や、また遊びに来たよ。
嫌そうな顔してるね。
ちょっと周りの河童に話しつけるのに時間かかってさ。
●●●
お久しぶり。
来れなくてごめんよ。
悪かったって。
恋人ほっといてごめん。
何でそこで嫌そうな顔するかな?
嫌なの?
私が嫌い?
あ、そう。全く意地っ張りだね。
すねないでよ。もう…
まあ言い訳すると、忙しかったんだよ。
ちょっと機械を作っててね。
…やっぱり機械は嫌い?
…確かに、君の嫌いな人たちが使っているもんね。
でも、この前あげたライトは便利だろ?
夜も昼も光るって、当たり前だからね。
ああ、君にとってはそうではないね。
今日は止まっていって良い?
嫌?
仕事がある?
良いじゃんそんなの。
駄目?
その嫌々許可する君も素敵だよ。
あ、顔赤いね。まさに…
あ、ごめん!ちょっやっとがったもの投げないで!
●●●
はい、ご飯出来た。
胡瓜のチャーハンだよ。
え、何やってんの!
あ~あ~。そんなに色紅かけて…
正直その趣向は理解できないよ。
え?
成程。納得した。
飲み物は何が良い?
トマトジュース?
あるの?
ああ、ここか。
あるね。
あとはワインとかばっかり…
美味しい?
その回りくどさ何とかしてよ。
言葉が通じないの!
強く言い過ぎちゃったね。
怒ってる?
素直じゃないね。
でも、美味しく食べてくれてうれしいよ。
え、何処行くの?
外?何で?
仕事?
じゃあ私も付き合う!
●●●
………
暇だねこの仕事。
ただ立ってるだけじゃん。
え、お前は無職だ?
ひ、酷い!
私だって皆に機械を!
まあ、好きでしてるんだけど。
それと同じというわけね。
あ、人来たよ。
魔理沙と…アリスかな?
え。
知り合いなら挨拶しろ?
いいの?
わかった。行ってくるよ。
「やあ、奇遇だねお二人さん」
「お、ようにとり」
「こんにちはにとり」
「どうしたんだいここまで?」
「ん?お前知らないのか?」
「地霊殿で宴会だって霊夢が言ってたのよ」
「ああ、そんな手紙が来たような…」
「よし!お前も一緒に行こうぜ!」
「あ…ごめん。今日は無理」
「用事でもあるの?」
「ああ…」
「宴会よりも大切な?」
「うん…すまないね」
「分かった。気が変わったら来いよ!」
「じゃあ、またねにとり」
「ああ!二人ともアツアツだね!」
「「余計なお世話だー!」」
ああ、ごめん、少し長引いちゃった。
…どうしたの?
え、今日は仕事終わり?
じゃあお風呂でもはいろっか。
●●●
はい。背中流すよ。
どう?癒されるような気がしない?
他人に洗ってもらうのも悪くないでしょう。
髪も流すから、目、つぶってね。
ほんといい髪の色してるよね
じゃあ、今度は私を洗って。
ん…?
いつもの力強さが無いね。
もっと強くてもだいじょうぶだよ?
さっきからどうしたの?
嫌に沈んでない?
熱でもあるのかな?
なさそうだね。
本当にだいじょうぶ?
さっきから…
いつもの威勢は何処へ行ったの?
もうお風呂でようか。
●●●
う…
駄目だ…
すみません負けました。投了です。
ほんと将棋強いよね。
え?
ずるい!
能力使うなんて。
フン。
いいよ。能力なんかに負けないくらい将棋強くなるから。
これで私が百二十四勝百二十五敗だね。
ついに抜かれちゃった…
あれ、そんなうれしくない?
私だったらもろ手を挙げて喜ぶけど。
だいじょうぶ…?
疲れてるの…?
もう眠いから、寝よう?
●●●
あはは。
布団フカフカだね。
やわらかーい。
顔近いね。
…キ、キスでもしようか。
え、嫌なの?
それも違うの?
じゃあ、どうして…
ッ…
何で謝るのさ。
そんな。
何言ってんの!
そんな「宴会行きたいなら言ってもいいよ」なんて…
そんなに私が嫌い?
誤解しないで!
負担だなんて思ってない!
大好きな人を負担だなんて思ってない!
君が大好きだから。
君を嫌う奴なんか、私が倒すから。
龍神さまも、天狗も、鬼もみんな倒すから。
だから、そんな自分を責めないで。
悲しそうな顔しないで。
笑ってよ。
私の前で悲しそうな顔しないでよ。
君が辛いと、私も辛いよ。
ね。
大好きだよ。
ああ、もう泣かないで。
君の笑顔が見たいよ。
ああ、
やっと笑ってくれたね。
●●●
あ~あ。
寝ちゃったよ。
でも、今まで辛かったんだろうな。
苦しかったんだろうな。
でも、もう大丈夫。
私がそばにいる。
今、私は幸せだよ。
もっと甘えてほしいな。
私ももう眠くなってきた。
寝よっと。
明日はもっと笑ってほしいな。
明日もたくさん遊ぼうね。
一緒に宴会でも行こうね。
じゃあ。
おやすみなさい。
後書きでしっくり来ました