カグヤを殺す。
それが契約だった。
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上から下へ流れる空気に音はない。
雪白の壁に二重の扉は無菌を保つ製剤室。
囲う結界はフィルタの役割を果たす。
男が一人、子供が数人、椅子にも座らず立っている。
短い白衣とスラックス、腕に手袋、口にはマスク。
埃の舞すら認めぬ部屋で、淡い光が生まれて消えた。
オトギリソウの葉を潰し、蒸留水で共沸騰。
抽出液を二層に分離、油層を取り出し蒸発乾固。
魔力を通して仕上げとする。
「えーりんすごいなぁ」
「天才だね―」
「当然よ」
お前たちとは覚悟が違う。
「エイリン、よくできましたね」
「は、はい!」
師に褒められて、思わず声が上ずった。
師が笑うと胡散臭いマッサージ師のように見える。そのせいだ。
慌てて視線を手元に戻す。
粉末を生理食塩水に混和すると、粉はすぐに溶けて見えなくなった。
\\\
気分が沈む。
どうしても私が姫になってほしくない輩。
私に取り入って地位を得ようとする輩。
月の穢れはどうにもならないのか。
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今日からカグヤ様の治療に。
師がそう仰られた。
渡る廊下は中庭貫き、向かう先には離れがある。
城塞の如きこの屋敷でも、その最奥は自分にとっての未踏の地。
響くは一つ足音と、どこからともなく風鈴の音。
緊張感は久々のもの。
と、いいところに井戸があったので顔を洗っていくことにする。
やはり第一印象はいいものにしたい。
からから回り、滑車が桶を引き上げる。
自家製の石鹸を軽く浸すと、誰何の声が耳に届く。
「私の井戸で――あなた何?」
「何とは何よ。私は薬師、月で一番のね」
相手はやや間を空けて、答えた。
「あら。ちなみに私は姫だから、月の民すべての一番よ」
立ち上がっては廊下を向き、声の主を半眼で見る。
淡い桃色で上下を揃え、肩にかかるは素直な黒髪。
背丈はさほど高くなく、太らず痩せず、日焼けもない。
「頭の悪さ一番なのはわかったから、もうちょっとマシな嘘をついたらどう?」
「貴方こそ、そのツギハギの服をどうにかしてから出直しなさい」
蹴り飛ばされた桶が転がり、水が飛び散る。気にしない。
「意味もなく着ているのではない。訂正なさい」
「迷子になっても目立つように、ね」
握り潰した石鹸が、指の合間からはみ出てくる。構わない。
「わかった。誰だろうと関係ない、今ここで――」
「待ちなさい」
よく通る声に遮られた。振り返らずとも誰かわかる。師だ。
後頭部から抑えられ、無理やり礼をさせられる。
「姫様、申し訳ありません。監督不行き届きのお咎めは私が受けますゆえ、
此度の無礼、何卒この者にはご容赦の程を」
「師様、先に無礼を行ったのはあちらで――」
「黙りなさい」
唇を噛む。
「頭を下げなくてもいいわ。その子の言う通り私がからかったのだし」
「は、寛大な御心遣い、かたじけなく存じます。
それでは、また日を改めてお詫びに伺いますので、今日はこれにて」
「懲りずに来てね~」
顔を上げれば、あいつは目を細めて手まで振っていた。
舌を出してやろうとして、さすがに思いとどまった。
廊下を通り屋敷に戻る。師も私も無言であった。
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今日は新しい薬師が来た。
大人びていたけど、私より年下に見えた。
喧嘩を売られたのは初めてだけど、どうしてなかなか楽しかった。
また来るかしら。
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謝罪と言えど、日を改めても心は同じ。口を結んで相手を睨む。
投げた視線は軽い笑顔で流された。
「いらっしゃい。貴方のこと調べてみたわ」
「そう。私はお前に興味はないわ」
「医者じゃないものね」
「……悪かったわね」
「あらあら、もしかして拗ねてるの?」
「そんなことないわよ」
ふん、と明後日の方を向く。足音が寄ってくる。
「いい匂いね」
「な……と、当然よ」
不意打ちだった。真顔でのたまわれた。
顔が熱いのは、ちょっと緊張しているせいだ、きっと。
「そのセッケンかしら?」
「そうよ。薬を扱うものは常に清潔を心掛けねばならないの」
「ふぅん。私にも少し御寄越しなさい」
「む……」
薬以外を乞われるのは初めてだ。
渋る理由は何処にもないが、どう返せばよいかが分からない。
素直に渡すのも気がひける。
「師匠とやらに言いつけるわよ」
「仕方ないわねー、貴重なんだから大切にしなさい」
「わ、ありがとう」
そういってにっこりする様は、幼く。
つられて頬が緩むのを感じ、慌てて顔を背ける。
まぁ患者との意思疎通は大事だし、今日のところは良しとする。
\\\
世話係の者に、もう香は炊かずとも良いと伝えた。
びっくりしながらも、納得していた。
その後やってきた医師、あの子にとっての師匠とやらも驚いていた。
もう大丈夫ですね、だって。何が大丈夫なのかしら。
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大気中の水分は滴という点として現れ、
文字通りの雲の高さより白い線を引き地へ至り、
この庭に溜まり土へ染みこみ湿りと潤いをもたらす。
風に流され気ままにうつろい、されど辿るは集う道。
軽重さまざまに屋根を打ち、軒から落ちては拍子を刻む。
低く響いて高く鳴り、静かに奏でる流転の調べ。
私は正座、隣のカグヤは足を伸ばし、茶を啜りながら
いくつもの波紋が現れては消える様を眺めていた。
「雨はどうして降るのかしら」
「ふむ」
跳ねた飛沫を目で追いながら、開いた口が答えていた。
「何かを探しているうちに上へ上へと登っていたとする」
「うん」
「けれど辿り着いた頂には、期待したようなものは何もなかった」
「それで諦めて月面に戻ってきた、と?」
「そう。だから冷えきっている」
空は灰色一色だ。
「私はね、嫌々ながら空へ行ったんじゃないかと思うのよね」
「嫌々?」
「そ、だって例えばよ、全部の水が川で流れてたい!
って川に居座ってたら溢れちゃうじゃない。他のところは干からびるし」
「それはそうね」
「誰かが空へ行かなきゃいけないのよ。
でもやっぱり力尽きていつか落ちてくる」
「ただ私なら、川を流れ海に溜まるよりは空に憧れるかしら」
「そうねー、月面にいたらそう見えるのよ。
でも空の寂しさは空に行かないとわからないのね」
「空の寂しさ、ねぇ」
「と思ってたけど、そうでもないのかもね」
「え?」
「空で仲間と会って、雫になって戻ってくるのかもしれない」
横目でカグヤを盗み見る。
まっすぐな視線の先は庭の端より遠くへ伸びていた。
「そういえば、あの星、地球ではもっと雨が降るって本当なの?」
「あそこは水の量が違うので、そうだろうとは言われている」
「ちょっと行ってみない?」
「そんな散歩行くみたいに言われても」
カグヤは、ちぇーなどとぼやいて万歳するように両手をあげると
ぱたりと上半身を後ろへ倒し、寝転がる。ごろごろしている。
「初デート計画しっぱい」
飲みかけた茶を吹き出しそうになった。
さして残念そうでもないあたり言ってみただけなのだろう。
私も誘われたのは初めてだとは、言わなかった。
\\\
雨が降った。
だからどう、ということはないんだけど。
今日が雨でよかった、そんな一日だった。
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いつもの学び舎。だが空気が違う。
私を見て、息を潜めたのが伝わってくる。
「エイリンだ」
「あっちいこう」
ぼそぼそ交わされる遣り取りは、聞こえていない振りをする。
つまらない噂が広がっていた。
姫様をたぶらかそうとしている、だそうだ。
元より仲の良いものなどいない。
賞賛が非難に変わったところで支障はない。
それでも気分が晴れないのは未熟ゆえだ。
気が乗らずとも治療の一環、様子は見に行かねばならない。
顔を洗う。
漱いでも擦っても落ちない汚れ。
冷たいだけで、すっきりしない
「顔を洗うのが好きね」
「別に、好きでやっているわけじゃないわ」
気づけば石鹸は豆粒ほどに。
顔を上げれば、カグヤは廊下に腰掛けて、ふらふら足を揺らしていた
「お前は好きで姫をやっているのかしら?」
「貴方は好きで薬を作っているのかしら?」
「……」
「まぁ顔を洗いたくなったら来るといいわ。暇つぶしになるから」
「私は顔を洗いに着てるのではない」
「そうだっけ?」
「お前は生まれたときから姫なのだろうけれど」
「その通り」
「私は薬が作れるから薬師をやっているのではない」
「知ってる」
自分が何を口走ったのかと思ったときには既に遅く、
カグヤはしたり顔で腕を組んでいた。なんだか悔しい。
「貴方がやめたいと思うなら、別にやめても構わないわよ」
「私じゃなきゃ治らないでしょ」
治すものではなく、治るしかないものだから。
ぶっきらぼうに言うと、カグヤは目を丸くする。
わずかに口を開き何か言いかけて、飲み込んだようだった。
そして、じっ、とこちらを見た後、深く頷いた。
居心地が悪いが、不思議とここを去りたいとは思わなかった。
\\\
薬師を悪く言う話をきいた。
私に気に入られたい者達からすれば目障りなのかもしれない。
明日は遠出しようと思う。気分転換になればいいのだけれど。
持っていくおやつは何にしよう。
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いつも屋敷では気も滅入る。たまには外へ、と出かけることになった。
が、選んだ先が悪かった。
森林浴とは名ばかりで、この樹海に日は当たらない
気づいたときには手遅れで、いざ帰ろうにも道がない。
満ちては襲い、引いては攫う。蠢き揺れるは正しく樹の海。
そんな幻視に飲まれぬように、意思を持って歩く。
太陽か星か地球が見えれば方角も掴めるが、木々の葉は厚い。
下手に騒いで陰に潜む生物を刺激するのも避けたい。
地道に行こう。
と、視界の端で白いものが動いた。
「あれは何かしら」
「あら、こんなところで現れるとは、因幡の白兎かしらね」
勿論ただの兎だ。
「イナバというのね。耳を動かしてあれは何をしているの?」
「仲間と話ができるそうな」
カグヤは、へぇ、と目を輝かせて、
「私たちもあの耳つければ話ができるかしら?」
真剣な顔で訊いてくる。
「あんな耳ないわよ」
「ないの? 耳の伸びる薬」
「ない」
「役に立たない薬師ね」
ぎり、と歯が鳴る音がした。
睨むと、カグヤは笑いながら駆け出して――木の根につまづき、
つんのめるようにして、こけた。顔を伏せたまま動かない。
静寂。
木々のざわめきすら止まった。
どう声をかければいいのか。一瞬が何倍にも長く感じられる。
もしやこれが噂に聞く“永遠と須臾を操る”ということなのか。
ぞくりと背筋が粟立つのを感じながら、一歩踏み出そうとして
「ぷっ……あはは」
カグヤの笑い声で静謐は破られた。
何がおかしいのか、立ち上がりもせずじたばたしている。
駆け寄り、膝のあたりが赤くなっているのを見て取る。薬箱を開く。
「擦り剥いてるじゃないですか、もう」
「あら、この場面でお酒とは気が利くじゃない」
「鼻がいいのね、ってそれは消毒用のエタノールよ!」
包帯を取り出そうとした隙に持っていかれた。
アルコールはおよそ70%。平気だろうか。
「え、たのーる?」
「あーあー、はやくこれ飲んで」
「はいはい、いいれすよー、ってすっぱ! なにこれ!」
「胃薬。レモン20個分の酸味でコートしてみました」
「すーはーすーはー」
まったく。
傷口に酒、もといエタノールをぶちまけつつ、私は溜息をついた。
酒か血の匂いに誘われたのか、さっきの兎が寄ってくる。
と、カグヤはエタノールを差し出していた。
「おぅおぅ、お前も飲みたいのね」
「いやいやいやいや」
消毒用すなわち殺菌目的だから、苦しめるだけだって。
こちらの言葉にかまわず兎の鼻にエタノ、もう酒でいいや、酒をひっかけるカグヤ。
兎はびくっとして後ろへ跳びすさると、一目散に駆けて——―よろけて木にぶつかっていた。
カグヤはそれを追いかけ、兎はまた逃げ出す。
結局屋敷に戻れたのは夜中であった。
\\\
明日で治療も終わりらしい。
今日はずいぶん疲れたけれど、
確かにここ数日で随分調子が良くなった。
でも。治療が終わるのはあんまり嬉しくない。
///
「カグヤ。今日はお前を殺しに来たわ」
「あら、それは楽しそうね」
斜陽の射す庭に伸びる影二つ。
そして光が湧き踊る。
先延ばしにしてきたツケか。
先手を打ったのは彼女だった。
3、4、否、5色の光。
速度・量は然程ではないが視認しづらく、
また指向性・規則性を持たないゆえに見切りづらい。
綺麗な見た目に性格の悪さが潜んだ、実に彼女らしい弾幕だ。
銀の髪が舞い、紅い血が滴る。
だが甘い。彼女にとっては戯れなのだろう。
当たれば痛いが、痛いだけだ。
回避は諦めて勝負をつけよう。
円形に展開した弾幕の輪を狭め、囲んでいく。
一度内側に入った相手は中央へ寄るしかなく、逃げ道を失うことになる。
閉じれば円周の数発は当たるが、あえて留める。
弓に矢をつがえる。
これで死ぬならその程度。
とはいえ、きっと手当てしてしまうだろうとも思うが。
手加減も遠慮も削り落とし、ありのままをぶつけなければ意味がない。
およそ逃げ場のない状況で彼女はどう応えるか。
それが見たい。
避けるか、打ち落とすか、相打ちを狙うか、潔く散るか、あるいは命乞いか。
殺意と期待を引き絞り、想いを的に問いを射る。
お前はどういう姫であるのか。
もはや互いの弾幕は眼中になく。
放つ瞬間、彼女と目が合ったのは偶然ではなかろう。
――彼女はわずかに眉尻を下げたように見え――
次の刹那には、矢は手から離れていた。
矢は光陰の如く空を裂き風を鳴らし直線軌道で彼女の右胸に至り、
「――儚き須臾を、飽くなき永遠に」
刺さることなく、止まっていた。
否、受け止められていた。
両手で挟むように矢を受け止めた彼女は、ふっと息を吐くと
そのどこか祈るような格好のままで口を開いた。
「呆けてないで血止めくらいしたら?」
「ん、あぁ、私、薬は効かないのよ」
矢を放つのはタメが大きい分、被弾も多かった。
伝い落ちる緋を、今更隠すこともあるまい。
「そうだったの」
彼女は驚いて、そして首を傾げたあと、頷いた。
その拍子に思い出したように矢が動き出し、
「ふふ、薬が効かない薬師だなんて……そこまで体を張ったネタだったとはね」
「確かに期間限定の永遠ほど笑えないわね」
彼女の胸から、肉が潰れる音と共に血が噴き出した。
互いの足元には、影を覆うほどに涅色が溜まっていく。
「どうして、矢を離したの」
「いつかは届くものだもの」
私は瞬きすら忘れ。彼女はついと空を見上げ。
「私は勝っても負けても……独りに戻るだけだし、ね」
こちらに向き直り、ふわりと微笑んでみせると、後ろへ倒れた。
思考が止まる。
彼女はそういうつもりで、最初から。
私は、どういうつもりで、こんなことを。
誰でも良かったはずだ。
毒ではなく、薬を求める主であれば。
民のことを想える主であれば。
何日も供に過ごしながら。
彼女にこだわる理由などないと。
本当にそう考えていたのか。
目を閉じた彼女に、錠剤を飲ませる。
鼓動が止まり、流れる出る血もまた止まる。
彼女は、息を止めた。
笑い出しそうな声を抑え、静かに叫ぶ。
「さぁ、これでいいかしら?」
そこかしこから人が姿を現す。
あれだけ騒いでも誰も来ない以上、かなりの数が動いているとは思っていた。
予想通り。
「あぁ見事だった。永遠を操るといっても大したことなかったのだな」
この偉そうなのは、どこの貴族だったか。
「そうね。でも仕事は仕事よ」
「わかっている。そうでなくとも其方は優秀な薬師だ。相応の地位を約束する」
一瞬目を閉じ、遠ざけておいた薬箱を拾いに行く。中身は無事だ。
「さて、じゃ景気付けに一本開けるから皆さんこちらへ」
「ほう、準備がいいな」
「ええ。――これで全員かしら」
栓を抜いた瓶を掲げると、密度を薄くした芳香が辺り一帯に拡散する。
それで終わりだった。
「カグヤに飲ませたのは仮死状態にする薬。
で、今のが本命、本当に死ぬ薬ね」
彼らは声も出せずに倒れていく。
苦しまずに逝かせる程度の情けしか、かけられなかった。
自分は毒で死ぬことはない。とはいえ、手元で使うのは浅慮だった。
肺を通して、物質としてよりも呪詛的な側面が染みてくる。
ついこの前まで、死んだっていいと思っていたから。
後先も考えていなかった。
馬鹿は私の方だった。
こんなときになって、ようやく見つけたのに。
気がついたのに。
いい加減、血も足りなくなってきたらしい。
白く薄くなっていく世界の中。
視界が回り、いっぱいに広がった星空、その眩しさに目がくらんで。
私は夜に吸い込まれた。
\\\
見覚えのあるものたちが転がっている。
唐突に目が覚めた。私は、生きている。
そして傍らで動かないものは――
///
声が、彼方から声が聞こえる。
呼ぶ声。
まず目に入ったのは夜闇よりも深い黒髪だった。
そして白い匂い。
力が抜けた。安心、した。
彼女、カグヤ――姫。
胸にはもう矢が刺さっておらず、袈裟懸けに太い包帯が巻かれている。
縫いこまれた印加の蛍光は馴染みの魔法だ。
本当に、外科的な領域に関してはとても敵わない。
私は良い師に付いたと、しみじみ思う。
そして。
\\\
白衣の男を押し退ける。
「ねぇ、ねぇったら!」
「は、ぁ、おはよう」
「あ……そ、それで寝ぼけてるつもりなの?」
「薬が、効かないなら、毒も平気、だと、思ったんで、す、けどね」
「どこが! どこが平気よ、もう……」
傷だらけで、苦しそうに息を吐いて。
それでも笑う真っ青な顔を見てられなくて、彼女の胸に顔をうずめる。
「え……えいりん」
「は、い」
偉そうなこと言いながらちゃんと話は聞いてくれていて。
「えーりん」
「はい」
薬が使えない癖に毒は効かないとか言いながらぼろぼろになって。
「えーりん」
「私は、ここに」
私の気持ちがわかるみたいに。
「えーりん」
「ここに、共におりますよ、姫」
私を、抱きしめてくれる。
「えーりん……!」
それだけ、それだけで――
ともあれ良作でした。今後とも頑張ってください。
師匠にも師匠はいたと、私も思います。
下積みの無い天才って危なっかしいと思います。
少なくとも、永琳の持つ安定感は最初からのものではないはず……
っと、私の私見はさておき、良いお話を読ませていただきました。
穿った見方で申し訳ない。
>Hodumi氏
ありがとうございます、実は『ヤツが来る』の影響をだいぶ受けております。
自分の思う永遠亭を書ければいいなぁと。頑張ります。
>おやつ氏
そうですね、なまじ賢いゆえの尖った脆さというか
失敗や挫折を知らない時代を書きたかったのもあります。
でも良く考えたら月の裏からは地球見えないですね……
>名乗らない氏
はい、師匠も永琳の師を務めるくらいなので曲者だと思います。
信念を持って行動し、必要ならば手段は選ばないような。
ただ、それは読んで下さった方が永琳の師匠を想像したとき
どういう人でどういうことをしそうか、と自由に考えていただければと。
ご意見本当に嬉しいし助かります。
次に活かすことで御礼になるよう努力します。