<シリーズ各話リンク>
「人間の里の豚カルビ丼と豚汁」(作品集162)
「命蓮寺のスープカレー」(作品集162)
「妖怪の山ふもとの焼き芋とスイートポテト」(作品集163)
「中有の道出店のモダン焼き」(作品集164)
「博麗神社の温泉卵かけご飯」(作品集164)
「魔法の森のキノコスパゲッティ弁当」(作品集164)
「旧地獄街道の一人焼肉」(ここ)
「夜雀の屋台の串焼きとおでん」(作品集165)
「人間の里のきつねうどんといなり寿司」(作品集166)
「八雲紫の牛丼と焼き餃子」(作品集166)
旧地獄街道には、地上とはまた違った雰囲気の賑わいが満ちていた。
見慣れぬ妖怪たちが騒がしく行き交い、酒を飲み、歌い、笑い合っている。頭上を見上げてもただ闇があるばかりの地底だが、軒先に連なる灯りはこの地底全体をあたたかく照らしているかのようだった。
私――八雲藍が紫様の式となったのは、今から数百年の昔であるが、その頃にはもう、地上と地底は断絶され、不可侵領域となっていた。鬼たちが中心となって独自の都市を築いているという話は紫様から伺っていたが、こうして訪れるのは初めてのことだった。
「しかし、紫様ときたら……」
私は小さく息をつく。そもそも私が地底に来ることになったのは、紫様の寝坊が原因だった。例年ならこの時期にはもうお目覚めになっているのだが、今年は寒が長引いたせいか、未だにお目覚めにならない。あの間欠泉事件以降、紫様はこの時期に地底に出かけていたのだが、起きてこないのは仕方ないので、私が代行としてやってきた次第である。
間欠泉事件以前は、地上の妖怪は地底に入ってはいけないと厳密に定められていたが、守矢神社の面々がちょっかいを出したのが原因で、今ではその決まりも紳士協定レベルに下げられている。地底から妖怪が地上に遊びに来ることもそう珍しくなくなった。地上の妖怪は、理由が無ければ好きこのんで地底に行こうとはしないが。
というわけで、現状の地上と地底の関係は《原則として相互不干渉だが、技術的、文化的交流に関してはこの限りでは無い》というところだ。河童などは地底と技術交流を積極的に行っているような話を聞いている。
私がこうして地底にやってきたのも、地上の有力者、妖怪の賢者の代行として、地底の有力者との会談のためだった。会談といっても、紫様によれば大した話をするわけでもなく、酒を飲みながら「お互い敵対せず平和にやっていこう」という確認をするだけらしい。しかし、曲がりなりにも幻想郷と地底の首脳会談に近いとなれば、さすがに私も少しばかり緊張はする。
少し心を落ち着かせようと、私はまた旧地獄街道の様子をぐるりと見回した。
「なるほど、平和なものだな」
桶に入った少女を抱えて、土蜘蛛の少女が軽やかな足取りで駆けていくのを横目に見やりながら、私は呟く。地上で忌み嫌われた妖怪たちの楽園。幻想郷も、外の世界で忘れられたものの楽園であるとすれば、結局は似たようなものなのかもしれない。
皎々とした灯りがともる店の軒先。明るいのは電気が通っているからか。そういえば、守矢の面々の作った発電施設か何かも地底にあるのだったか。守矢の面々が推進しようとしているらしい技術革命は、地底の方が進んでいるのかもしれない。
――ああ、しかし、腹が減ったな。
会談は夜からだ。まだ夕刻、少し早く来すぎたかもしれない。これから大事な仕事だ、少しがっつりと腹に入れていこうか。何がいいかな。
旧地獄街道に並ぶ店は、飲み屋を中心に飲食店も数多いようだ。『蕎麦』の暖簾を掲げた屋台では、狂骨の店主が骨だけの顔でカラカラと笑っている。まさか自分の骨で出汁を取っているのではないだろうな、といらない想像をしてしまって、私は首を振った。
ふらふらと、私は旧地獄街道を北に向かって歩く。焼鳥屋、居酒屋、居酒屋、バー、小料理屋、居酒屋、居酒屋、焼鳥屋、家庭料理……飲み屋ばかりだな。どうせ鬼との会談では酒を飲むことになるのだろうから、居酒屋や焼鳥屋というのも……。ううん。
決めかねるうちに、旧都のはずれの方まで来てしまった。この先はもう、灼熱地獄跡地ぐらいしか無いのではなかったか。参ったな、随分歩いてしまった。私はどうやら、旧都で夕食迷子になってしまったらしい。
とりあえず引き返すか、と踵を返そうとしたところで、赤地に黒の文字の看板が目に入った。
――焼肉レストラン。
「焼肉。いいじゃないか」
そうだ、ここは一発焼肉でも入れていこう。私はその店の暖簾をくぐった。
誰にも邪魔されず、気を遣わずにものを食べるという、孤高の行為。
この行為こそが、人と妖に平等に与えられた、最高の“癒し”と言えるのである。
狐独のグルメ
「旧地獄街道の一人焼肉」
「いらっしゃいませー」
どこかのテーブルで肉の焼ける音と、香ばしい匂いのする煙が満ちた店内。私を出迎えたのは、二本の尻尾を揺らした火焔猫の少女だった。はて、どこかで見たような顔だが。
「あれ? どこかで――ええと、一名様ですか?」
「あ、ああ。……ひょっとして、博麗神社の温泉に居たかい?」
「あ! あー、あのときのお姉さん!」
思い出した。博麗神社の温泉に浸かりにいったとき、鴉のお守りをしていた少女だ。そうか、あの鴉の身内なら地底にいるのは道理だが、よもやこんなところで出くわすとは。
「地上の妖怪さんが来るなんて珍しいね。カウンター席まで、地獄の底まで、一名様ご案内~」
少女に連れられて、カウンター席に腰を下ろす。目の前にはロースター。一人焼肉用の席が用意されているとは、なかなか気が利いているじゃないか。テーブル席にひとりで座っての焼肉と違って、妙な気兼ねが無くていい。
メニューは目の前に下げられている。カルビ、ロース、ハラミ、サガリ、中落ちカルビ、上カルビ、上ロース、タン塩、ハツ、レバー、ホルモン、ミノ、センマイ、ハチノス、ギャラ、シビレ、コブクロ、マメ、ナンコツ。……いいぞいいぞ、内臓系が豊富な焼肉屋は、いい焼肉屋だ。何を食べるか迷ってしまうな。
「ご注文はお決まりですか?」
さっきの猫の少女がやってくる。さて、どうするか。とりあえず定番から攻めるか。
「ええと、カルビと、ホルモンと、タン塩ください。あと、ライス大盛りとナムルで」
「はい。お飲み物は?」
「ウーロン茶で」
「かしこまりましたー」
会談前に酒を入れるのは、いちおう止しておこう。一息ついて、火の入れられたロースターを見下ろす。近くのテーブルから、誰かの肉の焼ける音。……このおあずけ感は拷問だな。
「うおーい、追加いいかい。ハラミとコブクロおくれ。あとライス大盛りとビールおかわり」
「ちょっと勇儀、まだ残ってるわよ」
「来るまでの間に焼いちまえばいいのさ。ほれほれ、お前さんも食べなよパルスィ」
「まだ生焼けでしょそれ。ああもう、食べるの速すぎなのよ、妬ましいわね」
近くのテーブルから、そんな声が聞こえる。ふたりで焼肉に来て、ひとりが生焼けのうちにどんどん食べるから自分の分が無くなる――それは古今東西どこでもよくある話らしい。
「お待たせしました。カルビ、ホルモン、タン塩です。タレはこちらで、タン塩はこちらのレモン汁でどうぞ。それと、ウーロン茶です」
お、来た来た。私の肉が来ましたよ。
タレの絡まった、いい面構えの肉たちが目の前に並ぶ。よし、焼くぞ焼くぞ。
ロースターの焼き網に、カルビとホルモンを並べる。じゅわあ、と食欲をそそる音に、口の中によだれが満ちてくる。いい匂いだ、いい音だ。ううん、たまらん。
「あ、ご飯が来てないな……まだかな」
思わずきょろきょろと、こちらにご飯を運んでくる店員の姿を探したが、見当たらない。ううむ、ちょっと焦ったか。焼肉といったら白いご飯は欠かせない。焼き始めるのはご飯が来るまで待っても良かったな。まあ、今更言っても仕方ない。
……来ないな。仕方ない。焦げてしまうし、先に肉だけ食べていよう。
「いただきます」
まずは、カルビから。タレにつけて、口に運ぶ。噛みしめると、柔らかな食感とともに溢れる肉の旨味が口いっぱいに広がる。うん、美味い。いかにも肉って肉だ。
ホルモンはどうだ。焼き網の上、勝手に丸くなるホルモンを網に押しつける。ホルモンって焼け具合がもうひとつ解りづらいんだよな……。そろそろいいかな。
「むぐ。うん、これもいい」
確かな歯ごたえと、下品すぎない味付けが嬉しい。ホルモンが美味いのは、やはりいい焼肉屋の証だ。この店にして大正解だな。
ウーロン茶で口の中の味を洗い流しつつ、カルビ、ホルモン、カルビ、カルビ、ホルモン。ううん、ご飯まだかな。ご飯が無いと、どうにも片手落ちな気分だ。らっきょうも福神漬けも無いカレーというか、たまごの無いおでんというか、そういう物足りなさがある。
「あっ――」
箸の間をすり抜けて、焼いている最中のホルモンが、網の隙間からロースターの中に投身自殺してしまった。網の下、溜まった油の中にホルモンの一部が切なく浮いている。すまない、止めてやれなくて。食べてやれなくてすまない……。異様な申し訳なさに襲われて、私は思わず頭を下げる。
「お待たせしました、ライス大盛りと、ナムルです。……どうかしましたか?」
そこにちょうど店員が来ていた。「いえ、なんでも」と首を振る私の前に、ご飯とナムルが差し出される。おお、やっと来たか。待っていたよ相棒。ホルモンの投身自殺で落ち込んだ気分が瞬時に立ち直る。茶碗に山と盛られた湯気をたてる白米。もやし、ゼンマイ、ほうれん草のナムル。これですよ、これこれ。
おっとそうだ、タン塩もあったんだ。すまない、忘れていたよ、網の上に、タン塩と残りのカルビとホルモンを並べる。……ちょっと乗せすぎたかな。焦がさないようにしないと。
焼けるまで、ナムルで繋ぐか。もやしとゼンマイを口に運ぶ。うん、いい味だ。ごま油の味が自己主張しすぎず、けれどこれ単体でも十分いける。肉の間の箸休めにぴったりだ。
「さて、タン塩はどうだ」
焼けてきたタン塩を、無意識にタレにつけそうになって、慌てて箸を止める。落ち着け、タン塩はタレじゃない、レモン汁だ。改めてレモン汁の方に漬け、口に運ぶ。――美味い。これはちょっとびっくりするぐらい美味いぞ。タン独特のざっくりした歯ごたえに、塩味がよく馴染んでいる。レモンのさっぱりした風味がまた次へ次へと食欲をそそる。ああ、たまらん。
カルビもご飯と一緒に口に運べば、また格別の味わいだ。タレが本当によくご飯に合う。ああ、焼肉と白いご飯という方程式は、世界で最も美しい式のひとつだ。間違いない。
「はふ、はふ、もぐ、もぐ」
しかし、一人焼肉ってなんだか忙しないな。次から次へと肉が焼けてきて、休む間もない。なんだか追い立てられているようだ。肉、ご飯、ナムル、肉、ご飯、ナムル。ははは。落ち着け、焦らなくても肉は逃げない。いや、逃げはしないが焦げはするか。
「……はぁーっ」
最後のタン塩一切れを口に放り込んで、私はひとつ息をつく。身体がなんだか暑くなってきた。帽子を脱いで、襟元を少し緩める。さて、まだ食べられそうだな。もう少し追加するか。何にしよう。
「うおーい、コブクロもう一皿と中落ちカルビおくれ。あとビールおかわり」
「まだ食べるの? 妬ましいわね」
「なんだ、もういいのかい? 私に遠慮なんざしなくていいんだよ」
「誰も遠慮なんてしてませんから。……残ったご飯、あげるわよ」
「お、すまんね」
先ほどの二人組の会話がまた聞こえてきた。そうだ、私もコブクロにしよう。あとは、ハラミあたりにしておくか。
「すみません、ハラミとコブクロ、あとウーロン茶もう一杯ください」
「はーい」
注文して、それから茶碗のご飯を見下ろす。……ちょっと残り少ないかな。ううん、どうするか。……ええい、頼んでしまえ。
「あ、あとライス普通盛りでひとつお願いします」
頼んでしまった。ひとつ息をついて、壁に貼られたメニューを見やる。ああ、石焼きビビンバも食べてみたかったかな……。まあ、それはまた今度でいいか。いや、今度があるのかどうかは解らないが。
残っていたナムルをつまみながら、肉の到着を待つ。次なる戦いへ向けての、つかの間の休息という気分だ。そう――焼肉の網の上は戦場だ。一人焼肉でも、それは変わらない。私はさながら、その指揮官か。式を従える式たる私にはお似合いかもしれない。
「お待たせしました、ハラミ、コブクロ、あとライス普通盛りとウーロン茶です」
おっと、来た来た第二陣だ。まずはコブクロ、君に決めた。
網の上、また私の肉たちが踊り出す。行け、ハラミも突撃だ。
「あむ、もぐ、うん、なるほど美味いコブクロだ」
コリコリとした歯ごたえが、柔らかいハラミとの間でいいアクセントになる。ハラミも上出来だ。戦力は十分、将としてきっちり胃の中に収めてやらねばならぬ。
カウンターにニンニクがあるのに今頃気付いた。タレに投入すると、また味に変化がついていい攻め方だ。ご飯もますます進むぞ。おかわりして正解だったな。
「むぐ、むぐ、ほふ、ほふ」
息をついて頭上を見上げれば、店内を眩く照らす電灯の光。真っ暗なはずの地の底に、皎々と灯りをともすエネルギー。この焼肉のエネルギーこそが、地底の技術革命の原動力なのかもしれない。
ああ、身体がどんどん熱くなってくる。まるで私も、焼肉を燃料にエネルギーを無尽蔵に生み出し続ける内燃機関になってしまったかのようだ。箸が止まらない。燃える燃える。踊る肉たちが私の身体の中で燃焼して、その熱がタービンを回し続ける。ほっ、ほっ。はふ、はふ。
うおォン、私はまるで九尾の火力発電所だ。
「あむ、むぐ。……んくっ、ごくっ、はぁーっ。……ごちそうさまでした」
気付けば綺麗さっぱり、完食である。いかん、さすがにちょっと食べ過ぎた。胃袋がまるで溶鉱炉だ。いくらこれから大仕事とはいっても、限度がある。失敗したな……。
「まあ、美味かったからいいか、うん……」
はぁ、と吐き出す息はたぶんニンニクの匂いになっているのだろうが、自分では解らない。
しかし、幸福な満腹感であることはどうあがいても否定できなかった。
「うー、まだ苦しい……」
店を出ても、まだ満腹感は収まらない。会談の予定までまだ少し時間があるのが救いか。店の近くにあったベンチに腰を下ろして、私は会計の際に貰った匂い消しのガムを噛む。
街の中心の方から、賑やかな喧噪がここまで聞こえてくる。ここも、中有の道のような活気にいつも溢れているのだろう。そんな威勢のいい賑やかさには、なるほど焼肉がよく似合う。
皆、何かを食べて、飲んで、それをエネルギーに変えて日々を生きていく。それは人間も妖怪も変わらない。だとすれば。
「生き物はみんな、本質的に発電所なのかもしれないな」
ふとそんなことを思って、私は小さく笑みを漏らした。私もまた、発電所だ。
「よし」
立ち上がる。さて、会談の行われる場所がどこなのか、そろそろどうにか確かめないといけない。誰かそのあたりの妖怪を掴まえて訊ねてみるか。
「ありがとうございましたー」
と、焼肉屋から出てくる影があり、私はそちらに視線を向けた。立派な角を額に生やした大柄な鬼の女性と、頭ひとつ背の低い金色の髪の少女の二人連れだ。
「はあ、食った食った」
「ニンニク臭いわよ。これから話し合いなんでしょ? はい、ガム」
「おお、すまんね。よく気が付く伴侶をもらって私ゃ幸せもんだよ」
「……馬鹿」
あの声は、私の席の近くにいた二人連れか。というか、あの片割れは鬼ではないか。はて、ひょっとして、彼女が?
私の視線に気付いたか、鬼の女性がこちらを振り向く。目が合って、彼女は目を見開いた。私は小さく一礼して、そちらに歩み寄る。
「うん? なんだい、見ない顔だね。地上の妖怪かい?」
「お初にお目に掛かります。私、地上の妖怪の賢者、八雲紫が式、八雲藍と申します。本日は所用の主に変わりまして、地底の代表者との会合に――」
「ああ、成る程。お前さん、あの胡散臭い奴の手下かい」
「ちょっと勇儀、失礼でしょうが。すみません、礼儀を知らないバカ鬼で」
「い、痛い痛いよパルスィ、引っ張らないどくれ」
パルスィと呼ばれた少女に耳を引っ張られて、勇儀と呼ばれた鬼の女性は情けない声をあげた。私はその様子に目をしばたたかせる。
「いや、すまんね。申し遅れた、私は星熊勇儀、いちおうこの旧都のまとめ役だ。今回の会談の相手はお前さんか。よろしく頼むよ」
にっと笑って、勇儀は大きな手を差し出した。私はその手を握り返す。力強い手だった。
「ま、会談ったって、近況を報告して酒を飲むだけだ。肩肘張らず、楽にしとくれ」
「はあ」
「よしよし、んじゃとりあえず、案内しようかい」
ばんばんと肩を叩かれ、私は首をすくめる。鬼という種族はどうしてこう無神経にあけすけなのか。伊吹萃香もそうだが、この常時酔っ払いのテンションに付き合うのは大変だろうに、博麗霊夢といい物好きだと思ってしまう。
「じゃあ勇儀、私は先に戻ってるから」
「ああ、そうだね。遅くならないように帰るよ」
「うん。いってらっしゃい」
「ああ、いってくる」
勇儀はパルスィの元に歩み寄ると、その額に軽く唇を寄せた。パルスィは真っ赤になって、それから勇儀の手を掴んで、かがんだ勇儀の頬に唇を寄せ返す。……これはまたアツアツなことである。もちろん、焼肉とは別の意味で。
ぱたぱたと駆けていくパルスィを見送って、勇儀は照れくさそうに頬を掻いた。
「いや、すまんね、お恥ずかしいところを」
「奥方でしたか」
「ああ。――鬼と橋姫の、女同士の夫婦なんて、地上のもんには変に見えるかい?」
「いえ、地上でもそう珍しくは」
「そうかい」
よしよし、と勇儀はまた私の肩を叩いた。なれなれしい態度に多少居心地の悪いものはあるが、まあ、それもまたこの地底の賑やかさにはある意味相応しいか。
地上でも、人間と妖怪が寄り添う光景は今はどこにでもある。心が通じてしまえば、種族も性別も、そこでは大した問題では無いのだ。肉もモツも焼いてしまえばご飯に合って美味しいのは一緒だし、元は同じ牛の中に収まっていたもの。それと同じく、幻想郷にしろ地底にしろ、同じ世界に生きる者同士なのだから、むしろ傍にあるのが自然なのかもしれない。
「お前さん、藍っていったか。伴侶はいるのかい?」
「いえ――けれど、式として生涯を主に捧げることを誓っている点では、夫婦と変わらないかもしれませんね」
そうだ。私自身、紫様とも橙とも種族は違うけれど、ともに在り、ともに生きることに喜びを見いだしている。どんな者同士でも、求め合えば寄り添っていられる。幻想郷も地底も、そうあればこそ、楽園でいられるのだろう。
私は勇儀と並んで、多くの妖怪たちが行き交う旧地獄街道を歩く。
闇の中に光をともす地底の街並みは、どこまでも眩しく広がっていた。
お肉と言い勇パルと言いアツアツが一番ですね、もうお腹いっぱい。
追伸 北海道から妖気を感じる……
夜はぜってー肉焼いてやる・・・!
バイトしたら行きますかね。焼き肉。
次回作はみすちーの出番か…ゴクリ
次のお買い物で焼肉用のお肉を買うしかないじゃない!
勇パルと、ひそかにヤマキス御馳走様でした
ただ最近息切れ感があるのは気のせいでしょうか
今回のはなんか気に入った。
涎が口の中に溢れてしまった。
さて、帰ったら焼肉だぜ!!ワッショーイ!!
原作ドラマは終わってしまいましたがこちらはまだしばらく続くようなので次も楽しみにしています。
肉食べてー!!
一人暮らしだとなかなか焼肉は縁がないですな。でも相変わらず食べたくなるからこのシリーズは侮れないです。
勇パルも相変わらずの2828っぷりで、こちらもご馳走様でした。次回のみすちーも楽しみにしてますね。
焼肉はもちろんおいしそうですが、夫婦で食事をしている勇儀とパルスィもたまりません
ていうか生唾飲み込んだよ
コブクロは置いてる店少ないよね
ミノの方が好みだけど、この小説でご飯3杯はいけるぜ!
やっぱりあった、"うおォン" 安心のクオリティでございました。
……焼肉かぁ
焼き肉、良いですねぇ
自分も久しぶりに食べたくなりましたよ
次回は夜雀が出るとのことなので
いつも以上に楽しみです
次も楽しみに待ってます。
夜雀の串焼きだと!? 豚? それとも鳥?
焼肉いきたいなぁ
焼肉と白飯のコンビネーションは破壊力絶大で反則すぐる
ごちそうさまでした
初めはみんな「独りで焼肉なんて」と思うけど、一度行けばハマるんだなぁこれが
でもそれ以上に勇パルが美味しかったです。
>某ボーカルアレンジ楽曲とはたぶん何の関係もありません。
嘘だッ!!!!www