※『花粉症――死の病』(作品集139)とつながった話ですが、どうでもいいです。
O)))))))))
寒いです。
冬です。
ちくしょうめ。
ども、春告精リリーホワイトです。
O)))
……はぁ。
いや、ね。そりゃ、ため息のひとつもつきたくなりますよ。寒くて冷たいばっかりで、楽しいことなんてありゃしない。冬なんて大嫌いです。
やはり、いちばんすばらしいのは春です。動物たちはあたたかい陽射しを体いっぱいに受けて、色とりどりの花たちがあちらこちらで咲きみだれて、まるで風と光が命の歌を口ずさんでいるみたい。
そんなステキな季節に、わたしは力いっぱいお仕事をします。春告精ですからね。声がかれるまで春のおとずれを伝えてまわり、ときには興奮しすぎて弾幕ごっこがはじまり、春が終わるころにはぼろぼろのへろへろになっています。
次に良いのが、夏。大好きなユリの花をながめて、のんびりと過ごします。春にがんばった自分へのごほうび? というやつです。
秋になったら、つまらなくて寝てしまいます。
冬はふて寝して過ごします。
これがいつもの一年です。まあ、今年はちがいましたけどね。春先にちょっとした惨劇があって『一回休み』になってしまったのです。ようやく復活したときにはとっくに春は終わって、すっかり夏になっていました。なので、ほとんどお仕事ができませんでした。
お仕事をやりきったという充実感がなければユリの花を見ても味気なく、秋はますますつまらなくて、気がつけばもう冬です。ほんとうに馬鹿らしくて阿呆らしくて、くそったれな一年でした。
せめて次の春には元気いっぱいでお仕事ができるように、もう寝てしまいましょう。なにかしようにも、春告精が冬になにをできるわけでもなし。気持ちの切りかえが肝心です。
「ぶふっ」
いろいろ考えながら飛んでいたら、いきなりなにかに顔面からぶつかってしまいました。ですが、ちっとも痛くありません。ぶつかったものが、とてもやわらかかったからです。
なんでしょうか、これ。顔を押しつけたままで首をかしげました。やわらかくて、あたたかくて、まるくて、横にふたつ並んで――おっぱい?
……
……
……
……
……おっぱい。
おっぱい。
おっぱい。
おっぱい。
おっぱい?
おっぱい。
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱいい! おっぱい! おっぱい! おっぱい1 おっぱい! おっぱい! おっぱい! ふおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! おっぱい! おっっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! ああこの弾力! このボリューム! 圧殺級の重量感がわたしの顔を包み込むうううううううううううううううう! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっっぱい! しかもしかもなんですかこの形状! ツンと上向きでもう最高ブラヴォおおおおおおおおおおおおおおおおおお! ブラヴォー! ハラショー! マンマミーア! おっぱい! おっぴい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! ベネ! ベネ! ディモールト・ベネ! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! なんていうかもう、ごちそうさまです! おっぱい!
……ふぅ。
すこし取り乱してしまいましたね。まずは、ぶつかったひとに謝らないといけません。
「ごめんなさい、よそ見をしていたですよー」
まあ、そう言っているあいだも、わたしの目はおっぱいに釘づけなんですけどね。もういちどおっぱいに飛び込みたい気持ちをなんとかおさえて、相手から体を引きはなしました。
それにしても、すばらしいおっぱいです。こんな芸術品の持ち主はいったいだれでしょうか。白いブラウスの胸元は豊かにふくらんで黄色のスカーフを押しあげ、赤いベストのチェック柄も立体的な曲線をえがいています。おなじく赤いチェックのロングスカートは清楚な中にも魅惑的に風と踊り、ウェーブのかかった緑の髪がまた艶かしくて――あれ、わたし、見おぼえがありますね、このひと。
「お久しぶりね、白百合さん」
穏やかにほほえむそのひとは、そう、見まちがえるはずがありません。
花の大妖怪、風見幽香さんです。
「あひぃ」
とっさに逃げだそうとしましたが、すばやく首根っこをつかまれてしまいました。
ああ、絶体絶命。わたしはこのまま、羽をむしられて、皮をはがれて、頸椎を握りつぶされて、燃えるゴミのように殴り飛ばされるのです。
「ごめんなさいごめんなさい助けて助けて助けて助けて」
「ちょ、ちょっと、落ち着きなさい」
「どうかお慈悲をおぉぉ」
「落ち着きなさいって」
これが落ち着いていられる状況なものですか。
幽香さんといえば、妖怪だろうが人間だろうがみんな平等にいじめてまわるという、残忍妖怪の代名詞。しかも、かの厳武さんを右ストレート一発で沈めたとまでいわれる拳の破壊力は、わたしも身をもって知っています。その射程内にしっかりととらえられているというのに、落ち着けるわけがないでしょう。
「へるぷみいぃぃい」
それはもう、夢中でもがきました。手足をでたらめにばたつかせて、羽もばたつかせて、もがいてもがいてもがいて、そのうち疲れで体が動かなくなってきました。
とうとうわたしは、全身の力をだらりと抜いて、あばれるのをやめました。落ち着いたから、ではなく、あきらめたのです。よくよく考えてみれば、妖精がどれだけ抵抗したところで、どうにかなる相手ではありませんでした。ほら、わたしがこんなに疲れきっているのに、幽香さんの手の力はすこしも弱まっていません。この大妖怪から逃げようなどと、考えるだけ無駄なのです。
ならばせめて、すこしでも楽に逝きたい。
「ひとおもいにやってください。右で」
「何を言ってるの」
「じゃあ、左ですか」
「違うってば」
「も、もしかして、りょうほうですかぁ」
「話を聞きなさい」
ずびし、と幽香さんのチョップが頭に降ってきました。
「うああ、いた……くない?」
あれ、と思いながら頭に手をやってみました。頭蓋骨が割れていない、どころか、まったく痛くありません。どういうことでしょうか。見ると、幽香さんはあきれたような顔で、ため息をついています。
「何を勘違いしてるのよ。私だって、たいした理由もなく誰かを殴ったりはしないわ」
幽香さんはわたしの首根っこをつかまえていた手をはなして、「でしょ?」と笑いかけてきました。
「……そのとおりです」
こう答えるしかありません。もし反論でもしようものなら、そのときは悲惨な最期がおとずれるでしょう。
しかし、どこからが『たいした理由』になるのか、そこが問題です。それがわからないと、どこまでが安全なのかわかりませんからね。どうやら、事故でおっぱいにぶつかるのはセーフのようです。では、そのままもがくふりをして、さりげなくおっぱいにほおずりするのはどうでしょうか。ちょっと当たったふりで、指先でおっぱいをつつくのは? あるいは開きなおって、両手で力いっぱい揉みしだいたら?
……馬鹿な考えはやめておきましょう。
いま怒っていないのなら、それでいいのです。幽香さんの気が変わらないうちに、さっさとずらかることにしましょう。
「それでは、わたしはこれで――」
「あ、そうだ」
ひぃ、なんですかなんですか。まだなにか用事があるんですか。聞こえなかったふりをしてこのまま飛び去ってしまおうかとも、すこしだけ思いましたが、それはさすがにキケンすぎます。とにかく怒らせないこと。胃がいたくなりそうですが、ここは安全策でいきます。
「な、なんでしょうか」
「せっかく久しぶりに会ったんだから」
幽香さんは東のほうを指さしました。お花畑がある方向です。
「見ていきなさいな」
有無を言わさぬ笑顔で、しっかりと手をにぎられてしまいました。あ、ものすごくあたたかい。……じゃなくて、いよいよ逃げられないようです。
「ね、いいわよね?」
ことわれば、悲惨な最期が待っています。わたしはただ、首をかくかくと縦に振ることしかできませんでした。
O)))
「ほわぁ……」
変な声が、口と鼻から半分ずつもれてきました。前を行く幽香さんが、顔だけ振り返ります。
「お気に召さなかったかしら、冬の花畑は」
「いいえ、とんでもない!」
わたしは首を、ぶっちぎれてしまいそうなほど勢いよく横に振りました。
「逆ですよ! 冬のお花畑がこんなにもステキだなんて、ぜんぜん知りませんでした!」
あら、と幽香さんはほほえみました。
べつに幽香さんをよろこばせるために口から出まかせを言ったわけではなくて、あ、いえ、もちろん幽香さんがご機嫌でいてくれれば安心ですし、美人さんの笑った顔が見られるのはうれしいのですが、本当に心からステキだと思ったから、そう言ったのです。これまでの思いこみとあまりにもちがっていたので、つい変な声が出てしまったというわけです。
冬のお花畑は、これまで見たことがありませんでした。それなりにお花は咲いているんだろうなとは思っていましたが、どうせ地味なお花ばかりがまばらに咲いている程度で、あまりきれいなものではないだろうと高をくくっていたのです。だったら、わざわざ幽香さんとはち合わせる危険をおかしてまで、クソ寒い中を見にいくほどのものではないと、秋や冬のお花畑には近寄らないようにしていました。
ところがどっこい、なんのなんの。わたしの目の前には、鼻水が噴き出てしまいそうなほど色あざやかな花たちが、ところせましと咲いているではありませんか。春や夏とくらべたら多少はおとりますが、楽しむには充分。ああ、これまでわたしは、なんてもったいないことをしてきたんでしょう。冬を無駄に寝てすごして、こんなにキレイな景色を見のがしていたなんて。
これを見れば、寒さなんて吹き飛んでしまいそうです。……いや、やっぱり寒いですけど、でも、ユウウツな気分はすっかり吹き飛んでしまいました。
もう、いてもたってもいられません。お花たちが手まねきして待っている地面にむかって、全速力で飛んでいきました。
「これ! この子! すごくかわいいです、気に入りました!」
「そう、それはよかったわ」
「なんていう名前なんですか!」
「ストック、というのよ」
幽香さんもゆっくりと追いついてきて、楽しそうに教えてくれました。
「へぇーっ! じゃあ、じゃあ、この子はなんていうんですか?」
「スノードロップ。こう見えて、意外と芯の強い子なの」
「この子は?」
「クリスマスローズ。といっても、冬の終わり頃までは花を見せてくれるわ」
「あ、この子は見たことがあります!」
「ジャノメエリカね。賑やかな感じがして、楽しい子でしょ」
「うわーっ! うわーっ! すごい、すごいです!」
ちょっとはしゃぎすぎて、ほんとうに鼻水が出てきました。ずびび。
わたしの知らなかった世界。こんなステキな場所を作って、教えてくれた幽香さんには、感謝感激雨アラレです。すこしだけ、冬も好きになれるかも。
幽香さんは、わたしの肩に手を置いていいました。
「気に入ってくれたみたいね」
「もちろんですよ!」
「嬉しいわ。冬のここを好きになってくれたのが、特に」
はて。わたしは首をひねりました。
「幽香さんて、夏が好きなんじゃないんですか?」
四季のフラワーマスターとよばれ、どんな草花もわが子のように愛している幽香さんですが、中でもトレードマークとなっているのは、ひまわりです。ひまわりといえば夏の花。ということで、いちばん好きなのは夏だとばかり思っていました。でなければ、いちばんお花の多い春か。どちらにしても、冬をひいきするのは意外です。
そうねえ、と幽香さんはくちびるに指先をそえました。
「向日葵の咲く夏は、もちろん好きよ」
「?」
「桜の咲く春も好き。秋の竜胆も、冬の水仙も、みんなみんな、比べられないくらい好き」
「あ……」
「だから、夏『が』好き、というのは正確ではないわね」
「……はい!」
なんということでしょう。やっぱり幽香さんの愛情は、わたしのあさはかな考えなど遠くおよばないほどに、広くて深いのです。どうりで、どのお花も元気いっぱい楽しそうに咲いているはずですね。幽香さんは、お花たちみんなのお母さんなのですから。
「でも、だったらどうして、冬のお花畑を気に入ってもらえることが特にうれしいんですか?」
ふとギモンに思ったことをたずねてみると、幽香さんはすこしうつむいて、指先で前髪をさわりました。あれ、ちょっと悲しそう。わたし、なにかいけないことを言ってしまったでしょうか。あばばばば。
「冬は本当に、見に来てくれるひとがいないから。みんな寂しがっているのよ」
「……そう、ですか」
「春や夏には、メディスンとかリグルとか、たまに来るんだけどね。冬はちっとも顔を見せやしない」
「あー、あのひとたちも、冬そのものが苦手そうですからね。冬眠してるんじゃないですか」
「どうだか。冬でも来る奴といったら、閻魔くらい」
「閻魔……ああ、えーと、四季映姫ヤマニンザナドゥさん、でしたっけ」
「そう、ヤマニンザナドゥ。花も見ずに説教ばかりだから、来られても迷惑なのよね」
幽香さんは口のはしを持ちあげて、いたずらっぽく笑いました。なんでしょう、なんだかよくわかりませんが、からかわれているような気分です。まあ、それはどうでもいいんですけどね。幽香さんが上機嫌でいてくれるのなら。
「そういうわけだから、今日は隅から隅まで見ていってね」
また、手をにぎられてしまいました。って、一日で見てまわれる広さじゃないですよ、このお花畑は。どうやら最低でも日が暮れるまでは、解放してくれないようです。
まあ、いいんですけどね。幽香さんが上機嫌でいてくれるのなら。
O)))
いやぁ、ほんとうにもう、すごいとしか言いようがありません。
お花畑に咲いたお花たちをかたっぱしから見てまわって、幽香さんとお花のことをたくさんお話して、気がつけばもう夕方です。
あっというまに一日が過ぎてしまったみたいで、びっくりしました。でも、胸はものすごく満たされていて、ほんとうにしあわせな気分です。楽しさで時間をわすれるというのは、こういうことなのですね。お花畑も、幽香さんも、どうしようもないくらいステキです。
決めました。わたし、これから毎日ここにきます。
一日かけても、やっぱり見てまわれたのはお花畑のほんの一部だけです。明日はどのへんを見にいこうか、と考えていると、妙なものが目に入ってきました。
お花畑の一角に、枯れたお花が山積みされています。
ふしぎに思いながら、なんとなく近寄っていきました。だって、幽香さんのお花畑では、枯れた草花も引き抜かれることはないのです。見栄えがわるいからといって捨てられることはなく、自然の力で土へと還っていく。あるいは、動物に食べられる。それが、幽香さんの方針です。
だからこれは、幽香さんが引き抜いて、積んでおいたものではない。だとしたら、なんなんでしょうか。
わたしは、枯れ花の山のそばに立って、てっぺんを見上げました。
それは――すべて、おなじ種類のお花でした。
「向日葵の墓よ」
横に立った幽香さんが、ひらべったい声で言いました。
「どうして、ひまわりだけがこんなに……?」
「引き取ったのよ、外の世界から」
幽香さんは、やっぱりひらべったい声で話してくれました。
「外の世界では、有害な物質で土壌がひどく汚染されてしまったの。それで、向日葵にその有害物質を取り除く働きがあると期待されて、たくさん植えられたわ。でも、実際にはあまり効果がなかった。それどころか、汚染された土壌で育った向日葵たちは自身も汚染されてしまった。処分に困る厄介者として行き場のなかったこの子たちを、どうしても放っておけなくて。一部だけ引き取ってきたのよ」
夕日にてらされて、ひまわりの亡骸たちが、赤く低く光っています。それを見ていると、のどがきゅっとしまって、こぶしが、ふるえてきました。
「あんまりです……」
しぼりだした声は、みっともないくらいにつぶれていました。
「あんまりですよ、それって……」
幽香さんは、かぶりを振りました。
「この子たちに希望を託して植えた人間たちを、責めることはできない。彼らも藁に縋らずにはいられなかったんだから」
「でも、でも……」
この子たちは、どうすれば報われるんですか。
わたしはどうすれば、この子たちを慰めることができるんですか。
声はぜんぶ鼻の奥でひっかかって、かわりに涙があふれてきました。やるせなくて、もどかしくて、くやしくて。なにをどうすればいいのかわからなくて、ただただ涙が止まりませんでした。
「うぅ、ひぐっ……」
幽香さんは赤い瞳で、泣きじゃくるわたしを見つめました。赤い夕日に照らされて、ますます赤く、あたたかいまなざしで見守ってくれました。
「優しい子ね、あなた」
すっと伸びてきた腕に、わたしは抱きしめられました。つよく、けれどもやわらかく。
幽香さんの腕は、どんなものからもわたしを守ってくれるようでした。幽香さんの胸は、わたしをぜんぶ包みこんでくれるようでした。いろいろな気持ちがぐちゃぐちゃになってわけがわからなくなり、わたしはまるで赤ん坊のように幽香さんの胸にしがみついて、顔をうずめて、このあたたかさが、このやわらかさが、おっぱいが、
おっぱいが、
おっぱい、
おっぱい、
おっぱい、
おっぱい、
おっぱい、
おっぱい、
おっぱい、
おっぱい、
おっぱい、
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱいい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱいい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! うひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱお! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! わたしの顔面に理想郷がああああああああああああああああああああ! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! p@@あお! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おぱい! おっぱい! おっぱい! Hail! Hail! Hail and Oppai! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい!おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! ああもう辛抱たまらん服も下着もひんむいて直でなめまわしたいレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロおっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァええのんか、ここがええのんかもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみおっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! ウッ おっぱい! おっぱいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!
「で?」
幽香さんは聖母のようなほほえみをたたえて、わたしにたずねました。
「あなた、何をしているのかしら?」
「幽香さんのおっぱいを揉んでいます」
即答して、それから、血の気が引きました。
ああ、なんというか、やっちまいましたね。やっちまった感が満載ですね。幽香さんの白い拳は固く握られ、青筋が美しい模様となって浮き出ています。
ほほえみの向こう側には、『死』の一文字がはっきりと見えています。うん、もう駄目ですね、これ。
どうやらこの冬は『一回休み』で終わってしまうことになりそうです。やっぱり、くそったれな一年でしたね。せめて、春までには復活できるでしょうか。できるといいですね。それではみなさん、春にはまた会えることを信じて、しばしのお別r
O)))))))))
寒いです。
冬です。
ちくしょうめ。
ども、春告精リリーホワイトです。
O)))
……はぁ。
いや、ね。そりゃ、ため息のひとつもつきたくなりますよ。寒くて冷たいばっかりで、楽しいことなんてありゃしない。冬なんて大嫌いです。
やはり、いちばんすばらしいのは春です。動物たちはあたたかい陽射しを体いっぱいに受けて、色とりどりの花たちがあちらこちらで咲きみだれて、まるで風と光が命の歌を口ずさんでいるみたい。
そんなステキな季節に、わたしは力いっぱいお仕事をします。春告精ですからね。声がかれるまで春のおとずれを伝えてまわり、ときには興奮しすぎて弾幕ごっこがはじまり、春が終わるころにはぼろぼろのへろへろになっています。
次に良いのが、夏。大好きなユリの花をながめて、のんびりと過ごします。春にがんばった自分へのごほうび? というやつです。
秋になったら、つまらなくて寝てしまいます。
冬はふて寝して過ごします。
これがいつもの一年です。まあ、今年はちがいましたけどね。春先にちょっとした惨劇があって『一回休み』になってしまったのです。ようやく復活したときにはとっくに春は終わって、すっかり夏になっていました。なので、ほとんどお仕事ができませんでした。
お仕事をやりきったという充実感がなければユリの花を見ても味気なく、秋はますますつまらなくて、気がつけばもう冬です。ほんとうに馬鹿らしくて阿呆らしくて、くそったれな一年でした。
せめて次の春には元気いっぱいでお仕事ができるように、もう寝てしまいましょう。なにかしようにも、春告精が冬になにをできるわけでもなし。気持ちの切りかえが肝心です。
「ぶふっ」
いろいろ考えながら飛んでいたら、いきなりなにかに顔面からぶつかってしまいました。ですが、ちっとも痛くありません。ぶつかったものが、とてもやわらかかったからです。
なんでしょうか、これ。顔を押しつけたままで首をかしげました。やわらかくて、あたたかくて、まるくて、横にふたつ並んで――おっぱい?
……
……
……
……
……おっぱい。
おっぱい。
おっぱい。
おっぱい。
おっぱい?
おっぱい。
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱいい! おっぱい! おっぱい! おっぱい1 おっぱい! おっぱい! おっぱい! ふおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! おっぱい! おっっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! ああこの弾力! このボリューム! 圧殺級の重量感がわたしの顔を包み込むうううううううううううううううう! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっっぱい! しかもしかもなんですかこの形状! ツンと上向きでもう最高ブラヴォおおおおおおおおおおおおおおおおおお! ブラヴォー! ハラショー! マンマミーア! おっぱい! おっぴい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! ベネ! ベネ! ディモールト・ベネ! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! なんていうかもう、ごちそうさまです! おっぱい!
……ふぅ。
すこし取り乱してしまいましたね。まずは、ぶつかったひとに謝らないといけません。
「ごめんなさい、よそ見をしていたですよー」
まあ、そう言っているあいだも、わたしの目はおっぱいに釘づけなんですけどね。もういちどおっぱいに飛び込みたい気持ちをなんとかおさえて、相手から体を引きはなしました。
それにしても、すばらしいおっぱいです。こんな芸術品の持ち主はいったいだれでしょうか。白いブラウスの胸元は豊かにふくらんで黄色のスカーフを押しあげ、赤いベストのチェック柄も立体的な曲線をえがいています。おなじく赤いチェックのロングスカートは清楚な中にも魅惑的に風と踊り、ウェーブのかかった緑の髪がまた艶かしくて――あれ、わたし、見おぼえがありますね、このひと。
「お久しぶりね、白百合さん」
穏やかにほほえむそのひとは、そう、見まちがえるはずがありません。
花の大妖怪、風見幽香さんです。
「あひぃ」
とっさに逃げだそうとしましたが、すばやく首根っこをつかまれてしまいました。
ああ、絶体絶命。わたしはこのまま、羽をむしられて、皮をはがれて、頸椎を握りつぶされて、燃えるゴミのように殴り飛ばされるのです。
「ごめんなさいごめんなさい助けて助けて助けて助けて」
「ちょ、ちょっと、落ち着きなさい」
「どうかお慈悲をおぉぉ」
「落ち着きなさいって」
これが落ち着いていられる状況なものですか。
幽香さんといえば、妖怪だろうが人間だろうがみんな平等にいじめてまわるという、残忍妖怪の代名詞。しかも、かの厳武さんを右ストレート一発で沈めたとまでいわれる拳の破壊力は、わたしも身をもって知っています。その射程内にしっかりととらえられているというのに、落ち着けるわけがないでしょう。
「へるぷみいぃぃい」
それはもう、夢中でもがきました。手足をでたらめにばたつかせて、羽もばたつかせて、もがいてもがいてもがいて、そのうち疲れで体が動かなくなってきました。
とうとうわたしは、全身の力をだらりと抜いて、あばれるのをやめました。落ち着いたから、ではなく、あきらめたのです。よくよく考えてみれば、妖精がどれだけ抵抗したところで、どうにかなる相手ではありませんでした。ほら、わたしがこんなに疲れきっているのに、幽香さんの手の力はすこしも弱まっていません。この大妖怪から逃げようなどと、考えるだけ無駄なのです。
ならばせめて、すこしでも楽に逝きたい。
「ひとおもいにやってください。右で」
「何を言ってるの」
「じゃあ、左ですか」
「違うってば」
「も、もしかして、りょうほうですかぁ」
「話を聞きなさい」
ずびし、と幽香さんのチョップが頭に降ってきました。
「うああ、いた……くない?」
あれ、と思いながら頭に手をやってみました。頭蓋骨が割れていない、どころか、まったく痛くありません。どういうことでしょうか。見ると、幽香さんはあきれたような顔で、ため息をついています。
「何を勘違いしてるのよ。私だって、たいした理由もなく誰かを殴ったりはしないわ」
幽香さんはわたしの首根っこをつかまえていた手をはなして、「でしょ?」と笑いかけてきました。
「……そのとおりです」
こう答えるしかありません。もし反論でもしようものなら、そのときは悲惨な最期がおとずれるでしょう。
しかし、どこからが『たいした理由』になるのか、そこが問題です。それがわからないと、どこまでが安全なのかわかりませんからね。どうやら、事故でおっぱいにぶつかるのはセーフのようです。では、そのままもがくふりをして、さりげなくおっぱいにほおずりするのはどうでしょうか。ちょっと当たったふりで、指先でおっぱいをつつくのは? あるいは開きなおって、両手で力いっぱい揉みしだいたら?
……馬鹿な考えはやめておきましょう。
いま怒っていないのなら、それでいいのです。幽香さんの気が変わらないうちに、さっさとずらかることにしましょう。
「それでは、わたしはこれで――」
「あ、そうだ」
ひぃ、なんですかなんですか。まだなにか用事があるんですか。聞こえなかったふりをしてこのまま飛び去ってしまおうかとも、すこしだけ思いましたが、それはさすがにキケンすぎます。とにかく怒らせないこと。胃がいたくなりそうですが、ここは安全策でいきます。
「な、なんでしょうか」
「せっかく久しぶりに会ったんだから」
幽香さんは東のほうを指さしました。お花畑がある方向です。
「見ていきなさいな」
有無を言わさぬ笑顔で、しっかりと手をにぎられてしまいました。あ、ものすごくあたたかい。……じゃなくて、いよいよ逃げられないようです。
「ね、いいわよね?」
ことわれば、悲惨な最期が待っています。わたしはただ、首をかくかくと縦に振ることしかできませんでした。
O)))
「ほわぁ……」
変な声が、口と鼻から半分ずつもれてきました。前を行く幽香さんが、顔だけ振り返ります。
「お気に召さなかったかしら、冬の花畑は」
「いいえ、とんでもない!」
わたしは首を、ぶっちぎれてしまいそうなほど勢いよく横に振りました。
「逆ですよ! 冬のお花畑がこんなにもステキだなんて、ぜんぜん知りませんでした!」
あら、と幽香さんはほほえみました。
べつに幽香さんをよろこばせるために口から出まかせを言ったわけではなくて、あ、いえ、もちろん幽香さんがご機嫌でいてくれれば安心ですし、美人さんの笑った顔が見られるのはうれしいのですが、本当に心からステキだと思ったから、そう言ったのです。これまでの思いこみとあまりにもちがっていたので、つい変な声が出てしまったというわけです。
冬のお花畑は、これまで見たことがありませんでした。それなりにお花は咲いているんだろうなとは思っていましたが、どうせ地味なお花ばかりがまばらに咲いている程度で、あまりきれいなものではないだろうと高をくくっていたのです。だったら、わざわざ幽香さんとはち合わせる危険をおかしてまで、クソ寒い中を見にいくほどのものではないと、秋や冬のお花畑には近寄らないようにしていました。
ところがどっこい、なんのなんの。わたしの目の前には、鼻水が噴き出てしまいそうなほど色あざやかな花たちが、ところせましと咲いているではありませんか。春や夏とくらべたら多少はおとりますが、楽しむには充分。ああ、これまでわたしは、なんてもったいないことをしてきたんでしょう。冬を無駄に寝てすごして、こんなにキレイな景色を見のがしていたなんて。
これを見れば、寒さなんて吹き飛んでしまいそうです。……いや、やっぱり寒いですけど、でも、ユウウツな気分はすっかり吹き飛んでしまいました。
もう、いてもたってもいられません。お花たちが手まねきして待っている地面にむかって、全速力で飛んでいきました。
「これ! この子! すごくかわいいです、気に入りました!」
「そう、それはよかったわ」
「なんていう名前なんですか!」
「ストック、というのよ」
幽香さんもゆっくりと追いついてきて、楽しそうに教えてくれました。
「へぇーっ! じゃあ、じゃあ、この子はなんていうんですか?」
「スノードロップ。こう見えて、意外と芯の強い子なの」
「この子は?」
「クリスマスローズ。といっても、冬の終わり頃までは花を見せてくれるわ」
「あ、この子は見たことがあります!」
「ジャノメエリカね。賑やかな感じがして、楽しい子でしょ」
「うわーっ! うわーっ! すごい、すごいです!」
ちょっとはしゃぎすぎて、ほんとうに鼻水が出てきました。ずびび。
わたしの知らなかった世界。こんなステキな場所を作って、教えてくれた幽香さんには、感謝感激雨アラレです。すこしだけ、冬も好きになれるかも。
幽香さんは、わたしの肩に手を置いていいました。
「気に入ってくれたみたいね」
「もちろんですよ!」
「嬉しいわ。冬のここを好きになってくれたのが、特に」
はて。わたしは首をひねりました。
「幽香さんて、夏が好きなんじゃないんですか?」
四季のフラワーマスターとよばれ、どんな草花もわが子のように愛している幽香さんですが、中でもトレードマークとなっているのは、ひまわりです。ひまわりといえば夏の花。ということで、いちばん好きなのは夏だとばかり思っていました。でなければ、いちばんお花の多い春か。どちらにしても、冬をひいきするのは意外です。
そうねえ、と幽香さんはくちびるに指先をそえました。
「向日葵の咲く夏は、もちろん好きよ」
「?」
「桜の咲く春も好き。秋の竜胆も、冬の水仙も、みんなみんな、比べられないくらい好き」
「あ……」
「だから、夏『が』好き、というのは正確ではないわね」
「……はい!」
なんということでしょう。やっぱり幽香さんの愛情は、わたしのあさはかな考えなど遠くおよばないほどに、広くて深いのです。どうりで、どのお花も元気いっぱい楽しそうに咲いているはずですね。幽香さんは、お花たちみんなのお母さんなのですから。
「でも、だったらどうして、冬のお花畑を気に入ってもらえることが特にうれしいんですか?」
ふとギモンに思ったことをたずねてみると、幽香さんはすこしうつむいて、指先で前髪をさわりました。あれ、ちょっと悲しそう。わたし、なにかいけないことを言ってしまったでしょうか。あばばばば。
「冬は本当に、見に来てくれるひとがいないから。みんな寂しがっているのよ」
「……そう、ですか」
「春や夏には、メディスンとかリグルとか、たまに来るんだけどね。冬はちっとも顔を見せやしない」
「あー、あのひとたちも、冬そのものが苦手そうですからね。冬眠してるんじゃないですか」
「どうだか。冬でも来る奴といったら、閻魔くらい」
「閻魔……ああ、えーと、四季映姫ヤマニンザナドゥさん、でしたっけ」
「そう、ヤマニンザナドゥ。花も見ずに説教ばかりだから、来られても迷惑なのよね」
幽香さんは口のはしを持ちあげて、いたずらっぽく笑いました。なんでしょう、なんだかよくわかりませんが、からかわれているような気分です。まあ、それはどうでもいいんですけどね。幽香さんが上機嫌でいてくれるのなら。
「そういうわけだから、今日は隅から隅まで見ていってね」
また、手をにぎられてしまいました。って、一日で見てまわれる広さじゃないですよ、このお花畑は。どうやら最低でも日が暮れるまでは、解放してくれないようです。
まあ、いいんですけどね。幽香さんが上機嫌でいてくれるのなら。
O)))
いやぁ、ほんとうにもう、すごいとしか言いようがありません。
お花畑に咲いたお花たちをかたっぱしから見てまわって、幽香さんとお花のことをたくさんお話して、気がつけばもう夕方です。
あっというまに一日が過ぎてしまったみたいで、びっくりしました。でも、胸はものすごく満たされていて、ほんとうにしあわせな気分です。楽しさで時間をわすれるというのは、こういうことなのですね。お花畑も、幽香さんも、どうしようもないくらいステキです。
決めました。わたし、これから毎日ここにきます。
一日かけても、やっぱり見てまわれたのはお花畑のほんの一部だけです。明日はどのへんを見にいこうか、と考えていると、妙なものが目に入ってきました。
お花畑の一角に、枯れたお花が山積みされています。
ふしぎに思いながら、なんとなく近寄っていきました。だって、幽香さんのお花畑では、枯れた草花も引き抜かれることはないのです。見栄えがわるいからといって捨てられることはなく、自然の力で土へと還っていく。あるいは、動物に食べられる。それが、幽香さんの方針です。
だからこれは、幽香さんが引き抜いて、積んでおいたものではない。だとしたら、なんなんでしょうか。
わたしは、枯れ花の山のそばに立って、てっぺんを見上げました。
それは――すべて、おなじ種類のお花でした。
「向日葵の墓よ」
横に立った幽香さんが、ひらべったい声で言いました。
「どうして、ひまわりだけがこんなに……?」
「引き取ったのよ、外の世界から」
幽香さんは、やっぱりひらべったい声で話してくれました。
「外の世界では、有害な物質で土壌がひどく汚染されてしまったの。それで、向日葵にその有害物質を取り除く働きがあると期待されて、たくさん植えられたわ。でも、実際にはあまり効果がなかった。それどころか、汚染された土壌で育った向日葵たちは自身も汚染されてしまった。処分に困る厄介者として行き場のなかったこの子たちを、どうしても放っておけなくて。一部だけ引き取ってきたのよ」
夕日にてらされて、ひまわりの亡骸たちが、赤く低く光っています。それを見ていると、のどがきゅっとしまって、こぶしが、ふるえてきました。
「あんまりです……」
しぼりだした声は、みっともないくらいにつぶれていました。
「あんまりですよ、それって……」
幽香さんは、かぶりを振りました。
「この子たちに希望を託して植えた人間たちを、責めることはできない。彼らも藁に縋らずにはいられなかったんだから」
「でも、でも……」
この子たちは、どうすれば報われるんですか。
わたしはどうすれば、この子たちを慰めることができるんですか。
声はぜんぶ鼻の奥でひっかかって、かわりに涙があふれてきました。やるせなくて、もどかしくて、くやしくて。なにをどうすればいいのかわからなくて、ただただ涙が止まりませんでした。
「うぅ、ひぐっ……」
幽香さんは赤い瞳で、泣きじゃくるわたしを見つめました。赤い夕日に照らされて、ますます赤く、あたたかいまなざしで見守ってくれました。
「優しい子ね、あなた」
すっと伸びてきた腕に、わたしは抱きしめられました。つよく、けれどもやわらかく。
幽香さんの腕は、どんなものからもわたしを守ってくれるようでした。幽香さんの胸は、わたしをぜんぶ包みこんでくれるようでした。いろいろな気持ちがぐちゃぐちゃになってわけがわからなくなり、わたしはまるで赤ん坊のように幽香さんの胸にしがみついて、顔をうずめて、このあたたかさが、このやわらかさが、おっぱいが、
おっぱいが、
おっぱい、
おっぱい、
おっぱい、
おっぱい、
おっぱい、
おっぱい、
おっぱい、
おっぱい、
おっぱい、
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい!
おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱいい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱいい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! うひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱお! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! わたしの顔面に理想郷がああああああああああああああああああああ! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! p@@あお! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おぱい! おっぱい! おっぱい! Hail! Hail! Hail and Oppai! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい!おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! ああもう辛抱たまらん服も下着もひんむいて直でなめまわしたいレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロおっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァええのんか、ここがええのんかもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみおっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! ウッ おっぱい! おっぱいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!
「で?」
幽香さんは聖母のようなほほえみをたたえて、わたしにたずねました。
「あなた、何をしているのかしら?」
「幽香さんのおっぱいを揉んでいます」
即答して、それから、血の気が引きました。
ああ、なんというか、やっちまいましたね。やっちまった感が満載ですね。幽香さんの白い拳は固く握られ、青筋が美しい模様となって浮き出ています。
ほほえみの向こう側には、『死』の一文字がはっきりと見えています。うん、もう駄目ですね、これ。
どうやらこの冬は『一回休み』で終わってしまうことになりそうです。やっぱり、くそったれな一年でしたね。せめて、春までには復活できるでしょうか。できるといいですね。それではみなさん、春にはまた会えることを信じて、しばしのお別r
おっぱいは最高だぜ!
…おっぱい!!
ドゴォ
でもおっぱいならしょうがないよね!
でもおっぱいならしかなたい
ゆうかりんのおっぱいならしかなたい
おっきい
おっぱい
いっぱい
ヒマワリにセシウム除去効果なしだったんだ…。もう震災から一年が経とうとしてるのねェ。
おっぱいXD
でもゆうかりんのおっぱいじゃあ仕方ないね。