この話は、一つ前の話(http://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1333778478&log=165)の、別バージョンになっています。
そちらを先に読まないと、ただのわけのわからない会話だと思いますので、よろしくお願いします。
「わあ、美味しそうですね」
「お嬢様、他の料理は?」
「何言ってんの。コースなんだから、まだ出ないわよ」
「あ、そうですよね」
「一品一品、感想聞かせてね」
「はい」
待ちに待ったご馳走を目の前に、期待が高まる。
「それじゃ、いっただっきまーす!」
一口、二口。
味を確かめるように、長めに咀嚼する。
「‥‥うん‥‥」
「うわっ‥‥かっらいなコレ‥‥」
パチュリーと美鈴が口を開く。
「なんか味が‥‥味が薄いですね」
「色の割には味が薄くて‥‥でも、相当辛いわね」
「いや、そんな事無いでしょ? もっとちゃんと味わいなさいよ」
テンションも低く、淡々と味の批評をする二人。
そのテンションにつられ、他の者も微妙な顔を浮かべたまま、前菜を平らげる。
口には出さないが、概ね、二人と同じ感想を抱いていた。
そんな反応に、レミリアは納得いかない様子だ。
「ちゃんと味は付けてんだから。味薄いわけないんだって」
「いや、本当に薄いんですって」
「コクが無く、ただ後味辛い‥‥」
「はーっ、これだから味覚音痴に料理を振る舞うのは嫌なのよ」
そう言いながら、レミリアは咲夜の方を向く。
「どう? 美味しいでしょ?」
自信満々のレミリアに、咲夜は小さな声で答える。
「美味しいとか美味しくない以前に‥‥なんか、ノドに痛いです‥‥」
「‥‥次はスープだっけ」
「それならまあ、今よりは多少マシですかね」
「エビチリ作りながら、多少仕込んでたでしょうしね」
「‥‥‥‥」
「え、何? 仕込んでないの?」
「単純にエビチリ作るだけで、こんなにかかったって事ですか!?」
「るっさいわね! わかってるわよ! 急げばいいんでしょ!」
その宣言通り、次の料理が来るのは、多少早かった。
それでも、一時間近くが経過しようとしていたが。
「本日のスープ、野菜スープでございます」
「‥‥薄いなあ」
「水っぽい‥‥」
「はあ?」
「水っぽい」
「スープだから! 水っぽい物でしょスープは!」
「素材がもう‥‥ほとんどそのままですもん」
「温野菜じゃないの」
「違うでしょ! 二人が、遅いだの何だの文句ばっかり言うから、煮込む時間が足りなくなったんでしょ!」
再び率直な感想を言う二人。
そして、猛烈に怒るレミリア。
この時点で、他の面々も気が付いていた。
レミリアの料理は、決して美味しくないと。
それも、根本的に美味しさが存在しないと。
「‥‥これ、コショウかけていいですかね」
「コショウ!? 主人が一所懸命作った料理に、手を加えるって!?」
「いや、だってこれ‥‥じゃあ、このまま飲むんですか?」
「決まってんでしょ。飲みなさいよ」
「‥‥‥‥」
「何泣いてんのよ。泣いたってスープは無くならないんだよ」
ぐすぐすと鼻を啜りながら、スープを胃に流し込む咲夜。
結局、たった皿一杯のスープを飲み干すのに、三十分もかかってしまった。
「さて‥‥次はサラダ‥‥」
「まあ、今回は早いでしょう」
「サラダだしね。もう、パパッと仕上げるわよ」
レミリアは、一度厨房に引っ込むと、自信満々に次の品を運んできた。
「季節の野菜サラダ、オーロラソース仕立てでございます」
「えっ」「えっ」「えっ」
「何が、えっ、なのよ」
「オーロラソース‥‥」
「オーロラソースはどうなんですかね‥‥」
「どうなんですかねじゃないわよ! かけろって言ってんでしょ」
「かけますよ。かけますけどね‥‥」
言われるがままに仕方なく従う一同。
一口頬張ると、異常な酸味が口と鼻を刺激する。
「うわっ、酸っぱい」
「何これ。‥‥あ、酢だ」
「ケチャップとマヨネーズに、酢も入ってるんだ‥‥」
「‥‥これ、今までで一番つらいかも」
「つらい!? 今、つらいって言ったの!?」
「だってこれ、丸ごと野菜かじってる方が美味しいですよ‥‥」
「素材の味が、完全に死んでますよね‥‥」
ついに、今まで大人しく従っていた咲夜からも、非難の声が漏れ始めた。
「あんたら、味覚無いんじゃないの?」
「いや、ちょっとこれ、食べてみて下さいよ。自分で」
「美味しいに決まってるじゃないの、こんな‥‥うわ、酸っぱい」
「ぷふっ! ちょ‥‥自分で認めたじゃないですか」
「いやいや、でもこれ‥‥うん、美味し‥‥ふふっ」
「ちょ‥‥何笑って‥‥ふふっ‥‥何笑ってるんですか」
レミリアの生み出す、食材のなれの果てに毒されたのか、場の空気が混沌とし始める。
既に、美味い不味いではなく、何を食べても面白くなり始めたのだ。
「さあ! 次はメイン料理よ! 心して食べなさい!」
「わあい」
今までと同様、数人のメイドが手伝い、それぞれの分が配膳される。
大きめの肉の塊に、カリッと焼けたベーコンが乗っており、見た目は美味しそうだ。
「どれどれ‥‥あ、ベーコンは美味しい。カリカリだわ」
「‥‥ベーコンだけ出せばよかったのに」
「ああん?」
「いえ、別に‥‥」
「これ‥‥ひどいわね」
「何かもう‥‥肉って言うより、口に粘土入れてるみたいなんですけど」
「んなわけないでしょ。肉よ、肉」
「これ、マスタードかけていいですかね」
「咲夜はさっきから、何で色々かけたがるのよ!」
「だってこれ‥‥このまま食べるのは‥‥」
「言っとくけど、まだあるから。全員、お代わりしなきゃ解放されないからね」
「なんでそんなに作っちゃうんですか!」
「いいでしょ、美味しいんだから」
「美味しくないっつってんでしょ!」
「ああん!? いいから黙って食べろって言ってんでしょ。‥‥本に挽き肉塗るぞ」
「ああ!?」
既に、この場に食事を楽しんでいる者はいない。
美鈴は黙々と。
パチュリーはレミリアを睨み付けながら。
咲夜は泣きながら、一向に減らない肉の塊と対峙している。
他の妖精も、無我の境地に入っている。
「やっと食べ終わった‥‥」
「はあ‥‥もう寝る。全ての気力が無くなったわ」
「何言ってんの。まだデザートあるでしょ」
「デザート‥‥何でしたっけ」
「アイスクリーム」
「ああ、それなら‥‥」
「の、特製ソースがけ」
「ソ、ソース!?」
「オレンジの果汁に、ウォッカをベースとしたお酒を加え、大人向けの味に仕上げました。ご堪能下さい」
「何で余計な事するんですか!」
「余計な事じゃないでしょ! 美味しくなるからやってるんだよ!」
「レミィの作る物で美味しい物なんか、ひとっつも無いでしょ!」
「いいから食べろつってんでしょ!」
そして、人数分のデザートが配られる。
「う‥っ」
「さ、酒くさい‥‥」
「‥‥どうかしら?」
「どうかしらも何もね‥‥」
「ひっどい‥‥」
「‥‥‥‥」
「おい、そこのメイド長。何泣いてんのよ」
「‥‥美味しくない‥‥」
「あははははは!」
遂に咲夜が、ストレートに言い放った。
今まで我慢していた咲夜の一言が、美鈴とパチュリーの笑いの琴線に触れる。
「何い?」
「美味しく‥‥美味しくないですう‥‥」
「あはははは! さ、咲夜さん泣いてるじゃないですか!」
「ご、ご飯食べて泣くって‥‥ははははは!」
そのやり取りに、食堂のあちこちから笑いが起きる。
いつも凛としたメイド長が、不味い物を食べて泣く。
そのシチュエーションに、堪え切れなくなったのだ。
「ぐすっ‥‥うう‥‥もうヤダよう‥‥」
「ヤダって言っても、まだ残ってんでしょ。全部食べなさいよ」
「自分で作ったご飯が食べたい‥‥」
「何だったら、エビもまだ残ってんだからね。明日の朝ご飯も作んなくていいよ。一杯あるんだから」
レミリアは既に吹っ切れていた。
自分の料理を、嫌がらせに使い始めたのだ。
「言っとくけど、これ、あれだからね。毎月やるから」
「え?」
「これから、一ヶ月に一回、私がご飯作るから」
シェフスカーレットの活躍は、まだまだ続く。
状況はそんなに変わらないのにすごい殺伐としてる! 不思議!
いや、初期バージョンじゃなくて良かった。いや、こっちはこっちで好きですが。
人生で一番辛い瞬間だよね
「頼むから野菜を生のままでいいから食べさせてくれ」とか、ジョークにならない事がほんとにある
イイハナシダナーな流れがなかった分、保護者緑紫の感想がストレートになってますね
あなたなら出来ます。
「混沌」としか言い様がない。
元のSSがあっちでよかったと心底思いました。
キャラが暴走してしまっているうえに着地点がない。
まるで、ディザスター・パニック映画の全滅エンドのようだ。
そして締めが打ち切りの漫画にしかみえない。
水どうのテンションを思い出しましたw
ただ、前作に続きレミリアの扱いがあんまりにもあんまりな感はあるので救済措置が欲しいなぁと感じてしまいました。
わざわざ人気の下がりそうな発言をしたのには何か理由があるんでしょうか?
私はあなたの作品が好きなので、アンチが発生しそうな行為は正直賛成出来ません
もしよければ理由を教えてほしいです
作品自体は面白かったです
要するに「俺を褒め称える奴以外コメント残すな」って事だよ言わせんな恥ずかしい
それと同じように、読者が読んだものに対しどんな感想を書こうが、それは読者の自由だと思います。
自分の作品に否定的なコメントを貰うと、感情的になるのも当然わかりま す。
ただ、もう少し冷静になってご自分の言動を見返してもらいたいです。
あなたのコメントを見ると、自分に好意的な意見いがいは書くな、という風にどうしても見えてしまいます。
そういう排他的な考えは、いかがなものでしょうか。
ネット上はそれこそ不特定多数の人々がいて、価値観というものも、人の数だけあるわけです。
だから、自分の持っている価値観とどうしても合わない人が出てくるのは、必然なのです。
否定的な意見は全て突っぱねるのではなくて、そういう意見もあるんだな、と頭の片隅に入れるくらいの寛容さを持たないと、創作活動を続けて行くのは、大変苦労するのではないでしょうか。
今までのコメントと今回の件とは何か違うんでしょうか?
ついでに言っておきたいんですが、前作はともかく今作はパロディ要素が多くて元を知らないと置いていかれると思いました
余計なお世話かもしれませんが、そこも何とかした方がよいと思います
>40番目さん
単に、書いたものを批判されるのは嫌いじゃないけど、今後書こうとするものに口出しされるのは嫌いなだけです。
あまり説明は上手くないので、わかりにくいかも知れませんが、例えば、マリアリを書いて投稿した時に、コメントを付けてもらったとして。
「面白かった」→ありがとうございます。
「つまらなかった」→そうですか。すみません。
「○○が○○なのはおかしい」→すみませんor自分の考えを説明。
「今度はレイマリを書け」→気が向いたら頑張ります。
「マリアリ最高」→そうですか。
「マリアリ最高。他のはいらない」→ワードを起動して全力でパチュアリ妄想。書いてるマリアリを変更する可能性も。
「マリアリなんて嫌いだ」→そうですか。
「マリアリなんて嫌いだ。書くな」→全力で続きを妄想。書いてる他の話を変更する可能性も。
って感じです。
まあ「雲山とミスティアがちゅっちゅしてるようなのは絶対書くなよ!」とかだったら、多分書きませんが。
後は単純に、すぐ書きあがりそうだったって言うのが大きいです。
タイミングの問題ですね。
手元に弾がある時にフリを貰ったら、撃ちたくなりませんか? と言いますか。
虫が嫌いな人が目の前にいたら、持ってる虫カゴを全開にしたくなるよね! っていうのと同じレベルです。
くだらなさ過ぎて、拍子抜けかも知れませんが、こんなところです。
あと、タグいじってみました。
ありがとうございます。