「今日は、帰りたくないんです」
なんて淋しそうな目をしたさとりが私の手を掴んで言うものだから、『早く帰れ』とぺしっと叩いてやったら恨めしげにこちらを見ていた(元々恨めしそうな顔してるが)。
「酷いですねパルすぃ、うぇっぷ、折角のクリスマスイブだからと、なけなしの勇気を出して告白したのに、いけずぅ」
「もう閉店時間過ぎてんだから、管巻いてないで帰れって言ってんのよ。こっちは早く帰りたいってのに」
クリスマスだろうと何だろうと、予定の無い私には関係の無い事で、今日は飲み屋にいて、隣ではさとりが酔っ払って管を巻いている。
普段ならこんな酔っ払い放っといてとっとと帰るところだが……運が悪い事に、ここの店主は私だった。
・・・
ここは地底と地上を結ぶ橋の近くに作られた飲み屋、『水橋』。
旧都の喧騒とは無縁の、静かに飲みたい妖怪のための店という立ち位置でやっている。
店主であるからには、閉店時間を過ぎてるのに駄々をこねて帰らない客の相手も仕事のうちだろうと、こうして延々酔っ払いに付き合っているのだ。
それに売上スコアの大半はさとりが叩き出しているのだから、無碍にも出来ない。
他に来る客といえば、怖いもの知らずのヤマメか、妹のこいしと地霊殿のペット数匹くらいのものだし。
鬼や他の妖怪たちは店の雰囲気が陽気とは言えない事と、ほぼ毎日さとりが居る事を知っているため、今まで来た事は無い。
炒った豆と鰯の頭と柊の葉を、さとりがどこからか仕入れて来て飾っているのも有るだろうが。
以上のような理由から、たとえ相手がさとりだろうと客は客、お客様は神様なのである。
だが考えてみれば、私だって曲がりなりにも大祓の神だし、この場合どっちの神様が優先権を持つんだろうか。
そもそもお客様は何の神に当たるんだろう、商売の神だろうか。
と、さとりそっち退けで考えていたら、機嫌が悪くなっていたようでこちらを睨んで来る。
「待遇が悪くないですか? ここの出資者は私ですよ」
「金を出したら、口を出さないものよ」
「何を言っているんですか、口を出したいからお金を出したんですぅ。それに、出資者は無理難題をおっしゃるものですぅ」
「もう十分口を出したでしょうが。無理難題は受けるつもりも無いから帰れ、あと語尾を伸ばすな気持ち悪い」
確かに出資者はさとりだ、だがそれがどうした。
金を出せば何でも好きに出来ると思ってる奴にやりたい放題やらせたら、ろくな事になるわけがない。
出資者は出資した時点で、役割はほぼ終わっているのだ。
後は適正に金を使うよう要求するくらいで十二分だろう。
ついでに言うなら、ここに店を建てようと言い出したのもさとりだ。
最初はこんな地底の外れに店なんか建てたところで、客なんて来る筈も無いと反対した。
そもそもこんな所に建てる理由は、と聞いてみれば地霊殿内に作る予定だったものが有力者(こいし)の反対に遇って頓挫してしまい、旧都は鬼が騒がしくて駄目だからという。
どうしても建てたいんです、落ち着いて飲める場所が私の夢だったんですと、橋の前で通行人が居るのも気にせずに駄々っ子のように抱き着いて離さず、通りがかりのヤマメとキスメに
「ヤマメちゃん、あれ何?」
「しっ、じろじろ見たら駄目だよキスメ。あれがバカップルの痴話喧嘩だよ」
「へぇー、あれがそうなんだ」
などと言われた日には、もう反対する気力様もお亡くなりになられていた。
ご愁傷様である。
その後、擦った揉んだの惚れた腫れたで、何故か私が店主をやる破目になり、ほぼ毎日通って来るさとりの相手をする事となる。
無理矢理和服を着せられ、いつの間にか女将さんなどと呼ばれる事にも慣れてしまった。
そしてここに来る奴ら皆、和服の方が似合うねと言う始末だ。
そう言われて微妙な顔をしている私を、カウンター席で見ているさとりはいつも笑っている。
パルスィには和服が似合うんですよ、なんて言われた日には、こいつよりセンスが無いであろう事に落胆した。
だが、最初は嫌々着ていた和服も、最近は着替えるのが面倒で橋にも和服で立つくらいに日常に溶け込んでしまっているし、こんな生活も良いかと思い始めている自分がいたのであった。
おしまい。
……じゃない、冷静に考えてみれば何で店番をやらされた挙句、さとりのお守りまでしなくちゃいけないんだ。
そうだ、狭い地底とはいえ、妖怪はそれなりにいるのに何故、私一人さとりの相手をしなきゃならないんだろうか。
このまま放置して、とっとと帰って寝てしまっても良いんじゃないだろうか。
その結果、目の前の酔っ払いが路上でひっくり返って素っ裸で寝ていようが構わないし、雨の中傘を差さずに踊る酔っ払いが居ても良い。自由とはそういう事だ。
ロジャー・スミスもそんな事を言っていたような気がする。
「そういう思考を、現実逃避と言うのですよ」
思考がさとりに駄々漏れだったらしい。
改めてさとりの方を向いて話す。
「まぁあんたを放置云々は本気だとして」
「冗談ではないんですね」
「当たり前じゃない」
酒を飲んで、客の立場を利用して閉店時間を過ぎても延々と管を巻いてる奴が妬ましい。
普段からのセクハラが、酔っ払うと加速度的に回数が増えるのが妬ましい。
酔っ払いだから大目に見て貰えるなんて考えが妬ましい。
私の眠りを妨げる全てが妬ましい。
考えれば考えるほど堪忍袋の緒が切れて、今にも中からグリーンアイドモンスターがこんにちは、しそうだ。
「あんたを妬む理由なんて、本当に幾らでも有るわよ」
「そんな事有りましたっけ」
「そうね、この拳で殴られてみれば、もう少し鮮明に思い出せるんじゃないかしら」
「すみませんでした」
いかに、心は読めども空気は読めず、のさとりでも分かってくれたらしい。
怒涛の早さで、椅子の上に正座して深々と頭を下げる。
「本当に分かってるのなら良いけど」
「勿論ですよ。あの……それで、すみませんついででなんですが」
顔を上げたさとりは、珍しくばつの悪い顔をしている。
「何よ」
「実は、こいしが怒っているので、その、何と言うか、今日は帰り辛いんです。なので、パルスィの家に泊めて貰えませんか」
「帰れ」
「一緒に添い寝してあげますから」
「酔っ払いは息が臭いのでお断りします」
「乙女の吐息が臭いだなんて……鼻が曲がっても言うものじゃ無いですよ」
「それを言うなら口が裂けても、でしょうが」
乙女の部分については、百歩譲ってそう呼ぶ奴が世の中には居るかも知れないと仮定して譲歩しよう。
物理の問題で出てくる、摩擦係数が0と仮定して、的な有り得なさだが。
「で、今度はこいしに何したの」
「別にこいしには何もしていませんよ。ただ、最近ペットと遊んでいなかったから、ついはしゃいでお燐と『悪徳高利貸と町娘』ごっこをやっていただけです」
「おいこら、そこの悪徳高利貸」
「何ですか人を悪者みたいに」
「自分で悪者やってたんでしょうが。あのね、一応とはいえ姉なんだから、沽券に係わるような行動はやめときなさい」
「ふふ……そんなもの、『お姉ちゃんって本当、まるで駄目なお姉ちゃん略してマダオだね』って思春期の娘が父親を見るような蔑んだ目で言われた時にもう無くしてますよ」
そこまで堕ちるな。
「そんな私が、こんなお酒臭い状態で帰ったら、今度こそどんな事を言われるか」
「自業自得じゃない、帰って嫌味でもお説教でも好きなだけ言われなさい」
「お願いしますよ、もう他に行く所が無いんです」
「知らない」
私は私に課しているルールが幾つか有る。
その一つが酔っ払いには厳しく、だ。
酔っ払って遅くに帰って、起こした家族の痛い視線を浴び、延々とお説教を食らい続けるが良い。
「今度お団子食べに連れて行きますから、私の奢りで」
「こんなに飲んでたら帰らせるのも心配ね、うちに泊まって行きなさい。だから明日にでもお団子食べに行くわよ」
「そんなあなたが大好きです」
私は私に課しているルールが幾つか有る。
その一つがお団子には優しく、だ。
これはどんなルールにも優先される。
そして今の私にとってのお団子といえば、旧都一丁目に店を構える釣瓶屋と決まっている。
あそこのタレは醤油ベースだけでなく、味噌に辛子に山葵にゆず胡椒にマヨネーズ、トマトソースからタルタルソース、果ては焼肉のタレまで有る。
そんな節操の無い店の味なんて、と思うかも知れないが、それぞれのタレ用に団子を作り分けているので、どんなタレでも意外と合うのだ。
甘味好きの中にはゲテ物屋と揶揄する奴も居るが、それをものともしない常連客の多さがそんな批判を打ち消している。
様々な団子の味を想像で楽しみながら、手早く店を閉める準備を始めた。
・・・
「さて、それじゃ帰りましょうか」
あとはさとりを引っ張り出して、店に鍵を掛けるだけだ。
「じゃあ、おんぶして下さい」
「じゃあの意味が分からないし、そこまで面倒見切れないわよ」
「これもお団子の料金のうちですよ、えい」
と、子泣き爺よろしく背中に抱き着いて来る。
「ああもう面倒臭いわね。ほら、足持つから上げなさい」
「何だかんだで面倒見が良いんですよね、パルスィは」
「うっさい、酔っ払い」
さとりを抱え、懐から鍵を出し、店に鍵が掛かった事を確認してようやく今日の仕事も終わりだ。
さあ帰ろうと歩き出すと、後ろから抗議の声が上がる。
「私をパルスィの家におんぶして行く仕事が、まだ残っていますよ」
「いちいちモノローグに突っ込むな」
「いえ、あんまり私が軽くて、おんぶしている事を忘れてしまってはいけませんから」
だとするなら、今私の背中と両手に掛かる重みは何だというのか。
反撃で持った足を、ぷにぷにと揉んでやる。
「そんな台詞、このぷにぷにの足でよく言えるわね」
「無駄に筋肉が付いていないだけですよ、それからもう少し強めに揉んで貰った方が気持ち良いんですが」
「きっと脂肪に邪魔されてるのね、こんだけ強くしても感じないなんて」
「パルスィの腕が細くて綺麗で繊細なだけですよ」
付き合いも長いので、言葉通りには褒めていない事が分かる。
こいつは思った事を直接的に言わないので、回りくどいのだ。
「遠回しで捻くれた言い方ね。思ったことをそのまま言ってるようなこいしとは正反対だわ」
「そうでも有りませんよ、覚という種族にとっては、本当も嘘も等価なものなのですから」
「少なくとも私にとっては、そうじゃないんだけど」
「そうですか。ではパルスィの好みに合わせて、こいしみたいに話しましょうか」
素直に、割と明るめに話すこいしみたいなさとり、を少し想像してみた。
「想像してみたら、これ以上うざい物体も無いわね」
「酷い言いぐさですね。どうせ私はこいしみたいに可愛らしくないですよ」
自覚は有るらしい。
「そっちの方があんたらしいわ」
「お褒めに預かり光栄ですね。それに、私は地底での安寧のために可愛いではとても済まされない事だってやりましたから、可愛らしい心なんてもう持ち合わせてはいませんよ」
「昔は持ってたのかしら」
「さあ。何分昔の事なので、忘れてしまいました」
想像に過ぎないが、きっと持って"いなかった"だろう。
もし持っていたら、吐き気を催すような悪として、とっくに退治されている。
「いちいち形容が酷いのは何ででしょうね」
「さあ」
「良いでしょう。パルスィには、こいしみたいに話す方が心理的効果が高いようですから――今からそうするね、パルスィ!」
「うわ、思ってた以上にうざい」
思わず背中のうざい物体を投げ捨てたくなる。
……あ、丁度家に着いたし投げ捨てよう。
「落としたら、お団子食べに連れて行かないよ」
「くっ、分かったわよ。分かったから喋り方元に戻しなさい、私が悪かったから」
「えー、折角のって来たのに」
「本当、色々と暴言吐いて、いや思ってすみませんでした。ですから元に戻して下さい、キモい」
「仕方ないなぁ、パルスィは――では元に戻しましょうか」
ああ、落ち着かないったら無かった。
・・・
「ほら、上着とスカートはしわになるから、壁に掛けときなさい」
「はい」
客用の布団を出してやり、速攻で寝る準備をして布団に入る。
何せ明日は団子の日、今から寝ても遅いくらいなのだ。
さとりも寒いようで、布団には既に入っているが、気合を入れて寝ようとはしていない。
そんな事では、明日の団子には勝てない事が分かっているのだろうか。
「あの、パルスィ、分かってるとは思いますがいくらあなたが早く起きても、私が起きなければ意味が無いんですよ」
「起きたら叩き起こすからよろしく」
「なるほど、そうすれば確かに意味は有るかも知れませんが、余りお勧めしませんよ」
「何でよ」
「もし私を叩き起こすと、漏れなくこいし口調の私が付いて来ます」
「付いて来るな」
チェンジで。
「無理です。店内でもこいし口調で話し掛けます」
「団子の味が分からなくなるから止めて」
「では、叩き起こすのも止めて下さい」
「くっ、卑怯な」
「言ったはずですよ、地底での安寧のために可愛いではとても済まされない事だってやった、と」
わざわざ布団から出て、下着とドロワ姿で勝ち誇ったさとりに膝を屈するのは恥辱の限りだ。
しかし、嫉妬どころか殺意の波動すら出そうな、あのさとりの口調だけは回避しなければならない。
「分かったわよ。今から8時間、それまでは何が有っても起こさない。だけどそれを過ぎたら叩き起こす、これでどう」
「12時間です」
「な、馬鹿言わないでよ、半日なんて」
「じゃあ、明日のクリスマスは私と付き合ってくれるんだね!」
「すいません12時間で良いです」
「よろしい」
「くっ」
我慢だ、我慢しろ水橋パルスィ。
12時間経ったら夕食の時間帯になるとはいっても物は考えようだ、夕食を兼ねてしまえば良い。
ただ、それだけのことだ。
「何にしても、今から寝ておくに越した事は無いんだし、とっとと寝るわよ」
「そうですね、それには賛成です」
寒かったのか、またすぐに布団に潜り込んで行くさとり。
やれやれ、明日が思いやられる――いや、もう今日か。
・・・
「パルスィ、パルスィ」
「……ん、何よ」
さっきの一幕から数分くらい経っただろうか、さとりが呼ぶ声でようやく眠りにつこうとしていた頃に起こされる。
「これだけだと、寒いのですが」
「あー、布団それしか無いのよね。居間に炬燵が有るから、その布団剥いで使って」
「居間って、ここからどれだけ離れているか分かっているんですか」
「廊下に出てから50メートルってところね」
「死んじゃいますよ、そんな距離をこの寒さの中歩いたら」
「じゃあ我慢しなさい」
「む――今思い付いたのですが、我慢する必要も、取りに行く必要も無い名案が浮かびました」
「あっそ、良かったじゃない」
「ええ、では早速」
これでようやく寝れると、再び目を瞑った瞬間。
何かが私の上にポスンと覆う様に乗ったかと思うと、布団の横口が捲られ、その隙間から寒気が入り込んで来た。
「さむっ」
「一瞬だけですよ」
「何であんたがこっちに入って来るのよ」
寒気とともに入り込んで来たのは、言わずと知れた酔っ払い、古明地さとりである。
「二人分の布団を重ねればそれだけ温かくなるじゃないですか」
「面積は半分になるでしょうが」
「その分密着すれば良いだけですよ。私が抱き着く、パルスィも抱き着く、挟み撃ちの形になります」
「何を挟み撃ちにするのよ。あーもう、酒臭いから抱き付くな」
「あ、すみません。私、ぬいぐるみとか抱いて寝ないと、落ち着かない性格なんです」
「そんな事誰も聞いてないから、つーか私はぬいぐるみ替わりか」
いや、もう付き合う気力も失せた。
どうでも良いから早く寝る事に専念しよう。
寝るのに邪魔なのは、この酒臭さだけだ。
「酒臭いから、息が掛からないようにもう少し下に行きなさい」
「なるほど。イブの夜、良い子の私はパルスィの胸に抱かれて眠れるわけですね」
と、胸の辺りにぐりぐりと頭を擦り付けて来る。
私はさとりの頭に両手を伸ばし、抱き〆る。
「ヘッドロック」
「あたたたたた、ギブ、ギブです。……ふぅ、まさか頭蓋骨の関節を極められるとは、パヤ=リビングストン大佐も真っ青ですよ」
「誰よそれ。もう良いからこのまま寝なさい」
寝なければ首をあらぬ方向に180度回すつもりだが。
「そうですねこれだけ温かくて柔らかければ寝れそうですお休みなさい」
素直に言う事を聞いてくれたらしい。
私もいつでもヘッドロック出来るように、そのままさとりの後頭部に手を回したまま眠る事にした。
・・・
それから6時間ほどで目を覚ました私は、先に仕事と雑用を済ませて再び家に戻る。
予想通り12時間以上経っても起きなかったさとりを叩き起こし、無事約束の釣瓶屋の団子食べ放題を満喫するのだった。
クリスマスらしく。
クリスマスらしく。
「ここから、ここまで2本ずつ持って来て」
「畏まりましたー」
「あの、パルスィ。ここからここまでって、それ開いたお品書きのところ全部なんですけど」
「大丈夫よ、この店、余ったら持ち帰りして良いから。それからお茶は御替り自由ね」
「詳しいですね」
「前にヤマメに連れて来られた時に、大体把握したわ」
「なるほど、あなたの範疇とは多少異なる趣の店だと思っていたら」
「質より量、のヤマメの紹介だったから、最初は期待して無かったんだけど」
「あなたが小食であるのを差し引いても、確かに彼女はよく食べますからね」
ヤマメは、あの体のどこに入るのかと思うくらいに大食いだ。
活動的なせいも有るだろうが、妖怪の種族差が大きいのだろう。
「それは良いとして、体痛くない? 狭い布団で一緒に寝たもんだから体が凝って仕方無いわ」
「あ、いえ、割と暖かくて柔らかいのを堪能したのでそんな事言ったら罰が当たるというか」
「そんな柔らかかったかしら、うちの布団。って顔赤いわよ、風邪引いたんじゃないの」
「き、昨日のお酒が残ってるんですかね。それにほら柔らかいのは、ほら、二枚重ねでしたから」
「ああ」
確かに起こしに戻った時も、二枚重ねの布団に包まって幸せそうに寝てたっけ。
妬ましい奴だ。
「お待たせしましたー、まずは醤油、焦し醤油、わさび、きな粉でーす」
店員の声とともに団子が並べられて行く。
「来た来た、それじゃ何はともあれ、頂きますか」
「そ、そうですね。食べましょう」
全てのお団子に感謝して――頂きます。
なんて淋しそうな目をしたさとりが私の手を掴んで言うものだから、『早く帰れ』とぺしっと叩いてやったら恨めしげにこちらを見ていた(元々恨めしそうな顔してるが)。
「酷いですねパルすぃ、うぇっぷ、折角のクリスマスイブだからと、なけなしの勇気を出して告白したのに、いけずぅ」
「もう閉店時間過ぎてんだから、管巻いてないで帰れって言ってんのよ。こっちは早く帰りたいってのに」
クリスマスだろうと何だろうと、予定の無い私には関係の無い事で、今日は飲み屋にいて、隣ではさとりが酔っ払って管を巻いている。
普段ならこんな酔っ払い放っといてとっとと帰るところだが……運が悪い事に、ここの店主は私だった。
・・・
ここは地底と地上を結ぶ橋の近くに作られた飲み屋、『水橋』。
旧都の喧騒とは無縁の、静かに飲みたい妖怪のための店という立ち位置でやっている。
店主であるからには、閉店時間を過ぎてるのに駄々をこねて帰らない客の相手も仕事のうちだろうと、こうして延々酔っ払いに付き合っているのだ。
それに売上スコアの大半はさとりが叩き出しているのだから、無碍にも出来ない。
他に来る客といえば、怖いもの知らずのヤマメか、妹のこいしと地霊殿のペット数匹くらいのものだし。
鬼や他の妖怪たちは店の雰囲気が陽気とは言えない事と、ほぼ毎日さとりが居る事を知っているため、今まで来た事は無い。
炒った豆と鰯の頭と柊の葉を、さとりがどこからか仕入れて来て飾っているのも有るだろうが。
以上のような理由から、たとえ相手がさとりだろうと客は客、お客様は神様なのである。
だが考えてみれば、私だって曲がりなりにも大祓の神だし、この場合どっちの神様が優先権を持つんだろうか。
そもそもお客様は何の神に当たるんだろう、商売の神だろうか。
と、さとりそっち退けで考えていたら、機嫌が悪くなっていたようでこちらを睨んで来る。
「待遇が悪くないですか? ここの出資者は私ですよ」
「金を出したら、口を出さないものよ」
「何を言っているんですか、口を出したいからお金を出したんですぅ。それに、出資者は無理難題をおっしゃるものですぅ」
「もう十分口を出したでしょうが。無理難題は受けるつもりも無いから帰れ、あと語尾を伸ばすな気持ち悪い」
確かに出資者はさとりだ、だがそれがどうした。
金を出せば何でも好きに出来ると思ってる奴にやりたい放題やらせたら、ろくな事になるわけがない。
出資者は出資した時点で、役割はほぼ終わっているのだ。
後は適正に金を使うよう要求するくらいで十二分だろう。
ついでに言うなら、ここに店を建てようと言い出したのもさとりだ。
最初はこんな地底の外れに店なんか建てたところで、客なんて来る筈も無いと反対した。
そもそもこんな所に建てる理由は、と聞いてみれば地霊殿内に作る予定だったものが有力者(こいし)の反対に遇って頓挫してしまい、旧都は鬼が騒がしくて駄目だからという。
どうしても建てたいんです、落ち着いて飲める場所が私の夢だったんですと、橋の前で通行人が居るのも気にせずに駄々っ子のように抱き着いて離さず、通りがかりのヤマメとキスメに
「ヤマメちゃん、あれ何?」
「しっ、じろじろ見たら駄目だよキスメ。あれがバカップルの痴話喧嘩だよ」
「へぇー、あれがそうなんだ」
などと言われた日には、もう反対する気力様もお亡くなりになられていた。
ご愁傷様である。
その後、擦った揉んだの惚れた腫れたで、何故か私が店主をやる破目になり、ほぼ毎日通って来るさとりの相手をする事となる。
無理矢理和服を着せられ、いつの間にか女将さんなどと呼ばれる事にも慣れてしまった。
そしてここに来る奴ら皆、和服の方が似合うねと言う始末だ。
そう言われて微妙な顔をしている私を、カウンター席で見ているさとりはいつも笑っている。
パルスィには和服が似合うんですよ、なんて言われた日には、こいつよりセンスが無いであろう事に落胆した。
だが、最初は嫌々着ていた和服も、最近は着替えるのが面倒で橋にも和服で立つくらいに日常に溶け込んでしまっているし、こんな生活も良いかと思い始めている自分がいたのであった。
おしまい。
……じゃない、冷静に考えてみれば何で店番をやらされた挙句、さとりのお守りまでしなくちゃいけないんだ。
そうだ、狭い地底とはいえ、妖怪はそれなりにいるのに何故、私一人さとりの相手をしなきゃならないんだろうか。
このまま放置して、とっとと帰って寝てしまっても良いんじゃないだろうか。
その結果、目の前の酔っ払いが路上でひっくり返って素っ裸で寝ていようが構わないし、雨の中傘を差さずに踊る酔っ払いが居ても良い。自由とはそういう事だ。
ロジャー・スミスもそんな事を言っていたような気がする。
「そういう思考を、現実逃避と言うのですよ」
思考がさとりに駄々漏れだったらしい。
改めてさとりの方を向いて話す。
「まぁあんたを放置云々は本気だとして」
「冗談ではないんですね」
「当たり前じゃない」
酒を飲んで、客の立場を利用して閉店時間を過ぎても延々と管を巻いてる奴が妬ましい。
普段からのセクハラが、酔っ払うと加速度的に回数が増えるのが妬ましい。
酔っ払いだから大目に見て貰えるなんて考えが妬ましい。
私の眠りを妨げる全てが妬ましい。
考えれば考えるほど堪忍袋の緒が切れて、今にも中からグリーンアイドモンスターがこんにちは、しそうだ。
「あんたを妬む理由なんて、本当に幾らでも有るわよ」
「そんな事有りましたっけ」
「そうね、この拳で殴られてみれば、もう少し鮮明に思い出せるんじゃないかしら」
「すみませんでした」
いかに、心は読めども空気は読めず、のさとりでも分かってくれたらしい。
怒涛の早さで、椅子の上に正座して深々と頭を下げる。
「本当に分かってるのなら良いけど」
「勿論ですよ。あの……それで、すみませんついででなんですが」
顔を上げたさとりは、珍しくばつの悪い顔をしている。
「何よ」
「実は、こいしが怒っているので、その、何と言うか、今日は帰り辛いんです。なので、パルスィの家に泊めて貰えませんか」
「帰れ」
「一緒に添い寝してあげますから」
「酔っ払いは息が臭いのでお断りします」
「乙女の吐息が臭いだなんて……鼻が曲がっても言うものじゃ無いですよ」
「それを言うなら口が裂けても、でしょうが」
乙女の部分については、百歩譲ってそう呼ぶ奴が世の中には居るかも知れないと仮定して譲歩しよう。
物理の問題で出てくる、摩擦係数が0と仮定して、的な有り得なさだが。
「で、今度はこいしに何したの」
「別にこいしには何もしていませんよ。ただ、最近ペットと遊んでいなかったから、ついはしゃいでお燐と『悪徳高利貸と町娘』ごっこをやっていただけです」
「おいこら、そこの悪徳高利貸」
「何ですか人を悪者みたいに」
「自分で悪者やってたんでしょうが。あのね、一応とはいえ姉なんだから、沽券に係わるような行動はやめときなさい」
「ふふ……そんなもの、『お姉ちゃんって本当、まるで駄目なお姉ちゃん略してマダオだね』って思春期の娘が父親を見るような蔑んだ目で言われた時にもう無くしてますよ」
そこまで堕ちるな。
「そんな私が、こんなお酒臭い状態で帰ったら、今度こそどんな事を言われるか」
「自業自得じゃない、帰って嫌味でもお説教でも好きなだけ言われなさい」
「お願いしますよ、もう他に行く所が無いんです」
「知らない」
私は私に課しているルールが幾つか有る。
その一つが酔っ払いには厳しく、だ。
酔っ払って遅くに帰って、起こした家族の痛い視線を浴び、延々とお説教を食らい続けるが良い。
「今度お団子食べに連れて行きますから、私の奢りで」
「こんなに飲んでたら帰らせるのも心配ね、うちに泊まって行きなさい。だから明日にでもお団子食べに行くわよ」
「そんなあなたが大好きです」
私は私に課しているルールが幾つか有る。
その一つがお団子には優しく、だ。
これはどんなルールにも優先される。
そして今の私にとってのお団子といえば、旧都一丁目に店を構える釣瓶屋と決まっている。
あそこのタレは醤油ベースだけでなく、味噌に辛子に山葵にゆず胡椒にマヨネーズ、トマトソースからタルタルソース、果ては焼肉のタレまで有る。
そんな節操の無い店の味なんて、と思うかも知れないが、それぞれのタレ用に団子を作り分けているので、どんなタレでも意外と合うのだ。
甘味好きの中にはゲテ物屋と揶揄する奴も居るが、それをものともしない常連客の多さがそんな批判を打ち消している。
様々な団子の味を想像で楽しみながら、手早く店を閉める準備を始めた。
・・・
「さて、それじゃ帰りましょうか」
あとはさとりを引っ張り出して、店に鍵を掛けるだけだ。
「じゃあ、おんぶして下さい」
「じゃあの意味が分からないし、そこまで面倒見切れないわよ」
「これもお団子の料金のうちですよ、えい」
と、子泣き爺よろしく背中に抱き着いて来る。
「ああもう面倒臭いわね。ほら、足持つから上げなさい」
「何だかんだで面倒見が良いんですよね、パルスィは」
「うっさい、酔っ払い」
さとりを抱え、懐から鍵を出し、店に鍵が掛かった事を確認してようやく今日の仕事も終わりだ。
さあ帰ろうと歩き出すと、後ろから抗議の声が上がる。
「私をパルスィの家におんぶして行く仕事が、まだ残っていますよ」
「いちいちモノローグに突っ込むな」
「いえ、あんまり私が軽くて、おんぶしている事を忘れてしまってはいけませんから」
だとするなら、今私の背中と両手に掛かる重みは何だというのか。
反撃で持った足を、ぷにぷにと揉んでやる。
「そんな台詞、このぷにぷにの足でよく言えるわね」
「無駄に筋肉が付いていないだけですよ、それからもう少し強めに揉んで貰った方が気持ち良いんですが」
「きっと脂肪に邪魔されてるのね、こんだけ強くしても感じないなんて」
「パルスィの腕が細くて綺麗で繊細なだけですよ」
付き合いも長いので、言葉通りには褒めていない事が分かる。
こいつは思った事を直接的に言わないので、回りくどいのだ。
「遠回しで捻くれた言い方ね。思ったことをそのまま言ってるようなこいしとは正反対だわ」
「そうでも有りませんよ、覚という種族にとっては、本当も嘘も等価なものなのですから」
「少なくとも私にとっては、そうじゃないんだけど」
「そうですか。ではパルスィの好みに合わせて、こいしみたいに話しましょうか」
素直に、割と明るめに話すこいしみたいなさとり、を少し想像してみた。
「想像してみたら、これ以上うざい物体も無いわね」
「酷い言いぐさですね。どうせ私はこいしみたいに可愛らしくないですよ」
自覚は有るらしい。
「そっちの方があんたらしいわ」
「お褒めに預かり光栄ですね。それに、私は地底での安寧のために可愛いではとても済まされない事だってやりましたから、可愛らしい心なんてもう持ち合わせてはいませんよ」
「昔は持ってたのかしら」
「さあ。何分昔の事なので、忘れてしまいました」
想像に過ぎないが、きっと持って"いなかった"だろう。
もし持っていたら、吐き気を催すような悪として、とっくに退治されている。
「いちいち形容が酷いのは何ででしょうね」
「さあ」
「良いでしょう。パルスィには、こいしみたいに話す方が心理的効果が高いようですから――今からそうするね、パルスィ!」
「うわ、思ってた以上にうざい」
思わず背中のうざい物体を投げ捨てたくなる。
……あ、丁度家に着いたし投げ捨てよう。
「落としたら、お団子食べに連れて行かないよ」
「くっ、分かったわよ。分かったから喋り方元に戻しなさい、私が悪かったから」
「えー、折角のって来たのに」
「本当、色々と暴言吐いて、いや思ってすみませんでした。ですから元に戻して下さい、キモい」
「仕方ないなぁ、パルスィは――では元に戻しましょうか」
ああ、落ち着かないったら無かった。
・・・
「ほら、上着とスカートはしわになるから、壁に掛けときなさい」
「はい」
客用の布団を出してやり、速攻で寝る準備をして布団に入る。
何せ明日は団子の日、今から寝ても遅いくらいなのだ。
さとりも寒いようで、布団には既に入っているが、気合を入れて寝ようとはしていない。
そんな事では、明日の団子には勝てない事が分かっているのだろうか。
「あの、パルスィ、分かってるとは思いますがいくらあなたが早く起きても、私が起きなければ意味が無いんですよ」
「起きたら叩き起こすからよろしく」
「なるほど、そうすれば確かに意味は有るかも知れませんが、余りお勧めしませんよ」
「何でよ」
「もし私を叩き起こすと、漏れなくこいし口調の私が付いて来ます」
「付いて来るな」
チェンジで。
「無理です。店内でもこいし口調で話し掛けます」
「団子の味が分からなくなるから止めて」
「では、叩き起こすのも止めて下さい」
「くっ、卑怯な」
「言ったはずですよ、地底での安寧のために可愛いではとても済まされない事だってやった、と」
わざわざ布団から出て、下着とドロワ姿で勝ち誇ったさとりに膝を屈するのは恥辱の限りだ。
しかし、嫉妬どころか殺意の波動すら出そうな、あのさとりの口調だけは回避しなければならない。
「分かったわよ。今から8時間、それまでは何が有っても起こさない。だけどそれを過ぎたら叩き起こす、これでどう」
「12時間です」
「な、馬鹿言わないでよ、半日なんて」
「じゃあ、明日のクリスマスは私と付き合ってくれるんだね!」
「すいません12時間で良いです」
「よろしい」
「くっ」
我慢だ、我慢しろ水橋パルスィ。
12時間経ったら夕食の時間帯になるとはいっても物は考えようだ、夕食を兼ねてしまえば良い。
ただ、それだけのことだ。
「何にしても、今から寝ておくに越した事は無いんだし、とっとと寝るわよ」
「そうですね、それには賛成です」
寒かったのか、またすぐに布団に潜り込んで行くさとり。
やれやれ、明日が思いやられる――いや、もう今日か。
・・・
「パルスィ、パルスィ」
「……ん、何よ」
さっきの一幕から数分くらい経っただろうか、さとりが呼ぶ声でようやく眠りにつこうとしていた頃に起こされる。
「これだけだと、寒いのですが」
「あー、布団それしか無いのよね。居間に炬燵が有るから、その布団剥いで使って」
「居間って、ここからどれだけ離れているか分かっているんですか」
「廊下に出てから50メートルってところね」
「死んじゃいますよ、そんな距離をこの寒さの中歩いたら」
「じゃあ我慢しなさい」
「む――今思い付いたのですが、我慢する必要も、取りに行く必要も無い名案が浮かびました」
「あっそ、良かったじゃない」
「ええ、では早速」
これでようやく寝れると、再び目を瞑った瞬間。
何かが私の上にポスンと覆う様に乗ったかと思うと、布団の横口が捲られ、その隙間から寒気が入り込んで来た。
「さむっ」
「一瞬だけですよ」
「何であんたがこっちに入って来るのよ」
寒気とともに入り込んで来たのは、言わずと知れた酔っ払い、古明地さとりである。
「二人分の布団を重ねればそれだけ温かくなるじゃないですか」
「面積は半分になるでしょうが」
「その分密着すれば良いだけですよ。私が抱き着く、パルスィも抱き着く、挟み撃ちの形になります」
「何を挟み撃ちにするのよ。あーもう、酒臭いから抱き付くな」
「あ、すみません。私、ぬいぐるみとか抱いて寝ないと、落ち着かない性格なんです」
「そんな事誰も聞いてないから、つーか私はぬいぐるみ替わりか」
いや、もう付き合う気力も失せた。
どうでも良いから早く寝る事に専念しよう。
寝るのに邪魔なのは、この酒臭さだけだ。
「酒臭いから、息が掛からないようにもう少し下に行きなさい」
「なるほど。イブの夜、良い子の私はパルスィの胸に抱かれて眠れるわけですね」
と、胸の辺りにぐりぐりと頭を擦り付けて来る。
私はさとりの頭に両手を伸ばし、抱き〆る。
「ヘッドロック」
「あたたたたた、ギブ、ギブです。……ふぅ、まさか頭蓋骨の関節を極められるとは、パヤ=リビングストン大佐も真っ青ですよ」
「誰よそれ。もう良いからこのまま寝なさい」
寝なければ首をあらぬ方向に180度回すつもりだが。
「そうですねこれだけ温かくて柔らかければ寝れそうですお休みなさい」
素直に言う事を聞いてくれたらしい。
私もいつでもヘッドロック出来るように、そのままさとりの後頭部に手を回したまま眠る事にした。
・・・
それから6時間ほどで目を覚ました私は、先に仕事と雑用を済ませて再び家に戻る。
予想通り12時間以上経っても起きなかったさとりを叩き起こし、無事約束の釣瓶屋の団子食べ放題を満喫するのだった。
クリスマスらしく。
クリスマスらしく。
「ここから、ここまで2本ずつ持って来て」
「畏まりましたー」
「あの、パルスィ。ここからここまでって、それ開いたお品書きのところ全部なんですけど」
「大丈夫よ、この店、余ったら持ち帰りして良いから。それからお茶は御替り自由ね」
「詳しいですね」
「前にヤマメに連れて来られた時に、大体把握したわ」
「なるほど、あなたの範疇とは多少異なる趣の店だと思っていたら」
「質より量、のヤマメの紹介だったから、最初は期待して無かったんだけど」
「あなたが小食であるのを差し引いても、確かに彼女はよく食べますからね」
ヤマメは、あの体のどこに入るのかと思うくらいに大食いだ。
活動的なせいも有るだろうが、妖怪の種族差が大きいのだろう。
「それは良いとして、体痛くない? 狭い布団で一緒に寝たもんだから体が凝って仕方無いわ」
「あ、いえ、割と暖かくて柔らかいのを堪能したのでそんな事言ったら罰が当たるというか」
「そんな柔らかかったかしら、うちの布団。って顔赤いわよ、風邪引いたんじゃないの」
「き、昨日のお酒が残ってるんですかね。それにほら柔らかいのは、ほら、二枚重ねでしたから」
「ああ」
確かに起こしに戻った時も、二枚重ねの布団に包まって幸せそうに寝てたっけ。
妬ましい奴だ。
「お待たせしましたー、まずは醤油、焦し醤油、わさび、きな粉でーす」
店員の声とともに団子が並べられて行く。
「来た来た、それじゃ何はともあれ、頂きますか」
「そ、そうですね。食べましょう」
全てのお団子に感謝して――頂きます。
それはともかく、ギャグなども程よく入ってて
とても良いさとパルでした
僕ももっと増えればいいのにと思います
のんびりラブラブしてるふたりに乾杯!
一気呵成、一心不乱にさとパルを満喫せよと言っている
さらに多分の甘味
うまい!
しかし確固たる意思である。
こんな二人がいいですね。
いいさとパルでした。
私も身体がかっと熱くなって参りましたw
面白かったです!
そして、
>パヤ=リビングストン大佐
さとりさんいつの間にマスコット村へ行ったんですかw
無茶振りばかりのさとりとなんだかんだで言うこと聞いてあげるパルスィ。これぞさとパルの醍醐味?テンポの良い会話も読んでて楽しかったです。
全てのさとパル派に――メリークリスマス
来年はもっと増えると、いいなぁ・・・。勇パルも好きだけどさとパルも好きです。
飲み屋『水橋』へ行ってさとパルを眺めてにやにやしたいです
もしシーズンに書き終わらなかった人が居たら、年の始めの姫始めでも良いと思いまs
1. > 月日の経つのは早いもので、もう今年も終わりですね。
4. > 来年こそ、もっと増えると良いですね。
5. > あれは、良いものです。
すすきさん > さとパルの真髄は、只管打座かも知れません。打つのはキーボードですが。
oblivionさん > そう、クリスマスといえばさとパル。来年もそんな感じで盛り上がればと願います。
鳥丸さん > かっとなって頂いて感謝です!(ぇ 来年も確固たる意志でさとパルしたいです。
15. > こんな感じの二人を書いてると、一日2,3行しか進まなくても楽しくて仕方ないです。次の作品真っ白です、ははは……。
16. > 乙!
17. > 末永くこんな感じで、さとパります。
とーなすさん > 具体的には分かりませんが、少なくともさとり様が柔らか(以下は省略されています
I・Bさん > 可愛いもののためならば、いかなる労力も厭わないさとりであります。しかしすれ違いで田中さんが持ってっちゃいましたが。
26. > 甘いぞ団子! ここで言うとエロく感じるけど、きっと気のせいです。
28. > 良し!
30. > 君はさとパルに乗り換えても良いし、乗り換えても良い。
雨宮 幽さん > ここのさとりはわがまマイティーな感じで、パルスィはお姉さん属性です。そして、作品ありがとうございます!
37. > 我々がやると、頭蓋骨の関節を極めて折られます。『水橋』では、ニヤニヤしてるさとりが見れます。あと和服にセクハラ。
しかし、後書きの内容も見てみたかったりします
いいさとパルをありがとう御座いました