『雨は豊かな恵み与える』
レミリアはお気に入りの、お菓子があった。それは、ちょっと大人のチョコレートだった。そして、今おやつの時間だ。咲夜がおやつを運んできた。
「咲夜、今日のおやつは何?」
「どら焼きです」
あああああああ、何度も言いたくなるようなどら焼きだった。そうなのである。おそらく暗黒物質の餡子がたくさん詰まった。どら焼きなのである。この、中身の見えない食べ物を食べる恐怖なんて当の本人にしか分からないのである。
「......どら焼き」
「はい」
チャイナ、チャイナ、チャイナ! と何度も言いたくなるような、中国の楽器に見立てたどらや焼きだった。なぜ、中身を隠す? 実力(旨味)があるなら隠す必要は無いはずだ。だから、どら焼きは恐ろしい。
「私がチョコレート好きって知っているのに、どら焼き?」
「そうですよ、いくら好きでも、毎日チョコレートじゃありませんよ」
レミリアの辞書には、どら焼きと言う言葉は無かった。何回も頭の中で検索してみても出てくるのは、炭焼き小屋、かわら焼き等といった文字列しか思いつかない。どら焼きは、辞書の方から記載されることを拒否している。
レミリアは混乱していた。チョコレートが供給されないことにより、別に中毒とかは起こしていないが混乱していた。無性に、壊したい破壊衝動にかられた。
でも何かするわけじゃない。
「なんで? 毎日チョコレートでもいいじゃない」
「チョコレートは美味しいです。でも。どら焼きにもいいところがあります」
レミリアはチョコレート食べたい。チョコレートが良い。
「嫌、チョコレート」
「そんなに我侭いうと、今日はおやつ抜きですよ」
咲夜は怒始めてしまった。こうなると、レミリアは大変だ。もうだめだ、このどら焼きを食べるしかない。暗黒物質の詰まったこのどら焼き、つなぎ目が何だか怖いどら焼き、生命の全てを持っていかれそうなどら焼きだ。
それでも、咲夜は十六夜だから、レミリアは大きな勇気を出してどら焼きを食べてみることにした。眼からはあふれる涙がたくさん出た。心拍数はあがる。そして、恐怖に震える口をなんとか大きく開けて、一口食べて気付いた。
「あれ、中身がチョコレート!」
「今日は、チョコレート入りどら焼きですよ」
レミリアは救われたのだ。何かに......
早急に短い名前に変えてくだしあ
折衷してこの点数にしますが面白いネタでした。
名前はちょっとやりすぎですね。