※二度目に
この作品は、拙作のSS『新世紀フランゲリオン』と『ウルトララン』を読んでいる人向けです。
でも、読んで無くても雰囲気で楽しめるかもしれません。
前後編の後編なので、前編を読んでおくことをお勧めします。
そもそも上記二作品の元ネタ知らない、上記二作品読んでない、前半部読んでない、
そんな人には、何がなんだかわからないと思いますが、そのわけのわからなさを
楽しむのも、また一興かもしれません。
最後に。健康のため、部屋を明るくして、目を悪くしない程度の距離からご覧下さい。
テンコー! テンコー!
R&Wキング「ケヒ、ケヒ~!!」
ウルトララン「ギャアア!!」
フランゲリオン隊は全滅し、ウルトラランは戦意喪失状態。
現場の戦力は、無いに等しい。
残されたウルトラランは、無残にもボコボコにされていた。
ウルトララン「ウ・・・ウ・・・。」
テンコー! テンコー! テンコー!
ウルトララン「アアアアア・・・。」
さらに、活動限界時間が一秒、また一秒と近づいている。
それを過ぎれば、理性がはち切れて、スッパテンコーしてしまうのだ!
倒されるのが先か、スッパテンコーするのが先か。
どちらにしろ、ロクな運命では無い。
他に選択肢は無いのかと、ウルトラランの残された理性が問いかける。
レミリア「ん~、それじゃあ、ちょっと弄って・・・。」
ウルトラランの心の声が聞こえたのか、
レミリアは、ちょこっと運命を操ってみた。
すると、外の様子が変わった。
キラーン!
R&Wキング「ケヒヒ~!」
ウルトララン「!!?」
何とR&Wキングが、お払い棒を包丁に持ち替えたのだ!
キラーン!何て音のする包丁だから、さぞかし切れ味は良いことだろう。
咲夜「あいつは・・・ウルトラランを捌くつもりです!」
レミリア「ええ!?」
運命とは残酷である。
レミリアが軽く運命を弄った結果、ウルトラランは倒される運命の代わりに、
『捌かれて食われる』という運命を背負わされてしまった。
捌かれて食われるかスッパテンコーするか、二つに一つ。
ウルトラランは、己の運命を呪った。
レミリア「美味しいのかな?」
紫「そりゃあ、私が丹精込めて育てた式神だもの。美味しいに決まってるわ。」
咲夜「まぁ、味付けにもよりますけど。それより紫。」
紫「何でしょう?」
咲夜「その丹精込めて育てた式が、非常時でも無いのに食べられようとしてるんだけど。」
紫「大丈夫よ。」
レミリア「今が非常時?」
紫「邪悪に染まった霊夢に、運は味方しないわ。逆に、藍の方に運気が・・・向いてないわね。」
咲夜「じゃあ、誰に運が向いてるって・・・。」
紫「あ。」
紫が、モニターを指した。
R&Wキングの包丁が、高度を上げて行く。
R&Wキングが、包丁をふりかざしたのだ。
R&Wキング「ケエエエエヒイイイイ!」
ウルトララン「!!」
そして雄叫びと共にその包丁を、一気に振り下ろした!
ウルトラランは眼を瞑った!
レミリア「殺られる!」
咲夜「ウルトララン!」
ザシュッ!
R&Wキング「ケヒッ♪」
手応え有り、今日の晩御飯は、狐鍋ね。
何てR&Wキングは思った・・・ような気がする。
早速捌いてしまおうと、包丁を抜いた。
だが・・・・。
R&Wキング「!」
ウルトララン「・・・・・・?」
R&Wキングは、気付いた。
包丁を入れたのは肉(ウルトララン)では無かったことに。
咲夜「木・・・桜だわ。一体何が・・・。」
レミリア「間一髪のところで、あっちの方からピューって飛んできたけど。」
紫「ええと・・・これかしら?」
バタン
パチュリー「ただいま。」
レミリア「あ、パチェ。おかえり。」
騒然とする司令室。
そこに、零号機を脱出してきたパチュリーが、司令室に帰ってきた。
パチュリー「何か騒がしいけど・・・。何か起こったの?」
紫「包丁キラキラで木がぴゅーでドスッよ。」
パチュリー「??」
レミリア「パチェ、こいつは気にしなくていいわ。」
紫「ええ、気にしなくていいわ。・・・あ、見つかったわ。ネジ。」
うい~ん!
うい~ん!
咲夜「今度は警報?」
レミリア「・・・危険度A級。何なの?」
咲夜「反応は・・・桜が飛んできた方向です!」
突然の警報。
咲夜が、発生の原因となる物体をモニターに映し出す。
すると、どうだろう!
幽々子「デュワッ!!」
映っていたのは、西行寺幽々子だった!
ウルトララン「!」
R&Wキング「ケヒャ!?」
二人はびっくりした。
何故なら今の幽々子は、ただの寺幽々子では無いのだ。
レミリア「うわぁ。またおっきいのが。」
紫「こういうこと。はい、ネジ。」
レミリア「ああ、よかった。これで咲夜が治るわ。・・・で、あれは何よ?」
咲夜「そんな・・・・あれは・・・・。」
司令室に居る者もまた、驚いた。
なんと、幽々子もまた、巨大化していたのだ!
聞いて驚くその名は、
咲夜「カリスマセブン!何でこんなところに!」
カリスマセブン!
カリスマ亡霊の名を受けて、命を捨てて戦う少女!
カリスママークは@!カリスマビームは破壊力!
カリスマ扇子は弾幕美!カリスママウスは食通だ!
カリスマの力身につけた正義のヒロイン、それがカリスマセブンである!
レミリア「咲夜・・・。後で国語の勉強でもしましょうね。はい、ネジ。」
咲夜「お嬢様、私が可哀想な人間みたいに言わないでください。まぁ、ネジは頂いておきます。」
紫「それにしても幽々子ったら、こんなに大きくなっちゃって。可愛いわねえ、幽々子は。」
バタン!
妖夢「お邪魔しま~す!ねえ、ここに幽々子さま来なかっ・・・・?」
勢いよく司令室のドアを開けて入ってきた魂魄妖夢は
目の前に映っていた映像を見てしまった。
妖夢「ぶーーーーッ!!?」
紫「あら、分かりやすい反応ね。」
妖夢「な、ななななな何よこれ~~~!!?」
レミリア「まったく。いきなり入ってきて、いきなり大騒ぎして。」
紫「不法侵入よ、妖夢。」
咲夜「あんたもでしょ。」
妖夢「何やってるんですか幽々子さま~~~!!ってああ!こんなところに紫様が!」
レミリア「何か、ずっとこうやって騒いでそうね。」
咲夜「まあ、観客席が盛り上がるのも、また一興と言う事で。」
何かと騒がしい半人半幽を加えて、司令室兼ギャラリーは更なる盛り上がりを見せる。
一方、現場では。
ミスティア「わ~た~し~に~ガッ!さ~れ~な~さ~い~~♪あば~れ~る前~に~♪」
リグル「離せ~~~!何で私を捕まえるのよ~!」
ミスティア「鳥に喰われるのは蟲の宿命なの。」
リグル「食べるな~!」
カリスマセブン「!」
この場で起こっている出来事など眼中に無いのか。
呑気に歌を歌いつつ、リグル・ナイトバグを捕らえたミスティア・ローレライが通りすがる。
その姿を見て、カリスマセブンは目の色を変えた!
パシッ!
ミスティア「たまっしい~のメル~ラ~~~~~・・・・ん?」
リグル「は~な~せ・・・・?」
一瞬の早業。
ミスティアは、あっさりとカリスマセブンに捕らえられた。
当然、リグルも一緒だ。
ミスティア「わ~~~~~~~!!?」
リグル「わ~~~~~~~!!?」
二人はややあってその事実に気付いて驚いたが、時既に遅し。
ぱくっ!
二人は、カリスマセブンに喰われてしまった。
カリスママウスは食通の口なのである。
カリスマセブン「ウマウマ・・・♪」
が、戦況には全く影響無いので、無かったことにしておこう。
カリスマセブン「ヘアッ!」
ジュビビビビビビ!!
ウルトララン「!!」
食事を終えたカリスマセブンは、謎のビームをウルトラランに向かって放った!
すると、どうだろう。
テンコー・・・テン・・・・
なんと、テンコー音が消えてゆくではないか!
見る見るうちに、正常に戻るウルトララン。
咲夜「あんな能力が・・・。」
流石の咲夜も、これにはびっくりのようだ。
R&Wキング「ケヒ、ケヒ、ケヒヒヒヒ。」
面白いことになったじゃない、とでも言いたそうなR&Wキング。
いつでもケヒケヒ笑ってるので、少々判断が付き難いが。
カリスマセブン「ヘアッ!」
R&Wキング「ケヒッ!」
カリスマセブンとR&Wキング、二人が同時に拳を繰り出した!
ガンッッ!!
カリスマセブン「・・・・。」
R&Wキング「・・・・。」
拳がぶつかり合い、威力は相殺し合う。
実力は、互角だ!
咲夜「強い・・・・。」
レミリア「も~、ヒトん家の前で好き勝手やってくれるわね。」
ギャラリーは、驚いたり呆れたりである。
妖夢「な、何だかよくわかんないけど、幽々子様さま頑張れ~~~!!」
妖夢は気持ちを切り替えて、カリスマセブンを応援することにした。
声は聞こえないかもしれないが、その気持ちは通じる・・・はずだ。
カリスマセブン「デュワッ!」
R&Wキング「ケヒ~!!」
外の二人は、壮絶な闘いを始めた。
あるときは殴り、蹴り、あるときは弾幕を展開・・・。
その様子はまさに、
紫「蟻の視点から見た東方萃夢想。」
である。
妖夢「行け!そこです!ああ、殴られた!ビーム!?あたれ~!やった、当たった!」
ゴン!ゴン!
妖夢「いっけ~!がんばれ幽々子さま~!」
レミリア「いたた!首つかむな!叩くな!痛いってば!」
咲夜「こら!行儀が悪いわよ。」
パチュリー「そういう時は、思いっきり座布団を投げるものよ。」
咲夜「パチュリー様、これは相撲には見えませんわ。」
紫「エキサイトしてるわねぇ。」
妖夢「幽々子さま~~~!」
レミリア「離せってば!痛い痛い!」
カリスマセブンの動きに、一喜一憂する妖夢。
傍に居たレミリアの首根っこに腕を巻いて抱きかかえ、その頭をガンガン叩いている。
観客としては、少々マナーがなってない。
ウルトララン「ヘアッ!ヘアッ!・・・イタタタタ!」
そんな中、闘いに参加できそうに無いウルトラランは、流れ弾を叩き落したり、
自らが盾になったりして、紅魔館を防衛していた。
ここの地下に紫が居ることを、本能的に察知しているのだろうか?
カリスマセブン「ヘアッ!」
ビュン!
カリスマセブンが、扇子を投げた!
必殺のセンスラッガーだ!
チッ・・・!
R&Wキング「ケヒ!」
抜群の切れ味のセンスラッガー!
だがその技は、R&Wキングの服の袖を掠めただけであった。
妖夢「ああ!もうちょっとだったのにぃ!」
ぽいっ!
レミリア「あいた!」
相変わらずエキサイトしている妖夢。
抱きかかえていたレミリアを投げ捨てたりと、やっぱりマナーに問題がある。
良い子も悪い子も、出来るだけ真似をしないように。
咲夜「大丈夫ですか?お嬢様。」
レミリア「つ~・・・。こら!私を掴んだり殴ったり捨てたり!タダで済むと思うな!」
妖夢「幽々子さま!そこ右ストレート!って、うわ~~~!?」
ガツン! ガツン!
妖夢「いたたたたた!邪魔するな!」
レミリア「痛っ!こいつ!」
妖夢「いひゃ!いひゃい!」
レミリア「んぎ~!」
マナーの悪い妖夢に、レミリアの怒りが爆発!
エキサイトしっぱなしの妖夢は、自分の行状など露知らず。
わけも分からず襲われたと勘違いし、レミリアに反撃を加えた!
双方取っ組み合い、頬を抓ったり鼻をつまんだり、
はたまた殴り合ったり弾幕ったりの喧嘩が始まった。
妖夢「ぐっ!・・・もう許さない!」
妖夢は後方に飛び退くと、刀を抜いた!
妖夢「応援の邪魔する輩は・・・斬る!」
レミリア「許さないのはこっちだ!叩きのめしてやる!」
ついに、場外乱闘にまで発展してしまった!
二人とも、やる気満々である。
妖夢「そこ!てい!」
レミリア「それ!しゃっ!」
咲夜「お嬢様!そこです!ジャブジャブ!」
紫「妖夢。ボディがお留守よ。」
パチュリー「レミィ、そこは623パンチよ。」
とうとう、外そっちのけでエキサイトし始める司令室。
ウルトラランはそんな状況など知らず、身体を張って紅魔館を守っていた。
これを知ったら、何と嘆くであろうか・・・。
ウルトララン「ヘアッ!・・・・イタ!イタイイタイ!」
外ではR&Wキングとカリスマセブン。
中ではレミリアと妖夢。
二つの戦いは、何時果てることなく続いた・・・。
紫「と、思ったら大間違い。」
ドックン・・・・
ドックン・・・・
R&Wキング「ケヒ?」
ウルトララン「?」
カリスマセブン「?」
何処からとも無く、鼓動音が聞こえてきた。
生命の鼓動のような音。
その音に、闘いが止まる。
ドックン・・・・
ドックン・・・・
咲夜「ん?」
パチュリー「・・・音が。」
紫「はて、何の音?」
司令室にも、その音が聞こえた。
レミリア「これでどうだ!」
妖夢「ぎゃ~!痛い痛い!足折れる!腕!腕が!千切れるぅう~~!」
が、乱闘中の二人の耳に、音は聞こえてないらしい。
妖夢に、レミリアの関節技が決まった。
妖夢「ギブ!ギブ!ギブアップ~!!」
レミリア「何ぃ~?聞こえんなぁ~!」
妖夢「あきゃぁ~~~~!!」
レミリア「いい声で喚くじゃない。もっと聞かせてよぉ!!」
妖夢「ひぎゃあああ~~!!」
レミリア「あは、あはは、あははははは!!あ~ははははははは!!!」
先の怒りは何処へやら。
とっても楽しそうだ。
パチュリー「レミィ、エキサイト通り越してサイコになるのもいいけど、ちょっといいかしら?」
レミリア「ん、なあに?」
妖夢「あああ・・・・・。」
パチュリーのひと声で、レミリアは技を解いた。
妖夢は、痛さの余り声に成らない悲鳴を上げている。
咲夜「音です。」
レミリア「音?」
ドックン・・・
ドックン・・・
レミリア「この音は・・・。咲夜、ひょっとして。」
咲夜「ええ。初号機を見てみましょう。」
妖夢「うう・・・痛いよぅ・・・。」
半泣きになってる妖夢は置いといて、咲夜は初号機のデータを確認する。
咲夜「初号機の中国率、上昇中・・・。50・・・100・・・150・・・!」
パチュリー「初号機、再起動。」
レミリア「え?」
咲夜「まさか!」
初号機の各種データが急上昇中。
鼓動音は、殆どその存在を忘れられていた初号機が発しているようだ。
ギギギ・・・
フラン初号機「・・・・。」
初号機が、ゆっくりと立ち上がった。
そして。
フラン初号機「ウオオオオオオオオオオオ~~~~~!!!」
咆哮!
その姿はこの世のモノとは思えぬ恐ろしさ、発狂QED!
咲夜「暴走・・・!」
妖夢「ひえ~~!何か発狂してる~!?」
レミリア「・・・漸く、発動したわね。」
レミリアは何時の間にか、椅子に座っていた。
咲夜「お嬢様、中国率・・・・400%です!」
紫「まさに、中国四千年の歴史、ってやつね。」
咲夜「人の台詞を取るな。」
パチュリー「勝ったわね。」
レミリア「ええ。」
レミリアは、机の上に両方の肘を置き、眼前で腕を組んだポーズで、
パチュリーに相槌をうった。
フラン初号機「オオオオオオオオオ!!」
R&Wキング「ケヒッ!?」
カリスマセブン「ヘア?」
R&Wキングとカリスマセブンが取っ組み合ってるところに、初号機が走ってきた!
突然のことにびっくりする二人。
ガシッ!!!
フラン初号機「ガアアアアアアアア!!」
R&Wキング「ケヒ~~~~!?」
初号機は、R&Wキングに飛びかかった!
R&Wキングはそれを受け止め、あっという間に取っ組み合いになった!
双方は互いの腕を取り、力比べを始めた!
ギギギ・・・!
フラン初号機「ガアアアアアアアア!!」
R&Wキング「ケ~~~~~!!ヒ~~~~~!!!」
これもまた、力は互角のようだ。
否、
フラン初号機「ガアアアアアアア!!!」
R&Wキング「ケ・・・!ケヒ~~~~~~!!」
むしろ、初号機が押している。
力は、初号機が上だ!
咲夜「凄い。フランゲリオンが、あのR&Wキングを押して・・・。」
レミリア「ふっ・・・・。」
妖夢「幽々子さまが襲われなくてよかった・・・。」
紫「さて、相手は腕を封じられている。どうするかしら、幽々子?いえ、カリスマセブン。」
初号機の力で、R&Wキングは身動きが出来ない。
カリスマセブンが反撃に転じる、絶好のチャンスである!
カリスマセブン「ヘア!」
カリスマセブンが動いた!
その瞬間!
ペコーン! ペコーン!
カリスマセブン「!」
ずるっ!
気の抜けるような音と共に、
司令室に、誰かが滑ってこけたような音が聴こえた。
咲夜「な、何なのよ、この気の抜ける音は?」
妖夢「ゆ、幽々子さまから聴こえてる・・・?」
紫「ああ、これはね。」
※説明しよう!
カリスマセブンは、その巨大化の代償として、変身から七分経つと、ハラペコで倒れてしまうのだ!
それだけならまだ良いが、ハラペコで倒れたとあっては、カリスマが激減してしまうこと必至!
カリスマの激減それ即ち、カリスマセブンの死を意味する!
@の中心に有るカリスマランプから発せられるその音は、死の宣告である!
危うし、カリスマセブン!
紫「と、言うことらしいわ。」
咲夜「・・・何?この弱点。」
妖夢「大変!このままじゃ幽々子さまが死んじゃう!」
ペコーン! ペコーン!
カリスマセブン「・・・ヘグゥ。」
余りの空腹加減に、カリスマセブンはその場にヘタれこんでしまった。
パチュリー「ゲージ切れ下段ガードね。」
レミリア「威厳の欠片も無いわねぇ。情けない姿だわ。」
妖夢「それって貴方が言えむぐッ!」
紫「命が惜しかったら、黙って見てた方が良いわよ。」
妖夢「むぐむぐ・・・。」
レミリア「どうした?」
紫「気にしない気にしない。」
レミリアも似たようなポーズをすると言う事実は、触れない方が良いだろう。
カリスマセブン「ヘグ・・・・ゥ!?」
突如、カリスマセブンの目の色が変わった!
それに気付いた時には、カリスマセブンは既に動いていた。
パシッ!
チルノ「さっきから五月蝿いのはこの辺ね!ガツンと言ってや・・・る・・・・?」
無謀にもその辺を飛んでたチルノを、一瞬の早業で捕えたのだ!
チルノ「うわ~~~~!!ななななななに~~~~!?」
パクッ!
カリスマセブン「ン~~~~♪」
カリスマセブンは、チルノを食べてしまった。
その冷たい食感がやめられないと言ったところか、その顔は満足気な様子だ。
さすが、食通はちがう。
妖夢「幽々子さま~~!そんなん食べたら駄目えぇ~~~~!!」
紫「大丈夫よ、妖夢。幽々子はアレくらいじゃ、お腹壊したりはしないわ。
ほら、カリスマストマック鋼鉄製~♪って、よく言うじゃない。」
妖夢「言いませんよぅ・・・。幽々子さま~、食い意地張りすぎですってば~・・・。」
レミリア「あ、見て!」
ペコーン・・・ペコー・・ペ・・・
カリスマランプからの音が、止まった。
どうやら、空腹を満たせれば消えるようだ。
紫「妖夢、今日はご飯大盛りにしてあげなさいね。」
妖夢「は、はぁ・・・。」
大体の日は大盛りにしてるんだけどなぁ。
妖夢がそんなことを思う一方で、カリスマセブンは、ある物を拾い上げた。
カリスマセブン「・・・・・。」
拾ったそれを、じっと見つめるカリスマセブン。
咲夜「弐号機のレーヴァテイン・ソード?」
妖夢「幽々子さま、何をするんだろう・・・。」
さっきのチルノは耐熱の為だったのか・・・いや、ただ食べたかっただけだろう。
とにかくカリスマセブンは、レーヴァテイン・ソードを手に取った。
ぎゅううううん・・・・・
青白い光が、剣を包み込んだ。
咲夜「計測不可能!なんだかよくわからないエネルギーです!」
レミリア「見て!剣の形が・・・。」
光の中で、剣の形状が変わってゆく。
剣の形が崩れ、棒状になり。その棒の先端が、少し膨れ、徐々に尖る。
そして、光が消える。
パチュリー「あの形は・・・、槍?」
レーヴァテイン・ソードは、槍に変化した。
紫「名付けて、カリスマランスかしら。」
レミリア「グングニルの槍。」
紫「いやいや、カリスマセブンの持ち物だから、カリスマランスよ。」
レミリア「フランゲリオンの武器だから、グングニルでいいの。」
紫「いや、それはおかしいわ。スピア・ザ・グングニルは貴方の技よ。」
レミリア「それ言っちゃあ、○ルトラランスはセブンの武器じゃ無いでしょ。」
論議してもきりが無いので、
とりあえず便宜上は、カリスマランスとしておこう。
レミリア「む~・・・。」
お嬢様は不服の様子だが。
カリスマセブン「シュワッ!」
ざくっ!
カリスマセブンはカリスマランスを地面に刺した!
すると、その地点を中心に空間が湾曲し、カリスマフィールドが形成された!
ルーミア「わ~~~!?」
・・・と言うのは大嘘。
槍の穂先には、ルーミアが刺さっていた。
ルーミア「痛くないけど気分的に痛い!ていうか何がどうなってるの~!?」
カリスマランスは、刺された対象を傷つけることなく刺す事が出来る・・・らしい。
ルーミア「そーなのかー。」
カリスマセブン「ア~~~ン。」
ルーミア「ってそんなこと言ってる場合じゃないそーなのかーうわ~~~!」
パクッ!
ルーミアは、そのまま喰われてしまった。
美味しいのだろうか?
カリスマセブン「ウマウマ・・・・。」
・・・とりあえず美味しいらしい。
食通がそんな表情を見せるのだから、間違い無いだろう。
R&Wキング「ケヒ~!」
フラン初号機「ガアッ!」
ズズーン!
カリスマセブンが食事を取ってる間に、力比べの拮抗が崩れた。
体術の心得があるであろうR&Wキングが、初号機の力を利用し、投げ技を決めたのだ!
咲夜「初号機が!」
レミリア「ふん。やってくれるじゃない。」
後方に投げ飛ばされ、背中から落ちる初号機、しかし。
フラン初号機「ギギギ・・・。」
ダメージは無いかの如く、すぐに立ち上がった。
そして、再びR&Wキングに襲いかかった!
フラン初号機「ガアアアアアアアア!!」
R&Wキング「ケェェヒィィィ~~~~!!」
ガシッッ!
初号機の突進をR&Wキングが受け止め、
再度取っ組み合いになった。
パチュリー「初号機は力押ししか出来ない。対してアレは、柔術も使える。」
咲夜「時間が経てば、それだけ初号機が不利になります。」
レミリア「・・・。」
投げのダメージは、全く無いとも言えないだろう。
何度も決められれば、そのダメージは蓄積され、いずれは破壊に至る。
暴走初号機でも、R&Wキングを倒すことは、非常に難しいと言う事だ。
咲夜「それにしても、働かないわねぇ。カリスマセブン。」
妖夢「え?そ、そんなことはないでしょ?」
咲夜「最初はね。でも、さっきから食べてばっかじゃない。」
レミリア「ほんと。働かざる者、食うべからず。程々に働く者、程々に食うべし、なのにね。」
パチュリー「穀つぶし・・・いや、うちの穀は潰してないわね。」
妖夢「うう・・・否定出来ない・・・。」
初号機が暴走してから、食ってばっかりのカリスマセブン。
ギャラリーからは、ブーイングが出始めた。
カリスマセブン「ヘアッ!」
ザクッ!
カリスマセブン「シュワッ!」
ザクッ!
カリスマランスを何度も地面に刺すカリスマセブン。
食べる物を探しているようにしか見えない。
妖夢『幽々子さま!あんまり食べてばっかだったら、晩御飯抜きにしますよ!』
カリスマセブン「!?!?」
主人の飽食っぷりと周囲のブーイングに耐え切れず、妖夢が叫んだ。
カリスマセブン「ウ~・・・・。」
とても悲しそうな表情を見せるカリスマセブン。
この世の終わりが来たかのような、それほどまでに悲しい顔だ。
カリスマセブン「ウ~・・・・。」
妖夢『そ、そんな顔したって・・・駄目・・・!』
カリスマセブン「ウ~・・・。」
妖夢『う~・・・。」
そんな顔で見つめられては、妖夢は逆らえない。
紫『幽々子、今晩はご飯食べ放題だって。妖夢が言ってるわ。』
妖夢『ええ~!?」
カリスマセブン「!!」
紫の言葉で、カリスマセブンの顔が変わった。
ついでに、妖夢の顔も変わった。
妖夢「今、食料が少ないのに食べ放題なんて・・・。」
紫「何も、あのまま食べるわけじゃないでしょ?」
妖夢「そうですけど~・・・。う~ん。」
妖夢が苦慮する一方で、カリスマセブンは槍をぶん回したりと、
えらく気合が入ってる様子だ。
フラン初号機「ウォォォォオオオオオオオオオオ!!」
R&Wキング「ケェェェエエエ~~~~~ヒィィィイイイイ~~~~!!」
取っ組み合ってる二体。
カリスマセブンは、その様子を見据えていた。
そして、R&Wキングの背中が視界に入った!
カリスマセブン「ヘアッ!」
ブンッ!
カリスマセブンは、カリスマランスをぶん投げた!
ゴオォォォオオオ!!
空気を切り裂きながら、紅白な背中へと迫るカリスマランス。
ぐんぐんと、距離を縮めてゆく。
そして、ついに!
ドスッ!
カリスマランスが、音を立てて刺さった。
咲夜「やった!?」
妖夢「幽々子さま、えらい!」
パチュリー「ノエキアンデリュージュ。」
咲夜「はい?」
パチュリー「水を差しただけよ。ほら、あれ。」
人間1.5人の戦勝気分に水を差すパチュリー。
フラン初号機「ガアアアアアアア!!」
カリスマランスは、何と初号機に刺さっていた!
咲夜「何てこと・・・!」
レミリア「意外にあざといわね。一瞬で位置を変えて、初号機を盾にしたわ。」
妖夢「く・・・!」
槍を引き抜こうとするカリスマセブン。
しかし抜けない。
これでは、二発目を撃つ事が出来ない。
咲夜「中国率低下!・・・350・・・330・・・!」
パチュリー「歴史が・・・・終わる。」
紫「いえいえ。歴史は終わらないわ。ほら。」
咲夜「ん?」
妖夢「?」
紫が複数あるモニターの内の一つを指した。
その画面を見る一同。
ウルトララン「・・・・・。」
ここで何と、今まであんまり役に立ってないどころか、
その存在すら忘れかけられていた、ウルトラランが動いたのだ!
ウルトラランは、初号機が捨てたピコハンを持った。
ぎゅううううん・・・・・
ピコハンもまた、不思議な力で青白く光り始めた。
形は変わらないから、テンコハンマーとでも名付けるべきか。
ウルトララン「ヘアッ!」
渾身の力を持って、それを振り下ろした!
狙いは、R&Wキング・・・いや、カリスマランスだ!
ピコッ!!!
ウルトララン「・・・・・。」
出る杭を打つかの如く、槍の末端を叩いた!
押して駄目なら引け、である。
R&Wキング「ケエエエエエエエエエェェエ~~~~~~~!!」
槍はめり込み、穂先はR&Wキングに届いた!
咆哮するR&Wキング。
カリスマセブン「デュワッ!」
カリスマセブンは、カリスマランスを引っこ抜いた!
魅魔「おおお・・・・!」
美鈴「・・・・う~ん・・・・。」
引っこ抜いた槍の穂先にはなんと、博麗神社の悪霊、魅魔が刺さっていた。
ついでに、美鈴も刺さっているような気がするが。
咲夜「あれが、霊夢に取り憑いた邪悪の正体・・・!」
紫「そう。あれが、不届きな霊夢と遊んでいた不届き者よ。」
その存在は、誰も気にしなかった。
魅魔「くそぅ、一体何だって言うのよ・・・。」
美鈴「あ、あれ・・・、ここは・・・?」
なお、不思議な力が働いているので、刺さっていても痛くは無い。
不思議な力とは、そういうものだ。
カリスマセブン「・・・・。」
魅魔「うわっ!出た。」
美鈴「わ~!なに~!?」
目の前の巨大な物体、カリスマセブンの存在に驚く二人。
魅魔「う~ん、とりあえず・・・。ほれ、エビフライ食うか?エビフライ。」
カリスマセブン「・・・ジュル。」
とりあえず、餌付けを試みる魅魔。
どっからとも無く出てきたエビフライに、涎を垂らすカリスマセブン。
魅魔「食べる?そうかそうか、いい子ね。ええと・・・ノンカリスマ。」
魅魔は、 言 っ て は い け な い こ と を 言 っ て し ま っ た 。
カリスマセブン「ヘアッ!」
ブンッ!
魅魔の一言で、カリスマセブンが眉間に皺寄せて、(怒)マークを浮かべた。
カリスマセブンは、魅魔を槍ごとR&Wキングに向かって投げつけた!
ベチッ
魅魔「ぐうっ!」
美鈴「がはっ!」
R&Wキングごと、遠くへ吹っ飛ばされる魅魔。
カリスマセブン「(コクッ)」
ウルトララン「(コクッ・・・)」
カリスマセブンとウルトラランは、アイコンタクトを取った。
そして、それぞれ必殺技の構えを取った!
魅魔「く!このままでは終わらないよ!何時の日かあんたらを倒し、そして!」
美鈴「ちょっと待って!私!私が居るってば!」
魅魔「プレーヤーキャラとして復活するっ!絶対に!」
美鈴「その構え、必殺技よね!?ヤバい、ヤバいって死んじゃうって!やめて~!」
魅魔「そう、絶対にね!あ~はははははは!」
カリスマセブン「デュワ!」
ウルトララン「ヘアッ!」
悪役らしく高らかに宣言する魅魔、
そして、動かなくなったR&Wキングに向かって、
ウルトラランはマスター狐狸妖怪レーザーを、
カリスマセブンはカリスマビームを撃った!
魅魔「はははは・・・・。」
美鈴「わ~~~~!!」
ドッカ~~~~~~~~~ン!!!
R&Wキングは爆散。
魅魔もまた、それに巻き込まれ、消えた。
咲夜「・・・・。」
レミリア「・・・・。」
パチュリー「・・・・。」
妖夢「・・・・。」
沈黙する司令室の一同。
R&Wキングが爆発した、その跡には、
霊夢「う~ん・・・・。」
邪悪な気が抜けた、霊夢が倒れていた。
咲夜「・・・・・やった。」
妖夢「やった!」
レミリア「やったわね。」
パチュリー「やったわ。」
紫「やったのは外の二人だけど。」
邪悪な博麗霊夢、二色蓮花獣R&Wキングは退治された。
邪悪の元も断たれ、紅魔館に平和が戻った。
ペコーン! ペコーン!
カリスマセブン「デュワッチ!」
ウルトララン「デュワッチ!」
紅魔館を救った二大ヒロインは、空の彼方へ飛んでいった。
ありがとう!ウルトララン!カリスマセブン!
ウルトララン「ギャアァァ~・・・・・・・・・・・・・・。」
さようなら、ウルトララン!
さようなら~!
紫「ウルトララ~ン、ありがと~、さよ~なら~。・・・はい、復唱。」
レミリア「しないって。」
妖夢「・・・え~と?」
紫「追わなくていいの?」
妖夢「追うって・・・・・・・あ~~~!待ってください!幽々子さま~~~!!」
妖夢は、カリスマセブンの後を追って、大慌てで飛んで行った。
こうして紅魔館に、再び静寂と平和が戻ったのであった。
劇場版新世紀フランゲリオン フランゲリオンVSカリスマセブン
THE END
咲夜「ところで、お嬢様。」
レミリア「ん?」
咲夜「フランゲリオン隊は全滅。このままでは話が本筋に戻れないと言うか・・・。」
レミリア「何のことかしら。」
パチュリー「本筋だか何だかよくわからないけど・・・。あれ見て。」
咲夜「?」
レミリア「?」
モニターは、戦場跡を映している。
パチュリーは、ある事に気付いたのだ。
フラン初号機「ヴヴヴヴヴ・・・・。」
初号機は、何やら変な煙を噴出していたり、あちこちから電流が漏れてたり
ちょっと尋常ではない状態だ。
咲夜「大変です!このままでは、初号機が大爆発を起こして・・・!」
レミリア「紅魔館が!」
戦場は、紅魔館の外。
つまり、今初号機が大爆発などしたら、連鎖式に弐号機と零号機も爆発。
タダでさえ不味い状態の紅魔館が、さらに不味いことになる。
いや、もしかすると、紅魔館そのものが吹っ飛ぶかもしれない。
紫「大丈夫。私に任せて。」
咲夜「え?」
紫が、名乗りをあげた。
今まで、殆ど何もしなかった紫が。
紫「あれを、別の場所。紅魔館に被害が及ばないところにやればいいのよ。」
レミリア「よし、まかせた。」
紫「任されました。そおれ。」
ぶお~ん
外を見ると、紫の一声で発生したスキマに、初号機が飲み込まれてゆくでは無いか。
あっという間に初号機は、現場から姿を消した。
紫「はい、おしまい。」
咲夜「ああ、よかった。」
レミリア「これで紅魔館も、無事安泰・・・。」
うい~ん! うい~ん!
紫「とは、いきませんでしたとさ。」
安心したところに、また警報が鳴った。
レミリア「あ~もう!今度は何?」
咲夜「格納庫に熱反応?一体何が・・・。」
今度の異常は、フランゲリオンの格納庫かららしい。
画面が、外から格納庫へと切り替わる。
咲夜「ええ!」
レミリア「げげっ。」
パチュリー「何てこと・・・・。」
紅魔館住人一同は、驚愕した。
フラン初号機「ガガガガガガピーガガガピーヴヴヴヴヴヴヴ。」
さっき消えたはずの初号機が、格納されていたのだ!
しかも、先程より悪化した状態、今にも爆発しそうな状態で。
咲夜「ちょっと紫!これはどういうことよ!」
紫「大丈夫。こんな地下での爆発なら、地上にある紅魔館には影響無いわ。」
パチュリー「ここも一応、紅魔館なんだけど。」
紫「それは言わない約束よ。」
レミリア「勝手に約束されてもねぇ。」
咲夜「こんな至近距離で爆発されちゃ死ぬわよ!」
紫「それも大丈夫。人間じゃない限り死なないわ。」
咲夜「私は人間っ!」
紫はこの地下で、初号機を爆破させようとしたのだ。
当然、住人からは苦情が殺到する。
フラン初号機「ギギギギギガガガガメルメルメルメルメル・・・・。」
紫に文句言ってる間にも、ますますヤバいことになっている初号機。
今にも爆発しそうだ。
パチュリー「このままでは、爆発に巻き込まれて全身黒焦げ、髪型はアフロになるわ。」
レミリア「何て爆破オチなの・・・。」
咲夜「お嬢様!アフロになる前にお逃げを!」
敬愛するお嬢様が黒コゲでアフロになるなど、咲夜には耐えられたものでは無い。
慌ててレミリアを逃がそうとする咲夜、だが。
フラン初号機「ポ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!」
ぴか~~~~~~~!!
紫「あ、手遅れ。」
初号機が叫んで、光った。
そして。
ずどおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~~~~~~~~~~~~~~~~ん!!!!!!!
・
・
・
ガバッ!
咲夜「お嬢様がアフロにぃい~~~~!!」
朝。
咲夜は絶叫しながら、布団から飛び起きた。
咲夜「って・・・夢オチ・・・?」
バタンッ!
レミリア「咲夜うるさい。」
レミリアが、咲夜の部屋に入ってきた。
咲夜「あ、お嬢様。おはようございます。」
レミリア「おはよう。じゃなくて、誰がアフロだって?」
咲夜「爆破オチに見せかけた夢オチ・・・ですわ。」
レミリア「ああ。どっちも王道よねぇ。」
咲夜「ええ。どっちも、使用禁止令が出るくらいです。」
レミリア「どうでもいいけど、目が冴えてきたわ。咲夜、朝ごはん。」
咲夜「畏まりました。すぐ準備しますね。」
咲夜が寝惚けたんだろうと判断し、
レミリアは朝食の準備を命令すると、部屋を出た。
部屋には再び、咲夜一人になる。
咲夜「・・・で、何だったのかしら・・・?」
先程まで見ていた、わけの分からない夢を思い返す咲夜。
思い返してみたはいいが、やっぱりわけが分からない。
わけが分からないので、思い返すのも程々にしておいて、ぱっぱと着替えを済ませた。
咲夜「ティッシュにハンカチ、それとナイフ・・・・。」
ゴト・・・
咲夜「ん?」
メイド服のポケットから、何かが落ちた。
咲夜「ネジ?はて、こんなもの持ってたかしら、私。」
それは、一個のネジ。
だが、咲夜はネジを拾ったりくすねたり、ポケットに入れた記憶は無い。
咲夜「まぁ、食べるわけにもいかないし、そこらに捨てるわけにもねぇ。」
咲夜は ネジを てにいれた
咲夜「さてと、朝ご飯朝ご飯・・・。」
そして今日も、咲夜の一日が始まる・・・。
この作品は、拙作のSS『新世紀フランゲリオン』と『ウルトララン』を読んでいる人向けです。
でも、読んで無くても雰囲気で楽しめるかもしれません。
前後編の後編なので、前編を読んでおくことをお勧めします。
そもそも上記二作品の元ネタ知らない、上記二作品読んでない、前半部読んでない、
そんな人には、何がなんだかわからないと思いますが、そのわけのわからなさを
楽しむのも、また一興かもしれません。
最後に。健康のため、部屋を明るくして、目を悪くしない程度の距離からご覧下さい。
テンコー! テンコー!
R&Wキング「ケヒ、ケヒ~!!」
ウルトララン「ギャアア!!」
フランゲリオン隊は全滅し、ウルトラランは戦意喪失状態。
現場の戦力は、無いに等しい。
残されたウルトラランは、無残にもボコボコにされていた。
ウルトララン「ウ・・・ウ・・・。」
テンコー! テンコー! テンコー!
ウルトララン「アアアアア・・・。」
さらに、活動限界時間が一秒、また一秒と近づいている。
それを過ぎれば、理性がはち切れて、スッパテンコーしてしまうのだ!
倒されるのが先か、スッパテンコーするのが先か。
どちらにしろ、ロクな運命では無い。
他に選択肢は無いのかと、ウルトラランの残された理性が問いかける。
レミリア「ん~、それじゃあ、ちょっと弄って・・・。」
ウルトラランの心の声が聞こえたのか、
レミリアは、ちょこっと運命を操ってみた。
すると、外の様子が変わった。
キラーン!
R&Wキング「ケヒヒ~!」
ウルトララン「!!?」
何とR&Wキングが、お払い棒を包丁に持ち替えたのだ!
キラーン!何て音のする包丁だから、さぞかし切れ味は良いことだろう。
咲夜「あいつは・・・ウルトラランを捌くつもりです!」
レミリア「ええ!?」
運命とは残酷である。
レミリアが軽く運命を弄った結果、ウルトラランは倒される運命の代わりに、
『捌かれて食われる』という運命を背負わされてしまった。
捌かれて食われるかスッパテンコーするか、二つに一つ。
ウルトラランは、己の運命を呪った。
レミリア「美味しいのかな?」
紫「そりゃあ、私が丹精込めて育てた式神だもの。美味しいに決まってるわ。」
咲夜「まぁ、味付けにもよりますけど。それより紫。」
紫「何でしょう?」
咲夜「その丹精込めて育てた式が、非常時でも無いのに食べられようとしてるんだけど。」
紫「大丈夫よ。」
レミリア「今が非常時?」
紫「邪悪に染まった霊夢に、運は味方しないわ。逆に、藍の方に運気が・・・向いてないわね。」
咲夜「じゃあ、誰に運が向いてるって・・・。」
紫「あ。」
紫が、モニターを指した。
R&Wキングの包丁が、高度を上げて行く。
R&Wキングが、包丁をふりかざしたのだ。
R&Wキング「ケエエエエヒイイイイ!」
ウルトララン「!!」
そして雄叫びと共にその包丁を、一気に振り下ろした!
ウルトラランは眼を瞑った!
レミリア「殺られる!」
咲夜「ウルトララン!」
ザシュッ!
R&Wキング「ケヒッ♪」
手応え有り、今日の晩御飯は、狐鍋ね。
何てR&Wキングは思った・・・ような気がする。
早速捌いてしまおうと、包丁を抜いた。
だが・・・・。
R&Wキング「!」
ウルトララン「・・・・・・?」
R&Wキングは、気付いた。
包丁を入れたのは肉(ウルトララン)では無かったことに。
咲夜「木・・・桜だわ。一体何が・・・。」
レミリア「間一髪のところで、あっちの方からピューって飛んできたけど。」
紫「ええと・・・これかしら?」
バタン
パチュリー「ただいま。」
レミリア「あ、パチェ。おかえり。」
騒然とする司令室。
そこに、零号機を脱出してきたパチュリーが、司令室に帰ってきた。
パチュリー「何か騒がしいけど・・・。何か起こったの?」
紫「包丁キラキラで木がぴゅーでドスッよ。」
パチュリー「??」
レミリア「パチェ、こいつは気にしなくていいわ。」
紫「ええ、気にしなくていいわ。・・・あ、見つかったわ。ネジ。」
うい~ん!
うい~ん!
咲夜「今度は警報?」
レミリア「・・・危険度A級。何なの?」
咲夜「反応は・・・桜が飛んできた方向です!」
突然の警報。
咲夜が、発生の原因となる物体をモニターに映し出す。
すると、どうだろう!
幽々子「デュワッ!!」
映っていたのは、西行寺幽々子だった!
ウルトララン「!」
R&Wキング「ケヒャ!?」
二人はびっくりした。
何故なら今の幽々子は、ただの寺幽々子では無いのだ。
レミリア「うわぁ。またおっきいのが。」
紫「こういうこと。はい、ネジ。」
レミリア「ああ、よかった。これで咲夜が治るわ。・・・で、あれは何よ?」
咲夜「そんな・・・・あれは・・・・。」
司令室に居る者もまた、驚いた。
なんと、幽々子もまた、巨大化していたのだ!
聞いて驚くその名は、
咲夜「カリスマセブン!何でこんなところに!」
カリスマセブン!
カリスマ亡霊の名を受けて、命を捨てて戦う少女!
カリスママークは@!カリスマビームは破壊力!
カリスマ扇子は弾幕美!カリスママウスは食通だ!
カリスマの力身につけた正義のヒロイン、それがカリスマセブンである!
レミリア「咲夜・・・。後で国語の勉強でもしましょうね。はい、ネジ。」
咲夜「お嬢様、私が可哀想な人間みたいに言わないでください。まぁ、ネジは頂いておきます。」
紫「それにしても幽々子ったら、こんなに大きくなっちゃって。可愛いわねえ、幽々子は。」
バタン!
妖夢「お邪魔しま~す!ねえ、ここに幽々子さま来なかっ・・・・?」
勢いよく司令室のドアを開けて入ってきた魂魄妖夢は
目の前に映っていた映像を見てしまった。
妖夢「ぶーーーーッ!!?」
紫「あら、分かりやすい反応ね。」
妖夢「な、ななななな何よこれ~~~!!?」
レミリア「まったく。いきなり入ってきて、いきなり大騒ぎして。」
紫「不法侵入よ、妖夢。」
咲夜「あんたもでしょ。」
妖夢「何やってるんですか幽々子さま~~~!!ってああ!こんなところに紫様が!」
レミリア「何か、ずっとこうやって騒いでそうね。」
咲夜「まあ、観客席が盛り上がるのも、また一興と言う事で。」
何かと騒がしい半人半幽を加えて、司令室兼ギャラリーは更なる盛り上がりを見せる。
一方、現場では。
ミスティア「わ~た~し~に~ガッ!さ~れ~な~さ~い~~♪あば~れ~る前~に~♪」
リグル「離せ~~~!何で私を捕まえるのよ~!」
ミスティア「鳥に喰われるのは蟲の宿命なの。」
リグル「食べるな~!」
カリスマセブン「!」
この場で起こっている出来事など眼中に無いのか。
呑気に歌を歌いつつ、リグル・ナイトバグを捕らえたミスティア・ローレライが通りすがる。
その姿を見て、カリスマセブンは目の色を変えた!
パシッ!
ミスティア「たまっしい~のメル~ラ~~~~~・・・・ん?」
リグル「は~な~せ・・・・?」
一瞬の早業。
ミスティアは、あっさりとカリスマセブンに捕らえられた。
当然、リグルも一緒だ。
ミスティア「わ~~~~~~~!!?」
リグル「わ~~~~~~~!!?」
二人はややあってその事実に気付いて驚いたが、時既に遅し。
ぱくっ!
二人は、カリスマセブンに喰われてしまった。
カリスママウスは食通の口なのである。
カリスマセブン「ウマウマ・・・♪」
が、戦況には全く影響無いので、無かったことにしておこう。
カリスマセブン「ヘアッ!」
ジュビビビビビビ!!
ウルトララン「!!」
食事を終えたカリスマセブンは、謎のビームをウルトラランに向かって放った!
すると、どうだろう。
テンコー・・・テン・・・・
なんと、テンコー音が消えてゆくではないか!
見る見るうちに、正常に戻るウルトララン。
咲夜「あんな能力が・・・。」
流石の咲夜も、これにはびっくりのようだ。
R&Wキング「ケヒ、ケヒ、ケヒヒヒヒ。」
面白いことになったじゃない、とでも言いたそうなR&Wキング。
いつでもケヒケヒ笑ってるので、少々判断が付き難いが。
カリスマセブン「ヘアッ!」
R&Wキング「ケヒッ!」
カリスマセブンとR&Wキング、二人が同時に拳を繰り出した!
ガンッッ!!
カリスマセブン「・・・・。」
R&Wキング「・・・・。」
拳がぶつかり合い、威力は相殺し合う。
実力は、互角だ!
咲夜「強い・・・・。」
レミリア「も~、ヒトん家の前で好き勝手やってくれるわね。」
ギャラリーは、驚いたり呆れたりである。
妖夢「な、何だかよくわかんないけど、幽々子様さま頑張れ~~~!!」
妖夢は気持ちを切り替えて、カリスマセブンを応援することにした。
声は聞こえないかもしれないが、その気持ちは通じる・・・はずだ。
カリスマセブン「デュワッ!」
R&Wキング「ケヒ~!!」
外の二人は、壮絶な闘いを始めた。
あるときは殴り、蹴り、あるときは弾幕を展開・・・。
その様子はまさに、
紫「蟻の視点から見た東方萃夢想。」
である。
妖夢「行け!そこです!ああ、殴られた!ビーム!?あたれ~!やった、当たった!」
ゴン!ゴン!
妖夢「いっけ~!がんばれ幽々子さま~!」
レミリア「いたた!首つかむな!叩くな!痛いってば!」
咲夜「こら!行儀が悪いわよ。」
パチュリー「そういう時は、思いっきり座布団を投げるものよ。」
咲夜「パチュリー様、これは相撲には見えませんわ。」
紫「エキサイトしてるわねぇ。」
妖夢「幽々子さま~~~!」
レミリア「離せってば!痛い痛い!」
カリスマセブンの動きに、一喜一憂する妖夢。
傍に居たレミリアの首根っこに腕を巻いて抱きかかえ、その頭をガンガン叩いている。
観客としては、少々マナーがなってない。
ウルトララン「ヘアッ!ヘアッ!・・・イタタタタ!」
そんな中、闘いに参加できそうに無いウルトラランは、流れ弾を叩き落したり、
自らが盾になったりして、紅魔館を防衛していた。
ここの地下に紫が居ることを、本能的に察知しているのだろうか?
カリスマセブン「ヘアッ!」
ビュン!
カリスマセブンが、扇子を投げた!
必殺のセンスラッガーだ!
チッ・・・!
R&Wキング「ケヒ!」
抜群の切れ味のセンスラッガー!
だがその技は、R&Wキングの服の袖を掠めただけであった。
妖夢「ああ!もうちょっとだったのにぃ!」
ぽいっ!
レミリア「あいた!」
相変わらずエキサイトしている妖夢。
抱きかかえていたレミリアを投げ捨てたりと、やっぱりマナーに問題がある。
良い子も悪い子も、出来るだけ真似をしないように。
咲夜「大丈夫ですか?お嬢様。」
レミリア「つ~・・・。こら!私を掴んだり殴ったり捨てたり!タダで済むと思うな!」
妖夢「幽々子さま!そこ右ストレート!って、うわ~~~!?」
ガツン! ガツン!
妖夢「いたたたたた!邪魔するな!」
レミリア「痛っ!こいつ!」
妖夢「いひゃ!いひゃい!」
レミリア「んぎ~!」
マナーの悪い妖夢に、レミリアの怒りが爆発!
エキサイトしっぱなしの妖夢は、自分の行状など露知らず。
わけも分からず襲われたと勘違いし、レミリアに反撃を加えた!
双方取っ組み合い、頬を抓ったり鼻をつまんだり、
はたまた殴り合ったり弾幕ったりの喧嘩が始まった。
妖夢「ぐっ!・・・もう許さない!」
妖夢は後方に飛び退くと、刀を抜いた!
妖夢「応援の邪魔する輩は・・・斬る!」
レミリア「許さないのはこっちだ!叩きのめしてやる!」
ついに、場外乱闘にまで発展してしまった!
二人とも、やる気満々である。
妖夢「そこ!てい!」
レミリア「それ!しゃっ!」
咲夜「お嬢様!そこです!ジャブジャブ!」
紫「妖夢。ボディがお留守よ。」
パチュリー「レミィ、そこは623パンチよ。」
とうとう、外そっちのけでエキサイトし始める司令室。
ウルトラランはそんな状況など知らず、身体を張って紅魔館を守っていた。
これを知ったら、何と嘆くであろうか・・・。
ウルトララン「ヘアッ!・・・・イタ!イタイイタイ!」
外ではR&Wキングとカリスマセブン。
中ではレミリアと妖夢。
二つの戦いは、何時果てることなく続いた・・・。
紫「と、思ったら大間違い。」
ドックン・・・・
ドックン・・・・
R&Wキング「ケヒ?」
ウルトララン「?」
カリスマセブン「?」
何処からとも無く、鼓動音が聞こえてきた。
生命の鼓動のような音。
その音に、闘いが止まる。
ドックン・・・・
ドックン・・・・
咲夜「ん?」
パチュリー「・・・音が。」
紫「はて、何の音?」
司令室にも、その音が聞こえた。
レミリア「これでどうだ!」
妖夢「ぎゃ~!痛い痛い!足折れる!腕!腕が!千切れるぅう~~!」
が、乱闘中の二人の耳に、音は聞こえてないらしい。
妖夢に、レミリアの関節技が決まった。
妖夢「ギブ!ギブ!ギブアップ~!!」
レミリア「何ぃ~?聞こえんなぁ~!」
妖夢「あきゃぁ~~~~!!」
レミリア「いい声で喚くじゃない。もっと聞かせてよぉ!!」
妖夢「ひぎゃあああ~~!!」
レミリア「あは、あはは、あははははは!!あ~ははははははは!!!」
先の怒りは何処へやら。
とっても楽しそうだ。
パチュリー「レミィ、エキサイト通り越してサイコになるのもいいけど、ちょっといいかしら?」
レミリア「ん、なあに?」
妖夢「あああ・・・・・。」
パチュリーのひと声で、レミリアは技を解いた。
妖夢は、痛さの余り声に成らない悲鳴を上げている。
咲夜「音です。」
レミリア「音?」
ドックン・・・
ドックン・・・
レミリア「この音は・・・。咲夜、ひょっとして。」
咲夜「ええ。初号機を見てみましょう。」
妖夢「うう・・・痛いよぅ・・・。」
半泣きになってる妖夢は置いといて、咲夜は初号機のデータを確認する。
咲夜「初号機の中国率、上昇中・・・。50・・・100・・・150・・・!」
パチュリー「初号機、再起動。」
レミリア「え?」
咲夜「まさか!」
初号機の各種データが急上昇中。
鼓動音は、殆どその存在を忘れられていた初号機が発しているようだ。
ギギギ・・・
フラン初号機「・・・・。」
初号機が、ゆっくりと立ち上がった。
そして。
フラン初号機「ウオオオオオオオオオオオ~~~~~!!!」
咆哮!
その姿はこの世のモノとは思えぬ恐ろしさ、発狂QED!
咲夜「暴走・・・!」
妖夢「ひえ~~!何か発狂してる~!?」
レミリア「・・・漸く、発動したわね。」
レミリアは何時の間にか、椅子に座っていた。
咲夜「お嬢様、中国率・・・・400%です!」
紫「まさに、中国四千年の歴史、ってやつね。」
咲夜「人の台詞を取るな。」
パチュリー「勝ったわね。」
レミリア「ええ。」
レミリアは、机の上に両方の肘を置き、眼前で腕を組んだポーズで、
パチュリーに相槌をうった。
フラン初号機「オオオオオオオオオ!!」
R&Wキング「ケヒッ!?」
カリスマセブン「ヘア?」
R&Wキングとカリスマセブンが取っ組み合ってるところに、初号機が走ってきた!
突然のことにびっくりする二人。
ガシッ!!!
フラン初号機「ガアアアアアアアア!!」
R&Wキング「ケヒ~~~~!?」
初号機は、R&Wキングに飛びかかった!
R&Wキングはそれを受け止め、あっという間に取っ組み合いになった!
双方は互いの腕を取り、力比べを始めた!
ギギギ・・・!
フラン初号機「ガアアアアアアアア!!」
R&Wキング「ケ~~~~~!!ヒ~~~~~!!!」
これもまた、力は互角のようだ。
否、
フラン初号機「ガアアアアアアア!!!」
R&Wキング「ケ・・・!ケヒ~~~~~~!!」
むしろ、初号機が押している。
力は、初号機が上だ!
咲夜「凄い。フランゲリオンが、あのR&Wキングを押して・・・。」
レミリア「ふっ・・・・。」
妖夢「幽々子さまが襲われなくてよかった・・・。」
紫「さて、相手は腕を封じられている。どうするかしら、幽々子?いえ、カリスマセブン。」
初号機の力で、R&Wキングは身動きが出来ない。
カリスマセブンが反撃に転じる、絶好のチャンスである!
カリスマセブン「ヘア!」
カリスマセブンが動いた!
その瞬間!
ペコーン! ペコーン!
カリスマセブン「!」
ずるっ!
気の抜けるような音と共に、
司令室に、誰かが滑ってこけたような音が聴こえた。
咲夜「な、何なのよ、この気の抜ける音は?」
妖夢「ゆ、幽々子さまから聴こえてる・・・?」
紫「ああ、これはね。」
※説明しよう!
カリスマセブンは、その巨大化の代償として、変身から七分経つと、ハラペコで倒れてしまうのだ!
それだけならまだ良いが、ハラペコで倒れたとあっては、カリスマが激減してしまうこと必至!
カリスマの激減それ即ち、カリスマセブンの死を意味する!
@の中心に有るカリスマランプから発せられるその音は、死の宣告である!
危うし、カリスマセブン!
紫「と、言うことらしいわ。」
咲夜「・・・何?この弱点。」
妖夢「大変!このままじゃ幽々子さまが死んじゃう!」
ペコーン! ペコーン!
カリスマセブン「・・・ヘグゥ。」
余りの空腹加減に、カリスマセブンはその場にヘタれこんでしまった。
パチュリー「ゲージ切れ下段ガードね。」
レミリア「威厳の欠片も無いわねぇ。情けない姿だわ。」
妖夢「それって貴方が言えむぐッ!」
紫「命が惜しかったら、黙って見てた方が良いわよ。」
妖夢「むぐむぐ・・・。」
レミリア「どうした?」
紫「気にしない気にしない。」
レミリアも似たようなポーズをすると言う事実は、触れない方が良いだろう。
カリスマセブン「ヘグ・・・・ゥ!?」
突如、カリスマセブンの目の色が変わった!
それに気付いた時には、カリスマセブンは既に動いていた。
パシッ!
チルノ「さっきから五月蝿いのはこの辺ね!ガツンと言ってや・・・る・・・・?」
無謀にもその辺を飛んでたチルノを、一瞬の早業で捕えたのだ!
チルノ「うわ~~~~!!ななななななに~~~~!?」
パクッ!
カリスマセブン「ン~~~~♪」
カリスマセブンは、チルノを食べてしまった。
その冷たい食感がやめられないと言ったところか、その顔は満足気な様子だ。
さすが、食通はちがう。
妖夢「幽々子さま~~!そんなん食べたら駄目えぇ~~~~!!」
紫「大丈夫よ、妖夢。幽々子はアレくらいじゃ、お腹壊したりはしないわ。
ほら、カリスマストマック鋼鉄製~♪って、よく言うじゃない。」
妖夢「言いませんよぅ・・・。幽々子さま~、食い意地張りすぎですってば~・・・。」
レミリア「あ、見て!」
ペコーン・・・ペコー・・ペ・・・
カリスマランプからの音が、止まった。
どうやら、空腹を満たせれば消えるようだ。
紫「妖夢、今日はご飯大盛りにしてあげなさいね。」
妖夢「は、はぁ・・・。」
大体の日は大盛りにしてるんだけどなぁ。
妖夢がそんなことを思う一方で、カリスマセブンは、ある物を拾い上げた。
カリスマセブン「・・・・・。」
拾ったそれを、じっと見つめるカリスマセブン。
咲夜「弐号機のレーヴァテイン・ソード?」
妖夢「幽々子さま、何をするんだろう・・・。」
さっきのチルノは耐熱の為だったのか・・・いや、ただ食べたかっただけだろう。
とにかくカリスマセブンは、レーヴァテイン・ソードを手に取った。
ぎゅううううん・・・・・
青白い光が、剣を包み込んだ。
咲夜「計測不可能!なんだかよくわからないエネルギーです!」
レミリア「見て!剣の形が・・・。」
光の中で、剣の形状が変わってゆく。
剣の形が崩れ、棒状になり。その棒の先端が、少し膨れ、徐々に尖る。
そして、光が消える。
パチュリー「あの形は・・・、槍?」
レーヴァテイン・ソードは、槍に変化した。
紫「名付けて、カリスマランスかしら。」
レミリア「グングニルの槍。」
紫「いやいや、カリスマセブンの持ち物だから、カリスマランスよ。」
レミリア「フランゲリオンの武器だから、グングニルでいいの。」
紫「いや、それはおかしいわ。スピア・ザ・グングニルは貴方の技よ。」
レミリア「それ言っちゃあ、○ルトラランスはセブンの武器じゃ無いでしょ。」
論議してもきりが無いので、
とりあえず便宜上は、カリスマランスとしておこう。
レミリア「む~・・・。」
お嬢様は不服の様子だが。
カリスマセブン「シュワッ!」
ざくっ!
カリスマセブンはカリスマランスを地面に刺した!
すると、その地点を中心に空間が湾曲し、カリスマフィールドが形成された!
ルーミア「わ~~~!?」
・・・と言うのは大嘘。
槍の穂先には、ルーミアが刺さっていた。
ルーミア「痛くないけど気分的に痛い!ていうか何がどうなってるの~!?」
カリスマランスは、刺された対象を傷つけることなく刺す事が出来る・・・らしい。
ルーミア「そーなのかー。」
カリスマセブン「ア~~~ン。」
ルーミア「ってそんなこと言ってる場合じゃないそーなのかーうわ~~~!」
パクッ!
ルーミアは、そのまま喰われてしまった。
美味しいのだろうか?
カリスマセブン「ウマウマ・・・・。」
・・・とりあえず美味しいらしい。
食通がそんな表情を見せるのだから、間違い無いだろう。
R&Wキング「ケヒ~!」
フラン初号機「ガアッ!」
ズズーン!
カリスマセブンが食事を取ってる間に、力比べの拮抗が崩れた。
体術の心得があるであろうR&Wキングが、初号機の力を利用し、投げ技を決めたのだ!
咲夜「初号機が!」
レミリア「ふん。やってくれるじゃない。」
後方に投げ飛ばされ、背中から落ちる初号機、しかし。
フラン初号機「ギギギ・・・。」
ダメージは無いかの如く、すぐに立ち上がった。
そして、再びR&Wキングに襲いかかった!
フラン初号機「ガアアアアアアアア!!」
R&Wキング「ケェェヒィィィ~~~~!!」
ガシッッ!
初号機の突進をR&Wキングが受け止め、
再度取っ組み合いになった。
パチュリー「初号機は力押ししか出来ない。対してアレは、柔術も使える。」
咲夜「時間が経てば、それだけ初号機が不利になります。」
レミリア「・・・。」
投げのダメージは、全く無いとも言えないだろう。
何度も決められれば、そのダメージは蓄積され、いずれは破壊に至る。
暴走初号機でも、R&Wキングを倒すことは、非常に難しいと言う事だ。
咲夜「それにしても、働かないわねぇ。カリスマセブン。」
妖夢「え?そ、そんなことはないでしょ?」
咲夜「最初はね。でも、さっきから食べてばっかじゃない。」
レミリア「ほんと。働かざる者、食うべからず。程々に働く者、程々に食うべし、なのにね。」
パチュリー「穀つぶし・・・いや、うちの穀は潰してないわね。」
妖夢「うう・・・否定出来ない・・・。」
初号機が暴走してから、食ってばっかりのカリスマセブン。
ギャラリーからは、ブーイングが出始めた。
カリスマセブン「ヘアッ!」
ザクッ!
カリスマセブン「シュワッ!」
ザクッ!
カリスマランスを何度も地面に刺すカリスマセブン。
食べる物を探しているようにしか見えない。
妖夢『幽々子さま!あんまり食べてばっかだったら、晩御飯抜きにしますよ!』
カリスマセブン「!?!?」
主人の飽食っぷりと周囲のブーイングに耐え切れず、妖夢が叫んだ。
カリスマセブン「ウ~・・・・。」
とても悲しそうな表情を見せるカリスマセブン。
この世の終わりが来たかのような、それほどまでに悲しい顔だ。
カリスマセブン「ウ~・・・・。」
妖夢『そ、そんな顔したって・・・駄目・・・!』
カリスマセブン「ウ~・・・。」
妖夢『う~・・・。」
そんな顔で見つめられては、妖夢は逆らえない。
紫『幽々子、今晩はご飯食べ放題だって。妖夢が言ってるわ。』
妖夢『ええ~!?」
カリスマセブン「!!」
紫の言葉で、カリスマセブンの顔が変わった。
ついでに、妖夢の顔も変わった。
妖夢「今、食料が少ないのに食べ放題なんて・・・。」
紫「何も、あのまま食べるわけじゃないでしょ?」
妖夢「そうですけど~・・・。う~ん。」
妖夢が苦慮する一方で、カリスマセブンは槍をぶん回したりと、
えらく気合が入ってる様子だ。
フラン初号機「ウォォォォオオオオオオオオオオ!!」
R&Wキング「ケェェェエエエ~~~~~ヒィィィイイイイ~~~~!!」
取っ組み合ってる二体。
カリスマセブンは、その様子を見据えていた。
そして、R&Wキングの背中が視界に入った!
カリスマセブン「ヘアッ!」
ブンッ!
カリスマセブンは、カリスマランスをぶん投げた!
ゴオォォォオオオ!!
空気を切り裂きながら、紅白な背中へと迫るカリスマランス。
ぐんぐんと、距離を縮めてゆく。
そして、ついに!
ドスッ!
カリスマランスが、音を立てて刺さった。
咲夜「やった!?」
妖夢「幽々子さま、えらい!」
パチュリー「ノエキアンデリュージュ。」
咲夜「はい?」
パチュリー「水を差しただけよ。ほら、あれ。」
人間1.5人の戦勝気分に水を差すパチュリー。
フラン初号機「ガアアアアアアア!!」
カリスマランスは、何と初号機に刺さっていた!
咲夜「何てこと・・・!」
レミリア「意外にあざといわね。一瞬で位置を変えて、初号機を盾にしたわ。」
妖夢「く・・・!」
槍を引き抜こうとするカリスマセブン。
しかし抜けない。
これでは、二発目を撃つ事が出来ない。
咲夜「中国率低下!・・・350・・・330・・・!」
パチュリー「歴史が・・・・終わる。」
紫「いえいえ。歴史は終わらないわ。ほら。」
咲夜「ん?」
妖夢「?」
紫が複数あるモニターの内の一つを指した。
その画面を見る一同。
ウルトララン「・・・・・。」
ここで何と、今まであんまり役に立ってないどころか、
その存在すら忘れかけられていた、ウルトラランが動いたのだ!
ウルトラランは、初号機が捨てたピコハンを持った。
ぎゅううううん・・・・・
ピコハンもまた、不思議な力で青白く光り始めた。
形は変わらないから、テンコハンマーとでも名付けるべきか。
ウルトララン「ヘアッ!」
渾身の力を持って、それを振り下ろした!
狙いは、R&Wキング・・・いや、カリスマランスだ!
ピコッ!!!
ウルトララン「・・・・・。」
出る杭を打つかの如く、槍の末端を叩いた!
押して駄目なら引け、である。
R&Wキング「ケエエエエエエエエエェェエ~~~~~~~!!」
槍はめり込み、穂先はR&Wキングに届いた!
咆哮するR&Wキング。
カリスマセブン「デュワッ!」
カリスマセブンは、カリスマランスを引っこ抜いた!
魅魔「おおお・・・・!」
美鈴「・・・・う~ん・・・・。」
引っこ抜いた槍の穂先にはなんと、博麗神社の悪霊、魅魔が刺さっていた。
ついでに、美鈴も刺さっているような気がするが。
咲夜「あれが、霊夢に取り憑いた邪悪の正体・・・!」
紫「そう。あれが、不届きな霊夢と遊んでいた不届き者よ。」
その存在は、誰も気にしなかった。
魅魔「くそぅ、一体何だって言うのよ・・・。」
美鈴「あ、あれ・・・、ここは・・・?」
なお、不思議な力が働いているので、刺さっていても痛くは無い。
不思議な力とは、そういうものだ。
カリスマセブン「・・・・。」
魅魔「うわっ!出た。」
美鈴「わ~!なに~!?」
目の前の巨大な物体、カリスマセブンの存在に驚く二人。
魅魔「う~ん、とりあえず・・・。ほれ、エビフライ食うか?エビフライ。」
カリスマセブン「・・・ジュル。」
とりあえず、餌付けを試みる魅魔。
どっからとも無く出てきたエビフライに、涎を垂らすカリスマセブン。
魅魔「食べる?そうかそうか、いい子ね。ええと・・・ノンカリスマ。」
魅魔は、 言 っ て は い け な い こ と を 言 っ て し ま っ た 。
カリスマセブン「ヘアッ!」
ブンッ!
魅魔の一言で、カリスマセブンが眉間に皺寄せて、(怒)マークを浮かべた。
カリスマセブンは、魅魔を槍ごとR&Wキングに向かって投げつけた!
ベチッ
魅魔「ぐうっ!」
美鈴「がはっ!」
R&Wキングごと、遠くへ吹っ飛ばされる魅魔。
カリスマセブン「(コクッ)」
ウルトララン「(コクッ・・・)」
カリスマセブンとウルトラランは、アイコンタクトを取った。
そして、それぞれ必殺技の構えを取った!
魅魔「く!このままでは終わらないよ!何時の日かあんたらを倒し、そして!」
美鈴「ちょっと待って!私!私が居るってば!」
魅魔「プレーヤーキャラとして復活するっ!絶対に!」
美鈴「その構え、必殺技よね!?ヤバい、ヤバいって死んじゃうって!やめて~!」
魅魔「そう、絶対にね!あ~はははははは!」
カリスマセブン「デュワ!」
ウルトララン「ヘアッ!」
悪役らしく高らかに宣言する魅魔、
そして、動かなくなったR&Wキングに向かって、
ウルトラランはマスター狐狸妖怪レーザーを、
カリスマセブンはカリスマビームを撃った!
魅魔「はははは・・・・。」
美鈴「わ~~~~!!」
ドッカ~~~~~~~~~ン!!!
R&Wキングは爆散。
魅魔もまた、それに巻き込まれ、消えた。
咲夜「・・・・。」
レミリア「・・・・。」
パチュリー「・・・・。」
妖夢「・・・・。」
沈黙する司令室の一同。
R&Wキングが爆発した、その跡には、
霊夢「う~ん・・・・。」
邪悪な気が抜けた、霊夢が倒れていた。
咲夜「・・・・・やった。」
妖夢「やった!」
レミリア「やったわね。」
パチュリー「やったわ。」
紫「やったのは外の二人だけど。」
邪悪な博麗霊夢、二色蓮花獣R&Wキングは退治された。
邪悪の元も断たれ、紅魔館に平和が戻った。
ペコーン! ペコーン!
カリスマセブン「デュワッチ!」
ウルトララン「デュワッチ!」
紅魔館を救った二大ヒロインは、空の彼方へ飛んでいった。
ありがとう!ウルトララン!カリスマセブン!
ウルトララン「ギャアァァ~・・・・・・・・・・・・・・。」
さようなら、ウルトララン!
さようなら~!
紫「ウルトララ~ン、ありがと~、さよ~なら~。・・・はい、復唱。」
レミリア「しないって。」
妖夢「・・・え~と?」
紫「追わなくていいの?」
妖夢「追うって・・・・・・・あ~~~!待ってください!幽々子さま~~~!!」
妖夢は、カリスマセブンの後を追って、大慌てで飛んで行った。
こうして紅魔館に、再び静寂と平和が戻ったのであった。
劇場版新世紀フランゲリオン フランゲリオンVSカリスマセブン
THE END
咲夜「ところで、お嬢様。」
レミリア「ん?」
咲夜「フランゲリオン隊は全滅。このままでは話が本筋に戻れないと言うか・・・。」
レミリア「何のことかしら。」
パチュリー「本筋だか何だかよくわからないけど・・・。あれ見て。」
咲夜「?」
レミリア「?」
モニターは、戦場跡を映している。
パチュリーは、ある事に気付いたのだ。
フラン初号機「ヴヴヴヴヴ・・・・。」
初号機は、何やら変な煙を噴出していたり、あちこちから電流が漏れてたり
ちょっと尋常ではない状態だ。
咲夜「大変です!このままでは、初号機が大爆発を起こして・・・!」
レミリア「紅魔館が!」
戦場は、紅魔館の外。
つまり、今初号機が大爆発などしたら、連鎖式に弐号機と零号機も爆発。
タダでさえ不味い状態の紅魔館が、さらに不味いことになる。
いや、もしかすると、紅魔館そのものが吹っ飛ぶかもしれない。
紫「大丈夫。私に任せて。」
咲夜「え?」
紫が、名乗りをあげた。
今まで、殆ど何もしなかった紫が。
紫「あれを、別の場所。紅魔館に被害が及ばないところにやればいいのよ。」
レミリア「よし、まかせた。」
紫「任されました。そおれ。」
ぶお~ん
外を見ると、紫の一声で発生したスキマに、初号機が飲み込まれてゆくでは無いか。
あっという間に初号機は、現場から姿を消した。
紫「はい、おしまい。」
咲夜「ああ、よかった。」
レミリア「これで紅魔館も、無事安泰・・・。」
うい~ん! うい~ん!
紫「とは、いきませんでしたとさ。」
安心したところに、また警報が鳴った。
レミリア「あ~もう!今度は何?」
咲夜「格納庫に熱反応?一体何が・・・。」
今度の異常は、フランゲリオンの格納庫かららしい。
画面が、外から格納庫へと切り替わる。
咲夜「ええ!」
レミリア「げげっ。」
パチュリー「何てこと・・・・。」
紅魔館住人一同は、驚愕した。
フラン初号機「ガガガガガガピーガガガピーヴヴヴヴヴヴヴ。」
さっき消えたはずの初号機が、格納されていたのだ!
しかも、先程より悪化した状態、今にも爆発しそうな状態で。
咲夜「ちょっと紫!これはどういうことよ!」
紫「大丈夫。こんな地下での爆発なら、地上にある紅魔館には影響無いわ。」
パチュリー「ここも一応、紅魔館なんだけど。」
紫「それは言わない約束よ。」
レミリア「勝手に約束されてもねぇ。」
咲夜「こんな至近距離で爆発されちゃ死ぬわよ!」
紫「それも大丈夫。人間じゃない限り死なないわ。」
咲夜「私は人間っ!」
紫はこの地下で、初号機を爆破させようとしたのだ。
当然、住人からは苦情が殺到する。
フラン初号機「ギギギギギガガガガメルメルメルメルメル・・・・。」
紫に文句言ってる間にも、ますますヤバいことになっている初号機。
今にも爆発しそうだ。
パチュリー「このままでは、爆発に巻き込まれて全身黒焦げ、髪型はアフロになるわ。」
レミリア「何て爆破オチなの・・・。」
咲夜「お嬢様!アフロになる前にお逃げを!」
敬愛するお嬢様が黒コゲでアフロになるなど、咲夜には耐えられたものでは無い。
慌ててレミリアを逃がそうとする咲夜、だが。
フラン初号機「ポ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!」
ぴか~~~~~~~!!
紫「あ、手遅れ。」
初号機が叫んで、光った。
そして。
ずどおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~~~~~~~~~~~~~~~~ん!!!!!!!
・
・
・
ガバッ!
咲夜「お嬢様がアフロにぃい~~~~!!」
朝。
咲夜は絶叫しながら、布団から飛び起きた。
咲夜「って・・・夢オチ・・・?」
バタンッ!
レミリア「咲夜うるさい。」
レミリアが、咲夜の部屋に入ってきた。
咲夜「あ、お嬢様。おはようございます。」
レミリア「おはよう。じゃなくて、誰がアフロだって?」
咲夜「爆破オチに見せかけた夢オチ・・・ですわ。」
レミリア「ああ。どっちも王道よねぇ。」
咲夜「ええ。どっちも、使用禁止令が出るくらいです。」
レミリア「どうでもいいけど、目が冴えてきたわ。咲夜、朝ごはん。」
咲夜「畏まりました。すぐ準備しますね。」
咲夜が寝惚けたんだろうと判断し、
レミリアは朝食の準備を命令すると、部屋を出た。
部屋には再び、咲夜一人になる。
咲夜「・・・で、何だったのかしら・・・?」
先程まで見ていた、わけの分からない夢を思い返す咲夜。
思い返してみたはいいが、やっぱりわけが分からない。
わけが分からないので、思い返すのも程々にしておいて、ぱっぱと着替えを済ませた。
咲夜「ティッシュにハンカチ、それとナイフ・・・・。」
ゴト・・・
咲夜「ん?」
メイド服のポケットから、何かが落ちた。
咲夜「ネジ?はて、こんなもの持ってたかしら、私。」
それは、一個のネジ。
だが、咲夜はネジを拾ったりくすねたり、ポケットに入れた記憶は無い。
咲夜「まぁ、食べるわけにもいかないし、そこらに捨てるわけにもねぇ。」
咲夜は ネジを てにいれた
咲夜「さてと、朝ご飯朝ご飯・・・。」
そして今日も、咲夜の一日が始まる・・・。
最後の選択肢の三番目はバットエンドと言うか違う方向に行きそうな気配が。。
とりあえず完結、お疲れ様でした。。
いた罰でしょうか? 後書きで降って沸いた魂のメルランに腹筋
崩壊させられますた。 まじでお腹痛い痛い。