Coolier - 新生・東方創想話

私と彼女と秘封倶楽部~side M~

2012/05/06 00:54:26
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―――果たしてあれは、夢だったのだろうか?



□■□



体を半分“黒い何か”に呑まれながら、“メリー”は必死に手を伸ばす。
蓮子もその手を掴もうと、思い切り手を伸ばす。
あと、もう少しで届きそうな距離。
しかし、その手は一瞬だけ触れて………消えた。
『メ、メリー………?』
取り残された蓮子は、ガタガタと震えだす。
『うそ、よね……?メリー、返事してよ……!』
黒い何か――開かれた境界は、蓮子へと迫ってくる。
『メリーーーーーッ!!!』
最後に蓮子は絶叫し、境界に呑まれた。



□■□


「はぁ、はぁ……!ゆ、め………?」
体中、嫌な汗をかいている。ベタベタして気持ち悪い。
私は見ていた。私たちに起こった、最悪の結末を。
境界に呑まれる“蓮子”と“メリー”を、第三者のような立場から見ていた。 
最後に聞いた、蓮子の絶叫が今でも耳に残っている。
知らないうちに震えていた。夢の中の蓮子のように。
いつもとは明らかに違う夢。何かの暗示のようにも思えてくる。
「………とりあえず、シャワー浴びてこよう」
色々洗い流したくて、バスルームに向かった。



幾分かさっぱりして、そのまま起きることにする。
さっきよりはだいぶマシになったが、まだ少し落ち着かない。
「何なのかしら……?」
鮮明に思い出される、私と蓮子が離れ離れになる夢。
思い出すと泣きたくなってくる。
夢とは思えないほど現実感があって、本当に起こりそうな気がして。
「夢は夢……よね」
完全に否定できないのが悔しい。
境界を越える夢は、夢のような感じがしないから。
それよりも、だ。
「蓮子には、何て言えばいいのかしら……?」
というより、言ってしまってもいいのだろうか?
だが、蓮子のことだ。言わなくてもすぐに勘付くだろう。……でも。
「……蓮子には言わないでおこう」
余計なことを言って蓮子を傷つけるのは、嫌だった。




講義には、全然集中できなかった。
教授が話している間も、今日の夢のことを考えてしまう。
少し頭が痛くなってきた。朝からずっと夢のことばかり考えている。
幸か不幸か、珍しく大学内で蓮子に会うことはなかった。
だが、会わなければ会わないで不安になってくる。
会わなくて安心と会えなくて不安。
正反対の感情が私の心を支配する。精神状態が不安定だ。


全ての講義が終了し、頭の中がパンクしそうになった時、ケータイが震えた。
メールが来ていた。差出人は見なくてもわかる。
『いつもの喫茶店に集合!』
簡潔に一文だけ。それだけで意味が伝わるからいいが。
……これで、蓮子に会わないわけにはいかなくなった。



「……遅い」
本日もやっぱり蓮子は遅刻。
あっちから誘ったくせに、遅刻とはどうなのか。
……なんて、最初はそう思っていたけど。
蓮子に何かあったんじゃないかって。そう思ってしまう。
遅刻するのはいつものことなのに、あんな夢を見てしまったがために、物凄く不安になってくる。
そしてやっと、蓮子にメールしようかなと思ったときに店の扉が開いた。
「ごめーん!遅れた!」
勢いよく扉を開けたのは相棒。
無事でよかったと思うが、そんなこと悟られたくない。
だからついつい、そっけなく言ってしまった。
「……12分の遅刻よ」
「正確には11分42秒の遅刻よ」
「……変わらないじゃない」
「時間は正確じゃないと意味がないわ」
「あなたがそれを言う?」
と、いつも通りの会話をしたが、内心は何とも言えない状況だった。
そんな私のことなんて気にせず、蓮子は話を始める。
「今日は写真を持ってきたわ。メリーも知ってるでしょ?博麗神社」
古びた写真を見せながら、蓮子は話を先に進める。
蓮子の言葉に何て返したのかは覚えていない。
写真に写っていた境界。それが今日の夢を思い出させて、再び頭が痛くなる。
「それでね、今度の休みを利用して神社に……って、メリー聞いてる?」
「え、ええ」
慌てて取り繕うと、蓮子はジッとこちらを見てくる。
その射抜くような視線。全て見透かされているような気がした。
「メリー、何かあった?」
そして、実際そうだった。
直球に聞かれる。予想はしてたがこんなに早いとは思わなかった。
「え?別に何でもないけど……」
とぼけて笑顔を作ってみせる。が、
「ウソ。絶対何かあったでしょ。私に話してよ」
一瞬で見破られた。それでも言う気はないので、
「何でもないってば……」
と答える。そこで話を切り上げようとしたのだが。
その後の蓮子の言葉で体が動かなくなる。
「また、夢の中で何かあったのね?」
「………っ!」
“夢”という単語に嫌というほど反応してしまう。
これじゃあ、「はい、そうです」と言っているようなものだ。
その時、心配そうにこっちを見る蓮子と、夢の中の蓮子が重なって見えた。
瞬間、私の中で何かが崩れる。
「蓮子には、関係ないから」
「え?」
聞えなかったのか、不思議そうにこっちを見ている。
そこで止めればよかったのに。もう、止まらなかった。
さっきよりも大きな声で、同じ言葉を蓮子に言う。
「………蓮子には、関係ないから!!」
声の大きさに驚いたのか、その意味を理解しているのか。
蓮子は少しの間、何も喋らなかった。そして。
「……何、それ」
ポツリとつぶやく声は重く。
それを聞いて、自分が何をしたのか気付く。
取り返しがつかないようなことを、私は言ってしまった。
「……私じゃ、ダメってこと?」
掠れた声には何の感情も感じられない。
ゆっくりと確実に。私の言葉の意味を理解した次の瞬間、
「私がメリーの悩みを聞いたって無駄ってこと!?」
蓮子の感情が爆発する。
言ってしまってから後悔をする。蓮子は何も悪くないのに。悪いのは私。
「ち、違うのよ蓮子………」
否定するが、その言葉は蓮子には届かない。
「何が違うのよ!?ねえメリー、私たち秘封倶楽部は二人で一つでしょ?一人が困ればもう一人が助ける。そうだよね?答えてよ、メリー!!」
「………」
何も答える事ができなかった。
蓮子の想いが痛いほど伝わってきて。だけど私は話せなくて。
「……っ!もういい、メリーなんて知らない!!」
「あ、蓮子………!」
呼び止める資格なんてないってわかってるのに。
去り行く蓮子を見て思わず呼び止めてしまう。
しかし、蓮子は振り返らずに、そのまま走って店を出て行ってしまった。
私は一人、取り残された。
「私は、どうしたらいいのよ………?」
その問いに、答えが出ることはなかった。




本当なら、追いかけて謝るべきだった。
でも、私の足は自分の家へと真っ直ぐに向かってしまう。
そうしてやっと家にたどり着いた。
何もかもが億劫で、ベットにその身を投げ出す。
そしてただただ、自己嫌悪に陥っていく。


「わかってはいるのよね……」
蓮子はただ、私のことを気にかけてくれただけなのだ。
それなのに、私は…………。
「蓮子、泣いてたな………」
そのことを改めて痛感し、更に罪悪感が募っていく。
……何だか、疲れた。目を閉じて意識を手放す。
夢は見なかった。



翌日。行く気にはなれなかったが、大学へと向かう。
蓮子と会うかもと思っていたが、休んでいるらしい。
(避けられてる……よね)
そう思って沈む。
蓮子に会いたくないと思ってたはずなのに、蓮子が休みと知ったとたん会いたくなるなんて。
蓮子のことを考えてたら、最後の講義が終わろうとしていた。
「以上で終了。……そうだ、ハーンさん。ちょっと手伝ってくれない?」
「え、あ、はいっ」
蓮子のことで頭がいっぱいになってた私は、教授のその言葉で現実に戻ってきた。
微妙に声が裏返ってしまい、教授は苦笑している。
返事をしてしまったので、教授の手伝いをすることにした。



「悪いわね。手伝ってもらっちゃって」
「いえ………」
用件は、資料を教授の部屋まで運ぶこと。
今は仕事を終え、教授とお茶を飲んでいた。
「そう言えば、今日は彼女来てなかったわね」
教授が突然そう言う。私に言うあたり、間違いなく蓮子のことだろう。
「体調でも悪いんじゃないですか?」
何も知らないフリをして言う。が、
「私は“誰”とは言ってないけど?」
「………」
意地悪そうに笑って教授はそう言った。………嵌められた。
「……まあ、何があったか知らないけど、すごく辛そうに見えるわよ」
「そう、ですか………」
教授に見破られるほど、私は酷い顔をしているのだろうか。
……いや、この教授も結構勘がよかったけ。
「……喧嘩しているなら、早く仲直りした方がいいわ」
どことなく寂しそうに教授は笑った。
そういえば、いつもいる助手の姿を今日は見ていない。
何となく、教授に夢の話をしてみたくなった。

「あの、教授」
「何?」
「もし、大切な人と離れ離れになる夢を見たら、教授ならどうしますか?」
「離れ離れ、か………」
少し考え込んだ教授は、顔を上げて答えてくれた。
「たぶん、その大切な人に話すと思う」
「それは…何故?」
「だって、それがもし現実に起こることならば、その事態を回避できるかもしれないでしょ?」
「………」
「それに、何もせずにただ見ているだけじゃ、絶対に後悔すると思うから」
後悔。確かに、教授の言うことは尤もだ。それでも、私は………。
「それでもし、話すことによってその人を傷つけたとしても?」
「……思ったんだけど」
教授は私の問いに答えずに、言葉を続ける。
「大切なのは言う言わないじゃなくて、相手を信じているかどうかじゃないの?」
「信じる……?」
「そう。相手を信じてるなら、ありのまま、自分が思うままに伝えればいい」
私が言えたことじゃないけどね…と、最後に教授は付け加えた。
そして思い出したように、教授は言った。
「そうそう、さっきの質問の答えだけど」
教授は真剣な表情になって言う。
「伝えることで傷つくのより、隠してるってことの方が傷つくわよ。……信頼してる分、なおさらね」
「………っ!」
教授の言葉が突き刺さる。蓮子は私を信じてくれてる。なら、私は?
「……教授」
「何かしら?」
「……もし、相手のことを信じていなかったら?」
「それは、あなたにとって無意味な答え。何故なら、あなたは宇佐見を信じているから」
「………!」
そうだ。教授に言われるまでもなく、私は蓮子を信じてる。
「……私はこれで失礼します」
「うん、いい顔になった。いってらっしゃい、後悔しないようにね!」
「はい!………教授も、ですよ?」
帰り際に見た教授は、一瞬ポカンとした後、
いつも通りの苦笑じゃなく、満面の笑みを浮かべていた。



外は既に日が暮れ、家に着く頃には完全に夜になっていた。
蓮子に連絡しようとして……止まる。
おそろいのストラップが不安で揺れる。拒否されたらと思うと動けない。
そうしているうちに時間は過ぎ、気付けばもうすぐ日付が変わる時間だった。
「………蓮子」
教授と話して、自分がやるべきことを知ったはず。
ちゃんと蓮子に話す。……もう、逃げちゃだめだ。
鬼のいないおにごっこなんて、初めなきゃよかった。

指が震える。けど、一文字ずつしっかりと言葉を綴っていく。
出来上がったのはたった一行のメール。
送信した後に場所を指定してなかったので、あわててもう一通打つ。


―――来てくれるだろうか?


……きっと来てくれるはずだ。私は蓮子を信じる。







私は一人、指定した小高い丘にいた。
既に日付は変わっている。それでも蓮子は来なかった。
(やっぱり、来ないのかな………?)
そう、半ば諦めかけていた、その時。
「………メリー」
「蓮子……」
蓮子が、いた。ちゃんと来てくれた。
走って来たのか、息が少し乱れてる。
やがて、息を整え私に聞いてきた。
「何の、用かしら?」
若干声に棘がある気がする。それでも私は続けた。
「……蓮子に、話そうと思って」
「話すって………」
「うん。昨日…いや、一昨日に話せなかったこと」
私が言い直すと、蓮子は空を見上げた。
正確な時間を、その眼で確かめているのだろう。
「………夢を見たの」
私が言うと、蓮子は視線を私に戻した。
目を逸らしそうになりながらも、しっかりと蓮子を見る。
「いつも見るような、境界を越えた夢じゃなかった」
「いつもの夢と違う………?」
「……その夢は生々しくて、現実だと錯覚してしまいそうだった」
あの夢が、再びゆっくりと思い出されていく。
知らず知らずのうちに、声が震える。
「その夢はね、蓮子」
「うん」
夢をハッキリと思い出し、その言葉を紡ぐ。



「私と蓮子が離れ離れになる夢だった」



「え………?」

蓮子の顔が強張る。
もうこの先は言いたくなかった。でも、全部伝えなきゃダメなんだ……!
「私も蓮子も境界に呑まれて、そのままどこかに飛ばされていた」
「そん、な………」
「夢はそこで終わった。でもね、何だか予知夢のようで、私………」
溜まっていた想いが、溢れていく。
「凄く、怖かった………!」
想いが、止まらない。
言葉にして初めて、自分がどれだけ怖かったのか思い知る。
蓮子が隣にいないことが、私は凄く怖かった。
「蓮子と離れたくないって、蓮子を失いたくないって、心の底からそう思った……!」
「メリー………」
「この先、結界を暴いていくうちにもし、夢の通りになったらと思うと、もう……!!」
溢れるこの気持ちをもっと言葉にしたくて。
でも、うまくカタチにする事ができなくて。
もどかしくて仕方なかった。
「メリー!!」
その時不意に、蓮子が私のことを抱きしめた。
一瞬驚いたけど、蓮子は暖かくて。それを感じてまた、涙が溢れてしまった。
「蓮子、れんこぉ………」
「大丈夫、私はここにいるから………」
蓮子があやすように言う。
消えてしまいそうだと思っていた気持ちが、ゆっくりと溶けていく。
今はハッキリと、蓮子の存在を感じられた。
「ゴメンね、メリー。貴女の気持ちも知らずに思いっきり怒鳴っちゃって。……辛かったんだよね。でも、ほら」
「蓮子………?」
蓮子は私の手を取り、自分の頬に触れさせた。
「……ちゃんと触れるでしょ?私はここに、メリーの隣にいるから」
気付けば、蓮子は泣きながら笑うという器用なことをやっていた。
だから私も、精一杯の笑顔を浮かべて返事をした。
「………うん」
蓮子の頬の感触を確かめていたがふと、抓りたい衝動に駆られた。
(………私を心配させたりしたバツ。ちょっとくらい我慢しなさいよ?)
そう、心の中で呟いて。
「いひゃい、いひゃい!!ひょっとメリー!?」
「………」
思い切りその頬を抓りあげた。



たっぷり2分は、その感触を楽しんでたと思う。
「……いきなり何すんのよメリー」
「別に?」
赤くなった頬を抑えながら、恨みがましい視線を送られる。
……ちょっと、やりすぎたかしら?
「あのね、蓮子……」
「………何よ」
物凄く不貞腐れている。思わず苦笑してしまった。
………そんな様子の蓮子を見ていたら。
「もう、夢の話なんてどうでもよくなっちゃった」
「何よ、それ」
蓮子が苦笑する。さっきまでの不貞腐れはなくなっていた。
「まだ起こってないことに対してどうこう言ってても仕方ないし。なにより」
「ん?何、メリー?」
蓮子の方を見ると、不思議そうに見返された。
何となく穏やかな気持ちになりながら言う。
「秘封倶楽部はこんな夢のせいで終わるものじゃないって、思い出したから」
「……当たり前じゃない。今更思い出したの?」
からかうようにそう言った蓮子に、私は笑って返す。
「ええ。今更、蓮子のおかげで思い出したのよ」
「私のおかげって……」
その後の言葉を蓮子は飲み込んだ。
笑って誤魔化そうとしているけど、何を言おうとしたか分かる。

(何もしてなくなんかないのよ、蓮子)

心の中。そう呟いた時、黒い影が横切る。
心中を全て吐露してもいいと、今なら思える。
「………実を言うとね、まだ怖かったりする」
「……うん」
「蓮子がいなくなっちゃうような気がするの」
「うん」
「だから……」
「うん」
「……ねぇ、蓮子」
「うん?」
「私の話、ちゃんと聞いてる?」
「うん」
………真剣に話してるのに。流石にちょっとイラッときた。
「……もう一回、抓ってあげようか?」
「……あのさ、メリー」
抓る気満々だった所へ、不意に蓮子が話しかけてきた。
「メリーは一人じゃないし、もし、仮に夢のようなことが起きたとしても、私は必ず貴女を見つけ出すから。………メリーは?」
「………そんなの、蓮子と同じに決まってるじゃない」
「……なら、悩む事はないわ。私はメリーを信じるし、メリーは私を信じてくれている。怖くたって、二人でいれば大丈夫よ」
「そう、よね……でも………」
「さてと」
私の不安を断ち切るように蓮子は言った。
そして立ち上がり、丘を降りていく。
「次の行き先は決まっているわ。帰ったら計画を立てましょう?」
「あ、ちょっと、蓮子!」
私も慌てて後を追う。少し先で、蓮子は私を待っていてくれた。


「メリー」
「何よ」
「………秘封倶楽部は永遠よ!」
「………ええ!!」








不安や恐怖は、空の彼方へと消えた。
大切な人はここに、私のすぐ隣にいる。
私が忘れてしまわぬ限り、彼女は隣にいてくれるはずだ。
「どうしたの、メリー?」
「何でもないわ」
彼女は私に問いかけてくる。私は笑ってはぐらかす。
前を行く背中を見て思ったことは、彼女には秘密。



全てを乗り越えたとは言えないけど。
彼女が隣にいてくれるなら、いつかきっと乗り越えられるはず。
私たちは二人で一つ。そう、決まっているのだから。





私たちは、再び歩き出す。
全ての始まりである、あの場所へと。
―――貴女は幻想って信じる?

二人しかいない教室で、夕日を背負いながら彼女は私に問いかけた。

―――私は信じる。だって、貴女は幻想を見ているから。

貴女のその眼も、幻想に近いんじゃないの?

―――私は真逆。この眼は現実しか教えてくれないから。けど……。

そう言ったうえで彼女は言う。

―――何が夢で現実か。それを決めるのは自分自身よ。

自分で決める………。

―――そうよ。だから、幻想は永遠の夢って言うけどさ。

言ったけど……何?

―――夢はいつか醒めるから夢なの。そして醒める時は、夢を現と認識した時よ。

……貴女は何で、幻想を追い求めるの?

―――何でって………多分、憧れてるんだと思う。

憧れが、そこまで貴女を突き動かすの?

―――うん。だって、誰も見えないモノを見られるって、素敵なことじゃない?

そう……かしら?………そうなのかもしれないわね。

―――そうなのよ。……さて、そろそろ時間ね。

彼女は言葉を区切った。そして、

―――さあ、秘封倶楽部を始めましょう?

楽しそうに笑って彼女はそう告げた。


□■□


はい、どうも。
勢いのまま書き上げてしまった作品パート2、メリーサイドはどうだったでしょうか。
蓮子が休んだ時の教授との会話とか、上手く書けてればいいな…と思います。

次回もまた、よろしくお願いします。
白ココア
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