Coolier - 新生・東方創想話

忘却思考のミスチバス

2012/04/12 23:08:02
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 ―宮古芳香の遭遇―


「そーなのかー」
「そうなのだ!」

 突然飛んできた黒い物体に、普段どおり忠告したらあっさり諦めてくれた。
 墓のそばに住んでる傘妖怪の何倍もびっくりだ。
 空にぽつんと浮かぶ黒い球体は、上下に細やかに揺れながら私の前で浮き続けている。
 薄ぼんやりと中心に人型が見えるけど、私のゾンビアイでも認識しきれない。
 夜の墓場に飛び回る霊魂達の発光や満月の月光も反射していない。
 不気味だった。
 一番びっくりしたのが、この得体の知れない黒丸が、甲高い女の子の声を出した事だ。
 もっと、こう、ブモモモモーみたいな音しかならない、みたいな感じなのに。

 せーが様に最近

「芳香の防衛率は紅魔館門番と同じぐらいね」
 
 などと屈辱溢れる言われを受けてしまっていた。
 だから、忠告だけで侵入を阻止できたのだとしたら嬉しい。
 少しぐらい役に立たないと、甦った甲斐がない。
 死人に口なしだけど、腹は減るから働かないといけないのだ。
 仕事は死んでもしなくてはならない。
 久々に美味しい御飯にありつけるかもしれない。
 ……ん? でも失敗してても美味しいもの食べてるなぁ。

 などと、ぼんやりしていたら、空飛ぶ黒い物体は何処にもいなくなり、金髪の少女が目の前にたっていた。
 こいつが正体なのか?
 恐らくそうに違いない、私の脳みそがそう告げている。
 墓場にぴったりな黒と白の洋服。首元と頭のリボンや目の色は不吉な赤さだ。
 物部様が見たら、

「こやつ、めっちゃ不吉であるな!」

 と言いながら船を召還して逃げ出しそうだ。
 少女は手を思いっきり広げてこちらを見ている。得体の知れないポーズだ。太極図かもしれない。
 墓場に少女って、雰囲気あるんだなーとシミジミしてしまった。
 この子、ゾンビでも怖いですね。
 こんな少女でも恐ろしく見える環境で、全く怖がられない傘妖怪って一体……

「どうして近づいちゃいけないのー」

 ニコニコしたまま、突然声をあげる。
 タイミング良く風がビュワワッと強く吹いて墓地の近くに植えてある桜の花びらなんかが飛んでくるんだから、更におっかない。
 私はなんて答えるべきか迷っていた。
 ヘタな事を言ったら、サスペンス劇場になってしまいそうだからだ。
 間違ったら食べられてしまうかもしれない!
 いや、普段は私が食べる方なんだけれど。
 10秒ぐらいしてから、単刀直入に答えることにした。

「近づいちゃいけないからです!」
「だから、どうして?」
「ダメなものはダーメー!」
「なんでダーメーなんだ?」
「ええと、ここは霊廟であるからしてなぁ――」

 結局、私は神霊廟の成り立ちから、誰が中にいてどれぐらいせーが様が美しいかまで答えてしまった。
 つまり、大体全部しゃべっちゃった。
 素直にそーなのかーなんて言いながら訊いてきたり、いつの間にか仲間みたいな連中が来ていたりしたから夢中で喋っちゃったのだ。
 こんなに大勢の前で演説みたいにずーっと口を動かすのは始めての経験だった。
 嬉しかったりする。みんなして真剣に聞いていたからだ。
 あんまり私は頭がよろしくないので、頑張って格好良く見えるように自分が知っている限りの難しい言葉も使ってみた。
 だから、神霊廟の厠が最近洋式になった話をした辺りで舌を噛んでしまい、話がストップしてしまう。
 とはいえ、何をどうどこまで喋ったかサッパリ覚えていない。我ながら困ったものだなぁ!
 赤い目の妖怪の友人らしい、全身水色な妖精が

「なんだか良くわからなかったな!」

 とストレートに言う。他の妖怪達も納得の様子。
 それはそうだろう! 話した私が良くわかっていないのだ!
 私も頭をフルスイングさせて意思表示をしていると、金髪の妖怪がアッケラカンと声を出した。

「ここにいちゃダメなら、遊びにいこー」
「そうはいかないぞ。私にはこの神霊廟を守るという義務があってだな……」
「それなら、あたい達がバッチリ守ってるから、ルーミアと遊んでこいよ」
「ルーミア?」
「私のことだよー」

 へぇ。
 どうやら「黒い丸」とか「なんか不気味な子」って名前ではなかったらしい。
 でも、私の頭は記憶が弱め。きっと覚えておけないだろう。
 録画機能があればいいのに。

 ともかく、どうやら私は勧誘を受けているらしい。
 こういう時の対処は教わった覚えがないなぁ、どうしよう。

「えーっと、つまり私はルーミアと遊ぶべきなのか」
「そーなのかー」
「そーなのかー」

 次々と鳴り響く、そーなのかーの大合唱。
 そーなのかーそーなのかーそーなのかーそーなのかー……
 なんだか、そんな気がしてまいりました。

「そ、そうか。それじゃ我々は遊ぶべきである!」

 もう面倒になってしまって、次の瞬間にはルーミアに手を引っ張られていた。
 青い妖精や虫の妖怪が手を振って我々を見送った。
 私は死体だから、体温をぼんやりとしか感じられない。
 それでも、ルーミアの手が冷たいことがわかった。


 ―宮古芳香の突撃―


 遊ぶと言ってもこんな夜中に何処にいくのだろう?
 と思っていたら、山の神社まで連れて行かれた。
 守矢神社と書かれた立派な柱や赤い鳥居を我々は飛びぬけて、息を潜めながら神社の本殿とは離れた住居の縁側にやってきた。
 最近の河童の技術で引かれた電気が、不必要に部屋の中を明るく照らしている。
 影の形で、障子越しに部屋の様子がわかっちゃうぐらいだ。
 どうやら三人でちゃぶ台を囲んで、テレビというヤツをみているらしい。
 四角い箱型のシルエットで、そこから

「今夜のギルガメッシュナイトは、大人の潜入調査第4弾~~」

 と声がする。どんな番組なんだろう。
 神霊廟は穴倉の中にあるものだから、オーラみたいなもの(電波だっけ?)が入ってこないのでテレビは見れないそうだ。
 せーが様が手を頬に当てながら残念そうに

「物部様に見せて、箱の中に誰かおるのか!? ネタをやって欲しかったのに」

 と仰っていたのを思い出す。あのガッカリした顔が印象深かった。
 せーが様のことだから、悪巧みだったに違いない!

 三人の人型は小さい器――多分お猪口だ――をチビチビ飲みながら、テレビをじっと眺めているようだ。
 テレビから流れる女性の声がいやらしい。
 オウイエスって発音。
 合わせて、女子高生みたいな甲高いきゃーきゃー言う音や、ケロケロという謎めいた笑い声が聞こえる。
 頭が正月餅のようなシルエットの影だけが、肩膝をついてそっぽを向いているようだ。
 そこそこに楽しそうな日常の風景。
 生きてるんだなぁ……
 そんな様子を、これまた動かずに見ている私とルーミア。
 なんだこの状況?

「なぁ、こんなの見ててもつまらないぞー。私もテレビ見たい!」
「そーじゃないの。もうちょっと静かに喋って」
「あ、すまん。それで遊ぶってどうするんだ?」
「私ね、闇を操る能力があるの。周囲を暗くしたり出来る」
「なんだそれ、ちっとも役に立たないな。どんなふうに暗くなるんだ?」
「会った時見てなかったの!? 真っ暗にも出来るよ」

 ふぅーん、と私は素っ気無く答えた。
 あんまり大げさに叫ぶと、バレちゃうからな。

「それでテレビを消しちゃう、とか?」
「そんなところ。人里でたまにやるんだ、停電ごっこ」

 ようするに、イタズラだ。
 子供っぽいけれど、とっても怪異だ。
 我々はテレビと違って、潜入調査の実践である!
 室内から聞こえる艶のある声は更に増し、女子高生の黄色い声はスゴイスゴイと目覚まし時計のように繰り返され、時々ケロケロという笑い声がする。
 正月餅は腕を垂直にして、耳の辺りにあてて塞いでいるようだった。小さく番組を変えるよう訴えているが、スゴイスゴイには聞こえていないようだった。

「そろそろ、暗くしちゃうね」
「うむ、やってみてくれ」

 金髪の少女は、クルクルと指をまわしたかと思ったら、サッとテレビの方に指先を向けた。
 ドーンって感じ。
 すると障子ごしに光り輝いていた箱型が球体状に黒くなった。
 あ、私が墓場で見たのと同じ形だ!
 テレビはすっぽりと覆い隠され、電波が届かなくなったせいか音も途切れてしまった。
 女子高生の黄色い声が止まり、正月餅付近から

「なんだなんだいい所なのに?」

 と声がする。
 耳を塞いでいたくせに、しっかり見ていたのか正月餅。
 しかし、テレビの周辺が円形に黒いのであまりにも不自然だった。
 私がうっかり名前を忘れた金髪少女は、空いた手を素早く回し、もひとつドーンとやってのけた。
 シルエットが消える。
 室内は真っ暗になった。室内の三人が同時に「わわっ!」と声をあげる。
 
「停電か? 早苗、つけてきてくれよ」
「もうちょっと目が慣れるまで待ってくださいね」
「テレビの様子がおかしかったから、妖怪の仕業だなきっと」

 蛙っぽい声のヤツ、察しがいいな。
 もっと慌ててくれるかと思っていたが、さほど動揺がない。
 期待はずれである。
 そこで、私は一足飛びに障子に突撃しぶち破って、

「ぎゃおー! たーべーちゃーうーぞー!」

 と大声で叫んだ!
 一斉に部屋の奥に後ずさる三人!!

「きゃー!?」

 と、動揺している正月餅。

「わわっ……!? ん、その声はどこかで」

 すぐに冷静になったらしい女子高生。

「おい、障子って安くないんだぞ」

 もう別の算段に言っている蛙声。

 私は本当にだれか食ってみようかなぁ、ともう一歩前に出たところで襟首を引っ張られる。
 おや、と思う前に私は金髪の少女に引きづられるような形で夜空を飛んでいた。
 速度が結構出ている。
 逃げ足ならぬ逃げ飛びというやつだな!
 私も直ぐに自力で飛ぶようにすると、金髪少女の手が襟首から離れた。
 見下ろすと神社の明かりはすっかりついているようで、緑の髪をした巫女らしき服を着た女が縁側まで出てきていた。
 どうやら、追ってはこないらしい。テレビが気になるんだろう。
 私も気になる。

「びっくりしたよ、いきなり入っていっちゃうんだもの」
「だって、驚いてなかったから。それじゃつまらないでしょ」
「そーなのかー」
「反応がないのは、死体だけで充分だもの!」

 私と金髪の少女は並走しながら笑いあい、特に正月餅の驚きようについて語らい盛り上がった。
 夜はまだまだ日の光を見せそうにない。
 我々は里の方に向かうことにした。
 と、その前に。

「なぁ、名前なんていうんだっけ?」
「教えなかったけ、ルーミアだよ」
「ルーミアか。もしかして異人さん?」
「妖怪だよ。それ以上でも以下でもないよ」
「異常でもイカでもないなら、蛸ですか?」
「タコ……それはアホって意味?」
「え、蛸ってアホなのか?」

 我々は良くわからない問答を繰り広げながら、夜中まで起きている人類の電気とギルガメッシュナイトを消しに消しまくった。
 ついでに障子や窓を蹴破るのが私の仕事。


 ―宮古芳香のとんでもないもの―


「あー、楽しかった! 今度からチルノに蹴破らせよう」
「自分で蹴破ればいいのにー」

 我々は電気消しライフを満喫し、朝の墓地に戻ってきた。
 日はまるで夕焼けのように赤々と空に浮かび、星は小さく自己主張をする金星と月のみになっていた。
 夜を照らす霊魂も見かけない。
 朝は寝床でぐぅぐぅぐぅなのだ。
 命蓮寺の鐘がなる。私が墓場にいるときは寝りに入る時間だった。
 激しく蹴破りまくったので、ところどころ私の体から擬似血液が出ており、服が破けていた。
 多分、ギルガメッシュなんとかよりは刺激的な格好。
 変なところで勝手に自画自賛しておく。

「それにしても、お姉さんすごいね。普通壁を突き破っていったり何度も出来ないよ」
「えっへん、自慢のキョンシーボディなのだ! あ、それと私、宮古芳香って名前だから」
「私はルーミアだよ」
「そうだったな、覚えていたぞ!」

 勿論、忘れていた。

 朝焼けを背にハイタッチを何度もするという儀式めいた事をしていたら、ルーミアの友人達が神霊廟の方からぞろぞろとやってきた。
 どうやらリーダーらしい水色の妖精が

「お、ルーミア、こっちは終わったぞ」

 と自慢げに腰に手をあてながら言った。
 ルーミアがうなづいてニッコリ。
 私も無駄にニッコリ。
 そして、水色の妖精は手に持っていた何かで、お札を持ち上げながら私のおでこを触った。

 ルーミアご一行は仲間の人数を確認すると、一斉に飛んでいった。
 金髪と赤いリボンをはためかせながら、ルーミアは私に向かって、

「じゃあね、私のキョンシーさん」

 と言って手を振りながら空の向こうへ小さくなっていく。
 私は両手を振って

「さらばだ、ルーミア!」

 と聞こえるように叫び続けた。
 見えなくなっても何度か言い続けた。
 それから、辺りが静かになって、ようやくあの金髪の少女が帰ってしまったんだなぁと寂しくなった。
 思えば、私は神霊廟の付近から遠くに行くことも少ないし交流もそれほど深くなかった。
 初めての妖怪らしいイタズラ遊びだったかもしれない。
 また民家を蹴破りたいなぁ、と思いながら墓石に寄りかかる。
 このまま眠ってしまおう――と、そこにやかましい走る音。
 ドタドタドター!
 振り向くと、物部様が息を切らしている。

「おお、芳香殿! この辺りで見かけぬ奴らを見なかったか!?」
「みかけぬ奴らは見れません」

 ルーミア達なら見たんだけれど。
 物部様は肩を上下させながら私の横で朝日を見るように立ち尽くした。
 私は座り込んだまま物部様の横顔を見る。
 銀髪が朝の風にゆらゆらとなびいた。

「くそぅ、一足遅かったか……奴らめ、まんまとしでかしおって」
「えーっと、奴らは別に何も持っていかなかったぞ? 大層清々しい奴らでした」
「なんだ、よしか殿、やっぱり見ていたのか。それに、しっかりやられておる」

 やられておる?
 物部殿も私のお札をめくった。見事なり、と呟く声。
 私と正対した物部様の髪がゆらめいて……おでこの付近が珍妙だぞ?

「ま、まさか」
「うむ、そういうことだな。神霊廟一同、とんでもない事をやられたのだ」

 物部様は前髪を掻きあげ、額を指差した。
 くっきりとした、黒い文字。



 
「肉!!!!!!!!!!!!!!」





「我らの、おでこです」






 ―宮古芳香の活動―

 
 私が金髪の少女と里中を消しまわっている間に、どうやら水色の妖精達が神霊廟に侵入してイタズラをしまくっていたようだ。
 ラクガキがそこら中に施され、中にいた人型の存在は全員おでこに文字を書かれた。
 特に豊聡耳様は酷かったそうで、口の上に髭まで書き込まれなかなか落ちず、

「これでは、あの聖徳太子ではないか」

 と、三日間程引きこもっていらっしゃった。
 一緒になって蘇我様も落ち込んでいるようだった。
 物部様いわく、蘇我様の額に書かれていたのは「大根」という文字だったそうで、私と物部様でしばらく蘇我様の事をおでんマンと呼んでゲラゲラ笑った。
 笑うたびに、蘇我様と鬼ごっこ。
 日中はこれで使い果たした。私は睡眠不足である。
 せーが様はというと、見事に自分の額だけ消していた。
 主婦の知恵だそうだ。
 そして私の事を叱って美味しいご飯を食べさせてくれない……かと思いきや褒めてくれた。

「あんなにうろたえる太子様は、久々に見たわ。威厳が台無しで愉快ね」
「性格が悪いですよー」
「それよりも、貴方のおでこを見て感動しちゃったわ。自然に消えちゃうまで大事になさい」

 せーが様が微笑みながら頭を撫でてくれたので、良しとなる!


 そうこうして、1日が過ぎて私は再び夜の墓地に佇んでいた。
 相変わらず夜の墓場は賑やかな光で溢れている。
 私はその様子をボンヤリと何時もどおり眺めた。

 赤く光る霊魂の数でも数えていよっかな――

 と思った矢先に目の前が真っ暗になる。
 視界が目を開けているのに黒一色だ。
 これ、異常事態ですよね……!

「あわわわわ!? どうしたこれー!?」

 私は大慌てで手を振りまわした。
 あたり構わず動き回るが一向に目の前は黒い黒い黒い!
 目が壊れてしまったか!?
 すると、後ろの方から少女の笑い声がする。
 私は音だけをたよりに、跳躍して笑い声の方に近づく。
 ドカッ!
 どうやら何かにぶつかったらしい。墓石だろうか。

「あいたたた、すぐに気づいてよー」

 という声と共に、視界に金髪で赤いリボンをした少女が見えだした。
 白いブラウスに黒いスカート。
 おや、見たことがあるぞ。
 私は関節が動かしずらい両手で、彼女の胸の辺りを押さえつける形で地面に押し倒していた。
 うんうん、これは確かに痛かろう。
 飛びのいてから、おはよー!と声をかけてあげる。
 すっかり視界は晴れやか。金髪の少女はスカートを払いながら、おはよーと言って笑った。

「私の名前、覚えてないのかー?」
「あ、えーっと、なんだっけ」
「おでこを見ればわかると思うよ」

 ルーミアは鏡石を取り出して、私のお札をかきあげる。
 すると、おでこに文字が書かれていた。掠れているけれど消えていなかったようだ。

「んーっと、『ルーミアのともだち』」
「そうだよ。思い出した、ミヤコヨシカさん?」
「ルーミア! うんうん、覚えていたぞ!!」

 私はルーミアの肩をゆさゆさしながら、何度も名前を呼んだ。
 これだけ叫べば覚えられるだろう、というところで私は動きを止めた。
 気持ち悪いのだー、とルーミアは呟いた。

「それで、今日は何の用事だ?」

 ルーミアは口元に指をあて、それからクルクルと回しながら微笑む。

「友達同士ですることって、なんだと思う……」
「遊ぶんですね!」
「そーなのだー!」

 我々は夜の墓場を駆け出して、勢い良く人里の方へ飛んでいく。
 手をつないで、たわいもない話をしながら。
 私はごきげん極まりなかった。
 今日も仕事は放ったらかしだけど、そういう日だってあっていい。
 まぁ、ついでに美味しいご飯が食べれたらいいや。
 誰かと一緒にね。




 ―宮古芳香のお知らせ―



 さて、今日も里の諸君は夜のテレビを見れないだろう。
 ついでに窓も開けておかないと、ぶち壊れることウケアイである。
 わっはっは!
 それが嫌ならば、しっかり録画して寝るがいい!! 
 あ、夜食もおいといてね二人分だよ。
 おやすみなさい!!!




 ―おしまい!―










 

 
よしかちゃんを迎える為に、私は何を用意すべきか考えた。
考えぬいた末に、私はゆでたまごをおいて見ることにした。
キョンシーの毒が抜けるらしい。つまり、フグの毒抜きと同じ原理だ。
そうすれば、後はこっちのものであるなふーっふっふっふ……などと考えていたらDr Pepperが吹きこぼれ全身ドクペまみれである。
この部分だけ、食われるかもしれない。
がいすと
http://twitter.com/geist_G_O_D
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コメント



0.510簡易評価
1.100春日傘削除
まさか創想話でギルガメッシュナイトの文字を拝むことになるとは思いませんでした。
不覚にも懐かしさのあまり目頭が熱くなりました。(そこかよ)
芳香ちゃん可愛い。
3.90奇声を発する程度の能力削除
思わず、フッと笑える場面があり面白かったです
5.100名前が無い程度の能力削除
久々に面白いものを読んだなぁと感じました
芳香の再現度といいますか、アレンジ具合といいますか、とにかくそこが素晴らしい
芳香の魅力を存分に味わえるいい作品でした
11.90名前が無い程度の能力削除
どんな芳香が書きたかったのか、なんとなく伝わった。
12.100名前が無い程度の能力削除
イイネ
14.90名前が無い程度の能力削除
この芳香ちゃんは始終笑顔がはりついてるキャラなんだろうな
17.100名前が無い程度の能力削除
イエス!イエス!
20.100名前が無い程度の能力削除
おでんマンwww
21.90名前が無い程度の能力削除
あの聖徳太子ってお前!太子!
執筆乙です。妖怪らしい元気のあるいい作品でした。おでこ文字が伏線になるとは…