Coolier - 新生・東方創想話

Roots

2012/06/05 18:10:07
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 どんなに素敵なものでも、三日続けば飽きるだろう。辛抱強くて一週間、気を鈍くして一か月。変化を求めるのは、人間の必然だ。
 それは私、十六夜咲夜にとっても例外ではない。だから茶を変え、夜会を変え、世界を変える。異なる紅魔館と、お嬢様に会いに行く。
 彼女の髪の描く波や、瞳の真紅や、声や態度が嫌いになったのではない。ただ、一時平凡に思う。あんなにも鮮やかなお方を、ありふれたもののように。


 麻痺した感性を厭う、午前三時。掃除や配膳で、時間を止めている最中限定。私は、壁に見慣れない扉を見付ける。館の配色に馴染んでいても、新顔とわかる。何度も通って、覚え過ぎた道ゆえに。


 最初はお嬢様や、パチュリー様の悪戯かと考えた。不注意にノブを回したが最後、何が起こるかわからない系の。
 事件上等(小さければ)、ちょっと入るだけ。僅かな猫度の気まぐれで、引っかかってみた。
 全く同じ場所に出た。私がドアから出てきた以外は、不変のように感じた。時は動かず、窓の半月は進まない。曲がり角では妖精メイドが、裾を踏んで転んだまま。
 面白みがない。不発弾幕。停止した空間に、溜息の風を吹かせた。そんなこともあるかと力を解き、

「さぁーくやぁー! めーりんと薔薇のジャム作ったの! はやくきてきて、こないとレミィ怒っちゃうぞ☆」

 色々と爆発した。
 貴方誰ですか。レミリア様ですよねそうですよね、キャラどころか声の高さまで違いますよ。
 ありふれていないお嬢様に駆け寄られ、腕を引かれた。羽と一緒に、所々汚れたエプロンが揺れる。花と熱した蜜の他に、知らない香りが漂った。野苺を潰してミルクと混ぜたものの、紛い物のような。パチェのまじかるこーすいなの、と彼女は自慢した。舌足らずに。
 まるで里の寺子屋だった。実年齢と幼さが、反比例しているのだろうか。お嬢様とフランドール様、パチュリー様が食堂で遊んでいた。各々ビスケットをジャムで接着して、高く積み上げんとしていた。美鈴は小児用の椅子を往復し、家庭教師よろしく世話を焼いている。咲夜さん助けてくださいと、粉屑まみれの手を振られた。
 高貴な幼女達の喧嘩を諌め、お嬢様にすぺしゃるはいぐれーどな一品(粉糖ではなく小麦粉山盛りの花弁クッキー)を頂いたところで、私の猫度が限界を迎えた。
 時空を固めた。もと来た扉を目指した。

(帰れなかったらどうしよう)

 重大な不安は、幸い外れてくれた。半月の紅魔館は、穏やかで新鮮だった。メイドはこける、美鈴は躍る。フランドール様は玩具を、パチュリー様は室内用の雨傘を要求。
 レミリアお嬢様は、温室のテーブルで紅茶。ミルクの加減に失敗して、だるい味と漏らした。はっきりと、尖った可愛くない声で。私には、とても可愛い響きだけれど。

「お嬢様、『レミィ怒っちゃうぞ☆』って言ってみてくれませんか」
「もっと怒ってもいいのよ」

 やっぱり、私の主はこの方だけだ。


 ドアは現れ続ける。私は心の硬直を、未知のお嬢様で癒した。
 数多の紅魔館があった。どれも楽しかった。短時間ならば。
 「~だぜ」口調が標準、魔理沙仕様の黒魔館。「夜は米だぜ、次の夜も米だぜ」。お嬢様はティーカップではなく、月見印の茶碗を掲げた。
 お嬢様姉妹が、完全に和解している世界。ベッドはひとつ、服はお揃い。心温まり、私は入る隙がなかった。
 フランドール様が、姉として君臨している屋敷。レミリア様は妹兼メイドとして、童話の主人公のように働いていた。「水回りは駄目ね、皮膚が焼けてしまう」。私は彼女の代わりに、雑巾を絞って浴槽を磨いた。ここの彼女は何かの拍子に、元の地位を取り戻すのだろうか。
 未来は確かめられなかった。留まらない限り。一度訪ねた物語には、もう行けなかった。可能性が膨大で、当てられないのかもしれないけれど。妹でメイドなレミリア様の今後は、痛ましくも気になった。彼女を助けられなかった分、此方側のお嬢様を大事にした。人間らしい代償行為だ。私はちっとも完全ではない。主ではないこの方のために、主のこの方に尽くしている。ああでもこの方もこの方もお嬢様で紛らわしい。誰か一人を選べばいいのか、そもそも今のレミリア様にはどのように決まったのか。主がメイドを雇うように、メイドも気に入った主に仕えていいのでは? 靴も足を選びたい、拒まれた足は別の靴を買う、けれどもとてもぐるぐるする。

「咲夜。咲夜。お代わり」
「あ。はい」

 差し出されたカップに、丸めた右手を埋めていた。犬のおかわりのように。
 ぼんやりしてる。私の前なのに。いつもの咲夜はお散歩中? 冷ややかな心配と共に、手首に牙を立てられた。満月を背景に、痛さ三割増し。テーブルクロスに隠れた革靴が、バルコニーの床を叩いた。

「すみません、夏ぼけのようです」
「まだ六月の頭よ」

 今夜のお茶は紫陽花茶。梅雨の味だ。砂糖や蜂蜜を交えずとも甘い。手の甲の雫を舐めながら、一瞬で器を新品に換えてきた。あの扉を通り過ぎて。
 向こう側は、刺激的で危ない。不出来な私でも、恐ろしさを悟ってきていた。
 次は帰還できなかったら?
 このまま滞在して、戻る術を失ったら?
 帰りたくなくなったら?
 今よりも愛しい、お嬢様を知ってしまったら?
 私の消えた館では、誰がお嬢様を?
 頭がかき回される。壊れてばらけるかもしれない。
 危険を怖がる一方で、望んでもいた。
 どこでも私は咲夜で、お嬢様はレミリア様。根っこが固定されているのなら、平気なのではないかと。好きな状況を選択できるのは、きっと幸福だろう。順序を弄るだけの家事とは違う。本物の自由だ。

(ただ、私は)

 万能が怖い。お嬢様という、指針が欲しい。絶対の居場所を持っていたい。
 ありふれたものに不満を抱き、ありふれたものに足場を願う。矛盾だらけの、自分がこわい。
 私の所在が、わからない。

「お嬢様。お嬢様は、どうやって自らを認識していますか」
「何。季節ぼけに哲学? 頭のストレッチ?」
「のようなものです。例えば沢山の紅魔館があって、沢山の私やパチュリー様がいたとして。お嬢様は一人だけ。どのように、確たる自分を支えますか」

 支えるまでもない。私が私。夜の王たるお嬢様は、簡潔に堂々と答えた。立派で参考にならない。

「で、では。一杯の私の中に、私よりも有能で好感の持てる私がいたら? そちらを本物の咲夜として、登用しますか。見分けられますか。どこで私だと判別しますか」

 口が渇き気味で、一息の早口になった。お嬢様に、飲みかけのカップを押し付けられた。唇の触れていない方向から、少しずつ啜った。

「どこと挙げるまでもないわ。お前はお前だけ、私は惑わない。成り代わろうとする奴がいたら、お前そっくりでも捻り潰す」

 有難いけれどヒントにもならない。より具体的にと注文をつけたら、

「私の咲夜が咲夜。以上。それともお前は、ちまちま説明しないと理解できないの? それでも私の従者?」

 目に見えて不機嫌になった。円卓のパンケーキや、さくらんぼの洋酒漬けが飛び跳ねた。

「大体お前はどうなの。私が千も万もいたら、選べなくなるの?」

 見上げる眼差しが、嘘は許さないと告げていた。気休めの言葉も、容赦しない。
 シロップの一滴が、振動する白磁のポットが、お嬢様の表情が凍る。私は咄嗟に、時を止めていた。
 疑問だから訊いているのに、問いで返されてももう。
 このお嬢様に解を貰えないのなら、他所のお嬢様から。
 困って苛立って、私は旅立った。


 初めて、私のいないことになっている紅魔館に来た。
 いや私どころか、フランドール様やパチュリー様、美鈴、妖精メイド達もいなかった。
 広い館に、レミリア様が一人で住んでいた。蝙蝠を従え、自分でも炊事や草取りをして。

「お前は誰? 迷子の人間?」

 痩せていた。月明かりを吸った、青白い肌が印象的だった。
 如何に応じたものか。湖で溺れて漂着した、家事のできる女性とでもするか。

「勝手に上がり込んだ罰よ、私に服従しなさい。掃除くらいはできるでしょう? メイドみたいな恰好なんだから」

 お嬢様から、丁度いい設定を与えられた。
 部屋の配置や道具の置き場所、手入れの方法を指導された。全て知っていたけれど、新しかった。手に手を取って、教えられるのは。
 元のお嬢様よりも、よく喋る方だった。話し相手を得て、喜んでいるようだった。
 私の名前は、変わらず咲夜。質問されて、別名や偽名が出てこなかった。

「いざよい、さくや」

 きれいな音ね。お嬢様は、姓名を繰り返していた。

 フランドール様は、分家筋に渡ったという。以降、音信不通。
 美鈴とは出会っていなかった。幻想郷へ移住する以前の行動が、異なっていた。その影響だろう。
 パチュリー様とは、別れていた。性格の不一致だそうだ。

「でも図書館は殆ど同居時のまま。持っていけば良かったのに。読んでも独りじゃつまらない」

 このレミリア様は、偉そうで暇そうだった。寂しそう、か。もしも様々な紅魔館に通じる、扉があったら? 戯れの、私の問いかけに食いついた。

「絶対入るわ。一番いい世界に移るの。一番じゃなくてもいい。どこだって、今よりは楽しいはずだもの。ねえ咲夜、探してくれない? 二人で行きましょう」

 ところでレミリアお嬢様。貴方はどのように、確たる自分を支えていますか。此方の彼女には、とても訊けなかった。どんな回答か、何となく見えていた。
 けれども、彼女もこうなっていたかもしれない。分岐はひとをつくる。時に、肉や骨や血よりも濃く。運命よりも激しく。

 ここで帰れば、救われたのだろうか。

 可能性のひとつであっても、このお嬢様は放っておけなかった。私がいなくなっては、辛いだろうから。誰もいなくなる。せめて、他者を用意してから発とうと思った。
 今までにお邪魔した紅魔館を、ふと想った。彼方のお嬢様達も、私が消えて慌てたのだろうか。静止させた時も、いずれは蘇るから。
 選ぶことは、切り捨てることだ。捨てた先でも、物語は続いている。視えないだけで。

 ――お前はお前だけ、私は惑わない。成り代わろうとする奴がいたら、お前そっくりでも捻り潰す。

 お嬢様は、強い。ずるいくらい。もう、ありふれてなどいない。

「咲夜さくや咲夜、えい」

 此方のお嬢様が、私の寝室に駆けてきた。吸血鬼の速度で、枕を投げられる。顔を直撃。布団に落ちた頃には、お嬢様は包まり済み。

「夕方まで寝ましょう。起きたらリボン刺繍の続き。ご飯は私が作るわ、咲夜の好みは覚えてきたもの」
「それは、それは」

 お嬢様は、弱い。やっぱり、ずるいくらい。
 彼女は可愛いを煮詰めた、大人のお菓子のような方だった。私好みで、適度に自立していて、私だけに甘える。ありったけの時間を、私のものにできる。余計なことに煩わされない。パチュリー様や、フランドール様の面倒に。あれ、面倒?
 意識が千切れそうで、怖い。

 首筋に痛みを感じなかったら、負けていたかもしれない。

 瞬時に飛び退いていた。お嬢様が、両目の光を歪ませる。

「予告なしはいけなかったかしら。ちょっと仲間にするだけよ? 危なくないわ」
「なにを、仰って。私の大事なお嬢様は、そんな方では」

 焦りで、明かしてはいけない情報が零れた。
 そんな方ではないのは、元のレミリアお嬢様。寂しがり屋の彼女は、私であればいい。むしろ、短い寿命は敵だ。また孤独になってしまう。

「変なの。私をからかってるの? 仲間で足りないなら、お友達でも恋人でもいい。逃げないでよ」

 わかった。これ以上なく解った。最初から、多分区別はできていたのだ。緩く。分岐に思いを馳せて、夢見て、迷った。
 帰るひとなくしては、できない遊びだ。

「私は、私のお嬢様の館に帰ります。貴方にはいずれ、貴方の従者が現れる。きちんと願えば。ふざけてごめんなさい」
「そんなの怒らない。ふざけたのなら、本物にすればいいわ。お前がいないと、私はもう」
「私だって同じです。まだ。お嬢様なしでは、まだ。でも、それではいけないから」

 行かないでと叫ぶのを、力で打ち切った。
 抱き締めたくなる泣き顔だった。引き摺られそうになった。何も流すまいとした。同情や慰めは、私の役目ではない。

「さようなら」

 道は把握している。目印に、お嬢様がいるから。
 彼女がいなくても、帰れるひとになりたい。


 停止前の位置について、解除。開口一番、

「お帰りなさい。どこ行ってたの? お土産はないのかしら」

 お嬢様にはばれていた。僅かなずれでも、ぶれて映るそうだ。
 下手に隠すだけ無駄だろう。話したい。

「紅魔館へ、度々」

 ドアの奥の、一部始終を打ち明けた。今は貴方が判るとも伝えた。

「それで最近うわの空だったの。『レミィ怒っちゃうぞ☆』」
「すみませんでした。あと似合ってませんごめんなさい」
「ふん。当たり前だ」

 私は私だもの。五段重ねのパンケーキを、お嬢様はフォークで貫いた。

「私にかかれば、壁に異空間の工事くらい。偶然任せの運命頼りだけど」
「厄介には感じませんか」
「何でも歓迎するのが妖怪。異変もそこそこの退屈も。学びなさいよ人間咲夜、んぐ」
「短命なもので。一分一秒も宝です」

 だから日々の空白を疎み、感情で時を空費する。種族の異なるお嬢様とは、交わらない意見だろう。交差しない、平行のままでいい。
 分岐はひとをつくる、ねぇ。バターと果物の匂いをさせながら、彼女は呟いた。

「最大の分岐点は、ひと。誰でも誰かの道になってる。私にとってのお前のように」

 勿論、最後に決めるのは私だけれど。
 可愛くない、甘くない称賛だったのだろう。ひどく眩しくて、ほっとした。

「今夜は私と眠りなさい。別人のためなど許さない」
「はい」

 幾度飽きても、憧れる。
 私の時間が、この紅魔館に。お嬢様に続いていて、よかった。
 ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
 ゲームで撃墜されて、一機減った後。次に出てくる機体は、どこまで前と同じなのか。考えていたら、お話になりました。何かしら、心に残れば幸いです。
 紅魔館を書くとお茶が飲みたくなります。淹れておつかいに行ってきます。
深山咲
[email protected]
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コメント



0.4290簡易評価
7.100名前が無い程度の能力削除
咲夜さんにおかわりしてほしいです。

まだ。と言う言葉にどれだけの意味と心が入っているのか
読み返し読み返し考えています。
10.無評価名前が無い程度の能力削除
仕事終わりに会社のPCで読ませてもらいました。
家に着いたら玄関の扉がいつもと違う色な気がして
まさか・・・ね? なんて思いながらドアノブ握ってしまった。
貴方の作品読んだあとはいつも、勝手に色々な想像して楽しませてもらっています。
普段忙しくて、暇だ、退屈だ、なんて口が裂けても言えないけれど
限りある時間をこんな妄想に使ってもいいじゃない。人間だもの。

今日はゆっくり、パンケーキでも焼いてみようかな。
すてきなお話、ありがとうございます。
12.100名前が無い程度の能力削除
↑ごめんなさい。点数つけわすれました。
13.90ずわいがに削除
ちょろっと覗くだけだった筈なのに結局全部読んじゃうんだもん、凄いよ

短いのに読後の余韻とか妄想が広がります
咲夜さんも何やかんやでまた別の紅魔館に行っちゃいそう。次は帰れるかな?
まぁ、このお嬢様ならどんな運命からもこの咲夜を引っ張ってこれそうですがね
15.90奇声を発する程度の能力削除
何度も読み返して良いなと思いました
17.80名前が無い程度の能力削除
面白い。
久しぶりに良い話を読めました。

様々なifの紅魔館をもっとじっくり見ていきたい、と思いましたがそれも野暮な話なんでしょうね、きっと。

只、句点が多く読みづらいと感じたのは残念な点です。
最後の孤独なレミリアを置いて本来の世界に咲夜が戻ったのも少し非情過ぎやしないか、と思いました。


とはいえ、面白かったのは事実です。あなたの今後の作品を楽しみにしております。
19.100名前が無い程度の能力削除
面白かったです。
残機減っても何も考えずにプレイしてたので、今作ができあがるに至る発想に驚きました。
31.100名前が無い程度の能力削除
咲夜さんの能力は本当に夢が広がるなぁ。こんな物語も作れるのかと関心しきり
32.100名前が無い程度の能力削除
人生の分かれ道。もしもあの時違う選択をしていたら。
そんな妄想はよくしてしまいますが、実際戻る術があったらあったで困るんでしょうね。
結局人は一つしか選べない。別の世界を見せられたところでどうすりゃいいのよっていう。
そういう意味でも、一本しかない道筋の上でお嬢様に出会えた咲夜さんは幸せ者なんでしょう。

とても考えさせられるいい作品でした。
35.100名前が無い程度の能力削除
話もいいけど、それ以上に表現の仕方が好き
36.100名前が無い程度の能力削除
なんというか考えさせられましたね、色々と

しかし、こういう主従関係には憧れるばかりです
やはり自分だけでなく、相手も思ってくれる事が大切だと思いますね
37.100名前が無い程度の能力削除
ここではちゃんとこういう話が読めるから、俺の中のレミリア像は圧倒的お嬢様。
39.100名前が無い程度の能力削除
人生が一度きりしかないのは、救いなのではないかと思いました。
誰かと出会う事、分かれた道を選ぶ事、全てが一度きり。今までの事全てが完璧ではないし、後悔もある。
それでも沢山の可能性の内一つである今を幸せだと思えるなら、素敵だなと思います。
41.100名前が無い程度の能力削除
理想のふたりがここにいました
42.100名前が無い程度の能力削除
Ich Bin, der ich Bin
たくさんの紅魔館が存在していて、その中にはたくさんのお嬢様が存在する。
どのお嬢様に仕えている自分が本物なのかは特定もできないし断定もできない。
だけど、今仕えているお嬢様は「私が私である」と言い「私の咲夜が咲夜」であると答えをくれた。
だからきっと『今』の紅魔館が特別で最高。
それは幸福論の究極の一つの形なんだろうなと思う。
45.90名前が無い程度の能力削除
不思議な感じで面白かった。
撃墜といっても、ただルールに則った遊びだから、同じ人だと完結してた自分には出来ない発想。
53.100名前が無い程度の能力削除
淡々としてるようで感情を感じられる素敵な文章でした
お互いがお互いに向ける感情がすごくツボです
54.100名前が無い程度の能力削除
私もかつてゲームのセーブを消したら中の登場人物たちは…と考えたことがあります
この咲夜さんとお嬢様は本当に良い関係を築いていますね
58.無評価深山咲削除
様々なご意見ご感想、ありがとうございます。いつも、とても参考になります。

>まだ。と言う言葉にどれだけの意味と心が入っているのか
台詞はすっと、情景の中で出てくることが多いです。原作のキャラクターに合っているのかは、不安ですが……沢山のことを感じてくださると、嬉しいです。

>勝手に色々な想像して楽しませてもらっています
>読後の余韻とか妄想が広がります
ありがとうございます。内に外に、空想は膨らむと素敵です。その始点になれたのなら、幸いです。

>只、句点が多く読みづらいと感じたのは残念な点です。
>最後の孤独なレミリアを置いて本来の世界に咲夜が戻ったのも少し非情過ぎやしないか、と思いました。
読み辛い中、最後までご覧くださりありがとうございます。「。」の少ない、伸ばす形の文体も勉強してみたいです。
何らかの救いを残すことも、考えました。けれども、全部止めにしました。半端でも全力でも、助けることは重い選択だと捉えました。人一人では限界のある。物語中の咲夜は、その限界を自分のレミリアに使い尽くすと決めました。一途に非情に。

>一本しかない道筋の上でお嬢様に出会えた咲夜さんは幸せ者
>きっと『今』の紅魔館が特別で最高
>理想のふたりがここにいました
最初の道が最高に通じていた、紅魔館の二人が羨ましいです。数多の不幸な分岐や、可能性の上に成り立っていたとしても。
紅魔組は、描いていると色々と考えさせられます。

>沢山の可能性の内一つである今を幸せだと思えるなら、素敵だなと思います
モニターの前で頷きました。柔らかい、力強いお言葉です。
今が幸福で、優しい時間でありますように。
59.100名前が無い程度の能力削除
一人ぼっちのお嬢様がかわいそう。広い屋敷の中でたった一人で生きてきたなんて、想像するだけで胸が苦しくなる。
そして幸せになれるかどうか、もう確かめるすべはないんだよな。
62.100名前が無い程度の能力削除
彷徨してる咲夜さんの少女っぷりはとてもいいです。かあいい。
67.100名前が無い程度の能力削除
好きです。
68.100名前が無い程度の能力削除
深山咲さん独特の句読点の使い方は、読者の視点となっている、もしくは話している人妖の、行動を心情を、ときに正面から、ときに斜め上後方から見守っている、そんな気分にさせてくれるものだと感じているので、私は大好きです。
あの時あの場所で数ある分岐の中から今へと続く道を選んだ、選び続けた、咲夜、レミリア、そして今回登場しなかった人妖たちは、これからも素敵な道を選び続けるのでしょうね。どんな結果へと続いていたとしても。

平行のままなら、永くともに歩いてゆけます。切れない限り。
70.100名前が無い程度の能力削除
残されたお嬢様が気になるが、切り捨てられた選択はもう取り戻せないのですね。
それでもどの選択にも幸せになってほしい
72.100名前が無い程度の能力削除
自分のエゴにときどき揺さぶれてしまう私には、本当を見付けられた彼女達が羨ましく思います。
いいお話でした。
79.100名前が無い程度の能力削除
良かったです。
83.80名前が無い程度の能力削除
さすがやな
90.100名前が無い程度の能力削除
レミリア様に☆つけられても、泣いて引き止められても留まらない!!
そんな咲夜さんの走る姿は正に生命の躍動や!

テーマは自由と・・・何だろうか
読むたびに違うことが考えられそうな作品です
91.90幻想削除
心情表現がいい!
92.80名前が無い程度の能力削除
いろいろと考えさせられました。
93.100i0-0i削除
なんだか、どきどきしました。
112.100名前が無い程度の能力削除
ホラーだこれ
118.100名前が無い程度の能力削除
侘しさ、物寂しさがありますね…
独りぼっちの方のお嬢様に幸あらんことを