注意、この作品は東方projectの二次創作です。
オリ設定、オリキャラが存在する可能性があります。
鬼は外、鬼は外。
暦の上で各季節の変わり目の前日を節分と言う。 その中でも年の初めの節分には炒り豆を撒き邪気払いとする風習がある。
幻想郷に於いては特に大切な行事だ。 なにせ、その邪気や悪鬼、災厄の元が現実に存在をしているのだから。
人里ではその日、豆撒きの大祭りが催されていた。 人が集まり、屋台が連なり、神輿が練り歩く。 朝は早くから夕方まで人々は大いに楽しんだ。
日が沈む頃に中央の広場に里の人々が集まっていく、人里の長は今日という日の話をする。
話しが始まってすぐの事であった。 その人の集まりに一人の少女が入って来た。
話しをしていた長は話を中断し、聞く様に集まった人々に話しかけた。
『ややっ、そこに居るのは何ものぞ?』
先程集まりに入ってきた少女は、その言葉を聞いて大声で叫んだ。
「はっはっはっ、人間の諸君! こんなに集まってご苦労だな! 邪気の元、その鬼が、ここに居るぞ!」
その言葉を叫び、大急ぎで鬼は逃げて行く。
人々は鬼を追いかける。 各々の手には合枡に山盛りにされた炒り豆を持っていた。
人々は叫びながら追いかけ鬼に向かって豆を撒く。
鬼は外、鬼は外。
鬼と人は里の隅々まで豆を撒く、大通り、裏通り、屋敷、長屋、通らない道は無かった。
やがて、里の入口に当たる場所に鬼は到着する。
「ここだ、ここだ、皆の探す鬼はここにいるぞ!」
鬼に追いつけなかった人々が段々と集まってくる。人々は一斉に鬼に向かって、ある言葉を言いながら豆を撒く。
鬼は外、鬼は外。
豆は鬼に当た……らなかった。
鬼は豆が当たる寸前に霧の様に霧散した。
「こりゃあ敵わん、憶えていろ~」
退散して行く鬼に構わずに人々は万歳三唱をして節分を祝った。
~~~
「はぁ、毎年の事とはいえ辛いな……」
先程の鬼の少女、伊吹萃香は人里から離れた森の中で小さく呟いた。
彼女は人が好き、彼女は人妖の集まりが好き、彼女は宴会が好き。
だから彼女は過去に異変を起こして人妖を集め、宴会を開いた事があった。
極度の人見知りだが酔っていれば関係ない。 彼女はいつも酔っている。
いつからか、こうやって節分には嫌われ役を買って出ている。
「今日はこれからどうしようかな……」
そう呟く彼女の後ろから声が掛けられた。
「そこに居るのは誰? 萃香?」
ああ、見つかった、そう思い節分の役に戻ろうとする。
「がおー、鬼だぞ……」
彼女が見たのは神社そして巫女の博麗霊夢であった。
「あんた何やってんの?」
「いや、今日は節分……」
語尾は段々と小さくなっていく。 普段の霊夢を思えば、どんな酷い目に遭わされるか分かったものではない。
「ふ~ん、節分なんて興味無いし、どういうものか知らないわ。 それより今日も呑んでいくんでしょ?」
「きょ、今日は……」
断ろうとする萃香の手を霊夢は掴んで引っ張る。
「いいから呑んでいきなさい」
萃香は霊夢に引っ張られ神社に連れていかれた。 そのまま、萃香は日が変わるまで霊夢の元に居ることとなった。
鬼は内、鬼は内。
オリ設定、オリキャラが存在する可能性があります。
鬼は外、鬼は外。
暦の上で各季節の変わり目の前日を節分と言う。 その中でも年の初めの節分には炒り豆を撒き邪気払いとする風習がある。
幻想郷に於いては特に大切な行事だ。 なにせ、その邪気や悪鬼、災厄の元が現実に存在をしているのだから。
人里ではその日、豆撒きの大祭りが催されていた。 人が集まり、屋台が連なり、神輿が練り歩く。 朝は早くから夕方まで人々は大いに楽しんだ。
日が沈む頃に中央の広場に里の人々が集まっていく、人里の長は今日という日の話をする。
話しが始まってすぐの事であった。 その人の集まりに一人の少女が入って来た。
話しをしていた長は話を中断し、聞く様に集まった人々に話しかけた。
『ややっ、そこに居るのは何ものぞ?』
先程集まりに入ってきた少女は、その言葉を聞いて大声で叫んだ。
「はっはっはっ、人間の諸君! こんなに集まってご苦労だな! 邪気の元、その鬼が、ここに居るぞ!」
その言葉を叫び、大急ぎで鬼は逃げて行く。
人々は鬼を追いかける。 各々の手には合枡に山盛りにされた炒り豆を持っていた。
人々は叫びながら追いかけ鬼に向かって豆を撒く。
鬼は外、鬼は外。
鬼と人は里の隅々まで豆を撒く、大通り、裏通り、屋敷、長屋、通らない道は無かった。
やがて、里の入口に当たる場所に鬼は到着する。
「ここだ、ここだ、皆の探す鬼はここにいるぞ!」
鬼に追いつけなかった人々が段々と集まってくる。人々は一斉に鬼に向かって、ある言葉を言いながら豆を撒く。
鬼は外、鬼は外。
豆は鬼に当た……らなかった。
鬼は豆が当たる寸前に霧の様に霧散した。
「こりゃあ敵わん、憶えていろ~」
退散して行く鬼に構わずに人々は万歳三唱をして節分を祝った。
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「はぁ、毎年の事とはいえ辛いな……」
先程の鬼の少女、伊吹萃香は人里から離れた森の中で小さく呟いた。
彼女は人が好き、彼女は人妖の集まりが好き、彼女は宴会が好き。
だから彼女は過去に異変を起こして人妖を集め、宴会を開いた事があった。
極度の人見知りだが酔っていれば関係ない。 彼女はいつも酔っている。
いつからか、こうやって節分には嫌われ役を買って出ている。
「今日はこれからどうしようかな……」
そう呟く彼女の後ろから声が掛けられた。
「そこに居るのは誰? 萃香?」
ああ、見つかった、そう思い節分の役に戻ろうとする。
「がおー、鬼だぞ……」
彼女が見たのは神社そして巫女の博麗霊夢であった。
「あんた何やってんの?」
「いや、今日は節分……」
語尾は段々と小さくなっていく。 普段の霊夢を思えば、どんな酷い目に遭わされるか分かったものではない。
「ふ~ん、節分なんて興味無いし、どういうものか知らないわ。 それより今日も呑んでいくんでしょ?」
「きょ、今日は……」
断ろうとする萃香の手を霊夢は掴んで引っ張る。
「いいから呑んでいきなさい」
萃香は霊夢に引っ張られ神社に連れていかれた。 そのまま、萃香は日が変わるまで霊夢の元に居ることとなった。
鬼は内、鬼は内。
暖かい気持ちになった。
だが、もっと長く。