悩んでいた。
ベッドの上で。
今さっき目が覚めた所。
どうしよう。
幽々子への贈り物。
この前もらった。
嬉しかった。
お返しはしないと。
違う。
お返ししたいのだ。
何にするか。
陽は沈んでいた。
今の私は寝起き。
「咲夜ー」
来ない。
何をやっているのか。
着替えたい。
喉も渇いた。
お腹も空いている。
まだ来ない。
最近咲夜がおかしい。
妖夢、妖夢と煩いのだ。
あんな半死人の何がいいのか。
そう言うと咲夜は怒る。
悪気はないのだが。
幽々子。
そう、幽々子。
彼女、とっても綺麗。
フランは好き。
パチェも好き。
美鈴も好き。
咲夜も好き。
でも幽々子は愛してる。
だって幽々子だもの。
初めて見たときからずっと愛してる。
運命的なものすら感じる。
でも幽々子はいつもはぐらかす。
飄々としている。
つかめない。
いつも逃げられる。
だからこそ求めたくなる。
でもその前に着替えたい。
喉も渇いた。
お腹も空いている。
「さくやー!」
来ない。
いい加減にして欲しい。
一ヶ月前からこの調子である。
本当に困っているのだ。
そのうち妖精メイドが部屋に入ってきた。
もうあなた達でいいわ。
着替えと食事の用意をしておいて。
ようやく着替えが済んだ。
朝食まで部屋で待っていることに。
どうしよう。
幽々子への贈り物。
私は扇子をもらった。
作者は教えてくれなかった。
紫も扇子を持っていたが。
関係があるのだろうか。
大事にしよう。
死んでも失くさない。
墓まで持っていく。
それにしてもお腹が空いた。
食事はまだなのか。
今日はパスタが食べたいわ。
なければうどんでも良い。
だってこの前幽々子がうどんを食べていたんだもの。
むしろうどんが食べたい。
うどんは美味しい。
きっと美味しい。
だって幽々子が食べていたんだもの。
妖精メイドを呼びつけた。
私の食事はどうなっているのか。
妖精メイド達は自分の食事を作っていたらしい。
食器は洗ってあります、と言われても困る。
はぁ。
なんなのこの紅魔館。
「咲夜ー!」
来ない。
相変わらず。
さすがの私も怒りたい。
どちらかと言えば泣きたい。
来て欲しいのに。
ぐすぐす。
「どうされたんです?」
ようやく来た。
遅い。
遅すぎる。
主人を何だと思っているのか。
何とも思われていないのかもしれない。
「私の食事を用意して」
「かしこまりました。二、三時間後でも良いですか?」
「今すぐに」
「実は忙しくて」
「忙しい? 時間はいくらでも作れるでしょうに」
「妖夢ちゃんへのプレゼントで悩んでいまして」
「私は咲夜が何もしてくれないことに悩んでいるのに!」
「かしこまりました。数分お待ちください」
「そう、それで良いのよ」
自室から出た。
食堂で待機。
ようやく食欲が満たされる。
運ばれてきた物はパスタだった。
「うどんは?」
「カルボナーラですわ」
「うどんが良い」
「麺に血液と卵を絡めています。醤油でもかければうどんっぽくなるでしょう」
「うどん」
「お下げしましょうか?」
「いただきます」
食べたい物も食べられない。
うどんが食べたかったのに。
ああ、もう。
これだから最近の咲夜は。
気が利かない。
今度幽々子にパスタを食わせるしかないな。
パスタごちそうさま。
カップに入ったスープがもう一品。
血液のスープを飲んで食事は終わり。
ずずず。
ごっくん。
美味しくない。
スープがいまいちだ。
美味しいのは美味しい。
でも美味しくない。
だってスープじゃない。
ただの暖めた血液だ。
料理じゃない。
咲夜め、手抜きしたな。
はあ。
「お口に合いませんか?」
「合わない」
「今度はお蕎麦が良いですか?」
「うどん」
「にゅうめんも良いですね」
「うどん」
「この前白玉楼に行ったとき、幽々子はお蕎麦を食べていましたよ」
「蕎麦もいいわね」
「嘘です」
「怒るわよ」
「申し訳ありませんでした」
「……」
咲夜がお皿を片付けた。
さあどうしよう。
幽々子へのプレゼント。
門番の知恵を借りよう。
美鈴。
彼女はあるのだろうか。
贈り物をしたことが。
美鈴に訊いてみよう。
美鈴の私室へ。
ドアをノック。
そういえばもう暗くなっていたっけ。
寝ていたらまた明日にしよう。
どうぞ。
声がした。
起こしてしまったか。
でも相談に乗って欲しいのよ。
美鈴の部屋に入った。
「プレゼントで悩んでいて……何か良いものはない?」
「プレゼントですか。手縫いのマフラーとかどうですか」
「扇子のお返しが手縫いのマフラーっていうのはちょっと」
「では手縫いの帽子とかどうでしょう」
何かが間違っていると思う。
まあ参考程度にしよう。
手作りの扇子も考えた。
でももっと抽象的なのが良い。
もっとこう、愛の象徴的な。
親友の知恵を借りよう。
おやすみ、美鈴。
地下の図書館へ。
パチェは寝ていた。
ロッキングチェアーで。
起こすのは悪いか。
いやでも相談したい。
どうしよう。
パチェが起きてた。
私に気付いたらしい。
悪いことをしたな。
「パチェパチェ」
「何よ」
「プレゼントで悩んでいるの」
「咲夜のことで悩んでいたんじゃないの?」
「咲夜のことでも悩んでいるけど。それとは別」
「誰にあげるの? 妹様?」
「いや、その、好きな人に」
「ふーん」
「何か良い案はない?」
「ペアリングなんてどうかしら」
「そうか! ペアリング! それが良いわ!」
「決まりなの?」
「ええ、決まったわ」
「それはおめでとう」
「ありがとう。持つべきものは親友ね」
「私にくれるわけではないのね?」
「……」
「別に良いのよ。気にしてないわ」
「本当に?」
「嘘。少しは気にしてる」
「謝ることはできないわ」
「私も謝って欲しくはないわね」
ともかく、プレゼントは決まった。
里の工芸職人に依頼しようか。
「さくやー」
来ない。
「さくやー!」
来ない。
「さくやー!」
「なんでしょうか」
やっと来た。
「里でペアリングを作ってくれる職人を探すわ。ついてきなさい」
「お薦めの職人がいますよ」
「ほう? 知り合いでも居たの?」
「昨日私と妖夢ちゃんでつけるペアリングを依頼してきた工房があります。腕は確かだと確認しております」
「……」
「何か?」
「なんでもないわ」
プレゼントの悩みは消えた。
でも咲夜の悩みは消えそうにない。
ベッドの上で。
今さっき目が覚めた所。
どうしよう。
幽々子への贈り物。
この前もらった。
嬉しかった。
お返しはしないと。
違う。
お返ししたいのだ。
何にするか。
陽は沈んでいた。
今の私は寝起き。
「咲夜ー」
来ない。
何をやっているのか。
着替えたい。
喉も渇いた。
お腹も空いている。
まだ来ない。
最近咲夜がおかしい。
妖夢、妖夢と煩いのだ。
あんな半死人の何がいいのか。
そう言うと咲夜は怒る。
悪気はないのだが。
幽々子。
そう、幽々子。
彼女、とっても綺麗。
フランは好き。
パチェも好き。
美鈴も好き。
咲夜も好き。
でも幽々子は愛してる。
だって幽々子だもの。
初めて見たときからずっと愛してる。
運命的なものすら感じる。
でも幽々子はいつもはぐらかす。
飄々としている。
つかめない。
いつも逃げられる。
だからこそ求めたくなる。
でもその前に着替えたい。
喉も渇いた。
お腹も空いている。
「さくやー!」
来ない。
いい加減にして欲しい。
一ヶ月前からこの調子である。
本当に困っているのだ。
そのうち妖精メイドが部屋に入ってきた。
もうあなた達でいいわ。
着替えと食事の用意をしておいて。
ようやく着替えが済んだ。
朝食まで部屋で待っていることに。
どうしよう。
幽々子への贈り物。
私は扇子をもらった。
作者は教えてくれなかった。
紫も扇子を持っていたが。
関係があるのだろうか。
大事にしよう。
死んでも失くさない。
墓まで持っていく。
それにしてもお腹が空いた。
食事はまだなのか。
今日はパスタが食べたいわ。
なければうどんでも良い。
だってこの前幽々子がうどんを食べていたんだもの。
むしろうどんが食べたい。
うどんは美味しい。
きっと美味しい。
だって幽々子が食べていたんだもの。
妖精メイドを呼びつけた。
私の食事はどうなっているのか。
妖精メイド達は自分の食事を作っていたらしい。
食器は洗ってあります、と言われても困る。
はぁ。
なんなのこの紅魔館。
「咲夜ー!」
来ない。
相変わらず。
さすがの私も怒りたい。
どちらかと言えば泣きたい。
来て欲しいのに。
ぐすぐす。
「どうされたんです?」
ようやく来た。
遅い。
遅すぎる。
主人を何だと思っているのか。
何とも思われていないのかもしれない。
「私の食事を用意して」
「かしこまりました。二、三時間後でも良いですか?」
「今すぐに」
「実は忙しくて」
「忙しい? 時間はいくらでも作れるでしょうに」
「妖夢ちゃんへのプレゼントで悩んでいまして」
「私は咲夜が何もしてくれないことに悩んでいるのに!」
「かしこまりました。数分お待ちください」
「そう、それで良いのよ」
自室から出た。
食堂で待機。
ようやく食欲が満たされる。
運ばれてきた物はパスタだった。
「うどんは?」
「カルボナーラですわ」
「うどんが良い」
「麺に血液と卵を絡めています。醤油でもかければうどんっぽくなるでしょう」
「うどん」
「お下げしましょうか?」
「いただきます」
食べたい物も食べられない。
うどんが食べたかったのに。
ああ、もう。
これだから最近の咲夜は。
気が利かない。
今度幽々子にパスタを食わせるしかないな。
パスタごちそうさま。
カップに入ったスープがもう一品。
血液のスープを飲んで食事は終わり。
ずずず。
ごっくん。
美味しくない。
スープがいまいちだ。
美味しいのは美味しい。
でも美味しくない。
だってスープじゃない。
ただの暖めた血液だ。
料理じゃない。
咲夜め、手抜きしたな。
はあ。
「お口に合いませんか?」
「合わない」
「今度はお蕎麦が良いですか?」
「うどん」
「にゅうめんも良いですね」
「うどん」
「この前白玉楼に行ったとき、幽々子はお蕎麦を食べていましたよ」
「蕎麦もいいわね」
「嘘です」
「怒るわよ」
「申し訳ありませんでした」
「……」
咲夜がお皿を片付けた。
さあどうしよう。
幽々子へのプレゼント。
門番の知恵を借りよう。
美鈴。
彼女はあるのだろうか。
贈り物をしたことが。
美鈴に訊いてみよう。
美鈴の私室へ。
ドアをノック。
そういえばもう暗くなっていたっけ。
寝ていたらまた明日にしよう。
どうぞ。
声がした。
起こしてしまったか。
でも相談に乗って欲しいのよ。
美鈴の部屋に入った。
「プレゼントで悩んでいて……何か良いものはない?」
「プレゼントですか。手縫いのマフラーとかどうですか」
「扇子のお返しが手縫いのマフラーっていうのはちょっと」
「では手縫いの帽子とかどうでしょう」
何かが間違っていると思う。
まあ参考程度にしよう。
手作りの扇子も考えた。
でももっと抽象的なのが良い。
もっとこう、愛の象徴的な。
親友の知恵を借りよう。
おやすみ、美鈴。
地下の図書館へ。
パチェは寝ていた。
ロッキングチェアーで。
起こすのは悪いか。
いやでも相談したい。
どうしよう。
パチェが起きてた。
私に気付いたらしい。
悪いことをしたな。
「パチェパチェ」
「何よ」
「プレゼントで悩んでいるの」
「咲夜のことで悩んでいたんじゃないの?」
「咲夜のことでも悩んでいるけど。それとは別」
「誰にあげるの? 妹様?」
「いや、その、好きな人に」
「ふーん」
「何か良い案はない?」
「ペアリングなんてどうかしら」
「そうか! ペアリング! それが良いわ!」
「決まりなの?」
「ええ、決まったわ」
「それはおめでとう」
「ありがとう。持つべきものは親友ね」
「私にくれるわけではないのね?」
「……」
「別に良いのよ。気にしてないわ」
「本当に?」
「嘘。少しは気にしてる」
「謝ることはできないわ」
「私も謝って欲しくはないわね」
ともかく、プレゼントは決まった。
里の工芸職人に依頼しようか。
「さくやー」
来ない。
「さくやー!」
来ない。
「さくやー!」
「なんでしょうか」
やっと来た。
「里でペアリングを作ってくれる職人を探すわ。ついてきなさい」
「お薦めの職人がいますよ」
「ほう? 知り合いでも居たの?」
「昨日私と妖夢ちゃんでつけるペアリングを依頼してきた工房があります。腕は確かだと確認しております」
「……」
「何か?」
「なんでもないわ」
プレゼントの悩みは消えた。
でも咲夜の悩みは消えそうにない。
あの世界観は凄いですね
真似しようとしてもこうしかならない
やりたいことはわかるけど、やっぱりarcaさんのそれと見劣りしてしまう気がするなあ。
どうしてそう感じたのか自分でもよく分からないんですが、徹底したギャグの詰め込みや、あれだけ描写を削っておきながらぱっと状況が頭に思い浮かべられるような文章の巧みさが本家に比べて足りない……のかな。とにかく、何か足りない気がします。