(一)
地下室の右端の床に何か落ちていた。姉の頭だった。
姉の頭、に見えているけれど、実際はちがうのかもしれない。私は気が狂っているので、自分の感覚が自分で信用できないときがある。それを拾って地下室を出た。咲夜に見せようと思ったのだ。咲夜は姉のお付きの従者で、人間で、まだ十数年しか生きていないくせに、これまでに例がないほどお姉さまの信用を勝ち取っている。きっと咲夜なら、これがなんなのか、正しく判定してくれるだろうと考えた。
部屋を出て階段をのぼる途中、階段の隅っこにも姉の頭が落ちていた。私はそれを拾う。先ほどのものと同じで、手のひらの上にちょうど乗るくらいの、小さな頭だ。水色の髪の下側に、全体の割合からすると大きめの目と、小さな鼻、吸血鬼らしい牙の生えた口がそろっている。たぶん、これは虫だ。そう考えた。
これは推理能力を働かせた結果で、私の部屋と、そこから出た階段のところにふたつも落ちているものといえば、虫か、石ころくらいのものだ。だから、きっとそうだ。私の狂気が、ただの油虫をお姉さまの頭に見せている。
部屋で拾ったほうの姉の頭を手のひらで握りしめて潰した。がり、ごり、ぐちゃっ、と、硬いものが潰れる音と、割れた硬いものの破片どうしが擦れ合って立てる音が聴こえた。能力を使うまでもない。私はお姉さまの妹で、吸血鬼だから、とても強い。虫でも頭でも、握力で潰してしまえる。
手を開くと、お姉さまの頭が砕けて割れ、頭蓋骨の中身がはみ出ていた。空いていたほうの手の指を使って、脳みそをすくいとり、血まみれになったお姉さまの顔の、血のついていない肌の部分にそれを擦りつけてみた。動物の皮をなめすときは、こうして、その動物自身の脳みそを皮に擦りこむのだと読んだことがあるからだ。
どこで読んだのだったか。私は考えた。図書館の本だ。(考えるまでもないことだ)
私は図書館へ向かった。お姉さまの皮をなめす、正確な手順を知りたかったのだ。砕けた頭をスカートのポケットに突っ込み、もうひとつ、残していたほう、砕けていないほうは、迷ったけど、そのへんに放り出した。ふたつも持っていかなくていいだろう。放してやる前に、小さなお姉さまの顔の唇にキスをした。階段の途中にぽいと放り投げると、それは少し飛んだあと、床に着地して、それから足を動かして灯りの届かない暗がりへ消えていった。
◆
図書館に着くと、パチュリーがいた(いつでもいる)。私はパチュリーに、動物の皮のなめし方が書いてある本を見せてくれるよう頼んだ。パチュリーは無言で小悪魔を見る。この小悪魔というのは、パチュリーがどこからか呼び出して使役している小間使いで、役に立つけど、名前がないくらいだからどうでもいい奴だ。一度ぶち殺してやったことがある。
どうして殺したんだか理由は覚えていない。殺し方は、能力を使ったやり方だった。私が手を握ると、黒いベストと白いブラウスに包まれた、小悪魔のほどよい大きさの胸の中心に穴が開いた。小悪魔は不思議そうな顔をしてそれを見た。次の瞬間、穴から盛大に血が吹き出て、小悪魔は死んだ。お茶会の途中だったから、私とお姉さま、それからパチュリーの紅茶のカップに小悪魔の赤い、黒い血が入った。お姉さまはそのままそれを飲んだ。パチュリーは飲まなかった。
次の日には、新しい、けれど前と同じ小悪魔が普段通りの顔をして働いていた。今、本を探しに行っている奴だ。
妖精メイドと同じで、何度でも同じ奴が出てくるんだろう。そう考えるとなんだか馬鹿らしい気がする。
スカートのポケットの中からお姉さまの頭を出してパチュリーに見せた。パチュリーは眉をひそめた。本ばっかり読んでいて無表情なのでわかりにくいが、パチュリーは実はとても感情が豊かだ。魔女にはめずらしいくらいよ、とお姉さまが言っていた。お姉さまは、パチュリー以外の魔女に会ったことがあるのだろうか?
図書館を出た。手には、小悪魔が見つけてきた本を持っている。最初にしたかったことを思い出した。私はこれを、咲夜に見せようと思ったのだ。
紅魔館(お姉さまがつけた名前だ。私たちの住む家のこと)には窓が少ないから、今が夜なのか昼なのかよくわからない。図書館から出てすぐの廊下を右に曲がり、次に三本目の交差を左に曲がった。咲夜はどこにいるだろう。
台所を通り、玄関ホールを通り、お姉さまが好んで座る、客との謁見室に入った。咲夜はいない。
咲夜はお姉さま付きの従者だから、お姉さまといっしょにいるんだろう。そう改めて考えた。姉の顔が目の裏にうかんだ。感情が揺れた。何度か廊下を曲がって、姉の部屋を目指した。すると、道に迷ってしまった。
どこで間違えたんだか、わからない。気づくと、自分の家の中のはずなのに、まったく知らないところに出ていた。固く焼いたレンガがむき出しの壁に、これもむき出しの炎が灯りになって、壁の高い位置にいくつか設置されている。上を向くと空気穴があり、煙がそこから出て行っている。
(ニ)
妹の様子がおかしい、とパチュリーが連絡してきた。近くまで来ていたので、私自ら図書館へ出向いてやった。食事の準備があるというので、咲夜はそちらへ向かわせた。大きな扉をくぐり、本棚の壁をいくつも通り抜けた先、図書館の最奥に親友がいる。数カ月ぶりに会った。前と同じ顔だった。
で、どうしたの。フランドールがおかしいのは、いつものことでしょう、と質問すると、今日はいつもよりもよっぽどおかしい、と返ってきた。
フランドールは、生まれたときから狂っている。私はそれを知っている。今日はどういうふうにおかしいの、と訊くと、本を借りに来たという。
あいつだって本くらい読むよ。パチェと同じひきこもりだから、私よりよく読むくらいだ。
そうね。レミィはぜんぜん読まないものね。この図書館の価値を、わかってないんだわ。
パチェはわかってるんでしょ。じゃあいいじゃない。で、どうしたの。
……本を借りていったわ。
動物の皮をなめす方法が解説されている本を注文して、借りていったという。私は腕組みをして考えた。妖精メイドを実験台にして、また何かやるつもりだろうか。悪趣味は嫌いじゃないが、フランドールがやるとほんとうに子どものお遊びにしかならない。生のままの才能や感性を、うまく配置する方法を知らないから、とにかく無駄が多いのだ。
彼女、泣いてたわ、とパチュリーが言った。
泣いてた? フランドールが?
ここに来たときからずっと。ずっと泣いていた。両目からとめどなく涙を流しつづけていて、自分ではそれに気づいていないようだった。どうしたの、と声をかける前に、手のひらをひらいて私に見せた。そこには何もなかった。けれど妹様はそこに、レミィ、あなたの頭があると言った。
私の頭が? フランの手のひらに?
あなたの頭を潰してしまったから、はみ出た脳みそを使って、皮をなめすんですって。革細工はクラフトのなかでも、けっこうレベルが高いわよ。教えたの?
教えてないよ。
ともあれ、自室に戻った。咲夜を呼び出して、次の食事に二三点、注文をつけた。それから紅茶を淹れさせて飲んだ。
紅茶というのは血液のことで、私は小食だから、たくさんは飲めない。けれど味はわかる。フランドールよりずっとわかるのだ。
◆
まずはナイフをきれいに研ぐ。動物を土の上にあおむけに置き、ナイフの刃を上に向けて、最初に肛門から首に向かって切り込みを入れていく。この際、寄生虫などがいるかもしれないから、安全を考慮してビニール製の手袋などをつけておくと良い。力を入れすぎると、肉や内臓までナイフが通ってしまうので、ゆっくりと丁寧に裂いていく。それが終わったら、脚と脚の周り、首の周りにも同様に切り込みを入れていく。
それから手を使って肉と皮を引き離していく。シカやキツネは皮下脂肪があまりないので、この作業はわりと楽だが、イノシシやアライグマは脂が多いので、時折ナイフを使いながら、なるべく脂肪が肉のほうにつくように仕向けて引き離していくとその後の作業に都合がいい。全体の皮が離れてきたら、四ツ足を間接の部分で切断する。腱が通っているので、その部分で切断するといい。
頭の部分は、首のところを手斧で叩いて切り落とす。(私なら素手でじゅうぶんだ)
本の中では、車に撥ねられたタヌキを(車ってなんだろう)使っていた。頭に、何かとても硬く、重い、質量のあるものがスピードをつけてぶつかってきて、そのあと、右の腰のあたりにもう一度ぶつかったようだ、とのことだった。皮を剥がしていくと、血が固まっているところがあるので、そういうことがわかる。
写真の中で、タヌキの死骸の顔から舌が出ていて、耳や目からは血が出ていた。頭蓋骨は粉々に砕けていたので、顎と歯の部分だけ保存することにする。土に埋めて三ヶ月くらい待っても良いが、不要な部分を削ぎとって、煮詰めて肉を取り除く方法もある。一部に若干肉が残ってしまうけど、地面の石の上に置いておけば、アリなどが食べてくれる。とてもきれいな白い歯をしている。
皮が全部離れたら、不要な脂肪を削いで、木の板に釘でそれを打ち付ける。次は、スクレイプ(こすって削いでいくこと)の作業だ。
木の板に打ち付けられているタヌキの毛皮の、内側の皮(皮下組織)に残っている肉、脂肪など、肉側の層の部分をナイフで削いでいく。この部分が完全に取れないと、脳みそが入らないので、なめす作業は失敗に終わる。
気をつけてやらないと、ナイフで簡単に皮が切れてしまう。ナイフを当てる角度と力具合が大事だ。
要らない部分が取れた場所は、きれいに白くなる。間近でみると、毛穴が浮かび上がっている。
ナイフはすぐに鈍るので、ときどき研ぎながら作業しないといけない。
中央部分の肉や脂肪は比較的簡単に取れるが、首、腰、脚、尻尾の部分は脂肪も厚く、肉側の層も硬いので作業はやや難しい。だいたいの脂肪が取れて、肉側の層を取り除くことができたら、次の作業に進む。端の部分などが完全に取れていなくても、この後で修正する作業があるし、どうしてもきれいに取れない部分は、最後に切り取ることもできる。
スポンジにたっぷり台所用洗剤をつけて、ごしごし皮の内側を洗う。
◆
炎の灯りの下で本を読んだ。これだけの工程を経たあとでないと、脳みそを皮に擦り込めない。私のやったことは、順序のすっ飛ばしもいいところだ。
ポケットの中からお姉さまの頭を出した。さっきは気づかなかった、血の固まっている部分がわかる。私はそれを舌ですくい取り、味わった。私はお姉さまの妹で、吸血鬼だから、血の味がわかるのだ。お姉さまの血は美味しかった。これまでに味わった、どの血の味ともちがう味がした。飲み込むと、その血が通った喉からお腹のなかまでが、自分ではなく、お姉さまになってしまったような気がした。
お姉さまの頭を見た。体からとれて、首から上だけになって、その首から上だけの頭を、私が潰してしまった。気づいた。お姉さまは死んでしまったんだ。
悲しいのはなぜだろう。涙が止まらないのはなぜだろう。
お姉さまが死んでしまったからだろうか。死んだお姉さまの姿を、私が壊してしまったからだろうか。
顔を上げて上を見た。炎から立ち上る煙をとおして、空気穴の向こうに空が見えた。暗い空で、雨が降り出しそうに見えた。涙をとおして見るから、そう見えるのかとも思った。
私は指をそろえ、爪を伸ばし、自分の胸に手を突き入れた。一瞬だけひやりと冷たい感じがしたが、すぐに熱く、そして痛くなった。手を動かして、胸から下に向けて縦に自分の体を裂いた。血が出た。お姉さまの血だ。
自分の血と、さっき飲んだお姉さまの血が混じって散らばり、床を濡らしていく。どうすれば、そのふたつをより分けて、また元のように戻せるのだろうか。
私は自分の体の中から心臓を取り出し、それを手で握り潰した。お姉さまの頭を潰したのと同じように。
本を読もうと思った。脳みそをタヌキの皮に刷り込む工程のあとに、そういう作業、血と血をより分けて、異なったふたつの生命にする手順も解説されているかもしれない。
ふたつの生命。ふたりの姉妹。私はお姉さまの血を。お姉さまは私の血を。
本が欲しかった。けれど手を伸ばして、放り投げたそれを拾うのがおっくうで、私はへたりこんでしまって、目の前が暗くなってきて……行儀の悪いことだけど、私はその場所で、倒れるように眠り込んでしまった。
◆
夢を見た。
夢のなかでは、私がフランドールに、フランドールがレミリアになっていた。レミリアが紅茶を飲み、紅魔館の種々の運営の采配をし、フランドールは地下室に閉じ込められていて、そして愛されている。
愛されすぎておかしくなってしまいそうだ。私はそう考えた。
私は地下室から出て、レミリアを殺した。レミリアは五百歳になる吸血鬼だが、見た目は幼い女の子そのものだ。小さな体の、細い首を切り離し、首から上だけになった頭を手のなかで潰した。
がり、ぐちゃ、ごり、と音がした。頭蓋骨が割れて、大きな破片が他のそれと擦れ合う音だ。手を開いた。血と脳みそがはみ出て私の肌の上にある。
フランドールは――私は――レミリアの――私の――首をもう一つ、用意して、それに口付けた。放してやると、首は少し飛んで、それから足を動かしてどこかへ消えてしまった。
次に図書館へ行った。パチュリーが、あいかわらず景気の悪そうな顔をして私を見ている。小悪魔は、少し怯えているみたいだ。一度、フランドールに殺されたのだから、しかたなかった。殺された運命を、レミリアは選んでいないが、レミリアの能力を越えた、もっと深い、大きな(そして単純な)どこかのつながりの内に、影響を与えあう部分があるのかもしれない。
私は――フランドールは――パチュリーから本を借りた。動物の皮のなめし方が書いてある本だった。それから私を――レミリアを――探した。咲夜じゃなくって、ほんとうは、咲夜といっしょにいるはずの、お姉さまを探したんだ。涙が止まらなかった。スカートのポケットの中に、殺されたレミリアの砕けた頭があった。自分がやったことだ。ときおりポケットに手を入れて、指と手のひらでそれを弄びながら、フランドールは歩いて行く。
館の中は暗い。吸血鬼の館だからだ。息が詰まる。なんだか寒い。
炎の灯りの上に煙が出ていき、空気が入ってくる穴がある。むき出しのレンガで囲われた穴の向こうに空が見える。水分を含んだ、生きものの背中のような空だった。私はそれを見た。
この時点で運命を変更した。
本を放り出す。私は爪を立て、腕を使って、周りの炎を消す。暗闇になってしまった。
フランドールが話しかけてきた。
お姉さま。これでは、本が読めない。
いいのよ。それよりも、外に出ましょう。あの穴を通って。
わあ。いいの?
いいわよ。前にも経験していることなのよ。覚えてないんだろうけど。
私たちは羽根をひろげ、体を宙に浮かして、狭い空気穴を通って行く。途中で体がつっかえる。いくら幼い女の子の体でも、そのまますんなり通っていけるほどの広さではないのだ。羽根や肩が壁にぶつかり、痛い思いをする。上にも下にも進めなくなってしまう。
私は妹に、能力を使って壁を壊してしまうように指示する。
お姉さま。いいの?
いいのよ。あなたのために必要なことなの。
でも
でもじゃありません。やっちゃいなさい。
でも
フランドール、あなたは自分の能力を肯定しなくてはいけないわ。お母さまが死んだのは、あなたのせいじゃないのよ。
フランドールは壁を壊す。この穴は産道だ。むき出しの肉のようなレンガを壊して、フランドールは外の世界に出ていく。
(三)
西の塔の壁を壊して外に出て、中庭で眠りこけていたフランドールを美鈴が連れてきた。私は咲夜に起こされたあとでそれを聞いた。咲夜にいくつか指示を出し、食事に向かった。
妹がすでに席についている。会食用の大きなテーブルの、中央の私の席から見て右手側のいちばん近い席に座っている。金色の細い髪の毛の下の目を、手でこすっている。まだ寝足りないの、とからかってやった。
「何よ。お姉さまだって寝てたんでしょう。咲夜から聞いたよ」
「私はいいのよ。いっしょうけんめい働いてるんだもの」
「嘘ばっかり」
「嘘じゃありません。あんたこそ、今日は何してたの」
「今日。うーんとね」
「中庭で寝てたっていうじゃない。外に何かあったの。面白いことを見つけたの?」
「忘れちゃった」
「そう。バーカ」
「なによ。ロリコンホイホイ」
「あんたもよ」
それから姉妹そろって食事をして……ふたりしか席についていないのに、こんなに大きなテーブルを使うのはあまり気分ではなかったので、途中から小さなテーブルを用意させてふたりで並んでそこに座って……私が食べ物をこぼすのに、妹がやれやれといったような顔をして口を拭いてくれた。情けないが、いまだに食事をするのは苦手だ。ピンク色の服をいつも赤く染めてしまう。フランドールの服を見ると、色は私のものより赤いけど、きれいなものだった。
手を伸ばして、妹のおっぱいを触った。フランドールはびっくりしていた。
こういった話を落ち着いた文体でやってくれると、こちらとしても読みやすいのでありがたい。
フラン視点の日常なんだろうなw狂気って感じでよかったです
脳味噌で皮をなめすっていうのはなるほど実際ある手法のようでして、たんぱく質のカタマリを刷り込んで変性を狙うというものらしいけど、脳を使うのはおそらくもっともペースト状にしやすいたんぱく質だからなのではないか。それを言ったら肝臓でもよさそうなものだけど、おそらく肝臓だと夾雑物が多くて雑菌が繁殖してしまうのでしょうね。脳はキレイですからね。肝臓が汚いと言うつもりはないです。どちらがより使い易いかという話です。フランドールは脳を使った。
脳を使うっていうのはそのまんま、頭を使うってことだとすると、フランドールは衝動的犯行の被害者(=壊されたあれこれ)を理性(=脳)で自らに役立つなにかに消化しようとしているのだといえます。この場合は、その裏にママンをブッチ殺しちゃったという過去があったので、つまりは母の死を頭で理解し、糧にしようとした。
しかしながらその試みは失敗しているように見えます。一人では無理だったのでしょう。最終的に生まれ直す過程に姉が必須だったのは、単純に一人では母親の遺伝情報が半分しかなかったからでしょうか。いずれにせよフランドールは姉の能力によりブレイクスルーしますが、正直メカニズムはよく解りませんでした。
とりあえずロリコンホイホイされたのでこの点数で。
人だろうが妖怪だろうが、一度失った心を取り戻すのは、大変ですよね。