「咲夜、今日は早起きしたからまだ太陽がいるわ。私は太陽と会いたいわ」
「お嬢様、太陽は吸血鬼の天敵です」
「でも、太陽ごときとこのレミリア・スカーレットのどちらが偉いとあなたは思っているの?」
「………………それは、たぶんお嬢様です」
「なら、太陽が私に会いに来るべきなのよ。むしろ、あいつの方からこうべをたれて私に跪くべきなんだわ」
「ちょっと、待ってください。お嬢様それは無理です」
「何が無理なの? 私は太陽より偉いのでしょう? 私が望んだらあいつはこなければならないでしょう?」
「え? いや? そうですね、太陽は本来はこなくてはなりません。しかし、ですよ。太陽は、おっと、お嬢様は見たことがありませんが、毎日忙しいのですよ」
「それは、嘘よ! それはおかしいわ。この間は日蝕とか言っていて私が寝ている間にサボっていたそうじゃない」
「……えっと、お嬢様、それは月と太陽が久しぶりに出会って過去を懐かしんでいたんですよ」
「私は知っているわ。月と太陽の距離がとても離れていることを、地球から見ると重なってみえるけど、とても離れているのよ。だから、あいつは嘘をついてサボっていたんだわ」
「ちょっと、待ってください。今、思い出しました。太陽はボランティアでいつも活動しているので、そもそも、サボるとかそういうのは無いです」
「なるほど、そういう言うことだと太陽の奴は私が光で困るのを、ボランティアやっているのね? 卑劣なやつだわ。社会奉仕とかいって、やっていることは妖精にも劣る行為ね」
「待ってください。太陽は卑劣ではありません。いつも、東から西に向かって進み、逃げも隠れもしません」
「知らないわ。そんなの、大体逃げも隠れもしない奴なのに私は直接会ったことがないわ。昼間歩いても、私は日傘越しにしか会ったことがない。あいつは、何様のつもりなの?」
「……それは、えっと、ですね。お嬢様の見目なんでしたっけ、麗しい? ので遠慮しいるのですよ」
「そうなの? 私が余りのも見目麗しいから奴は遠慮しているの?」
「……そうです。お嬢さま! それです!」
「わかったわ。そういうことなら、しょうがない。太陽にしては使えると思っていたけど所詮は、太陽だった。て、ことなのね?」
「はい、そうです。お嬢様」
「じゃあ、太陽より格下の北風がこのあいだの冬に、私の横をすり抜けて行ったけどあれはなんなの? 無礼者なの?」
「………………北風ですか?」
「そうよ、私があの時椅子に座って地図を見ていたら通り抜けていったのよ」
「……ああ、……あの娘ですね。あの娘は、えっと、隙間風なんですよ。北風とは無関係な無所属な新人なんですよ。北風は地球ができたときからありますが、隙間風は知的生命体が家を作った時に産まれた新しい風なんですよ」
「ごめん、意味はなんとなくわかるけど、もう一回説明して、簡単にね。娘とかいらないから」
「え? えっと、その北風の分家です」
「そう分家なのね。分家なのね」
「納得していただけましたか?」
「ええ」
「本当ですか?」
「ええ」
「本当に本当ですか?」
「ええ」
「でも、その表情、その眼は信じていない眼ですよね」
「ええ。だって、初めから太陽とか北風って生き物じゃないことくらい知っていたもの。隙間風がカマイタチとか言う妖怪じゃないことには驚いているけど」
「そうですね。ちなみに、お嬢様、カマイタチも妖怪じゃないのですよ」
「へぇ! そうなの? それは、初めて知ったわ」
「…………そのその眼は、その、……お嬢様! 今日は晴れです。どうです? 干拓地でも見に行きませんか?」
「え? そいつはどんな奴なの?」
「……それは、見に行っての、お楽しみですよ!」
「今日は、楽しい一日になりそう早起きしてよかったわ」
「そうですよ! お嬢様」
「ふふふ、もし、干拓地が干潟と敵対してたら私は干潟につくわ。あなたもそうよね?」
「…………自然は大切にですね?」
「ええ、ムツゴロウも700年位生きれば、きっと可愛い妖怪になるわ」
「もしかして、干拓地が生き物じゃない知っていたのですか?」
「咲夜の好きな方でいいわ」
「じゃあ、私の好みに合わせて言わせてもらいます。……まさか、お嬢様が干拓地を生き物だと思っていたなんて! これは、従者として、一生の不覚でした。今後、このようなことがないように、気をつけます」
「前から思っていたのだけれども、なんなんだろうね。むしろ、こういうときは人間のメイドごときがなんなんだって、思うはずなんだけどなんなんだろう。貴女相手にはそうは、思わないのよね。魔理沙の前じゃ強がって言っちゃうけど」
「それは、私がメイドのふりをしているバンパイアなんでしたっけ? ハンター! なんですよ!」
「ねえ、咲夜。無理しなくていいわ」
「……今のは、すみません忘れてください」
「しょうがないわね。今のは忘れてあげるわ、そのかわり今日は新しい日傘を買ってほしいわ」
「花柄買ってあげますよ」
「わーい! やったー!」
「……お嬢様っていったい。なんなんでしょう?」
感心しました。
なんで会話が成立してるんだろうww