貰わなきゃいけない宿命を負わされるなんてね。
んで、愛の逃避行は私が活動できるギリギリの範囲まであの子を連れてってそれで終わり。あの子は強く生きました。めでたしめでたし。

・・・うん?いや本当にそうなんだって。私はその町の外れまであの子連れ出して、そこでお別れさ。
面倒最後まで見ないのかって?・・・冗談よしな。そこまで面倒見切れないよ。
私はあの子が生きたいといったから、連れ出しただけだよ。
そっから先はあの子次第さ。帰ってくるも良し。独立するも良し。野たれ死ぬも自由さ。
その子もその覚悟は有ったようだしね。「ありがとう。さよなら」って言ってさ。後味無く、そのままお別れしっちゃったよ。
けどね、ちょっと予感はしたんだあの子はまた帰ってくるって。
あの子と別れて神社に帰ると、まあ神奈子にこっぴどく怒られたね。数百年ぶりに神奈子とガチでヤリ合いそうになっちゃたよ。
けど後から、「ありがとう」って小声で言われてさ。ありゃツンデレだね。ウン。

ふへぇ?その後あの子はどうしたかって?再会したよ。守矢神社の境内で。数年ぶりにね。
私の予想通りあの子は帰ってきたのさ。・・・まあ、正確には連れ戻されたかな?
あの子の兄貴が死んで、その娘である早苗を護るためにね。

・・・ふぅ~。ちょっと喋りすぎたかな。疲れちゃったよ。
悪いけどこっから先は本人に聞くかどうかしなよ。
・・・って。今の時間あの子は境内にいないか。
うんじゃあ先に、早苗の方から話を聞きなよ。
早苗?今は人里じゃないかな?
・・・ほい。ウンじゃ・・・。達者でね・・・。




(3)現人神 東風谷早苗 様より

きゃっ!?ビックリした。
・・・カラス天狗・・・射命丸さんじゃないですよね?
良かった。初対面じゃなかったら失礼していました。
初めまして、私は守矢神社の巫女を務めさせていただいております。東風谷早苗と申します。以後良しなに。
それでどういったご用件でしょう。入信ですか?お悩み相談ですか?
・・・えっ?取材?あの人の?
ええ、もちろん構いませんよ。神奈子様、諏訪子様の両柱から既にお許しが出ているのであれば、一介の巫女にそれを拒否する権利はありません。
それにあの人は・・・私にとっても大切な人ですから・・・。
・・・とっ、それでどこからお話すればよろしいでしょうか?
あの人が帰ってきた時からですね。分かりました。お話しましょう。

当時、私は両親を事故で亡くし、幼い身で東風谷の当主として祭り上げられていました。
私の後見人は母方の兄弟達でした。最初は両親が亡くなった悲しみを一緒に分け合ってくれると言っていたんです。
・・・けど、その人達に関心があったのは東風谷が古くから持っている財界や政界への繋がりでした。
来る日も来る日も、知らない人と挨拶するだけの人形のような日々・・・。
私を当主にして、自分達は後見人として色々好き放題やってたんだと思います。詳しくは知りませんし、知りたくもありません。
そして、そんな方々を本家も分家も疎ましく思っており、次々と「自分を後見人に」と私に言い寄ってきました。
殆ど毎日それが続いて・・・、神奈子様も諏訪子様も心配してくれてはいたんですが・・・。結局その勢いを止める事は出来ませんでした。

「恨んでいるか」ですか?とんでもない事です!
お二方は早くに両親を亡くした私の事を本当に大切にしてくれました。
あの無機質な日々を壊れずに過ごせたのも、お二方が居てくれたからです!!

・・・ごめんなさい。ちょっと興奮してしまいました。・・・話し・・・戻しますね。
そんな日々が続いたある日のことです。
その日は守矢神社の縁者の方々が一堂に会す懇親会でした。といっても、実際は大人達が互いの腹の底を探り合う為の会です。
もし、私がさとり妖怪ならこいしさんのように目を瞑ってしまう位酷い懇親会でした。
私は心痛な気持ちで、当主としてその会に参列しました。想像通り、いつもの5割り増しで大人たちが私に言い寄ってきたました。
台詞は大体同じです。「私を後見人に」、「養子にならないか」、「うちの息子とお付き合いを」の3種類を繰り返すだけ。そして、それを遮る『後見人達』と一言も発せずそれを見る私・・・。
いつもの事を諦めていました。「いずれこの人達の贄になるだろうな」って。
そんな時です。あの人がフラッと会場に入ってきたんです。
突然の出来事でした。祖父や親戚の方々も一様にその人を見て驚いていました。
そして、その人達の前であの人は「東風谷早苗さんとはどの娘ですか。」って言いました。
「誰だお前は?」て誰かが聞きました。すると彼は
「私の名前は東風谷典厩。兄の遺言で娘の早苗さんを私の養子にしに来ました」いきなり宣言しちゃったんです。
そこから先は大混乱です。「嘘だ!」とか「つまみ出せ」とか怒声が聞こえて、その人に掴み掛かっていく人がいました。
けど、あの人はそんな人たちを軽くあしらって、私の前に進み寄って来ました。
そして、「兄の面影がある。あなたが早苗さんですね。」って聴いてきたんです
思わず「ハイっ!」って言っちゃいました。
すると、にっこりと微笑んで私の頭を撫でてくれました。
その時の感覚が何だかお父さんに撫でられている様で、・・・・・・ちょっと泣いちゃいました。

結局は神奈子様が仲介して、「私が成人するまで」という条件の元、叔父は私の養父になりました。
最初の出会いは好印象でしたが、抵抗はありました。父の弟とはいえ、私からすれば初めて顔を合わした他人です。
私を利用しようとする大人達と同じじゃないのかって思ってました。
・・・けど、一年と経たずにそれは杞憂だと思うようになりました。

養父は私の事を実の娘以上に可愛がってくれました。そして、そんな養父を私も父親と同じように慕っていました。
幸せな時間でした。両親を早くに亡くし、大人達の道具にされていた頃に比べれば比較にならない、・・・本当に楽しい時間を・・・。
ごめんなさい・・・ちょっとその時のこと思い出しちゃって。
そういえば、こんな風に泣く事もあの時はしませんでした。それが、今では泣く事も笑う事も出来る。
私は養父に・・・いえ、お父さんに感謝しています。心の底から・・・。

えへっ。ごめんなさい。ちょっと混乱しちゃって、これ以上何を話せばいいか・・・。
・・・幻想郷に来るまでの経緯ですか?
射命丸さんにはお話しましたが、神の信仰が・・・えっ?外の世界と決別する事ですか?
それはもちろん辛くはありました。それに諏訪子様から聞いたんですが、私が幻想郷に移る事で神奈子様とお父さんが揉めたそうです。
巫女として幻想郷へ連れていきたい神奈子様と人の娘として現世で暮らさせてあげたいお父さん。色々口論があったそうです。
結局は諏訪子様の「早苗の好きにさせればOK」の一言で済みましたけど。
・・・私は風祝の巫女です。その生涯をあの二柱に捧げています。それは私自身の意思です。
お父さんも最終的には分かってくれました。ただ・・・ふふっ、あの時のお父さんの顔、結構な悩み顔でしたけどね。

この幻想郷に着てからもお父さんは私のいえ、守矢全体の為に頑張ってくれているんです。
神社の分社を建てる為に幻想郷の各地を回ったり、人里で鍼治療を施したりしてるんですよ。
今日だって、朝早くから神社の裏の畑を耕して、今は天狗の皆さんの会合に行っているんです。
・・・えっ。知らないんですか?おかしいですね。父は殆ど毎日天狗の里に向かっていますよ。
ええ、行く時間も帰って来る時間も毎回バラバラです。時々、夜中になる事もありますが。
・・・まさか、父は私に言えない事をしてるんじゃ。・・・女性の方とのお付き合い?・・・それとも知らない間に借金が?・・・まさかまたギャンブルを?いや・・・けど・・・もしかしたら・・・。
・・・ってすいません。考え込んでました。
はあ・・・、もうよろしいのですか?分かりました。
お父さんの事、良い記事にしてくださいね。お願いします。

行っちゃった。さて私も買い物&布教の続きをしますか。
あれ?そういえば、あの天狗さん白狼天狗ですよね?
白狼天狗も烏天狗と同じように記者なんてするんでしょうか?
・・・まあいいか。買い物の続き続きと。今日は全品半額デーですよ。人海を割ってでも買い物しなきゃ。





(5)ある白狼天狗の手記より

今日一日で目標のについて分かった事が三つある。
一つ目は悲惨な過去を持って居る事
二つ目は逃亡から神社に現れるまで空白の年月がある事。
三つ目は目標がほぼ毎日我々天狗の里に通っている事だ。

一つ目に関しては確かに悲惨ではあるが、こんなケースは今まで散々見てきた。たいした事は無い。

二つ目の空白の年月に関してだが。これは『悲惨な過去を持ちながら、何故彼は神社に帰ってきたのか?』という疑問が湧く。しかも、話を聞く限りでは性格が変わっている。
幼少期に受けたトラウマを克服する事は出来なくも無い。しかし、目標の場合逃亡から一人での生活が余儀なくされている。
外の世界に詳しいわけではないが、子供一人が生きるには厳しい世界なのではないか。もし、そうなら性格はひどく歪んでしまう筈だ。例外は無い。
それとも彼は余程の幸運の持ち主なのだろうか?一人逃亡先で拾われ、人並みの生活を過ごしたからこそ変わる事が出来たのだろうか?
・・・いや、もう一つだけ可能性はある。
過去のトラウマをそのままに、歪んだまま成長し、そんな自分は社会的には正しくないと気付いてるケースだ。
この場合は厄介だ。奴等、社会不適合者は自分達の事を自覚している。だから、あえて仮面をつけるのだ。周囲には愛想の良い仮面で接し、裏では強盗や暴力などの本性をさらす。
大抵の奴等は時と共に自然淘汰されるが、生き残った奴等の行き着く先は笑顔で相手を傷つける種族。つまりは私と同じ間諜か殺し屋の二択だ。

次に三つ目の目標が天狗の里に顔を出していると言うだが、これが今回の調査の一番の功績だろう。
巫女の話では毎日里に通っているらしいが、私の記憶が正しければ、目標を見るのは1週間に1度程度だ。毎日など私は見ていないし、同僚や上司からも報告を受けていない。・・・では何故か。
この場合考えられるのは2つ。
巫女が嘘又は勘違いしているか、我々に見つからない様目標が毎日潜入しているかだ。しかし、彼女の反応を見る限り前者の可能性は低いだろう。
では、後者だろうか。普通は考えられない。人間が千里を見る目を持つ白狼天狗の警備を掻い潜り、今まで発見されないなどありえない事だ。例え、あの八雲紫でさえ不可能に近い。それだけ、山の警備は厳重なのだ。
ではどういう事なのか?やはり巫女の勘違いなのか?
いや違う。実はこの厳重な警備には穴があるのだ。
実に簡単な事だが、我々とて一人で四六時中働いているわけではない。休憩時間もあれば休日もある。もちろん、その間は他の天狗に警備を任せるが、これが間者だったらどうだろうか?
実は守矢の連中が山に居座ってから数日後、「警備の充実を図り、守矢やその信者達の動きを監視する}とかの名目で、警備隊の増員と整理が行われたのだ。その時はあまり不自然に思わなかったが、考えてみるとあの人事は変だ。
基本的に警備は白狼天狗が中心だが、その人事後は不自然に烏天狗が増えたのだ。しかもそれら一部の出身はあの天魔の親衛隊だという。
もしこいつらが故意に目標を見逃し、匿っているのであれば、これこそ守矢と天魔の関係を立証する証拠となる。自身の親衛隊を山の警備の為に遣わすのは一見美徳に見えるが、間者を招き入れるための布石なら天狗社会全体にとって許し難い事だ。
天魔の真意は分からないが、あの老獪の事だ。守矢と密かに手を結び、我々に対し何らかの弾圧を行っているに違いない。

今までの調査の結果守矢と天魔を結びつけるのはやはり目標の存在以外ない。
逆に言えば、目標さえ確保すれば天魔に対し強力な武器となる。
奴の事だから、切り捨てることもするだろう。むしろ、草々に捨ててもらいたい。そうすれば守矢との関係が悪化し、良くすれば双方共倒れになってくれる。そうならずとも、これが奴の政権を瓦解させるきっかけとなればそれで良い。
これから私は目標の確保に移る。残念ながら、能力や実力の事に関してはまだ分からない。
しかし、誰かがやらねばいけないのだ。
いつの時代にも革命を起こし、新しい秩序を築く為には相応の犠牲がいる。目標には新しい時代の礎になってもらおう。それに、よしんば私が殺されようとも、同士は他にも存在する。いずれ革命の時は必ず来るのだ。
今この山を支配するのは鬼でもなく神でもない。我々天狗だ。そしてその中でもより良き統治者が、あの方のような存在が君臨すべきなのだ。
そのために私は命を掛けよう。

今までの調査結果より、目標は明日の昼過ぎに「い班」の警備区域から侵入するだろうと思われる。必ず捕らえねば


チクッ






(6)ある白狼天狗の室内にて

「ふう」と男は一息ついた。
彼の前には机に突っ伏し、頭に鍼が刺さっている白狼天狗がいる。死んでいるのかは分からないがどうやら意識は無いようだ。
なにやら書き物をしていたみたいだが、最後の方の手記は不完全なままの状態である。

ガサゴソ・・・ガサゴソ・・・

男はその書き物を白狼天狗から取り上げ読み始める。
そして、読み終わると「ふむ」と一言発し、部屋の中を物色し始めた。
一通りの物色が終わると、彼は得たいのしれない液体が入ったビンをポケットから取り出した。

バシャ・・・バシャ・・・

ビンに入っていた液体を室内中にばら撒く。ツーンとした嫌な臭いがあたりに立ち込める。
一通り撒き終わると、男は天狗の側に行き、鍼を引き抜いた。
「ズポッ」という音共に、先端が赤黒くなった鍼は抜ける。
すると、次の瞬間「ガハッ!」と言う声と共に白狼天狗の女性が目を覚ます。



最初に感じたのは臭気だ。鼻にこべり付くかのような臭い。経験から、これは発火性の液体だと頭で理解する。
次に後ろを振り向き、「!!」驚愕する。今まで自分が手記していた目標が目の前に立っているのだ。
「お前は!」と声を出そうとするが、うまく出ない。いや声だけではない。体の四肢がうまく動かせない。
私はそのままイスから床に転げ落ちる。それでも体は言う事を聞かない。
不意に「あまり動かさない方が良いですよ。」と目の前の男が喋る。
「残念ながら、あなたの体内に在る気の流れを寸断して自由を奪わせて頂きました。」
気の流れを寸断する・・・だと!?馬鹿な・・・、とは思うが事実体が動かせない。
「あなたですね。最近私の事を探っているという天狗は?ああ、否定しないで結構ですよ。先ほどあなたの手記を読ませてもらいましたので。」
そう言って、先ほどまで書き込んでいた私の手帳を見せびらかす。「っ!!」何と言う事だ。手帳を、アレを読まれてしまった。アレには革命までの計画や目標に対する調査内容、果ては極秘資料が入った隠し金庫の場所まで示してあるのに・・・。油断した。悔しさがこみ上げる。
そんな私の心境を知ってか知らずか、男は一方的な会話を続けた。
「私の過去から現在まで随分と調査されたみたいですね。けど、肝心な部分が抜けていますよ。そう、多分あなたが考えている通り、空白の年月の事ですよ。後味悪いでしょう?話して差し上げます。」
そう言って、男は私の手帳を読みながら語り始めた。
「あなたがこの手記に書いた通り、私は幸運の持ち主ではありませんでした。小さな男の子が生きていくには当時は危険でしてね。・・・ふふ、強盗や空き巣、スリなど殺し以外の犯罪は10歳までには全て済ましていました。いや、一応殺しも人以外でしたら経験済みですね。牢屋から出た後も私を喰らおうと、魑魅魍魎が私を追いかけてきましたからね。」
やはり思ったとおりこいつは歪んだまま成長したのだ。今の状況を忘れ、私は自分の推考が合っていた事に喜ぶ。
「けど、長続きはしませんでした。ある日失敗して人・・・殺しちゃったんです。一応は事故として扱われましたが、今でも覚えています。あれは故意でした。しかも、殺した相手がいわゆる組織のお偉いさんでしてね。面子を護るために私は散々追われて、捕まっちゃいました。」
自分の推理が合ってった事で満足だ。もうこいつの話を聞く必要はない。今はこの状況を何とかしなければ・・・。体はまだ麻痺しているが、徐々に回復しつつある。話を聞くフリをしつつ、時間を稼ごう。
「で捕まっちゃったんですが、話の分かる方達でしてね。逆にその組織にスカウトされちゃったんです。なんでも、その組織は人と妖怪との調和を保つための組織とか。家を飛び出しても私は普通という生活は送れない運命なんでしょうね。・・・・そして、私は色々な技術をそこで学びました。戦闘や医療、サバイバル技術、西洋・東洋の魔術や術式などもね。そうそう、貴女を麻痺させてる鍼の技術もその時学びました。」
そういって、男は私に先の尖った鍼を見せた。なるほど、私の体を麻痺させたのはあの鍼か。確かに、妖怪といえど血を流し気を廻らせている以上その鍼は効果的だ。しかし、医療の技術を戦闘に用いるとは・・・。それに、外の世界にはそのような組織があるのか。一応の報告事項だな。
「その組織で私は十数年過ごしました。・・・気づけば私は内部でも地位の高い身分になっていましたし、私自身このままここで骨を埋めるのも悪くは無い、と思っていたのです。あの手紙を見るまでは」
「?」男の表情が変わった。ひどく悲しそうな目をする。
「ある日の事です。いつものように仕事を終えて自宅に帰宅すると、私宛の手紙が来てたんです。誰からだと思います?それは兄からの手紙だったんです・・・。正直言って驚きました。居場所がバレていたのと、差出人の両方にね。」
一拍ずつ呼吸をしながら話している。この話は余程感情的になるのだろう。抑えながら話している。
「手紙の内容は最近自分達夫婦が命を狙われている事、そして何かあった時は娘の早苗さんの後見人となって、守矢神社を頼みたい。と言うものでした。身勝手でしょう?私の事をさんざん蔑ろにしておいて、困った時は助けろだなんて。命を狙われているのも、大方本家か分家の恨みを買ったんでしょうね。我が身の為なら子供でも平気で殺す連中ですから。」
最後の方は怒気をはらみ、吐き捨てる様に放った。余程酷い連中なのだろう。私には何の興味も無い話だが・・・。
・・・よし、体はもう十分回復した。後はチャンスを待つだけだ。
「後日、兄夫婦の死亡事故を受け、私はおよそ十年振りに生家である東風谷・・・守矢神社に帰ってきたんです。と言っても、目的は帰郷ではなく、復讐です。兄の娘である早苗という娘の後見人になり、あわよくば東風谷の全てを私は奪うつもりでした。ですがね・・・。」
また表情が変わった。今度は少し嬉しそうだ。
「あの子を、兄の娘である早苗さんを見た時、私は何とも表現しづらい気持ちになりました。・・・あの子は昔の私にそっくりでした。生気の無い、絶望しきった目とまるで表情の無い顔そして何より、あの子はどことなく兄に、そして兄弟である私に似ていたのです。・・・多分気のせいでしょうが・・・。」
目が緩む、それは泣いている様にも見えた。
「ふふっ・・・。そんな子供を見たら、なんだか復讐が馬鹿らしくなりましてね。だってそうでしょう。私がやろうとした復讐は最終的には目の前の少女が罰を被るモノ、結局のところ周りの俗物共と同じものだったんですから。
その考えに至ったとき、境遇は違えど同じように周囲に振り回されたこの兄の娘を、私はその時護りたいと思ってしまったんです。」
男は顔を上げ天井を仰ぐ。こちらを見ていない。・・・チャンスだ!!
「もしかしたら、あれはあの子の奇跡の力だったんでしょうか?心の底から憎かった兄を・・・私は許すようになり、そして・・・後見人に成る事をあの子の前で誓ったのです。これって・・・奇跡でしょう?」
「知るか!」そう言い放ち、私は爪を振りかざしつつ相手に飛び掛る。距離、身体能力、月光の角度、相手の隙。全ての条件が有利に働いている。不意に、あの方からは生け捕りにせよとの命令だった事を思い出す。だが、構うものか。今は情報の保護が最優先だ。何より、このままこいつにコケにされたままで終われるか!そう思いつつ、男の頭に爪を振り下ろそうとする。
「!?」その時気づいた。今まさに命の危険にあるはずの目の前の男が笑みを保っている事。そして、私の隣から窓を突き破り、首筋めがけて太刀を振り下ろしている白狼天狗の存在に




ズバッ・・・・・・・・・グシャッ・・・・・・・・・コロ・・・コロ・・・




「ふう。」相手の体がピクリとも動かなくなったのを確認し、私、白狼天狗の犬走椛は一息つく。すると、「ありがとう御座います。」と丁寧に典厩殿が礼を言ってくる。
「どうと言う事はありません。あなたでも対処できたでしょ。その持っている鍼で」そう言って右手の鍼に目線を送る。
「さあ・・・どうなんでしょうか?不意打ちでしたから、結構危なかったんですよ?」
私は若干呆れた視線を送る。生物の血流から気の流れ、果ては風の流れや運気など森羅万象の流れを読み、其処から未来を予測する『流れを読む程度の能力』を持っているこの人が、不意打ちを予測出来ない筈が無い。大方私が来るまでの間、相手を麻痺させ話し相手にでもしていたのだろう。もしかしたら、私が来るぐらいの時間に麻痺が解けるよう細工して鍼を刺したのかもしれない。
「全く。・・・それで、何かめぼしい物はありましたか?」
「ええっ。この手帳です。」そう言って、持っていた手帳を差し出した。
「その中には、天狗組織内部の革新派達の計画の一部が記されています。その天狗、結構優秀な方なんですね。」そう言い、首と胴体が離れ離れの死体に目を向ける。
「ええ。年に一度の模擬演武では常にTOP3に入ってました。」
「ほほう。・・・では犬走さんは?」
「私は毎年一位です。天魔様の御傍にはお仕えすれば、嫌でもそうなります。」
典厩殿は苦笑しながら「・・・そうですか。」と返してきた。その様子に少しムッとしつつも思考を切り替える。
「それよりこの手帳以外は何か?」そう言ってあたりを見回す。と言っても、この人の事だ。ぬかりは無いだろう。
「いいえ。その手帳だけです。後は革命仲間のリストがありましたが、全員死んだ方達ばかりです。」
『死んだ』ね・・・。多分そのリストの半分近くは私達が『消した』方達なんだろう。
「では、もう此処には用はありませんね。撤収しましょう。」
そう言って私は懐から河童印のライターなるものを取り出す。
「私は天魔様の所に報告に行きますが、あなたは如何なさいますか?」
「私は神社に帰りますよ。二柱も養娘も待っているでしょうし。」
「分かりました。」
私はライターを点火し、そのまま床に投げる。

ボッ!!

と音を放ち、予め油をまいておいた部屋全体が燃え上がる。その光景を見ながら「ではまた。」と言い放ち彼を残し、飛び立った。簡単な挨拶だがどうせ、近いうちに又会うことになるだろう。そう思いながら、私は天魔様の許へ急いだ。




(7)終章 守矢神社にて
「ただいま~」
「あっ。お帰りなさい。お父さん。」
私の声に反応して、すぐ様声が返って来る。声の流れからするに、どうやら居間にいるようだ。もう夕食なのだろう。
靴を脱いでそのまま、居間に向かう。予想通り、其処には早苗さんと二柱が今か今かと鍋を囲んでいました。
「遅くなってすいません。」と一言詫びると。
「まったくだよ」と諏訪子様、「さっさと座りな」と神奈子様がそれぞれ文句を言います。
唯一早苗さんだけが、「ハハッ」と微笑んでいました。
私も顔を緩ませつつ、手を洗ってからテーブルの空いた席に座りました。
そこから先はいつもの守矢の食卓風景です。神奈子様、諏訪子様そして早苗さんが居る。あの日、私がこの神社に帰ってきてから10年間変わる事の無い食事の風景がまた繰り返されました。
・・・おっといけませんね。今日、自分の過去を話したからでしょうか。ちょっと感傷的になっています。そんな私の心情がばれない様に時折、談笑を交えつつ食事を進めました。

食事とその片づけを終え、早苗さんが寝静まってから、私は縁側で満月を見ながら月見酒を始めました。
スッ、と懐からあの手帳の切れ端を取り出します。これは私の調査内容が書かれたページです。別に見せても良かったんですが、なんとなくその部分だけ破って持ってきてしまいました。
改めて、その内容を読みました。読みながら過去を思い出します。思えば遠くまで来てしまいました。
初めは早苗さんが成人するまでという期間しかなかったのに、今ではこの幻想郷にまで着いて来たしまいました。後悔があるわけでも、外の世界に未練がある訳ではありませんが、感慨深いものはあります。そういえば組織は私の事をどう処理したんでしょうか?
そう考えていたときです。「隣良いかい?」と諏訪子様が声を掛けられてきました。
事前に『そうなるだろうな~』と予測していた私は、空いているもう一つの杯に酒を注ぎ、「どうぞ」と諏訪子様にお渡ししました。

一杯飲みながら、御方は聞かれました。
「今日も仕事だったのかい?」
「ええ、今日も仕事でした。」
「・・・すまないねぇ。いくら、山の連中との均衡を保つ為とはいえ、こんな汚れ役を押し付けて。」一瞬の沈黙の後、そう言われました。
私も杯を飲みながら、「後悔も未練もありませんよ。」と返します。
「私の任務はこの守矢の平穏を、つまりは神奈子様と諏訪子様、そして早苗さんを守る事です。それが、10年前に兄から手紙で依頼された任務。・・・その任務を遂行するためなら、どんな役割もこなして見せますよ。」
「・・・そうかい。」
諏訪子様は悲しそうな顔をしていますが、私はあえて気付かないフリをし、続けます。
「それに、報酬は兄から先払いでもう貰っているので、こればっかりは投げ出す訳には行けないですよ。」
「・・・そうかい。」同じ言葉を繰り返す諏訪子様の表情は、神のそれではなくまるで子供を見守る母親のような感じでした。少々心が痛みますが、申し訳ありません。あれほどの報酬を頂いたのですから、義理だけは果たさなければ。

しばらく無言の月見酒が続きました。両者とも月を見ながら酒を飲み、空になったら酒を注ぐ。第三者が見たら、どう思うでしょうか?
「おや?」そうこうしてる内に、徳利の酒が無くなりました。眠気の方も強くなってきましたし、そろそろお開きにしようとした時、諏訪子様が「最後に良いかい?」と質問をしてきました。
「なんでしょう?」いつもの様に返します。
「その報酬ってのはいくら貰ったんだい?」
「?」その時の私は余程変な顔をしていたのでしょう。後に、諏訪子様が『思い出し笑い』をされてるのを見かけました。けどなるほど、あなたは勘違いをされていますよ諏訪子様。
私が貰った報酬は金とか地位とかそんな低俗なものではありません。
私が貰ったのは・・・そう・・・。
「私が受け取った報酬は・・・」
杯に残った最後の酒を一口で煽り、私は答えました。




チュンチュン
雀の声で、私は目を覚ます。昨晩は少し飲みすぎたのか、頭痛がしますが全く問題ありません。
今日も私は仕事に出掛けるのでしょう。兄から頂いた報酬を護る為に。ただそれだけの為に、私は任務を遂行する。
任務の期限は報酬を失った時か、若しくは私が死ぬまでです。
「お父さん、おはようございます。」
「おお、起きたか。おはよう。」
「ふぁ~、ああ、おはよう。」
家族の挨拶に私も「おはようございます。」と返しました。
読んでいただき誠にありがとう御座います。
初投稿・初書きと初めてづくしの私ですが、「やってみよう」の精神で投稿させていただきました。
まだまだ、ど(×3)素人ですが生暖かい目で成長を見守ってくだされば、幸いです。
ご意見・ご感想お待ち申し上げております。

東風屋 典厩(こちや てんきゅう)のプロフィール
二 つ 名 :『神社に留まらない神主』
性  別:男
性  格:温和 冷静 冷酷
好きな物:特撮(特に怪獣系) ギャンブル
嫌いな物:ピーマン 過去
趣  味:鍼治療 野菜の飼育 日曜大工
能  力:『流れを読む程度の能力』
備  考:神主としての仕事はほぼ全て早苗さんに任している。(と言ってもやる仕事は少ない。)
     早苗さんとはしばし、ロボットと怪獣の良さについて論議をしている姿が目撃される。
青猫
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コメント



0.170簡易評価
3.50名前が無い程度の能力削除
あとがきから先に読んだのでどんな強烈なストーリーがくるかと思ったら
恋愛や原作キャラをコケにする展開もなく案外筋通ってた感
しかしこういう強くてクール系オリ男キャラはここじゃ「混ぜるな危険」の代表格。
このノリを続けるなら強くて折れない心をお持ちなされよ……
7.50名前が無い程度の能力削除
そそわでオリキャラものは茨の道ですぜ 原作キャラを書く事から力を付けるのがいいと思う
のですが作者さんが貫きたいなら何も言うまい 最後まで読ませて貰える力はありました
初めてとは思えなかったです 成長 期待させてもらいます!
11.80名前が無い程度の能力削除
誤字はいくつかあったけど、初めての割にはけっこうよかったです。
次も期待しています、次はオリキャラが出ないのを読んでみたいですね。