Coolier - 新生・東方創想話

狂狂(くるくる)少女

2005/07/25 12:00:25
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巫女が魔砲使いにウナギを押し付けて遊んでいる頃
事件が起きた





「助けてヤイえりーんっ!!」
「…姫。師匠をどっかの未来ロボットみたいに呼ばないでください」
「だって薬ネタ好きだし、名前も似てるし」
「えとんしかあってないし…で、どうしたんですか?」
「そうよっ!大変なのよっ!このままじゃ私、もこたんに嫌われちゃうわっ!」
「なにを今更…ごめんなさいなまいきでしたうそですだからその写真だけは写真だけは―――っ!!」
「…でも、キレイに写ってるわね。ここのピンクなんかとっても鮮やか♪」
「うわ――んっ!!」






「姫。お呼びですか?」
「ええ。待ってたわ」
「すみません。ちょっと材料と趣味のものを買いに香霖堂まで」
「あら、また?この前『洋なし』を手に入れたって喜んでたでしょ?」
「いえ、今回は『ワイン絞り』を見つけまして♪」

※とりあえず料理用ではありません

「…今度貸してね」
「はい、是非…ところでうどんげが引き篭もってましたが」
「いつものことでしょ」
「それもそうですね」

いつものことって言うか、ほぼ毎日のことだが気にはしない
今頃てゐが心身共に慰めてるはずだ。恋路を邪魔する奴は天の川で泳ぐことになるし

「で、今回は何の薬を用意すれば良いのでしょうか」
「うん、それよ。実は痩せ薬が欲しいなーって」
「は?」
「いや、話せば長いんだけどね?」
「なるほど、風呂場に置かれた体重計を使ってみたら増えてたと」
「もはや言わせもしないっ!?」

流石は月の頭脳だ。月の煩悩なんか目じゃないぜ

「とにかく、そういうわけで痩せたいんだけど」
「…姫、申し訳ありませんが痩せ薬は作ることができないのです」
「ええっ!?」
「というか、あったら売りまくってウハウハもんですよ」

ここ永遠亭は主にイナバたちが作った野菜を売って生活している。もちろんいつも赤字だ
つか、ニートと引き篭もりとマッドと色欲少女といった現代病の展示場みたいな奴らがいる時点で黒字なぞ無理
たまにマッドの薬とか引き篭もりの写真と下着が高値で売れるが。お求めは香霖堂で

「そんな…永琳にも作れないものがあったなんて」
「副作用で痩せるのならありますが。ちょっと依存症になりやすくて人生踏み外しますが」
「うーん、これ以上踏み外すのはもう嫌だし」

したのか

「じゃ、どうしたらいいのかしら…このままじゃもこたんに『このメス豚』って言われちゃうわ……はぁはぁ」
「んー…運動したらよろしいのでは?」
「運動はもうしてるわよ。もこたんと夜通しフィーバー」

文字通り『発熱』はしている。つか燃えてる

「いや、例えばジョギングとか」
「嫌」
「メス豚扱い」
「望むところっ!!」
「で、豚よりやっぱ慧音がいいわ、と」
「もこた――――――んっ!!」

輝夜敗北。妄想内の妹紅に血涙を流しながら縋りつく

「決めたわっ!!例え肝臓を捨てたとしても私は痩せてみせるっ!!」
「応援します、姫。あと捨てた肝臓は私にください」
「見ててねもこたんっ!!」



一方その頃
白玉楼で庭師が主人にゴーヤを押し付けられていた。ぐりぐり









「と、いうわけでスポーツしましょっ!」
「いやだ」
「何でっ!?」
「というか、何故に此処にくんの?あの火の鳥使いのとこにでも行きゃいいじゃん」

そう返すは紅白の巫女、博麗霊夢
隅のほうで黒白な魔法使いがしくしく泣いてるがこの際関係ない

「いったわよ。そしたらなんか『旅に出ます』って書置きがあって」
「…ああ…」

なんか同情
でも心配はしない。自殺はしないだろうし意味ないし

「追いかけなくていいの?」
「ふふっ、私ともこたんの関係を甘く見ないことね。あの子には一年に一回は旅に出る趣味があるのよ」
「趣味じゃないと思うが」

つか、何百年も前からこいつとつきあってんのか。嗚呼、無間地獄生き地獄
今度会ったらウナギでもご馳走してあげよう。使用済みだけど

「だからといって私と運動する理由にはならないでしょ」
「だって他に友達いないし」
「笑っていうことじゃねぇこの末期ニートが」

そもそも友達じゃないし

「いいでしょー、しましょうよー、白黒とは汗を流せて私とは流せないっていうのー?」
「…私が流したのはむしろ屈辱の涙だがな」
「あら、復活したの?」
「うっさいっ!いつかワサビで責めてやるっ!」

半泣きで復讐を誓うぬるぬる魔法使い、霧雨魔理沙
その顔を見ながら『この手があったかっ!』と感動する輝夜であった

「…霊夢。あんたのこと師と呼んでいい?」
「いやよ変態なんて」
「あながち間違いじゃないぜ」
「…あんた、根に持ちすぎ」
「お前に何が分かるっ!あんなのをあんなっ!…あんなっ…」
「うん、正直可愛かったわー。あんたの泣き顔。いや、鳴き顔かしら?」
「っ!!~~~、もう知らんっ!!」

すねた
こんなん魔理沙じゃねぇとどっからかツッコミが入るがストーリーは続く

「…ごめんね?魔理沙」

スッ

後ろからやさしく、静かに抱きしめる

「な、何すんだっ!」
「私ね。魔理沙の可愛いところが見たくてあんなことしちゃったのよ…でも、やりすぎちゃったわね」
「…い、いまから謝ったって…」
「でも、これだけは言わせて。…私は、魔理沙のこと好き」
「うっ…」

耳元でくすぐるようにされた告白
それは魔理沙の心をやさしく揺らす

「…私だって…霊夢のこと…」
「魔理沙」

ぎゅっ

「あ」
「許して…くれる?」
「…」

こくりと小さく頷くのを見て、霊夢は魔理沙の顎をやさしく持ち上げた
そして、二人の唇が―――

「次回予告。そこへ乱入する謎のスキマと人形使いの影っ!バレる三股っ!ドロドロの四角関係はさらに発展の兆しを見せるっ!
 そして影で糸引く黒幕の正体とはっ!?第四十八話『中国。実は広島出身っ!?』 君のハートが掘る慧音(ボォルケイノ)っ!!」
「じゃますんなこんのカスがっ!!」

ガスッ

針が眉間と喉に生えた。でも死なない。でも痛い

「ぐふぉえっ!?だ、だってずるいわよ二人だけオリジナルなプライベートスクウェアなんてっ!」
「うっさいっ!あとちょっとで落とせたのにっ!」
「いや待ておいっ!」
「うわーんすっげぇうらやましいわこのスケコマシ春画巫女っ!!てめぇは今まで何人の女を食ってきたか覚えているのかっ!!」
「はっ!一人の女相手に何百年も手こずってる奴が何言うかっ!!悔しかったらアンタもハーレムでも作ってみろっ!!」
「ふん、私はもこたん一筋なのよっ!貴様のように来るもの拒まずな女郎蜘蛛モドキとは違うんだっ!!」
「はっ、やっぱりアンタは子供ねっ!いい?鳴かした女の数は巫女の価値でもあるのよっ!」

ぎゃーぎゃーわーわー
醜く酷い子供未満の争いはいつまでも続く
…魔法使いがキレるまで

「…いい加減にしろよお前ら―――っ!『ミルキーウェイ』っ!!」
「「ぎゃー」」

吹っ飛ばされました
恋路を邪魔した奴ってホントに天の川で泳ぐんだね。永琳の言うとおりだったよっ!










一方

「…はぁ……」
「どうですか?お味は」
「いや、心が和むね。茉莉花茶だっけ?」

旅の途中知り合った美鈴とお茶をする妹紅

「ふふ、取っておきなんですよ」
「そっか…うん、なんか元気が出たよ」
「お疲れのようでしたからね」
「うん…お茶を不味くさせるけど…聴いてくれる?」
「私でよろしければ」




気を使わせたら東方一の美鈴
その後続く変態ストーリー(軽く四時間)を静かに聞き入れる
たまにお茶を入れて慰める心配りも忘れない




「…なんなんだろうね、私の人生。復讐しようとしたら変態で、殺すところか近寄りたくないなんて」

最近じゃうちに来た刺客の愚痴まで聴いてやってんだよ。なんなんだよ、私と自嘲気味の笑みを浮かべる

「…でも、そんな貴方を想ってくれる方がいらっしゃるでしょ?慧音さん、でしたっけ」
「慧音、かぁ…うん、確かに真面目だし家事全般得意だし常識人だし優しいし。
 …昔ね、ほっぺについてたご飯粒を取ってあげたら顔を真っ赤にして照れたのよ。うん、すっごい可愛かったわ」

その遠い目は何を見るか
少ない幸せの日々を反芻しているのだろう

「でもね…でも…」
「でも?」
「なんで…なんで裏になるとあんな変態になるの?!詐欺よペテンよ金返せっ!!」
「わ、お、落ち着いて」
「これが落ち着いてられるか――っ!!
 確かに一晩たった後半泣きになって『妹紅、迷惑をかけた。嫌いにならないで』って謝る慧音は可愛くて萌えて二言で許すわよっ!!
 だからって調子にのりやがってあんの裏野郎っ!私の慧音を返せ―――っ!!」

はあはあ

「…ふぅっ」
「すっきりしましたか」
「…ま、少しわね」
「では、戻ってあげたらいかがですか?確かに裏の方と付き合うのは大変でしょうが、表の慧音さんは心から心配してますよ。きっと」
「…そうね」
「またいらしてください。今度は美味しい烏龍茶をご馳走しますよ」
「はは。じゃ、私はなんか菓子でも持ってくるよ。慧音の作ったパイは旨いんだ」
「楽しみにしています」
「じゃね」

がちゃ


「あーっ!もこた――――んっ!!こんなとこで会えるなんてやっぱり二人は赤い糸で結ば『どぼ――――――ん』


「………」
「………」

えっと
ドアを開けた瞬間空の向こうからなんか変態っぽいのが飛んできてそのまま湖の中突っ込んだんだよね

「…お知り合いですか?」
「ううん。全然」

にこり、といい笑顔で返す妹紅
訊いたら殺すぜオーラはただ漏れだ

「そうですか…とりあえず、知り合いの氷精に頼んで凍らしておきますか」
「そのあと簀巻きにして好きにしちゃったら?クンフーの的とかナイフの的とか新作魔法の的とか」
「では妹様の玩具にさせてもらいますね」
「うん、よろしく。じゃ、また」

しばらくは平和だ
でも蘇るんだろうなぁ

安堵と絶望が軽く混じる不思議な気分を感じながら、慧音(表)の待つ家へと急ぐ
今度あの魔法使い辺りに月を吹っ飛ばしてもらおうかと考えながら








数日後、ガリガリになった輝夜が『銀髪の女の子が……ゴーヤが…』とか呟いてたが別の話
初めて霊夢と魔理沙書きました。はっはっは、原型ねぇし。ごめんなさい

夏風邪ひいて自らの莫迦レベルを実証してる奏空猫です。きっとチルノ未満
テンションは微妙と崩壊の境界です

しかし、霊夢ぶっ壊してしまいました。魔理沙…いや、なんだ?これ?
個人的には魔理沙×他多数派だったんだがなぁ…うーん

なお、一部前回書いた駄作から引っ張ったネタもあります。ごめんなさい
http://cgi.www5d.biglobe.ne.jp/~coolier2/cgi-bin/anthologys.cgi?action=html2&key=20050719010903
奏空猫
http://petensi.blog7.fc2.com/
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コメント



0.3720簡易評価
5.90CCCC削除
霊夢!確信犯かよ!!
無重力どころかブラックホールですね。永遠亭の愉快な仲間たちもいつも通り良い味出してます。
とりあえず写真を買いに香霖堂行ってきます。
9.90no削除
相変わらずテンション高いなぁ。
15.70おやつ削除
君には感謝している。
つうかマジワロタ!
26.80那梨削除
いいなぁ、この壊れっぷり
何気に恐ろしい物を購入してるえーりんにシビレた
きっと鋼鉄製でどす黒い何かが付着して・・・

そして輝夜には妹紅からの電波受信機(妄想)があるんでしょうな
プレゼントは全部えーりんが捨てますが
33.70TAK削除
うーむ、いい壊れっぷり。
霊夢…あなた何やったんですか…?
『洋なし』と『ワイン絞り』については…聞かないほうが
身のためなのでしょうな…。
35.100名前が無い程度の能力削除
先生! ワイン絞りってなんですか!
38.90床間たろひ削除

「泣かした女の数が巫女の価値」

何、この絶大なる説得力!
40.90でぃすぽ削除
もうすぐ夏ですよ?
春度高いなぁ・・・。
43.90名前が無い程度の能力削除
もう駄目、ワケわかんねぇ――!!
……ところで、香霖堂はどう行けば良いんでしょうかね。給料入ったばかりで、結構懐暖かいんで……
51.80無為削除
 洋ナシ :ハンドルをひねると先端部分が開閉する。
ワイン絞り:ハンドルをひねると天井部分が上下する。
はい、ためにならない西洋の歴史・道具編でした。
私は大好きだけど、まともな神経の持ち主はググったりしないようにネ☆
59.80沙門削除
 腹も脳みそも良い感じでヘブンに行けそうなのですよ!! アメフラシプレイとか思いついた自分に切腹。
92.100時空や空間を翔る程度の能力削除
美鈴さんだけですね・・・・・
普通の人(妖怪??)は・・・・・(汗
98.100名前が無い程度の能力削除
使用済のうなぎって何だ?気になる。