※この作品にはType-Moonさんの月姫に登場するネロというキャラが出てきます。また、そのネロが主役です。
元ネタが解らない方は月姫で検索してみてください。そういうのだめという方はご遠慮ください。
とある幻想郷に、ネロという混沌が居たそうだ。
ネロは動物園を経営し、それはそれは評判の良い、大人にも子供にも慕われる物識り博士だった。
これはそのネロと、ちょっと怖くて大変愉快な幻想郷の物語。
【壱:混沌と幻想郷】
森は生きている。そんな言葉が連想される幻想郷、魔法の森。様々な生物、植物が存在し、それのみで完結している生態系。
そんな魔法の森で漆黒のコートに身を包んだ男が一人、きのこ狩りをしていた。
「ふむ、やはりこの森のきのこは良い。菌類だが何故か回路が豊富だ」
灰色の髪に灰色の眼、かなりの長身だ。見た目からは年齢を予想しづらい風貌をしている。
そんな男がバスケット片手に無表情で黙々ときのこを摘んでいる。かなり異様な光景だ。
「私も変わったものだ。人間を喰らう必要が無くなった。それもこの世界ときのこの所為か。…茄子があれば完璧なのだが」
意味不明なことを言いながら、ネロはきのこ狩りを一旦中断し、思考に入る。
「友人も出来た。…何故か少女ばかりだが」
ネロは苦笑する。因みに彼はロリコンではない…はずだ。
「おーい!博士ぇ!」
思考を止め、黙々ときのこを摘んでいると、箒に乗った魔女(←×魔女っ娘)が降りてきた。
黒と白で身を包んだ普通の黒魔術師、霧雨魔理沙だ。ネロの友人第1号でもある。
「何用か。小さき英雄よ」
ネロは素直に名前を呼ばない。本人曰く、『私はその者の本質を呼んでいる』だそうだ。
「用はあるぜ。しっかし相変わらずきのこ好きだなぁ。…おっとそれは毒入りだ。食ったら多分死ぬぜ」
「問題無い。私に毒は効かぬ」
ネロは事も無げに言った。魔理沙は呆れているようだ。
「相変わらず健康だな。どこぞの本の虫に爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいぜ。」
「ところで何か用が有ったのではないか、小さき英雄よ」
「おおそうだった。危うく忘れるところだったぜ。そうそう、霊夢の奴が呼んだたぜ。なんでも『出た』とか言ってたな」
「…そうか。『出た』か。それでは往こうか。礼を言うぞ、小さき英雄よ」
ネロは低く笑って飛び立とうとする。幻想郷にきて数年、彼は飛行能力を獲得したようだ。
魔理沙は何か思いついたような顔をした。
「ん?旦那ぁ。まさか只ってぇ事はないでしょうねぇ。あっしも生活が掛かってるんですよ」
意地悪そうにニヤニヤしながら手を出した。明らかに金品を要求している。悪党だ。
「あっしは別にいいんですが、このミニ八卦炉が夜な夜なすすり泣くんですよぉ。」
しかしネロは、
「然り。当然の要求だな。ではわが愛犬クールトーを差し出そう」
などと言って、混沌をゴボゴボさせている。
案の定魔理沙は顔を引きつらせながら、『私は善い魔女だぜ』とか言いながら風の如く去っていった。
ネロはそれを不思議そうに眺めて、やがて博麗神社のほうへ飛んでいった。
博麗神社、それは幻想郷の境に在り、博麗大結界を管理している。そこに住む巫女さん、博麗霊夢は一人縁側に座ってお茶を啜っていた。
「ああ、来たわね」
魔法の森の方から飛んでくる黒い塊を見て霊夢は呟く。
ネロは霊夢を見つけ、降りてきた。
「巫女よ。久方ぶりだな」
「ええ、そうね。ネロさん。幻想郷には慣れたかしら?」
「此処は非常に興味深い。謎と神秘に満ちている」
「それは善かった。あなたが幻想郷に来たとき、正直上手く馴染めるか心配だったわ」
瞬間、空気が凍りついた。
ネロも霊夢も眉ひとつ動かさない。一瞬にも、永遠にも思える時間が流れる。常人なら息苦しさで失神してもおかしくない空気。
「ま、その心配も杞憂に終わって善かったわ」
先に空気を乱したのは霊夢の方だった。あまりにも呆気ない。ネロは低く笑った。笑うしか、無かった。
「それで、巫女よ。例の件だが」
何事も無かった様にネロが言う。
「ああ、幻想種の件ね。今日は慧音からの情報…いや、依頼ね。人里を襲うから何とかしてくれだって」
ネロはしばらく考え
「情報を。あの白沢が助けを求めるとは相当な大物だろう」
霊夢は何かを思い出そうと、両手を組んでうなっている。
「う~ん。…あ!そうだ!思い出した!確か慧音が言ってたわ。里を守りながら片手間で倒せる敵ではないって。
相当大きい蛇だそうよ」
「蛇…か」
ネロは懐かしそうな、寂しそうな声をしていた。
「では往くとしよう。さらばだ、礼を言うぞ、幻想の巫女よ」
「ええ、気を付けてね、獣王」
幻想郷の空を混沌が往く。暁の空を裂き、一人往く。
元ネタが解らない方は月姫で検索してみてください。そういうのだめという方はご遠慮ください。
とある幻想郷に、ネロという混沌が居たそうだ。
ネロは動物園を経営し、それはそれは評判の良い、大人にも子供にも慕われる物識り博士だった。
これはそのネロと、ちょっと怖くて大変愉快な幻想郷の物語。
【壱:混沌と幻想郷】
森は生きている。そんな言葉が連想される幻想郷、魔法の森。様々な生物、植物が存在し、それのみで完結している生態系。
そんな魔法の森で漆黒のコートに身を包んだ男が一人、きのこ狩りをしていた。
「ふむ、やはりこの森のきのこは良い。菌類だが何故か回路が豊富だ」
灰色の髪に灰色の眼、かなりの長身だ。見た目からは年齢を予想しづらい風貌をしている。
そんな男がバスケット片手に無表情で黙々ときのこを摘んでいる。かなり異様な光景だ。
「私も変わったものだ。人間を喰らう必要が無くなった。それもこの世界ときのこの所為か。…茄子があれば完璧なのだが」
意味不明なことを言いながら、ネロはきのこ狩りを一旦中断し、思考に入る。
「友人も出来た。…何故か少女ばかりだが」
ネロは苦笑する。因みに彼はロリコンではない…はずだ。
「おーい!博士ぇ!」
思考を止め、黙々ときのこを摘んでいると、箒に乗った魔女(←×魔女っ娘)が降りてきた。
黒と白で身を包んだ普通の黒魔術師、霧雨魔理沙だ。ネロの友人第1号でもある。
「何用か。小さき英雄よ」
ネロは素直に名前を呼ばない。本人曰く、『私はその者の本質を呼んでいる』だそうだ。
「用はあるぜ。しっかし相変わらずきのこ好きだなぁ。…おっとそれは毒入りだ。食ったら多分死ぬぜ」
「問題無い。私に毒は効かぬ」
ネロは事も無げに言った。魔理沙は呆れているようだ。
「相変わらず健康だな。どこぞの本の虫に爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいぜ。」
「ところで何か用が有ったのではないか、小さき英雄よ」
「おおそうだった。危うく忘れるところだったぜ。そうそう、霊夢の奴が呼んだたぜ。なんでも『出た』とか言ってたな」
「…そうか。『出た』か。それでは往こうか。礼を言うぞ、小さき英雄よ」
ネロは低く笑って飛び立とうとする。幻想郷にきて数年、彼は飛行能力を獲得したようだ。
魔理沙は何か思いついたような顔をした。
「ん?旦那ぁ。まさか只ってぇ事はないでしょうねぇ。あっしも生活が掛かってるんですよ」
意地悪そうにニヤニヤしながら手を出した。明らかに金品を要求している。悪党だ。
「あっしは別にいいんですが、このミニ八卦炉が夜な夜なすすり泣くんですよぉ。」
しかしネロは、
「然り。当然の要求だな。ではわが愛犬クールトーを差し出そう」
などと言って、混沌をゴボゴボさせている。
案の定魔理沙は顔を引きつらせながら、『私は善い魔女だぜ』とか言いながら風の如く去っていった。
ネロはそれを不思議そうに眺めて、やがて博麗神社のほうへ飛んでいった。
博麗神社、それは幻想郷の境に在り、博麗大結界を管理している。そこに住む巫女さん、博麗霊夢は一人縁側に座ってお茶を啜っていた。
「ああ、来たわね」
魔法の森の方から飛んでくる黒い塊を見て霊夢は呟く。
ネロは霊夢を見つけ、降りてきた。
「巫女よ。久方ぶりだな」
「ええ、そうね。ネロさん。幻想郷には慣れたかしら?」
「此処は非常に興味深い。謎と神秘に満ちている」
「それは善かった。あなたが幻想郷に来たとき、正直上手く馴染めるか心配だったわ」
瞬間、空気が凍りついた。
ネロも霊夢も眉ひとつ動かさない。一瞬にも、永遠にも思える時間が流れる。常人なら息苦しさで失神してもおかしくない空気。
「ま、その心配も杞憂に終わって善かったわ」
先に空気を乱したのは霊夢の方だった。あまりにも呆気ない。ネロは低く笑った。笑うしか、無かった。
「それで、巫女よ。例の件だが」
何事も無かった様にネロが言う。
「ああ、幻想種の件ね。今日は慧音からの情報…いや、依頼ね。人里を襲うから何とかしてくれだって」
ネロはしばらく考え
「情報を。あの白沢が助けを求めるとは相当な大物だろう」
霊夢は何かを思い出そうと、両手を組んでうなっている。
「う~ん。…あ!そうだ!思い出した!確か慧音が言ってたわ。里を守りながら片手間で倒せる敵ではないって。
相当大きい蛇だそうよ」
「蛇…か」
ネロは懐かしそうな、寂しそうな声をしていた。
「では往くとしよう。さらばだ、礼を言うぞ、幻想の巫女よ」
「ええ、気を付けてね、獣王」
幻想郷の空を混沌が往く。暁の空を裂き、一人往く。
内容には大きく期待したいところだけんどさ。
修正致します。
雰囲気はツボにはまったので続編は期待。
甚平着て無精ひげ生やしたあのお方がっ!
・・・とはいえ結局は書き手の腕次第なので続けるなら頑張ってください。
あとこの程度の長さならプチの方が良いかと。
(中略)
そうして直死の魔眼で殺されたものは幻想郷に辿り着く・・・
つまりわれらがさっちんも幻想郷のどこかで中国ばりの不幸っぷりを晒しているんだよ!!
キャラクターの違和感とかも、ちゃんと次回作などで掘り下げると言うのらば改変系として受けいられるでしょう。
ただ、この板の性質としてた作品とのクロス、しかもメインに持ってくるのは出来ればやめてほしいものです。
なにより、型月からのものはひどく荒れやすいので、他の有名投稿板をお勧めするしだいであります。
他の条件なしで純粋な作品評価としては50点/97点満点中。
ネロはなんだかいい、教授なんだー
内容は別にいいと思うなぁ
ただあっし~のくだりに自分は違和感を感じた。