※この話は、創想話17にある「Scarlet Dream」の続編に当たります。
それは真昼の博麗神社に現れた。
一言で言うなら霧。それも夜を凝縮したような黒い霧だ。
日の光が降り注ぐ中、明らかに場違いなそれは、しかし当然であるかのようにそこにあった。
「黒いわね。ま、どうでもいいけど」
ずずっとお茶をすする霊夢。
手には緑茶の入った湯のみ。傍らには羊羹の乗った小皿。
目の前の異常など眼中にない、といった感じで羊羹に手を伸ばす。のんきなものである。
異常とはもちろん、黒い霧のことだ。
霧はたとえ風が吹こうと散ることがなかった。
意思を持っているかのようにその場にとどまり続け、しかも、わずかずつではあるが質量を増していた。
はじめは人の頭ほどの大きさ。今はもう二回り以上大きくなっている。
「さてと」
空になった湯飲みを置いて、霊夢が立ち上がる。小皿の羊羹はなくなっていた。
目はまっすぐに前を向いている。
そこには霧の代わりに、マントを羽織り、黒一色の礼装に身を固めた一人の男が立っていた。
「そろそろ出て行ってもらえるかしら?」
「突然お邪魔したことは謝るよ。すぐに出て行く」
身を翻した男の体が薄く光る膜のような物に触れた。
結界――それもかなりの強度を持ったものだ。
それは男の行く手を遮るように壁のように展開されていた。
「違うわよ。私は“ここ”から出て行けって言ったんじゃない。この“幻想郷”から出て行けって言ってるの」
「ほう……?」
男は何か面白いことを見つけたように笑う。
「あなた、危険だわ」
霊夢の手にはいつの間にかお払い棒と札が握られていた。
「そうか。娘の顔を見に来ただけだったのだが……降りかかる火の粉は払わねばな」
言いながら振り返る。物々しい雰囲気を感じ取ってなお、男は状況を楽しんでいるように見えた。
◇◇◇◇◇
間違いない。この気配はブラドだ。
しかし、今になっていったい何をしにきた? まさか『久しぶりに娘の顔を見に来た』とか言うんじゃないだろうな?
……ありえる。他の吸血鬼ならいざ知らず、あの男なら十分ありえることだ。
知らず私は呆れ顔で溜息をついていた。
ふと、部屋の中に私以外の気配を感じた。
振り返ると、紫の髪の、ピンクのネグリジェを着た少女が立っている。
彼女が近づくことに気づかないほど考え事に夢中になっていたのか……失敗失敗。
それを悟られないようにとわざと険しい顔をしてみる。どうせばれているだろうけど。
「どういうことか説明してもらえるかしら、レミィ」
「……パチェ、部屋に入るときはノックぐらいしてくれない?」
「したわよ何度も。それより私の質問に答えて。あれは何? 貴方の知り合い?」
いつものんびりとしている彼女にしては珍しく語気が荒い。どこか焦っているように見える。
……まあ、いかに稀代の魔女とはいえこの状況では焦りもするか。
しかし、さすがと言わざるを得ない。
知り合って百年になるとはいえ、私とブラドの気配に共通項を見出すなんて。
「別に気にする必要はないわ。あれは手を出さなければ何もしてこない。用があるのは私だから」
「どういうこと?」
「あれは一人の吸血鬼だから。名前はブラド・ツェペシュ――私を吸血鬼にした男よ」
私に二度目の命を与えてくれた男。
私の二人目の父親と呼べる男。
彼にまた会うことができる。
そう思うと私の胸は嬉しさと懐かしさでいっぱいになった。
私を長い間放って置いた恨みもあるけど、それに比べれば小さなことだった。
「!」
しまった、と思ったときにもう遅い。
じっと私を見ているパチェと目が合った。
自然と目を逸らしてしまう。心の中まで見透かされているようでとても居心地が悪い。
頭にきたので魔眼で睨みつけてやろうとすると不意にパチェが笑った。
「レミィもそういう顔をするのね」
「……ふん」
そうだよ。悪いか。
でも私だって知っているんだ。あの黒いのや人形使いが図書館を訪れた日は、不機嫌そうにしているくせにパチェの口数が多いことを。
例えるなら黒いのが放っておけない問題児、人形遣いは教え甲斐のある優等生?
……そんなことを言ったら何されるかわかったものじゃないから黙っておくけど。
こういうものは低次元な争いに持ち込んだ方が負けなのだ。そう思うことにする。
「とりあえずパチェはヴワルに篭って外には出ないこと。咲夜と美鈴とメイドたちには、あれには絶対に手出しをするなと伝えておいて」
「わかったわ。それじゃレミィ、また後で」
「ええ」
とりあえず私の言いたいことはわかってくれたらしい。
何を言うこともなく部屋を出て遠ざかっていくパチェの足音を聞きながら呟いた。
「……またがあるなら、ね」
私は今、どんな顔をしているのだろう、そう考えながら。
◇◇◇◇◇
霊夢は奇妙な感覚にとらわれていた。
目の前の男は明らかに人ではない。妖怪、または悪魔の類だ。
それにしては何かが足りないような、そんな感覚。
「余所見をしているとは、余裕だな」
集中が途切れていたらしい。男の言葉にはっとなる。
目を向けた先で、男は右の拳を強く握りこむ。
腕を引き、体を捻る。
「うまく避けろ」
――そして、撃つ。
「……っ!」
何も考えず、霊夢はただ横へ飛んだ。
数メートル離れているというのに、空気の震えが巫女服の裾を引き千切って脇を通り抜け、障子を一枚吹き飛ばす。
が、それだけでは終わらない。
二発目の左拳を放とうとして――男は飛来した何かを払い落とした。
男の拳に払われて消えていくのは、霊夢の放った細い針。それも霊力を凝縮させた針だ。
簡単に払われるような代物ではないはず……。
「こちら側の人間は、なかなか面白い術を使う」
「それはどうも」
感心して、笑みさえ浮かべている男と対照的に、霊夢は表情も硬く汗ばむ手をぐっと握り締めた。男の言葉に疑問を差し挟む余裕すらない。
あれは危険だ、人の手に負えるものではない、戦わずにこの場から逃げ出したほうがいい――あれは危険だ、幻想郷の律さえ乱しかねない、早く、今すぐにでも退治してしまわなければならない。
人間としての本能と博麗としての責務が相反する警鐘を鳴らし続ける。
二者択一。霊夢は動かなかった。
別に人間としての本能より博麗としての責務をとったわけではない。
この場に留まるのは、そんなことをしても意味がないとわかっているから。手を出した以上、目の前にいるこの男から逃げ出すことが不可能だとわかっているからだ。
大口を開けて待ち構える絶望という入り口への第一歩。
そこへ霊夢はあえて踏み込む。
「霊符――『夢想封印・散』!」
霊夢の言葉を受けて、札に封じられた霊気の塊が弾かれるように飛び出す。
だが、飛んでいく方向はてんでばらばら。一発一発もそれなりの力を持ってはいるが、少しばかり力を持った妖怪でさえ、数発は耐えうる程度でしかない。
――いったい何を考えている?
男が動くことを躊躇ったそのとき、霊夢は二枚目の札を切った。
「続けて――『夢想封印・集』!」
男は目を見張った。
いつの間にか、渦を巻くように霊気の流れが出来上がっている。
そして、その中心にいるのは……
「これが狙いだったか」
男に引き寄せられて霊気の塊が戻ってくる。
単発ならたいしたことはないが、いかんせん数が多すぎる。
彼がマントで身を覆うとほぼ同時に、境内は閃光に包まれた。
「仕切り直しといこう――闇よ」
男の声が響き渡る。
境内を埋め尽くしていた光が刹那のうちに闇に塗り替えられる。
「……なにこれ」
霊夢は呟いた。
宵闇の精霊とか夜雀とか、これはそんなレベルのものではない。
鼻に触れるほど近づけた自分の手のひらさえ見えない完全な闇。
自分が地面の上に立っているのか、それとも何か別のものの上に立っているのか、それさえわからなくなるほどの完全な闇。
加えて肝心の男の気配が感じられない。まるで、この闇に溶けて消えてしまったかのように。
――ヒュッ。
風を切る小さな音が聞こえるよりも早く、霊夢は真後ろに飛んだ。
続けて二発目、三発目が飛来する。
勘の知らせるまま、踊るようにそれらをかわしていく霊夢。飛来する何かを服の裾に掠らせもしない。
だが安心してばかりはいられない。
頼りとする勘も体力も、いずれは尽きる。
その前に何とか状況を打破できなければ、自分にいったいどんな運命が待っているか。
生きるか死ぬか。後者である可能性が高いが、前者であったとしてもただでは済まないだろう。
「冗談じゃないわよ!」
死ぬなんて、まっぴらごめん!
霊夢にしては珍しく、自分を奮い立たせるように叫ぶと、懐から取り出した大きめの札を二枚、虚空に放つ。
生き延びるための一手。敵を追尾するという特性を持つアミュレットだ。
この闇のどこにいようが、必ず男を見つけて飛んでいくはず。
「……え?」
しかし、予想に反してアミュレットは空中で静止したまま動く気配を見せない。
まるで捉えるべき相手を見失ってしまったかのように。
――ヒュッ。
再び風を切る音。
アミュレットに気を取られていた霊夢は反応が遅れる。
「痛っ……あれ?」
頬に軽い痛みを感じた。
跳ね返って手のひらで受け止めたそれは小指の先ほどしかない小さな……石?
いくら目が見えないからといって、こんなものを避け続けていたのか?
もしそうなら、完全に遊ばれている。
なんか頭にきた。
両手で印を結び、呪を唱える。
内なる力が高まっていくのを感じる。体を巡る霊力が研ぎ澄まされていく。
「どこに隠れていようが無駄よ! 神技――『八方鬼縛陣』!」
霊夢は半ばヤケクソ気味にスペルカードを叩きつける。
東西南北――博麗神社の四隅から闇を押し返すように光の柱が立ち上がり、神社全体を覆う光の方陣を形成する。
神社に毎日のように入り浸り、なかなか帰ろうとしないレミリアを捕獲するための、鬼さえも縛りつける力を持った方陣。それも陣を強化する札を神社の四隅に仕込んで置くというおまけつき。霊夢の奥の手である。
今度は方陣の光が闇を塗り替える。
闇が一点に凝縮され、中から姿を現した男を幾重にも伸びる霊力の鎖が縛りつけた。
男は逃れようともがくが、太く頑丈な霊力の鎖はそれを許さない。
「むぅ……」
「なるほどね」
アミュレットが敵を捉えられなかったのも当たり前。
納得した、という顔で手をぽんと打つ霊夢。
「隠れていたんじゃなくて、あれ自体があなただったわけ……え?」
その顔が強張った。
ぎりぎりと鎖の軋む音。締め付けているのではない、霊力で編まれた鎖が引き千切られる――!?
「生半に力を持つと、手加減にも苦労するな」
ほとんど反射的にお払い棒を掲げて身を守る霊夢。
しかしそれは方陣の鎖に比べてあまりに非力だった。空を裂いて振り下ろされた手刀の前にあっさりと砕け散る。
「嘘……なんて力……」
膝をつき、辛うじて倒れることを拒む霊夢。
故意か偶然か、出血はひどくない。傷も浅い。
しかし、立とうという気が起こらなかった。
――この男には何かが足りないような気はしていた。
あるべきものがない。あるはずのものがない。
やっとわかった。
妖気。邪気。
人外のものが持つ気配。
それが全く感じられなかったのだ。
……今は違う。
気を抜けば意識を刈り取られそうなほど強い力の流れを感じる。
つまり。
今までの彼は、自分の力を抑え込んだ状態で私と戦っていた。
こんなに強大な力を完全に隠しながらも、あれほどの力を持っていたのだ。
だから立つ気になれなかった。
……立てばたぶん死ぬから。
ふわり、と風が吹く。
「そこまでにしてもおうかな」
聞き慣れた声がした。つられて霊夢は顔を上げる。
目の前に立つ男の後ろに、いつもは姿を見せない魅魔がいて、その首に戟の刃――三日月の形をした珍しい形だ――を突きつけている。
霊夢はまだよく状況を飲み込めていなかったが、一つだけ確かなことがあった。
――それは、自分は絶体絶命の窮地から救われたのだ、ということ。
「高位の精神体か。それで、こんなもので私をどうするつもりかな?」
しかし、今すぐにでも自分の首を刎ねられる状況にありながら、男は顔色一つ変えずに言い放った。
男に虚勢を張っている素振りは見られない。
淡々と事実を述べているように霊夢には思えた。
「なに。そこの紅白が死ぬと、私を祀ってくれる人間がいなくなって困る」
「……ふむ。では、必ずしも私と争いたいわけではないと?」
「そういうこと」
言葉どおり、魅魔に彼と争う気はないらしい。あっさりと戟を収めてしまう。
そして、それは彼も同じようだった。
「ではここいらで失礼するよ」
マントを翼に変化させ、太陽の輝く下、一路、紅間館の方角へと飛び去っていった。
………………………………
「それにしても、とんでもない奴に喧嘩を売ったもんだ。見ていて冷や冷やしたよ」
男の姿が見えなくなると、魅魔はぼやいた。
手にした戟の刃に幾つものひびが入っている。
突きつけたその瞬間に、拳でも打ち込まれたのだろうか?
疑問形なのはしょうがない。何せ見えなかったんだから。
「って聞いてるのかい? ――ちょっと、霊夢!?」
振り返ると霊夢は倒れていた。
抱き起こしてみる。危険な状態かと思ったが、どうやら気を失っているだけらしい。緊張が解けて安心しきったからだろう。
規則正しい息遣いが聞こえる。
「まったく世話のかかる……まあ、このかわいい寝顔に免じて許してやるか」
魅魔は、心底ほっとしたような表情で霊夢を抱え上げ、神社へと入っていった。
◇◇◇◇◇
「え? お嬢様のお父様、ですか?」
紅魔館のメイド長十六夜咲夜は、パチュリーの言葉に目を丸くした。
驚きついでに手に持っていた皿を落としてしまうが、その皿は地面に触れる前に咲夜の手元に戻っていた。
皿が落ちて割れようが割れまいが、そんなことはパチュリーにとって興味の対象外なのだろう。気にした風もなく先を続ける。
「そうよ。詳しくは言わなかったけど、とにかく手を出すなってレミィは言っていたわ。けど、私にヴワルに閉じこもっていろって言うくらいだから、つまるところ『顔を合わせないように隠れていろ』ってことでしょうね。それを美鈴とメイドたちに伝えておいて」
「…………はぁ」
魂の抜けたような返事をする咲夜。
それはそうだろう。仮にも館の住人と、ここを訪ねてくる客の世話をするためのメイドが、主の父親が来るというのに何もせず隠れていろと言われたのだ。
自分の存在意義について考えてしまっても別段おかしくはない。
……でも、パチュリー様まで避難させるなんてよほどのことよね。別に私が……私が……
頭をよぎる日々の失敗の数々。
けちのつき始めは紅白に負けたこと。あらゆる事件で先を越され、そして黒白には連日紅魔館防衛線連続突破記録更新中。
先日もレミリア様から「使えないわね」とお褒めの言葉をいただいたばかり。
だらだらだらだら。
紫色の顔を脂汗が伝い流れ落ちてゆく。
「咲夜? 顔色が悪いわよ?」
いいえ貴方も同レベルですよパチュリー様、とは口が裂けても言えることではなく。
「こほっ……ちょっと風邪気味で」
とわざとらしく咳などしてみたり。
パチュリーはその様子を眉一つ動かさずに見た後、ぽそっと小さな声で何事かしゃべった。
「……何か仰いましたか?」
「別に。私はこれからいろいろと準備があるから、後は任せるわね」
それだけ言うとパチュリーは、もう用はないとばかりに返事も聞かず立ち去ってしまう。
冷たい。それはもう氷のように。
一人取り残された咲夜は、疲れきった顔で、部下のメイドたちを呼ぶための鈴を鳴らした。
◇◇◇◇◇
「おーい、霊夢ー。遊びに来たぜー。……いないのか?」
大きな声で呼びかけつつ、境内に着地する魔理沙。
いつもは縁側に腰掛けてお茶を飲んでいるはずの霊夢の姿が見えない。
香霖の店にでも行ったのか? この時間だと帰ってくるのは日が落ちる前だ。
いないならいないでしょうがない。くつろぎながら暇を潰すとしよう。
勝手知ったる他人の家、魔理沙は台所から湯飲みと急須、新しい羊羹を一切れ乗せた小皿を持ってきて縁側に腰掛けた。
湯飲みにお茶を淹れ、一口飲む。
「ん? これはいいお茶だな。適当に選んだ甲斐があったぜ」
一時の幸せを満喫する。
「この声は……魔理沙かい?」
「ぶ――っ!」
幸せは霧になって飛んでった。
声のした方に顔を向けると、障子から突き出た魅魔の顔が。
本人に悪気はないのだろうが心臓に悪いことこの上ない。
「み、魅魔様!?」
「しーっ。怪我人が寝ているんだ、静かにしないか」
にょっきりと、頭だけでなく体も障子の向こう側から引っ張り出し、魔理沙の隣に腰を下ろす。
「なんでこんなところに……怪我人? まさか霊夢?」
「その通り。ついさっき、ここで一騒動あってね」
………………………………
「――吸血鬼ぃ!?」
魅魔からの話を聞き終わった魔理沙は素っ頓狂な声を上げて、慌てて手で口を塞いだ。
「まず間違いなくね」
「で、でも、吸血鬼だろ? 太陽の下って歩けないはずじゃあ……」
魔理沙の疑問ももっともだ。
一般的に吸血鬼が嫌うものとして、日の光やにんにくといったものが挙げられる。
特に日の光に至っては、浴びただけで体を焼かれるほどだ。
それを浴びて平然と歩いているなんてありえない、いや、ありえるはずがない。
しかし、魅魔は首を横に振った。
「長い年月を経て幻想の力を蓄えれば、大抵のことはできるようになるものさ。吸血鬼だって太陽の光くらい克服するだろ。不可能を可能にする、それが幻想ってものだからね」
「……それはそうだけど」
――吸血鬼が日の光という最大の弱点を克服できるのなら、銀も聖水も十字架も同じことじゃないのか? おいおい……そんなのに出てこられたら、こっちとしてはお手上げじゃないか。
脳内議論の終わりも見えたところで、魔理沙は話を変えることにした。
「それで魅魔様、霊夢の容態は?」
「別にもうなんともないわよ」
魅魔の代わりに答えたのは誰あろう、霊夢その人。
障子を開けて部屋から出てくると、魅魔の反対側、魔理沙の隣にどっかと腰を下ろす。
さすがに血に濡れた服は着ていられないのだろう、新しい巫女服を着ている。傷を負った胸の辺りには包帯が巻かれていた。
「おや、もう起きていいのかい?」
「たかだか薄皮一枚切られた程度でいつまでも寝ていられないわよ」
不機嫌そうに言う霊夢。
「どうしたんだ、霊夢? 傷でも痛むのか?」
「違うわよ。あの吸血鬼が思い切り手加減してくれたおかげでこれっぽっちも痛くないわよ」
言葉の端々からいらいらがにじみ出ている。どう考えてもおかしい。
「じゃあ何でそんなに機嫌が悪いんだ?」
「そうそう。私もそれが知りたいねえ」
なぜかにやにや笑いながら魔理沙に同意する魅魔。
霊夢はその顔をきっとにらみつけると、
「あんたみたいな悪霊に助けられたからに決まってるでしょうがー!」
魔理沙の湯飲みを奪って投げつけた。
しかし、湯飲みは魅魔の頭をすり抜けて柱に当たり、お茶を縁側に撒き散らしただけだった。
「危ないねえ。私が人間だったら大怪我だよ?」
「きーっ! さっさと還れー! 夢想封印! 夢想封印! 夢想封印! 夢想封印ーー!!」
「うわっ、馬鹿、やめろ!」
「おお怖い怖い。さて、それじゃそろそろお暇しようかね」
それからしばらく博麗神社に嵐が吹き荒れた。
2.霊夢がいきなり戦いを仕掛けるのがあまりに唐突。
3.その戦いを受けるブラドも不自然。前作ではそこまで好戦的に見えなかったのに。
4.幻想郷に影響するような力の持ち主なら、紫あたりも動きそうだけど。
5.結局、自分の考えた強いオリキャラを見せたいだけの話に見えてしまいます。
文章自体は普通に読めましたが、内容が上記の通りだったのでこんな得点です。
霊夢は東方プロジェクトのメインキャラだし、そのキャラがオリキャラに容易に負けるという話は共感を得られないと思いますよ。
かかれてたので、ひとつだけ。
(´・ω・`)
1に関して…メインタイトルは引き継いでおられるようですが、ごく個人的には英語がメインタイトルに来ると意味をイメージしにくいと感じてしまうのです。これは人によると思いますが。幸い私は覚えてましたが一応注釈をつけるのが正解かと。
2,3……つまり戦いの動機ですが、これはもう少し理由が欲しいところです。直感の巫女である事自体を説明にするというのは、このお話だけを見るとマズイです。今の時点で理由を明かしたくないなど考えられますから、遅くなってもいいので後の話で補完して下さればと思います。
4,5については特に気にならなかったので触れません。ただ、霊夢が負けただけで共感を得られないと判断するのは早計です。<名前が無い程度の能力氏
期待してますので続きを宜しくお願いしたく。それと話が長くなりそうなら話数が多くするよりも、一話の分量を増やしたほうがよいです。長文失礼。
霊夢に余裕が無さすぎるんですよね。
でも密かに続きを楽しみにしてたものとしてはめげずに頑張って欲しいです。
続編期待してお待ちします。
霊夢のキャラが違うなぁ、としか言えません。
(私は、いきなり喧嘩を売るのは、いかにも霊夢らしいと思ってます)
霊夢が噛ませられるような存在がいたら、もう勝てる存在がいませんよね。
(霊夢が善戦、ではなく、霊夢が噛ませ犬、と言う意味では)
何というか……霊夢に限らず、登場するキャラだけでも、公式の設定を調べたほうが良いと思います。
……遺憾ですね。
幻想郷の調律者を一蹴してしまう、べらぼーな実力者のレミリアパパの真意とは?
ただいるだけで「あなた、危険だわ」などと宣言されてしまう雰囲気を持つ妖怪であるからには、きっと「娘の顔を見に来た」なんていかにも嘘臭い理由に留まることはないのでしょう。
個人的には霊夢のリベンジはあるのかといった点に興味が湧きます。
しかしあの実力差では……どうやって退治するんだろう。
というか幻想郷の誰が彼に勝てるのか。
次回を楽しみにしています。
他の皆様が言うとおり、霊夢に思い入れのある方には少し納得がいかない面もあると思われますが、霊夢が常に最強とゆう観点にとらわれては書けない話もありましょう(紅狂様の言うとおり、大切なのは魅せ方です)
公式設定は大切ですが、形に囚われる為ではなく、それをうまい形で生かす為に見直すとよいと思いますよ。