私が各地を彷徨っていた時、ある村に立ち寄った事があった。村人達は皆、私に優しくしてくれた。
その村で数年過ごした頃、村は旱魃(かんばつ)に見舞われた。森は枯れ、池も、川も干上がり、もともと裕福ではなかった村は、食料の蓄えも少なく、このままでは餓死者も出ると思われた。
その村では、私はただの人間として振舞っていた。しかし恩義ある村の危機を見過ごす事は出来ず……私は、正体を明かして『力』を使い、村に雨を降らせた。
私は治水神。
私の能力は、雨を降らせる程度のささやかなもの。
私の力によって、村は救われた……そう、思った。
私の『力』は雨雲を呼び寄せる。だが無から有が生み出せるわけではない。
私がこの村に雨雲を呼び寄せたならば……別の村で旱魃が起きるだけだった。
私の噂は風よりも早く広まり……そして、私を求めて戦が起こった。
私は、私の愛した村が滅びるさまを見た。 私のせいで滅びるさまを……
僅かに生き残った村人は、私に石を投げつけた。
石は私の左目に当たり、私の左目は永遠に光を失った。
私は逃げ出した。私を慕ってくれた村人達が向ける憎悪が怖かったから……何より、私のせいで多くの者が命を失ったという事実が重かったから……
今度こそ行き場をなくし、人から隠れ、山を、野を彷徨い続けた私は……身も心も擦り切れ、磨耗してしまった私は……『帰りたい』……それだけを望むようになった。
父、母、姉、兄、妹、弟。
彼らの待つ天に帰りたい。
そして、それが叶わぬ望みと知りながらも、なおそれを求めて彷徨ううちに……私は幻想郷に辿り着いた。
ここには……今は無き古(いにしえ)の力が満ちている。ここでならば可能かもしれない。
帰れるかもしれない。希望を見つけた時、私の中の望郷の心は、抑えきれぬほどに、溢れかえった……
帰りたい…帰りたい…帰りたい…帰りたい…会いたい…皆に…帰りたい…帰りたい………私は………もう………
………こんな世界(ところ)にいたくない…
第四章 『魔の山』
「魔理沙! あれ…」
「…あぁ どうやら間違いなさそうだな」
幻想郷の端、西方にある名も無き山、その山を真っ黒な雨雲が渦を巻いて覆っていた。
雨雲からは時々稲光が見える。高密度の積乱雲が雷を生んでいるのだ。
幻想郷中の雨雲を集めたせいだろう。雨雲の黒はすでに闇の色に至っていた。
異常なのは、その山の上にだけ雨雲がとぐろを巻いており、それ以外には抜けるような青空が広がっている事。
周囲の青空と渦巻く雨雲。その対比により目の前の風景が、魔的な、この世ならざるモノと化している。
「やっぱり、あの雲…何らかの妖気を感じる。しかし変だな…これだけの異常、紫様が放っておくとは思えないが…」
「暑いからだろ。お前、あの八雲 紫が、このクソ暑い中、出歩くと思うのか?」「思わない」
即答だった。
霧雨 魔理沙と魂魄 妖夢は、『永遠亭』から真っ直ぐ西に向かい……この異常を発見した。遠目から見た時は彼方に黒い筒が立っているように見えたが、近くまでくると雨雲が渦巻き、天まで届けとばかりに伸びている。
恐らくこの異常の中心、山の頂に、これを引き起こしたモノが居る。
「しかし…参ったな。傘を持ってきてないぜ」
「あ、しまった。私も持ってない。どうしよう…」
ボケに対しボケで返される。やっぱりコイツとは噛み合わないな、と魔理沙は思った。
一瞬、紅白の巫女を思い浮かべる。アイツの突っ込みは速度、タイミングともに申し分ない。惜しむらくは突っ込みが激しすぎて血を見ることになるということだ。
「…なんかエッチだな…」
「何か 言ったか?」
「んにゃ 何でもない」
魔理沙は改めて雨雲を見る。一直線に山の頂に向かうのは、あれだけ渦巻いている雲を見る限り難しいだろう。山の麓から、低空で飛んで頂を目指した方が良い。あの渦巻き方から見て中心はそれ程、風が強くないと思われる。台風の目というやつだ。
「良し! じゃあ 行くぜ!」
「応!」
二人は高度を落とし山の麓へ向かう。この先に何が待つのかも解らないまま、恐れもせず、怯えもせず、真っ直ぐに前を見て、躊躇いなく、あの巨大な黒雲に飛び込んでいく。
その無謀さが 魔理沙であり、
その猪突さが 妖夢であった。
「……酷い雨だぜ」
魔理沙は濡れ鼠になりながらも、木々を抜け、山の頂を速度を上げて目指していた。
「ふっ!」
妖夢の一閃で、前を塞ぐ胴回りほどもある木の枝が切り落される。
妖夢は魔理沙に先行する形で空を飛び、前を塞ぐ木の枝を速度を一切緩めないまま切り開いていく。
「――! 森を抜けるぞ。一旦 止まるか?」
「馬鹿野郎! 止まるな! 一気に行けっ!」
「承知!」
二人は森を抜ける。
そこには荒れ果てた岩場が山頂まで続いていた。
「このまま、山のてっぺんまで一直線だ。怪しいヤツはぶっ飛ばせ!」
二人は一層速度を上げ、山の頂を目指す。岩場を抜け、丘を超え、激しく叩きつけられる雨に視界を塞がれながらも一瞬たりとも速度は緩めない。巨大な落石を魔理沙の魔砲が吹き飛ばし、前を塞ぐ石柱を妖夢の刀が斬り飛ばした時――
山の頂に立つ 女の姿が見えた。
女は滝のような雨の中、その身に一糸纏わずに立っていた。長い黒髪は足元まで届き、雨に濡れ黒く艶やかに流れる。
左目は黒髪に隠れ、残された右目だけでこちらを見る。
女は美しかった。細い手足、品のある鼻梁の通った顔、大きな瞳は黒曜石のように輝いている。
その裸身を叩きつけるような豪雨に晒しながら、女は身動ぎもせずに立っていた。
魔理沙と妖夢は、その姿に一瞬目を奪われる。
直感も、直観でも、こいつが、この異常の原因だと解る。
(だが、こいつは何だ…)
別に角が生えている訳でも、手足が多い訳でもない。
極端に身体が大きい訳でも、小さい訳でもない。
普通だ。美しいだけの普通の人間だ。
だが、その氷のように凍てついた表情は、その何も映していない黒い瞳は、あの蓬莱山 輝夜のように――
彼女が、すでに壊れていることを、物語っていた……
妖夢はすでに両手に剣を取り、無言で構えを取っている。
魔理沙は……その黒い瞳の輝きに……呑まれていた…
あの目、あの目は嫌だ、あの目は…怖い…
蓬莱山 輝夜と同じく壊れてしまった瞳…
父のように、己の求めるもの以外、全てを切り捨ててしまった瞳…
目を見れば…解る。彼女は ただ一つの事だけを求め…すでに 狂気の域まで 達している。
「魔理沙……どうしたんだ?」
妖夢は不安げに問い掛ける。
魔理沙は答える事が出来ず、彼女から目を逸らす事も出来ず、ただ立ち竦んでいた。
妖夢はそんな魔理沙の姿を心配しながらも、『彼女』に向かって声を発す!
「貴様!何者だ!」
『彼女』は ゆるりと 身体をこちらに向ける…
「……」
「何故、幻想郷の雨を奪った! 雨を奪って何とする!」
「……帰る…今の私の力では届かない…でも、雨を集め…力とすれば…帰れるかもしれない……帰る、帰る、帰るんだ…みんなのところへ…帰る、帰る、もう…嫌だ…父さま…母さま…帰る…私は…お願い…帰る…帰る帰る帰る帰る帰る…………帰る…………帰りたい……こんなところに……いたくない…」
『彼女』は妖夢の言葉に答えない。壊れた蓄音機のように、同じ言葉を繰り返す。その言葉は淡々として抑揚がなく、その瞳には何も映さず、雨に打たれた裸身は病的に白く……まるで幽鬼のようだった。
魔理沙は『彼女』の言葉を聞きながら……迷っていた……
『彼女』を倒し、雨を取り返す。それは良い。そのために此処まで来たのだ。
だが、『彼女』が求めるのはたった一つ 『帰りたい』という事だけ。その為にこんな山の中で一人、雨に打たれている。
そのただ一つ求めるモノの為に、他の全てを切り捨てることが出来る者に、自分が語る言葉はあるだろうか……
パチュリー=ノーレッジは、昏い図書館の中で100年も 『真理』を追い求めていた…
西行寺 幽々子は、白玉楼で死者の魂の『輪廻』を永い間、看取り続けてきた…
蓬莱山 輝夜は 永遠亭で死ぬことも生きることもなくただ『永遠』に在り続けた…
幽々子に諭され、遠い昔、霧雨の家を飛び出した時に、自分の意思で生きると決めた事を思い出した。
だが、他人のそのような生き様を見せられ、それでもなお傲慢に振舞える強さは…
自分の為に 他人の『生き方』を切り捨てる。そこまでの覚悟は……自分には………
「何 ぼーっとしてんだっ!」
妖夢が魔理沙の尻に思いっきり蹴りを入れる。
魔理沙は顔面から水溜りの中に突っ込んだ。
「……テメェ! 妖夢! 何しやがるっ!」
「馬鹿! 何、らしくもなく考え込んでるんだ! 敵は目の前なんだぞ!」
「う、だけど……私は…」
魔理沙はまた俯いて言い淀む。
「魔理沙。 お前に師匠から頂いた有り難いお言葉を教えてやろう。『剣が全てを教えてくれる』 つまり どんな迷いも斬ってみれば解るのだ!」
魔理沙はぽかんと口をあける。言葉を失う。
「どんな事も斬る、ぶつかってみないと解らない。いくら考えたって無駄だ。お前や私では、な」
あたまわるいからな、と妖夢は魔理沙に対しニヤリと笑う。
「お前も私と同じく、『当たって砕けた』な口だろう? なら、考えても無駄だ! 他人と比べても意味が無い! 今、やれる事を全力でやるだけだっ!」
妖夢は言うだけ言うと、『彼女』に向かって構える。もう魔理沙の方は見ない。
魔理沙は……立ち上がる。
トレードマークの帽子を被り直し、口元に不敵な笑みを浮かべて!
「はっ! お前なんかに説教されるとはな。私も相当 ヤキが廻ったみたいだ…ありがとよ妖夢…あとでちゅーでもしてやるぜ!」
いらん! と妖夢が反発し魔理沙を振り返る。一瞬だけお互いに目を合わせる。
「いくぜ妖夢! この陰気な空をぶっ飛ばせ!」 魔理沙は箒に跨り空を翔る。
「応!」 妖夢は剣を両手に構え、地を駆ける。
そして、二人は目の前の天女に向かって飛び出した。
『彼女』は自分に向かってくる二人を見て一瞬戸惑う。しかし自分の邪魔をする敵だと認識し……右手を二人に向けた。
右手に『水気』が集まり、銃弾のような勢いで放たれる!
「うぉ!」
「ちぃ!」
魔理沙は銃弾の雨を大きく迂回して避け、妖夢は最小限の動きでそれをかわす。
かわしきれない分を剣で切り落とし、『彼女』に迫る!
肉薄する妖夢に、その速さに、驚愕の表情を浮かべ、『彼女』は慌てて宙に身をかわす。
「甘いぜ!」
宙に浮いて無防備な『彼女』に魔理沙は魔砲を放ち、巨大な光の帯がその全身を飲み込む。
両手を前に突き出し水の壁を生み出して抵抗するが、魔砲の威力を殺しきれず地面に叩きつけられる。
「貰った!」
妖夢が倒れた『彼女』に駆け寄り剣を振るう。あの構えは人符『現世斬』
凄まじい加速で一閃。斬った後もその加速を殺しきれず、斬り抜けた後十メートルも滑る!
「!?」
妖夢は慌てて振り返る。今の一撃は完璧だったはず! なのに剣に何の手応えもない!
どん!
振り返った妖夢は右肩に衝撃を感じる! みると高水圧により鋼鉄の硬度を持った水の槍が刺さっていた。
「妖夢!」
魔理沙は妖夢に向かって飛ぼうとしたが、
「来るな!」
という妖夢の叫びに動きを止める。
そして、妖夢の身体に……幾本もの水槍が突き立った……
「う、うわぁああああ!!」
魔理沙は半狂乱で『彼女』に向かって魔弾を放つ! 『彼女』は魔弾を後ろに飛んでかわす。
その隙に、魔理沙は妖夢の身体を抱えると、『彼女』との間に距離を取る。
「よ、妖夢! おい! まだ生きてるか! 死ぬなよ! おいってば!」
「……まだ、生きてる……もともと半分幽霊だけどな…」
妖夢が薄っすらと目をあける。魔理沙は妖夢の身体をぎゅっと抱きしめる。
「……魔理沙…痛い…」 妖夢は自分の肩に顎を乗せて泣いている魔理沙の頭を ぽんぽんと撫でる。
「…大丈夫…鍛えているんだ。この程度じゃ…死なないよ」
「……ホントか?」
魔理沙は赤く腫らした目で妖夢を見つめる。
「…ホントだよ」
微笑む妖夢の声を聞いて、やっと妖夢を抱きしめている腕から力を抜く。
「…でも、アイツどうして? 刀で斬ったと思ったのに…」
「…あぁ、私は上から見てたから解ったけど、アイツ 斬られる瞬間、横に飛んでかわしやがった。端から見てても
消えたかと思ったぜ」
「……でも、私が、相手が私の剣をかわした事すら気付かないなんてありえない、と思う…」
妖夢は傷口を手で押さえながら、自信無さげに言う。
「多分、雨を使って虚像を見せてるんだろ? ほら、あれ見てみろよ」
激しく降る雨の中で『彼女』の姿が、揺らめき、ぼやけて、いる。 じっと見てるとその姿が、増えたり、消えたりして、見える。
雨の層を意図的に変えることにより、鏡に写した虚像を作り出す幻影術だろう。
「それに…さっきお前の剣をかわした時も…素早かったぜ。見た目はぼーっとしてトロそうなのに」
「剣で相手は難しいか……よし、私がアイツを足止めする。お前の魔法で決めろ」
妖夢は剣を杖にして立ち上がる。魔理沙は慌てて バカ! じっとしてろ! と叫ぶが、妖夢は口元に笑みを浮かべ
「『当たって 砕けた』が私達の信条だろ? 私も お前も……まだ砕けてないぞ」
と言った。
魔理沙はきょとんと目を開いたが、
「そう…だな。私も、お前も……馬鹿なんだったな」 と答えた。
二人は立ち上がり、目の前の倒すべき敵を睨む。
妖夢は傷口から血を流しながらも その闘志に翳りなく……
魔理沙はそんな闘士が傍らにいる事を 誇りに思った……
『彼女』はそんな二人の姿を見ながら……『羨ましい』……と思った。
遥かな昔 自分の傍らにもそういう者たちがいた。
戦いの最中、命を落とす者
他の誰かのために 死地へ向かう者
その者たちを誇りに思い、自分もまたそのようにありたいと願った。
だから、あの時……巨大な洪水が人々を飲み込もうとした時……
この身を捨てても守りたいと思ったのだ。
そして『力』を失い この地に取り残された時も……
天に帰りたいと 狂ったように願った時も……
その事を 後悔した事は 一度もない。
『彼女』は二人を『殺したくない』と思った。
しかし、全力で自分に向かってくる二人に対し、手を抜く事は非礼にあたる事も弁えていた。
その何も映していなかった瞳に光が灯る。
黒い魔法使いと緑の剣士。二人の姿をその目に捉え、
彼女達たちに応えるべく 己の持てる力の全てを 解放した!
~幕間~
「咲夜 お茶ー」
レミリア=スカーレットは地下室から起き出してくると、姿も見えない己の従者に声を掛ける。
「はい。お持ち致しました。今日はオレンジペコの良い葉が入りましたので。気に入って頂けると良いのですが…」
先程まで誰も居なかった筈のリビングでは、十六夜 咲夜がお茶の用意をして待っていた。
咲夜が椅子を引き レミリアが席に着く。
「うん。良い香り。気に入ったわ」
レミリアはお茶の香りを嗅ぐと満足げに笑みを浮かべる。
「あ、お嬢様。少々お待ちを」
咲夜はナイフを自分の指に突き刺すと、血を2、3滴、カップに垂らす。
カップからオレンジペコの若々しい香りに混じって、仄かに血が薫る。
「はい。これで完璧です」
「流石、良い仕事をするわね」
「有難う御座います」
咲夜は頭を下げる。単なる主従の関係という以上に、咲夜はレミリアに喜んで貰えた事を嬉しく思う。
そんな、二人の午後のティータイムは優雅に過ぎていった……
そういえば と、レミリアが咲夜に問いかける。
「さっき 誰か来てなかった?」
「えぇ いつもの黒いのが訪ねて来ましたよ。雨を降らさないようにしている者を探しているそうです」
ふうん? と、レミリアは眉を顰める。
「魔理沙 一人?」 「えぇ 一人でしたが…」
レミリアは腕を組んで考え込む。
「お嬢様? どうなされたのですか?」
咲夜は 考え込んで動かなくなったレミリアに声を掛ける。
「ん? あぁ いや、大した事じゃないわ。……そうか、魔理沙一人か、だけど霊夢のことだから……」
レミリアは何かブツブツ言っている。
こうなってしまうと何を言っても無駄だ。咲夜は溜息を一つ付くとお茶のお代りを用意し始めた…
最終章 『或る酷く暑い日のおわり』
「はぁーっ!」
気合一閃! 妖夢の刀が白い裸身を袈裟切りに斬る! しかしまたも幻影。斬った筈のその姿は霞と消える。
妖夢は止まらず、次の幻影に向かって刀を振るう。
雨は一層強くなり、もはや一メートル先すらも霞んで見えない。その中に黒髪に白い肌の女性の姿が、十重二十重と
重なって見える。
魔理沙も空中から魔弾を放つが、幻影を掻き消すのが精一杯。本体には傷一つ負わせる事ができない!
「畜生! きりが無いぜ!」
魔理沙は悪態を吐きながらも決して手を止めない。止めた瞬間に…
「うぉっ!」
魔理沙の脇を水槍が掠める。隙あらばと飛んでくる水槍のせいで、大きい魔法を放つための溜めが作れない!
「妖夢! 一旦引くぞ」
魔理沙はそう叫ぶと、右手に生み出した魔弾を一斉に解き放つ! 狙いも付けず放った魔弾は地面を立て続けに穿ち
水煙が立ち上がる!
魔理沙の弾幕を盾に、妖夢も大きく後ろに飛ぶ。
改めて距離を取り、二人と一人は対峙する。
魔理沙は横目で妖夢を見る。顔色が悪い。やはり先程の攻撃で血を流し過ぎているのだ。だが最早 妖夢に対して
大丈夫か? などとは問わない。答えは解っているし、そんな暇があるなら一秒でも早く敵を倒すべきだろう。
「どうする? このままじゃジリ貧だ」 妖夢は吐く息も荒く問う。
「………」
魔理沙は考える。あの幻影が厄介だ。的を絞りきれない以上、得意の力押しも出来ない。おまけにこの雨だ。視界は
遮られ、濡れた身体が重い。いつもに比べると自分も妖夢も動きにキレがない…
「雨か……雨ね…」
出来るか? 普通に考えれば無理だ…何より『あれ』を使うにはかなりの集中が必要。そんな時間を敵が赦すとは
思えない。
だが、今なら……妖夢がいる今ならば……
「妖夢……頼みがある…」
「言え。私は何をすれば良い?」
「……今から デカいのを放つ。その間 アイツの攻撃を一人で止めてくれ…」 「承知した」
即答だった。 是非も問わず、理由も問わず、妖夢は頷いた。
「妖夢……お前が居てくれて…良かったよ…」
「私も……お前といると…退屈しない…」
二人は視線を交差させる。だが、それは一瞬。 互いにやるべき事を成すために前を見る!
魔理沙は、手持ちの符を地面にばら撒く。呪文を唱えると、符が輝き地面に巨大な五芒星を描き出す!
妖夢は、魔理沙の前に立つと剣を構える。右手に『楼観剣』、左手に『白楼剣』 両手に構え大地を踏みしめる!
二人の覚悟を目の当たりにした『彼女』は、自分も覚悟を決める必要があると感じた。
死ぬ覚悟ではない…殺す覚悟を…
二人に恨みがあるわけではない。だが…邪魔はさせない。
『彼女』は、両手を大きく広げる。激しい雨の中に浮かぶ幻影の数は二十三。その全てが両手を広げる様は、
まるで万華鏡(カレイドスコープ)のようだった。
『彼女』の前に大きな水珠が浮かぶ。二十三の幻影の前にも浮かぶ……
そして……
水珠から幾条もの水の槍が一斉に飛び出した!
その数は最早数え切れない。何十、何百もの水槍は津波のように二人に襲い掛かる!
魔理沙は、目を閉じたまま呪文に集中している……妖夢を信じているから…
妖夢は、襲い掛かる津波に、恐れずに一直線に飛び込んでいく……魔理沙が信じてくれたから…
その二人の姿に……『彼女』はいたたまれず……そっと目を閉じた……
「うぉおおおおおっ!」
妖夢は剣を振るう! 最早、型も何もなく、ただ 水槍を叩き落とすためだけに。
五十、百と剣を振るがその剣速は衰えない。呼吸も忘れ、心臓を動かす事すら忘れ、ただ一心に剣を振る!
落とし損ねた水槍が妖夢の身体を貫く。痛みに身を捩る。だがそれでも 妖夢は剣を振る手を止めない。
止めようとしない!
だが、それでも水槍の数が多すぎた。妖夢の頭上を越え魔理沙に向かって水槍が疾る!
魔理沙はまだ呪文に集中している。水槍の接近にも気付いていない!
「しまっ…!」
妖夢は思わず振り向く。魔理沙に向かって水槍が5本! 今からでは間に合わない! 自らの背後にも
水槍が数本迫っていたが、最早 妖夢には魔理沙しか目に映らない……
(魔理沙! すまん……)
妖夢が目を閉じる。己の死は覚悟していたが、魔理沙の死だけは、見たくなかった……
魔理沙を、妖夢を、幾条もの水槍が貫こうとした瞬間……
蒼い光の柱が大地から放たれ、全ての水槍を掻き消した!
「「!?」」 妖夢も、『彼女』も、驚愕に目を開く!
呪文を唱え終わった魔理沙は、その両手に力を溜めたまま、ゆっくりと目を開く。
「遅いぞ…霊夢。 出待ちを計ってたのか?」
「そーでもないわ。これでも結構ギリギリだったのよ。でも何とか間に合ったわね」
魔理沙の背後には、『楽園の素敵な巫女』 博麗 霊夢が立っていた。
いつも通り紅白の巫女装束、右手にお払い棒、左手に呪符を持って、この雨の中、泰然と立っていた。
「妖夢 立てる?」
霊夢は妖夢に声を掛ける。
「あ、あぁ……でも、お前…何でここに?」
妖夢はフラフラと立ち上がりながら尋ねる。
「魔理沙一人でも大丈夫だと思ってたんだけどね。思ったより手強そうなので助けにきたのよ」
「放っとけ。私ら二人で十分だったぜ」
なぁ? と魔理沙は妖夢に笑いかける。
本当? 目赤いわよ 泣いてたんじゃないの という霊夢が意地悪げな問いかけに な、泣いてるわけ
ないだろ! 馬鹿なこといってんじゃない! と魔理沙が反論し……
妖夢はそんな二人を見ながら……敵わないなぁ と、思っていた。
魔理沙は、霊夢がここに来たことを驚かなかったし……
霊夢は、誰に言われるでもなく、ここにやってきた……
二人の間には、言葉にできない 言葉にする必要もない そんな繋がりがある……そう、感じた。
今回、魔理沙と共に過ごして、魔理沙の意外な一面を見てきた。今まで知らなかった魔理沙。でも、
それは当然だ。
……いつもなら 魔理沙の隣には 霊夢がいた。
霊夢の前では、魔理沙はあんな弱気な面は見せない。いつだって傍若無人で 傲岸不遜で……
だが、それはそう在りたいという魔理沙の願望(ねがい)
魔理沙は望んだ自分であるために、望んだ自分に成るために…これからも霊夢の隣にいるだろう…
霊夢も、そんな魔理沙の弱さを知りながら…知らない振りをしたままで、魔理沙の隣にいるだろう…
妖夢は 少しだけ 胸が痛んだ…
「さて、そろそろ決着を付けましょうか!」
霊夢はお払い棒を『彼女』に向ける!
「「お前が仕切るな!」」
魔理沙と妖夢の二人に突っ込まれた。
『彼女』は新たな侵入者に戸惑いつつも、改めて目の前に水珠を生み出す…
「魔理沙! 準備は出来てる?」
霊夢が呪符を構えて問いかける。
「いつでも良いぜ!」
魔理沙が応える!
「妖夢! まだ動ける? 動けるなら、私の合図でアイツに斬りかかって!」
「応!」
妖夢が両手にを剣を構えて応える!
三人の声が重なる。
「「「さぁ! 来い!」」」
『彼女』は先程以上の数の水槍を生み出し一斉に放つ! その数すでに数千。まともに喰らえば肉片も残るまい。
その様は神話の『魔獣』が生み出した大洪水に匹敵する。巨大な高波が三人を飲み込もうと襲い掛かる!
押し寄せる大瀑布……だが、三人の目に恐れはない!
『結』
霊夢の声に呪符が反応し、三人は蒼い結界に包まれる! 津波のような水槍の直撃にも関わらず、結界は
揺らぎもしない!
『終なる魔砲(ファイナルスパーク)!!』
魔理沙の両手から巨大な光が放たれる! 光の帯は光の柱と成る! その凄まじい光の奔流は水槍を一瞬で
蒸発させ、『彼女』の遥か頭上、天空を目指して突き進む!
(……外した?) と、『彼女』に一瞬 訝しげな顔が浮かぶが……
轟音!
魔理沙の魔砲が、この山を包み込む渦巻く黒雲に直撃し…黒雲を…吹き飛ばした!!
突如 広がる青空。『彼女』は驚愕する! そんな! 人間にこれほどの力があるなんて!
急激に『力』を失い、幻影も消え、『彼女』は地に落ちる。
「妖夢! 今よ!」
霊夢の掛け声に、妖夢は答える力すらも その一刀に込めて…
『彼女』の妄執を……断ち切った……
『彼女』が目を覚ました時、最初に見たものは…
あの時と同じ、抜けるような青空だった…
「あら、目が覚めた?」
声を掛けられた方に目を向けると三人の姿があった。
霊夢は、ずぶ濡れになった袴の裾を絞っていた。
魔理沙は、妖夢の怪我の治療をしていた。
妖夢は、魔理沙が塗ろうとしている怪しい傷薬にイヤイヤしながら抵抗していた…
「気分はどう?」
霊夢は穏やかな声で、『彼女』に声を掛ける。
「……よく わからない…」
雨雲を消し飛ばされた以上、天に帰る術は最早ない。だが、それでも、自分の心をあれほど蝕んでいた
『帰りたい』という気持ちが薄くなっている事に…『彼女』は気付いた…
「さっきの妖夢の剣。 『現世妄執斬』っていうものらしいわ。亡者に染み付いた現世の妄執を断ち切るそうよ」
眉唾だけどね? と言って霊夢は舌を出す。
「何故……私を殺さないの?」
霊夢は肩を竦め、背後で騒いでいる魔理沙と妖夢を親指で指差し、あいつらに聞いてみなさいな と言った。
「お! 目が覚めたのか!」
魔理沙が駆け寄ってくる。妖夢も傷付いた身体を引き摺ってやってきた。
「中々、目を覚まさないから心配したぜ。死んだかと思った」 と言って魔理沙はかんらかんらと笑う。
「何故・・・何故 私は生きているの? …どうして…殺さなかったの?」
『彼女』は顔を伏せたまま、搾り出すように声を上げる。
「何故って言われても…私らは雨を取り戻しにきただけだ。ここに集まってた雨雲は吹き飛ばしたから、
じきに麓にも雨は降るんだろ?」
「私は天に帰りたい…そのためなら…また、同じ事をするかもしれない…」
それでも 良いの? と『彼女』は目で問いかける。
「その時はさ…」
魔理沙はいつもの、傍若無人で、傲岸不遜で、誰よりも魅力的な笑顔を浮かべる。
「また、私らが止めてやるぜ。何度でも、な」
魔理沙の言葉に……霊夢は苦笑を浮かべ、妖夢はやれやれと言いながら……頷いた。
「そういや、まだ名前も知らなかったな。名前何ていうんだ? ちなみに、私は霧雨 魔理沙だ。
どーだ 良い名前だろ?」
「……魃…請雨 魃(これう ばつ)……」
彼女は、相変わらず陰気な消え入りそうな声でボソボソと答える。
ふーん? へんな名前 と魔理沙は笑う。
「でもさ、本当に帰る方法ってないのか?」 魔理沙は魃に尋ねる。
魃は弱々しく頷く。たとえ先程までのように雨雲を集め、自分の力を高めたとしても、帰れるか
どうかは解らなかった。
魔理沙は むー と言って腕を組み、妖夢は魃に同情の目を向ける。
霊夢は……
「そうねぇ……こんな時は、幻想郷一の耳年間に聞いてみましょうか?」
そう言って霊夢は右手の指をパチンと鳴らす!
「出でよ! 『スキマ怪人』!」
「呼ばれて~ 飛び出て~」
変なフレーズを口ずさみながら、空間の切れ間から八雲 紫が現れる。魔理沙も妖夢もコイツが
突然現れるのはいつもの事なので驚きはしないが、魃には初めてだったのだろう。あまりの怪しさに
目に涙を浮かべ、ぶるぶる震えている。
「さて、どうせあんたの事だから、ずっと見てたんでしょ。この子を天に帰す方法……知らない?」
紫は、空間の切れ間から身体を完全に抜け出して地面に降り立つ。不思議な装飾の施された日傘
を持ち、洋風な扇子で口元を隠して 優雅に微笑むと…
「ないわ」
と、言った。
「知らないのか?」
魔理沙が問い詰めると、紫は違う違うと首を振って…
「知らないんじゃなくて、『無い』の」
と……言った……
魃はその答えを初めから知っていたのか、哀しそうに顔を伏せる。
「どういう事だ?」
魔理沙は紫を睨む。
「怖いわねぇ。そんなに睨まないでよ」
扇子で口元を隠しながら、紫は余裕の笑みを浮かべる。
魔理沙は紫が苦手だ。
いつも余裕で、いつも泰然としてて…自分の中の弱さや狡さ、そういう人に見せたくないものを見透かしながら、なお微笑み
掛ける。まるで『そんな事は大したことじゃない』と、『そんな事はどうでもよい』と言われているような気分になる。
自分の中に根を張る『劣等感』、それをどうでもよいと言われることは『自分の存在』をどうでもよいと言われているような
ものだ。
……そういうところが……霊夢に似ていて…少し…嫌だ。
紫は、ふふん と、魔理沙のそんな思いも見透かした上で小さく笑い、言葉を繋げる。
「その子、『魃』でしょ? 古代中国の神話に名を残しているわね。『蚩尤』の引き起こした大風雨を治めた治水神。だけど力を
使い果たし地上に取り残されたって話。取り残された後、各地で日照りや洪水等の災害をもたらし人に疎まれていたようね」
魃は俯いて、紫の語る話を、自分自身の話を ただ…じっと…聞いている…
「貴方が帰りたがっている天…そんなもの もう『ない』わ。神々は信仰があって初めて形を成す。貴方の時代の神々はすでに
その役目を終えた。今では、書物と口伝、伝説と記録に残されているだけ・・・貴方の帰る場所は・・・もう 無いの」
淡々と、残酷な事実を、ただ淡々と紫は語る。優しさではなく、厳しさでもなく、ただ事実だから伝える…それを告げられた者が
どう思うか、そんな事は一切関係なく、語る。……故に、その言葉には反論を許さない、真実としての重みがあった。
魃は顔を伏せたままだった…肩が震えている…泣いているのだろうか… 魔理沙は魃に何と声を掛ければ良いか判らないまま
彼女の肩に手を置こうとし……
『彼女』が 哂って(わらって)いるのに 気が付いた…
「あは、あはははは、あははははははははは……」
それは、壊れた自動人形のように、歪んで、歪な奇怪な音声を発するだけの機械のように…
魃は哂いながら涙を流す。風が、魃の長い髪を巻き上げる。魃の前髪で隠されていた左目は、醜く潰れていて……
残された右目は、最早 何も映さず……ただ 抜けるような青空を 今は亡き天だけを 見ていた……
狂ったように…哂いながら…
涙を 流しながら…
「…知っていたわ…えぇ 知っていた。私に天に帰る力はなくとも…私の声は天に届いていたはず! なのに迎えは来ない…
だから…多分 そうなんだと思ってた……でも! 認めたくなかった!」
魃は狂ったように、泣きじゃくる子供のように声を上げる。その声に、その表情に、その瞳に……魔理沙も、霊夢も、妖夢も、
声を掛ける事が出来なかった…
魃の声は 段々と小さくなっていき 再び顔を伏せうずくまる…
どうしたものかと、魔理沙と妖夢が目を合わした瞬間、二人が魃から目を離した瞬間に、
魃は弾かれたように、妖夢に飛び掛り、『白楼剣』を奪うと自らの胸に突き立てようとする!
ドシュ! そして……鮮血が飛び散った!
「ま、魔理沙!」 「馬鹿っ!あんた何やってんの!」
魃が目を明けると、そこには……
魃の身体に覆い被さるようにして、腕に『白楼剣』を突き立てられた、魔理沙の姿があった。
魃は呆然となる…何故? どうして? 私にはもう、この世に存在する意味はない…だから、せめて、自らの手で…終わらせ
ようとしたのに! 何故、この子が……血を流しているの?
魃は呆然としたまま、自分に覆い被さったままの魔理沙に問いかける……何故? と。
魔理沙は、痛みに顔を歪めながら、それでも無理矢理、笑顔を浮かべて……
「死ぬのは…駄目だぜ…」 と言った。
「死ぬのはさ…そりゃ生きてるんだから、いつかは死ぬ…それは仕方ないことだけどさ…ま、中には死にたくても死ねなくて
壊れちまうようなヤツもいるけど…でも、自分で自分を殺すようなマネは…駄目だ。それは生きてるものに対する…侮辱だ」
妖夢が魔理沙の腕から『白楼剣』を抜き、霊夢が自分のリボンを解いて包帯代わりに魔理沙の傷口に巻く。
「私はさ…この『世界』が好きだよ…『私』がいて、『みんな』がいて、毎日毎日、馬鹿騒ぎ…そんな、この『世界』が好きだ…
自分を殺すってことは、さ……この『世界』を見捨てるってことだろ? そんなの…私は…許せない…」
血が止まらない。魔理沙の顔色がどんどん悪くなっていく。妖夢は半狂乱で魔理沙に縋り、霊夢は紫に『永琳を連れて来なさい!
早く!』 と叫んでいる…
「……だから、さ。 お前も…少しでいいからさ…この『世界』を…愛してやってくれよ」
魃は泣き腫らした目で、じっと魔理沙の顔を見つめる…
「…私で良ければ教えるぜ。この『世界』の楽しさを……」
そう 笑って…魔理沙の意識は……闇に落ちていった………
~エピローグ~
「……暑いぜ」
「……暑いわね」
今は7月。 すでに梅雨も明け、連日 真夏日が続いている。 最高気温、今もなお更新中だ。
ここ、博麗神社ではいつものようにいつものごとく 黒い魔法使いが入り浸っていた。
魔理沙はスカートを、霊夢は袴をたくし上げ、部屋の真ん中に置かれた水を張ったタライに両足を突っ込んでいた。
中々、扇情的な光景だが、二人のダレた表情が魅力を半分、いや8分の1くらいにしていた。
「……何とかしなさいよ」
「……何とかしよう」
魔理沙は縁側に立ち上がり、神社の鴨居に、てるてるぼーずを頭を下にしてぶら下げる。
しばらくすると、雲一つなかった青空に、もくもくと雨雲が現れ、やがて雨が降り出した。
雨は優しく、神社を、世界を、包み込む……
魔理沙は、そんな優しい雨を 眺めながら…
さて、明日は何をして遊ぼうかな? と、考えていた。
終
>前後編など、作品を複数に分ける場合は、テキストにしておよそ20KBを目安にして下さい
作品の評価以前にマナーですよ。
でも内容は面白かったと思うな(^-^;
こんなに分けて、何がしたかったのかよく分かりません。読み辛いです。
後「物語のオチは、オリジナルキャラの仕業でした」では困ります。
それなら、とりたてて東方でやる意味がありません。
例えばミステリ物で、連続殺人犯の正体が、
探偵が指を突きつけるシーンで「初めて登場した」キャラでは、読者は憤慨しますよね?
読者側からの視点を持った方が、良いと思われます。
三点リーダー使って下さいとか、「!」や「?」の後は、スペース空けて下さい等の
基本的な文章に対しての注意は、注意点が多すぎるので省略します。
自分で調べてくださいね。
ええと、評価に値しないので、フリーレスにします。次は頑張って下さい。
結構皆様に言われてますけどどうか落ち込まないで忠告を糧にして次回作も頑張って下さいませ。
あと、「左に文字詰め」で投稿した場合三点リーダー(…)よりも・・・の方が見栄えが良い気がするのは私だけですか?
魔理沙が抱える自身の問題を、他の幻想郷の者やオリキャラに見る、という作りは、普段何も考えていないように描写される魔理沙との良い対比になっていたと思います。
最後の魔理沙の行動が多少唐突だった様な気もしますが、「ある一事にのみ目を向け、他を切り捨てる姿」の象徴である魃が死を選ぶという姿自体が耐えきれなかった、とかそんな感じなのかな、と考えれば、まぁ納得のいくところでしょうか。
つまりこの話は徹頭徹尾、魔理沙の話で、オリキャラや幻想郷で起きた問題は添え物にしかすぎません。オリキャラも、この程度の存在感ならば、十分に問題ない範囲だと思います。
文章の書き方についての作法は確かに色々とあります。ゲームのテキスト等の作法とはまた異なっています。これは調べてみるのが良いかと思います。
区分云々を言ってる方々がいますが、このテキストのサイズを調べてから文句をつけているのでしょうか?
52KBというテキストは、1つや2つでは20KBの制限を超えますよ。
むしろ、これだけの長さのテキストが、短く感じさせる程度に読めた、というところを褒めるべきかと思いますがね。
(分けるなら3つかな。起と承1、承2と転、結といった感じでしょうか)
作品事態は楽しませてもらいました
話の本筋はオリジナルキャラでしたが過程をしっかりと描かれていたので
置いてけぼりにはなりませんでした
特に輝夜と妹紅辺りの話は秀逸だと感じております
冒頭から犯人はオリジナルキャラだと解ってましたし霊夢の方でも伏線のような発言してましたから問題ないかと
次回作もまた面白い作品を見せてください
読みにくい所が無かったですが、5分割だと総評としてはちょっと薄く感じてしまいました。仮に半分にぎゅっと詰まっていたら普通の魔法使い魔理沙の苦悩も、オリジナル新しい幻想の住人魃もさらに見栄えしたかもと。また逆に各地訪問それぞれで魔理沙が悩んで答えを探すのを、1話使うくらいでしっかり書いてみても面白かったかもです。
なんにせよ自身に各キャラ解釈があるのはうち的には好きです。オリジナルの魃も
また見て見たいと思いました。
魔理沙の話なら魔理沙の話で一つ。
魃やら幻想郷の事件ならそれで一つで書いたほうがおもしろいかなぁ。
この作品は半端におもえる。
ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。
今後は注意致しますので、ご指導宜しくお願い致します。
魔理沙と妖夢という一風変わったペアの良さを教えていただきました。
些細なことです。でも、そんな些細なことでも読み手の心は萎えるのです。
勿体無いとは思いませんか。
オリキャラの使い方、魔理沙を通して読者に訴える方法等なかなか良いと思います。
ただ、五つに分割する意味はあったかなぁ…それと誤字等。
この点を考慮して、本来の点数より最終的には-20点させてもらいました。
作品の方読ませて頂きました。作品の方はオリキャラが出てるので
少しどうかなって気もしたんですが、設定がしっかりしてる事と
あまり存在感を出さないことが幸いしてサクサク読めました。
ただ、個人的にはパチュリーや輝夜のキャラ設定がイマイチ受け入れにくかった
ですね。でもそうしないこの話の主要部分(魔理沙の真理考察)が成り立たないし、割り切って読めるかどうか。好きか嫌いかって所なんでしょうね・・・
今更ながら読ませてもらいました。
こういう魔理沙はとてもありだと思います。むしろ好物…
ホント今更の評価になりますが、新作品期待してますー