今夜は滲んだ雨が降っていた。
窓の外からは昼間から降り始めた何も見えないほどの土砂降り。
そのせいなのか、私には窓の外の光景が嫌に滲んで見えた。
それとも魔理沙にした昔話のせいで、心が澱んでいるからかも知れない。
私が泣いている様な…気がした。
コンコン
こんな夜タダでさえ私の家には客人なんて珍しいのに……私は涙を拭い玄関の戸をあけた。
そこには今一番あいたくない魔理沙がいた。
「よぉ、借りたタオル乾いたから持ってきてやったぜ。」
「……何よ、こんな夜更けに人のうちにやってくるなんて礼儀知らずもいいトコだわ。それにそれ明日返してくれればいいっていったでしょ?」
「まぁな、でもこういうのは早いほうがい言って言うしな」
「じゃあ、この前かした魔道書さっさと返してくれない?」
「それはそれだ。ついでに風呂も借りてっていいか?服もびしょびしょだからな」
「勝手にしなさい。どうせイヤだって言っても入ってくんでしょ。」
「よく分ったな。んじゃあ借りてくぜ~」
そういって魔理沙は風呂場へと向かっていく。
……気のせいだったのか……ずっと私のほうを見ていた気がする……
すれ違い座間一瞬彼女が何か言った気がする。気のせい……だったのだろうか……気のせいであって欲しいと願う私がどこかにいた。
「ぉ~ぃ、アリス~」
風呂場のほうから声がする。
「何よ~、石鹸とかなら切らしてないと思うけど~?」
「うんにゃ~、せっかくだしお前も一緒に入らないか~」
「ば・・・馬鹿!!何言ってるのよ!!!入るわけないじゃない!!!」
「女同士なんだし、別に恥ずかしくないだろ?」
「いやなものはいやなの!!!」
「ちぇ~霊夢んちに泊まった時だとやってるんだけどな。まぁイイか。ついでだからさっきの袋持ってきてもらえないか?」
はっとしたように魔理沙の持ってきた袋の中身を開ける。
そこには今日貸したタオルのほかに、別のタオルと真っ黒い生地にいろんな色の星がちりばめられたパジャマと下着があった。
つまり・・・
「あんたまさか・・泊まってく気?」
「まぁな、ってわけで布団もよろしく頼むわ。」
はぁ・・・ため息が漏れる。
切なさ以上に暖かい感情が、私の心に滲みて行くそんな感じがした。
そこで、私は彼女の意志を悟ったのかもしれない。
付き合いが長いって言うのもたまにいやになる。
つまり彼女は、私を元気付ける為にわざわざこの雨の中私の家まで来てくれたのだ。
きっと、昔話をしたときから私は沈んでいたのだろう。
必要のない、というよりもして欲しくも無い彼女の好意を、私は素直に受けられなかった。
近くにあった小さな紙に文字を書き始める。
手が震えて涙が流れて……それでも書かなくてはならない。そんなことが頭をよぎった。
数行書き上げて私は自室へと歩き出した。
ポツリと……
「魔理沙……」
っと言う声が漏れた。
「いやぁぁ~、いい湯だった~。」
やっぱり人んちのフロはいいなぁ~。こういうのはたまに入るからいいのかもしれないが、私はそんなことは特に興味ない。
自分ちでは味わえないこのなんともいえないこのさっぱりした感じが、私は好きなのだ。
アリスが置いていって袋の中からタオルを取り出し髪を拭いていく。
そしてパジャマを取り出そうとした時、折りたたまれた小さな紙があることに気付いた。
「ん?なんだこりゃ?」
パジャマに袖を通しながら丁寧にその紙を開いていく。
そこには震えた文字でこう書かれていた。
貴方の気持ちはよく分ったから今日はもう帰って
傘は出口の奴を好きに使っていいから
後私のことは気にしなくてもいいから
たったそれだけだった。まだ書いてすぐなのだろうか紙は少しぬれていた。
だが私にはそんなアリスの強がりが何故か逆に辛かった。
紙をくしゃくしゃに丸め、歯軋りがしそうなほど力強く奥歯をかんだ。
怒りに任せてアリスをぶん殴ってやりたかった。
しかし、そんなことは出来ない。
ココで私がきれてアイツぶん殴ってしまえば、私が来た意味がなくなってしまうそんなことが頭をよぎった。
「クソ!!!!」
私は壁を力任せにぶん殴った。
そして大きく深呼吸して私はアリスの部屋へ向かった。
真っ暗な部屋。
いつもなら窓から光が入ってくるのだが雨なので全く入ってこない。
私はランプもつけないで一人扉の傍で座り込んでいた。
念のためこの部屋には誰も入ってこれないように、結界が張ってある。
幻想郷に来た頃は雨の日になるたびあの子の事を思い出してこんな風にすすり泣いた。
泣いて泣いて泣いて……目が真っ赤に晴れ上がるほど毎回泣いた。
最近はそんなことはなかったが、たまにそんな風に思い出にふけることがある。
私は友達をそれも親友を見捨てた
そんなことを思うたび私は悔いた
そのせいか私は友達がいない
むしろ作ろうとも思わない
だってそれはとてもずるいから
しかし私にはいつの間にか友達のような魔理沙がいた。
私の事を色々と聞いてくれて特に気も使わなくて話せるそんな関係の魔理沙が・・・
廊下がきしむ音。それは私の部屋の前まできて、止まった。
後で落ち着いて考えれば蹴破られそうな気もしたがそのときはそんなトコはなく・・・
「アリスいるのか?」
彼女はノブに手を掛けることもなく私にそう声を掛けてきた。
その声は普段の彼女とは、比べ物にならないほど穏やかなものだった。
「何よ・・・傘なら入り口にって書いておいたでしょ?」
「まぁそうなんだが今すぐ帰るのもなんだからな・・・ここあけてくれないか?」
「何で開けなきゃいけないのよ。」
「ほら夜の楽しいお話っていうのか?私たち友達なんだ・・・」
「友達なんかじゃない!!!!!!!!!」
私は声を張り上げ怒鳴った。
心のどこかでそう認めたかった。
でも、それを認めてしまうのが・・・すごく怖かった・・・
「お前は・・・私の事友達とは思ってくれてないのか?」
心なしか魔理沙の声が震えている。
それが一層私を追いやったのかもしれない。
今の私には魔理沙が失ってしまうのが、どんなことよりも怖かったから。
「そうよ!!!!!私があんたみたいなずうずうしくていつもいっつも私を苛めて何だかんだいっていっつも借りたもの返さなくて、ムチャクチャでいっつも私を引き摺り回してでも…たまにこんな風に…心配してくれて…やさしくて…そ…そんなあんたなんか…友達な訳…無いでしょ…」
声が枯れてだんだん泣き声になって…それでも私は続けた…
そう言わなくちゃいけない…そんな風に思えた。
彼女が何か言ったら返せそうも無い…
それがもう続かないぎりぎりの強がりだった。
「ほんとに…そうおもってるのか?」
どやす訳でもなく不貞腐れる訳でもなく彼女はやさしくそう聞いてきた。
そんな彼女が…なぜかあの子と被った…そんな不思議な気持ち…
そんな彼女の言葉が私の中の何かをたち切ってくれたのだろうか私は泣いた。
精神が不安定になったせいか結界の能力が低下して、ドアは簡単に空いてしまった。
「全く…お前泣きすぎだな。」
「ヒック…うるさいわね・・・さっさと帰りなさいよ。」
「アア帰るぜ。その代わりお前が泣き止むまでこうさせてくれ。」
そういって彼女は座り込んでいる私の頭を抱き寄せ、母親のように頭を撫でてくれた。
「ぅぁぁああああああああああああああ~~~~~~~んま゛り゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ~~~~~~」
私は彼女の名前を呼び、彼女の胸で子供のように思いっきり泣いた。
彼女は何かを思い出したのか私の顔を私のほうに向けさけ何かをした。
一瞬何が起こったのかわからない。
彼女の顔が以上に近くに感じられた。
そして次に何かが唇に重ねられているような…そんな感覚があった。
それはとてもやわらかくすごく暖かかった。
ぬくもりを感じたのはその瞬間だけだった。
私は呆然として彼女の顔を見ていた。
「その・・・なんだ・・・パチェが私に教えてくれた・・・元気になれる魔法だ・・・」
彼女は頬をかき照れ笑いをしながらそういった。
そして私はマタ彼女の胸の中で泣いた。
「全くやれやれだぜ。」
そんなことを言ってもイヤそうでもない彼女のそんな言葉も私の胸に滲みた…
雨は…夜明けきっと上がる
だからそれまでは…
窓の外からは昼間から降り始めた何も見えないほどの土砂降り。
そのせいなのか、私には窓の外の光景が嫌に滲んで見えた。
それとも魔理沙にした昔話のせいで、心が澱んでいるからかも知れない。
私が泣いている様な…気がした。
コンコン
こんな夜タダでさえ私の家には客人なんて珍しいのに……私は涙を拭い玄関の戸をあけた。
そこには今一番あいたくない魔理沙がいた。
「よぉ、借りたタオル乾いたから持ってきてやったぜ。」
「……何よ、こんな夜更けに人のうちにやってくるなんて礼儀知らずもいいトコだわ。それにそれ明日返してくれればいいっていったでしょ?」
「まぁな、でもこういうのは早いほうがい言って言うしな」
「じゃあ、この前かした魔道書さっさと返してくれない?」
「それはそれだ。ついでに風呂も借りてっていいか?服もびしょびしょだからな」
「勝手にしなさい。どうせイヤだって言っても入ってくんでしょ。」
「よく分ったな。んじゃあ借りてくぜ~」
そういって魔理沙は風呂場へと向かっていく。
……気のせいだったのか……ずっと私のほうを見ていた気がする……
すれ違い座間一瞬彼女が何か言った気がする。気のせい……だったのだろうか……気のせいであって欲しいと願う私がどこかにいた。
「ぉ~ぃ、アリス~」
風呂場のほうから声がする。
「何よ~、石鹸とかなら切らしてないと思うけど~?」
「うんにゃ~、せっかくだしお前も一緒に入らないか~」
「ば・・・馬鹿!!何言ってるのよ!!!入るわけないじゃない!!!」
「女同士なんだし、別に恥ずかしくないだろ?」
「いやなものはいやなの!!!」
「ちぇ~霊夢んちに泊まった時だとやってるんだけどな。まぁイイか。ついでだからさっきの袋持ってきてもらえないか?」
はっとしたように魔理沙の持ってきた袋の中身を開ける。
そこには今日貸したタオルのほかに、別のタオルと真っ黒い生地にいろんな色の星がちりばめられたパジャマと下着があった。
つまり・・・
「あんたまさか・・泊まってく気?」
「まぁな、ってわけで布団もよろしく頼むわ。」
はぁ・・・ため息が漏れる。
切なさ以上に暖かい感情が、私の心に滲みて行くそんな感じがした。
そこで、私は彼女の意志を悟ったのかもしれない。
付き合いが長いって言うのもたまにいやになる。
つまり彼女は、私を元気付ける為にわざわざこの雨の中私の家まで来てくれたのだ。
きっと、昔話をしたときから私は沈んでいたのだろう。
必要のない、というよりもして欲しくも無い彼女の好意を、私は素直に受けられなかった。
近くにあった小さな紙に文字を書き始める。
手が震えて涙が流れて……それでも書かなくてはならない。そんなことが頭をよぎった。
数行書き上げて私は自室へと歩き出した。
ポツリと……
「魔理沙……」
っと言う声が漏れた。
「いやぁぁ~、いい湯だった~。」
やっぱり人んちのフロはいいなぁ~。こういうのはたまに入るからいいのかもしれないが、私はそんなことは特に興味ない。
自分ちでは味わえないこのなんともいえないこのさっぱりした感じが、私は好きなのだ。
アリスが置いていって袋の中からタオルを取り出し髪を拭いていく。
そしてパジャマを取り出そうとした時、折りたたまれた小さな紙があることに気付いた。
「ん?なんだこりゃ?」
パジャマに袖を通しながら丁寧にその紙を開いていく。
そこには震えた文字でこう書かれていた。
貴方の気持ちはよく分ったから今日はもう帰って
傘は出口の奴を好きに使っていいから
後私のことは気にしなくてもいいから
たったそれだけだった。まだ書いてすぐなのだろうか紙は少しぬれていた。
だが私にはそんなアリスの強がりが何故か逆に辛かった。
紙をくしゃくしゃに丸め、歯軋りがしそうなほど力強く奥歯をかんだ。
怒りに任せてアリスをぶん殴ってやりたかった。
しかし、そんなことは出来ない。
ココで私がきれてアイツぶん殴ってしまえば、私が来た意味がなくなってしまうそんなことが頭をよぎった。
「クソ!!!!」
私は壁を力任せにぶん殴った。
そして大きく深呼吸して私はアリスの部屋へ向かった。
真っ暗な部屋。
いつもなら窓から光が入ってくるのだが雨なので全く入ってこない。
私はランプもつけないで一人扉の傍で座り込んでいた。
念のためこの部屋には誰も入ってこれないように、結界が張ってある。
幻想郷に来た頃は雨の日になるたびあの子の事を思い出してこんな風にすすり泣いた。
泣いて泣いて泣いて……目が真っ赤に晴れ上がるほど毎回泣いた。
最近はそんなことはなかったが、たまにそんな風に思い出にふけることがある。
私は友達をそれも親友を見捨てた
そんなことを思うたび私は悔いた
そのせいか私は友達がいない
むしろ作ろうとも思わない
だってそれはとてもずるいから
しかし私にはいつの間にか友達のような魔理沙がいた。
私の事を色々と聞いてくれて特に気も使わなくて話せるそんな関係の魔理沙が・・・
廊下がきしむ音。それは私の部屋の前まできて、止まった。
後で落ち着いて考えれば蹴破られそうな気もしたがそのときはそんなトコはなく・・・
「アリスいるのか?」
彼女はノブに手を掛けることもなく私にそう声を掛けてきた。
その声は普段の彼女とは、比べ物にならないほど穏やかなものだった。
「何よ・・・傘なら入り口にって書いておいたでしょ?」
「まぁそうなんだが今すぐ帰るのもなんだからな・・・ここあけてくれないか?」
「何で開けなきゃいけないのよ。」
「ほら夜の楽しいお話っていうのか?私たち友達なんだ・・・」
「友達なんかじゃない!!!!!!!!!」
私は声を張り上げ怒鳴った。
心のどこかでそう認めたかった。
でも、それを認めてしまうのが・・・すごく怖かった・・・
「お前は・・・私の事友達とは思ってくれてないのか?」
心なしか魔理沙の声が震えている。
それが一層私を追いやったのかもしれない。
今の私には魔理沙が失ってしまうのが、どんなことよりも怖かったから。
「そうよ!!!!!私があんたみたいなずうずうしくていつもいっつも私を苛めて何だかんだいっていっつも借りたもの返さなくて、ムチャクチャでいっつも私を引き摺り回してでも…たまにこんな風に…心配してくれて…やさしくて…そ…そんなあんたなんか…友達な訳…無いでしょ…」
声が枯れてだんだん泣き声になって…それでも私は続けた…
そう言わなくちゃいけない…そんな風に思えた。
彼女が何か言ったら返せそうも無い…
それがもう続かないぎりぎりの強がりだった。
「ほんとに…そうおもってるのか?」
どやす訳でもなく不貞腐れる訳でもなく彼女はやさしくそう聞いてきた。
そんな彼女が…なぜかあの子と被った…そんな不思議な気持ち…
そんな彼女の言葉が私の中の何かをたち切ってくれたのだろうか私は泣いた。
精神が不安定になったせいか結界の能力が低下して、ドアは簡単に空いてしまった。
「全く…お前泣きすぎだな。」
「ヒック…うるさいわね・・・さっさと帰りなさいよ。」
「アア帰るぜ。その代わりお前が泣き止むまでこうさせてくれ。」
そういって彼女は座り込んでいる私の頭を抱き寄せ、母親のように頭を撫でてくれた。
「ぅぁぁああああああああああああああ~~~~~~~んま゛り゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ~~~~~~」
私は彼女の名前を呼び、彼女の胸で子供のように思いっきり泣いた。
彼女は何かを思い出したのか私の顔を私のほうに向けさけ何かをした。
一瞬何が起こったのかわからない。
彼女の顔が以上に近くに感じられた。
そして次に何かが唇に重ねられているような…そんな感覚があった。
それはとてもやわらかくすごく暖かかった。
ぬくもりを感じたのはその瞬間だけだった。
私は呆然として彼女の顔を見ていた。
「その・・・なんだ・・・パチェが私に教えてくれた・・・元気になれる魔法だ・・・」
彼女は頬をかき照れ笑いをしながらそういった。
そして私はマタ彼女の胸の中で泣いた。
「全くやれやれだぜ。」
そんなことを言ってもイヤそうでもない彼女のそんな言葉も私の胸に滲みた…
雨は…夜明けきっと上がる
だからそれまでは…
先ほど修正させていただきましたのでご勘弁を;;
一応自称駄文書きなので書く作品は大体駄文なのです。
作品自体も愛着を持って作っていますが、それでもより良くして行きたいのが心情なので少しづつでも他人の意見を取り入れてよい作品になっていけばっと言う意味を込めて駄文としています。
作品はやっぱり読者がいるからこそだと思いますから