~東方消音異変~
前作からの続きです。
この話もオリジナルスペルがでてきます。(すこーし)
2STAGE VS三人の魔女
0.誰かの独白 IN ???
「さて…ここまでは異変の解決者の動きは私が追いましたが、もうひとつのほうがおろそかなような気がします。
そろそろ向こう側の話も入れるべきでしょうか。どう思います?は……?」
隣の彼女は寝てしまったようだ。むにゃむにゃ言いながらよだれを垂らして……
-よだれを垂らして?
「うっうわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
「いやそんなそんな私の努力!6時間の頑張りの集大成が!今よだれの藻屑となって消えて逝きました!」
「もう知らない!私も寝る!寝る寝る寝る寝る!!!」
1.博麗神社で大変なことが起きてしまいました IN 咲夜
私は紅魔館のメイド長だ。お嬢様のためには、命を捨てる覚悟がある。
私が神社に早苗と来た時は、異変……音楽が突如無くなるという異変を解決しに来たはずだ。
なのに……いつの間にか、神社に出現した黒いの……ルーミアみたいに闇に包まれた変なのとたたかってるし。
無尽蔵としかいえない体力のそいつはいくら攻撃しても1ピチュもしないし、即出のスペルをくっつけた変なスペル使うし。
ほらまた黄色く光った。またまた機械の合成音的なのが聞こえてーー
月姫亡霊「永夜返し ~参分咲~」
つい一時間前までは、なまえもくっつけてたのに。めんどくさくなったのだろうか。
ていうかその前に脳とかそれに準ずるものがあるのかな?しゃべってるけど。しゃべったーーーーーーー。
なんて考えながら私を狙ってくるピンク弾をグレイズもしっかりいただきながらよける。
二つとも確かに単体では強いが、二つも使用するとそれぞれが弱くなることに、とっくに気付いていた。私は。
ーそう。私だけ。
時を止める能力。体力を使うけど、水分補給ぐらいならしても大丈夫かな?なんてしてるうちにいつの間にか皆倒れてるし。
初期いたのは、たしかー
霊夢、妖夢、早苗、あと騒霊と夜雀と私
現在戦闘中なのは
私。以上。皆神社に寝かせてある。三十分ぐらい前から一人なのさ。
時を止めて休憩できる私と違ってあいつらは休めないからね。
ああ素晴らしい私の能力。
なんて考えても寂しいものは寂しい。
辛いんです一人で変なのと戦うのなんて、助けてほしい。
私は叫ぶ。お嬢様と会う前のように孤独と恐怖に負けて。絶望感に苛まれながら。
「誰か助けてぇー!!」
私は紅魔館のメイド長だ。お嬢様のためには、命を捨てる覚悟がある。でもー
もうどうしようもない。
助けて。
狂っています。
くるってーーいます。
2.鋭き⑨ IN 「私」
「さっきは大変だったねチルノちゃん!」
「…そうだね大ちゃん」
「どーしたのかーおてての怪我がいたいのかー?」
「いや、違うよルーミア」
ルーミアは首をかしげる。当然だ。いつもなら「いや今日は調子悪いだけよ!だってあたいはさいきょーだもん!」などと仰るチルノ嬢である。
「ねぇ、大ちゃん」
「何?チルノちゃん」
「大ちゃん。いや、大妖精」
「どーしたんだチルノ?いきなり改まった口調でさー」
「ねえ、大妖精。 貴女ーーー
ーーー大妖精じゃないでしょ?」
「え?何言ってるのチルノ。どー見ても大ちゃんじゃん」
「いや。大ちゃんじゃないよルーミア」
「………」
「さっきあの二人と戦ってたとき、最初はやる気満々だったのに、いつの間にか変にまじめになっちゃった。なんで?何時も大ちゃんは誰にも丁寧に話したりしないんだよ?なんで?貴女は誰?」
「そーなのかー」
「いや、違うよチルノちゃん。私はー「いや」
「貴方は大妖精じゃない。だって、
ほんとに大ちゃんなら、あたいがこのー」
チルノは腕の怪我を見せる。
「こんな些細な傷を負っただけでも、心配してくれる。家で治療しようって言ってくれる。あの二人の言うことなんか無視してでも止めるよ。あたいはバカで⑨なんて呼ばれるし、頭悪いかも知んないけど、大ちゃんのことならそれぐらいは解る付き合いだよ。ねえ、貴女は誰?誰なの?」
「そーいえば、確かに大妖精はチルノ大好きで心配性で、丁寧な言葉使いもしないぞー?」
「そんなわけないでしょルーミアちゃん。私は図書館とかではきちんと丁寧に話してるよ」
「そこだよ大妖精。大ちゃんはどこでも丁寧に話すんだ」
「アハッさっきと言ってることが違うよチルノちゃん」
「あれは嘘」
「うそなのかー」
「………」
「なんで(図書館では)なの?貴女が図書館でしか大ちゃんに会わないからじゃないの?もう一回聞くよ。貴女は誰?答えてくんないと、大ちゃん助けるために貴女を倒してでも聞き出すよ」
「たおすのだー」
「まさかチルノちゃんにばれるとは思いませんでしたよ」
「誰?」
「図書館司書見習いの、小悪魔です」
「こぁちゃんかー」
「何でこんなことしたの?内容によってはあたい怒るよ」
「知りません」
「へ?」
「パチュリー様に頼まれたんです。大妖精に変身して、皆と居るようにって」
「へーそーなのかー」
「大ちゃん今どこ?」
「もうすぐ来ます。ここらで待ち合わせてるんです。大ちゃんと」
「次からはもうやめてね」
「わかってますとも。それでは」
小悪魔は去って行った。
「あ!」
「どーしたんだーチルノちゃん?」
「あそこ見て!」
「おーい!みんなぁあああぁあ!」
「チルノちゃんルーミアちゃん来たよー!」
「はぁ、なんなのさこの展開」
「いいじゃないのっておわぁっ!お前蛙凍らせてるやつだな!」
「あ、チルノちゃんだ!」
ミスティア、リグル、なぜか諏訪子、なぜか神奈子。
そして、大妖精。
「皆来たのかー」
「うるさい。さっさと博麗神社行くぞ」
さすがに蛇の神には逆うことはできないが。
「ねえ、大ちゃん」
「何?チルノちゃん」
「あたい腕怪我しちゃった」
「うわ!大変だよチルノちゃん早く手当てをしないと!」
慌てふためく大妖精を見て、「ああ、やっぱり大ちゃんはこうでないと」と思ったチルノであった。
3.動く大図書館 IN むきゅー
私は基本、図書館からでない。でる必要がないからだ。
魔法使いは基本2種類に分かれる。
一つは仲間を求める。魔理沙などはまさにこの好例である。
魔法使いは、その性格により、本来孤独に生きる。
彼ら彼女らは、魔法の道を進むにあたって、仲間を求めたり、要は孤独が嫌いなのだ。これは性格の問題といえる。
もう一つは孤独に生きる。
自らの研究に没頭し、他人とかかわらずに一人で魔法の道、研究の道をひたすらつき進む。
自立人形完成を目指すアリスはその好例だったが…
彼女には、最愛の人が出来たのだ。霧雨魔理沙という。
今年は、あの紅霧異変が起きてから、だいたい70年。あの頃は人間だった者たちも、皆その運命を乗り越えた。
霊夢は 巫女の怪しい力で(くわしくしらない)
魔理沙は 種族魔法使いになり(私も手伝った)
咲夜は 吸血鬼に(レミリアが言うに、不完全らしいが)
早苗は なんと神に(もともと現人神だし、今でもフレンドリーだけど)
妖夢はこの際置いておく(千年生きるって聞いたし)
ーつまりだ!
パワーバランス的に、おかしいのだよ!
妖怪が異変を起こし、人間が解決する。という一連の流れがいまはもうほぼ無いのだ。
70年前。
確かに人は妖怪を恐れ、敬い、同時に博麗の巫女を信頼していた。
今。
霊夢を信頼してるが、前よりも妖怪を怖がらなくなった。
先月。
マリーだかウサギだか何だかが幻想郷に来た。
その際に宴会をした。私も出席した。
どこで行ったか。人里。それでいいのかい幻想郷よ?
子供たちとの会話を思い出す。
「ねえねえおねーちゃんはさ、まほーつかいなの?」
「ええ、そうよ」
「じゃあ、あのすごい人みたいにドカーン!ってするよーかいなの?」
「いえ、そんな暴れたりはしないわ」
「じゃあ人形とか操るよーかいっておねーちゃんなの?」
「いいえ、そんな賑やかな妖怪でもないの。私はね、火水木金土日月をあやつれるのよ」
「え?」
「まあ、魔法よ」
「ふーん。すごーい!」
お姉ちゃんだって。百年以上生きてるけど。
まあ、スキマ妖怪もだいじょうぶって言ってたし、まあ気にすることもないだろう。
ここは、魔法の森。森の奥の…7色+2色魔法使いたちのところでティーパーティによばれた。
体は弱いのだが、今日は調子いいのでね。本も取り返したし。
しかし日差しが眩しい。辛い。歩けない。
あ、そうだ。日に対抗するといえば。
月符「サイレントセレナ」
これで暫くは大丈夫。
帰りは博麗神社に寄って帰ろっと。
そういえば小悪魔はそろそろばれてる頃だろうか。
私の作戦は、うまくいくのだろうか。
4.怒りの亡霊 IN レンコンうさぎいり
「ほぁぁあぁ!」
ボケッとしてたらいきなり弾幕に囲まれて、危うくピチュるところだったが、なんとかよけられた。
何だろう今の。凄い静かになって、垂直の弾幕がいきなり飛んで来たんだけど。
「メリー。いまのはなにかしら?」
「さあ、誰かの弾幕っぽかったけど」
その後も身構えるも弾幕など飛んでこず。
「キ、気のせいよねそうよね蓮子」
「う、うんそうよそうに違いないわ」
私は思考する。
-この幻想郷に来てから、色々な事があった。
人里でわざわざ私たちのために宴会してくれた。
紅魔館で本を借りた。なんて題名だっけ?
白玉楼では、お料理を作った。外の世界の料理はまた格別だって言ってたっけ。
永遠亭のお嬢様に、人類が月に行ったと言ったら、珍しく慌ててたっけ。
霧の湖で、チルノや大妖精と鬼ごっこで遊んだ。結果は大勝利だった。
山までいった時は文に「貴方達のようないい人は何時でも山に来てください」なんて言われたなぁ。
地霊殿のお風呂きもちよかったな。
命蓮寺でもらったカマンベルチーズ。こんなものも幻想郷にあるのかとおどろいた。
太陽の畑とか、守矢神社とか、マヨヒガとか、行ったこともないところもまだまだたくさんある。
だから、それ故に幻想郷に来て良かったと、そう思うのだ。
狭い狭い幻想郷と言ったのは、果たしてだれだったか。
とてもそうとは思えないけどね。
「メリー」
「なあに蓮子」
「魔理沙さんたちに伝えたらどうしようか」
「いいんじゃない別に。その時決めましょう」
「そうね。私はお菓子食べたいわ」
とその時ー
「あれぇ?こんなところで会うなんて珍しいわねー」」
「あ、あなたは」
「わたしよわたし、西行寺幽々子よ。おひさしぶりね~亡霊さんたち」
「貴方だって亡霊じゃないですか」
「あ、そうだお菓子あるけど食べない?」
「ごまかさないでください!お菓子っなんですか?」
「ごまかしてないわよ。お煎餅よお煎餅」
「それじゃあいただきます」
~少女談笑中&食事中~
「あ、そうだ。ねぇ二人とも」
「はい?」
「なんですか?」
「妖夢知らない妖夢。あの子もうお昼の時間なのにまだ帰ってこなくて」
「あ、妖夢さんならまだまだ帰ってこないと思いますよ」
「何故?」
「さきほど博麗神社にあらわれた変な黒い物体と戦って、見事やられてしまいました」
「なんですって?!」
「あなたたちなんでそんな重要なことを言わないのよ。全く…」
「えっと、あの、その、すいません」
「まあいいのよ、悪く思わないでね」
「では、私たちさきをいそぐので」
「わかったわ、魔理沙とアリスによろしくね」
「はい!さよーなら!」
・・・・ ・・・・・
「生きてるってことは死に誘えるってことよね。うふふ…それより妖夢ったら、主人に心配をかけるなんて…全く…」
「今すぐそっちに行くから待っててね…妖夢!」
幽々子は、空に向かって飛び出した。ただ、従者を守るために。
5.パルパルパルパルパルパルパル INパルパル
ああ妬ましい妬ましい。妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい。
ねえ、聞いてよ誰か。
たすけてって聞こえたの穴の中から。
まじかっ!って思って行ったらね、
しーんとしてるの。おもに穴の中が。
いらいらした。すごいいらいらした。
暇すぎてやることが無いのが妬ましい。暇のあまりあいうえお作文作ってた自分がこれまた妬ましい。おまけにわけわからん。妬ましい。
ねーあそんでよパルー。
たいへん残念ながら忙しいんですよこいし。てかパルーってなぜ?
まあいいじゃんそんなの、それより遊ぼうよ。
しかし今は仕事中なので、新しく出来たお友達さんのとこでも行ったら?
いいよ、パルーの言うとおりにフランちゃんのとこでもいくから。
数時間前の会話もまたあいうえお作文だったのにいまさら気が付いたのさ。妬ましい。ってあいつは!
「あの、パルーさん」
「なんですさとり。あとパルーはやめて」
「地上へ行ってきてください」
「はい?」
「めんどくさいって想ってますね。いいでしょう。助けてって連絡がきたんです」
「誰から?」
「お燐の友達のコードネーム1(ダイダイ)」
「それってもしや、(ちぇん)って子?」
「言わないほうがいいと想います」
「てかだったらさとり行けばいいじゃん」
「嫌」
「嫌ってねぇ、私も嫌だよ」
「頼みましたよー」
「頼まれん!」
「もうしょうがありませんね。想起「マスタースパーク」!あと、さきにペットたちがそちらに向かってますからね」
「ああもう」
スペルに追い立てられて私は地下をでた。妬ましい。
ところでどこ行けばいいんだろ?
可能性として、
1 紅白の神社(本命)
2 妖怪の山 (たぶん)
3 …場所がもう思いつかない。ああ妬ましい。
まあ近い神社から行けばいいんじゃない。そんな急ぎの雰囲気じゃなかったし。
ところでなぜかここら静かだな?なぜだろう?理由が解らん。妬ましくおもいはべりつるなり。
昔みたいないいかたしたのが妬ましい。こんなしゃべり方する恥なやつは、この幻想郷に一人もいないと思う。
いたら一度会ってみたい。
6.ご主人君ときたら。 IN ナズーリン
「ふぁっ。ふぁ。ファックション!!」
「どうしたんだ小傘。くしゃみなどして、花粉の季節じゃないぞ」
「噂だよう。きっとわきちの噂されたの」
「君は実に馬鹿だな。君のような弱い妖怪が噂になるわけないだろう」
「ふーんだ!ナズーリンだってそんなにわきちと変わらないじゃん!」
「…私、本気出せば強いよ」
「出さない本気はないと同じです!プンプンプンプン!」
目の前で小傘がわめいているのを見かね、ダウジングロッドで×マークを作り、
「まあまあ」などと言ってみる。
すると小傘は不思議なことに黙ってしまっていた。ラッキー。
「ナズーリンごめんまたなくしちゃった。宝塔。五面」
「違くないかい?確かに貴女は五面だが」
-訂正します。五面→御免
「昨日どこへ行ったんだい?」
「えっと、人里行って、道具屋行って、神社行って帰って来た」
「ご主人君は確か寺に住んでるんだろう。何故神社に行ったんだ?」
「暇だから」
「神社ってどこの?」
「どっちも」
「…ではいくぞご主人」
「え、私も?」
当たり前だ。なくしたのは御主人君だろ?
じゃあせめて手伝ってくれ。
「わきちは待ってる。ぬえ待ち!」
「手伝えよ」
「あ、誰かがわきちの助けをまっt(ry」
「おい!」
「キャハ!ごめーん」
7.いやいやさとり IN
---さっきパルスィを地上に行かせた。なぜ私は行かなかったか。
「--私は、地上が怖い…」
地底の住人にも嫌われた、この能力。心を読むということ。
誰が喜ぶだろうか。隣に自分のすべてをー秘密さえも読み切ってしまうなどという妖がいても。
70年ほど前の、異変。あのとき来た人間たちも、内心では気味悪く想っていたのだ。たぶん。
隣にいてほしくない。友人恋人知り合いさえも居ない私。それでもいてくれるのは妹とペットたちだけだ。そのペットさえも私を可能な限り避けていて。
私の世界はこの場所だけ。この地霊殿のみが私の世界。さっきパルスィにあうのにどれだけ緊張したか。
ああ、私も心を閉じた方がいいのか。無意識を操って、なにも感じず、過ごせばいいの?
-いや、私にはそれすらできない。一度付いたイメージは簡単には覆せないから。
幸せな時間。そんなものはない。最後に楽しんだのはいつなんだ?
皆に嫌われた私。
友達ー吸血鬼の妹だったか?がいるこいし。
神社に良く行くお燐。
寂しくないお空。
私は机の上にある手紙を開いた。お燐が持ってきてくれた、私宛に届いた、お誘いの手紙。
「 古明地さとり様
明日こいし様を我が家にお招きしたいと思います。
こいし様の安全は私たちが全力でお守りします。
もちろん火焔猫燐様や霊烏路空も来てもらってもかまいません。
もしおこしになるならばお返事ください。
レミリア・スカーレット 」
OKの了承を貰った3人?は喜び勇んで出かけていった。
-そして私はいつもと同じく、ひとり。
ひとりは寂しくない。もう慣れっこだ。
いわば、巫女が空を飛ぶ。
魔法使いが魔法を使う。
それと同じに、さとり妖怪は孤独なのだ。
しかしそれでもー「失礼します」
ん?
何か声がしたような?
「不躾ながら参上しました。十六夜咲夜です。お嬢様が貴女の名前を書き忘れたそうで慌てていたので、改めて参上しました」
「え?じゃあ私も…」
「えぇ、もちろん」
「…いいんですか?私は覚り妖怪ですよ」
「なにを仰るんですか。そんなのどうでもいいことです。だって、幻想郷はすべてを受け入れるんですから」
どうでもいいこと。
きっと彼女らも後で後悔することだろう。
しかしそれでもー
「解りました。じゃあ準備してから…ありがとうございます」
「いえいえ、では…館でお待ちしています」
わたしは、喜びにうちふるえながら、とりあえず着替えの服を探し始めた。
ーもしあの時
相手の心を読めば…
ドアを開けていれば…
私が落ち着いていれば…
そしたらあんなことにはならなかっただろうか?
8.魔法使い二人 IN 霧雨魔理沙
「弾幕はパワーだ。というわけでいざ勝負!」
「やめてよ魔理沙。家が崩れるし、何よりこの後を考えるとパワーは無駄にしない方がいいわ」
「むぅ。アリスが言うならねぇ…」
目の前でがくがくブルブルしてる亡霊さん×2はもとから闘志が無いようだ。弾幕出来んのか?
アリスが好きだぜ。
私には二つの道があった。
種族魔法使いか人間か。
普通の魔法使いと自負するならば、やはり人間であるべきなのだろう。
でも、私は魔法使いであるまえに、霧雨魔理沙である。
恋色の魔法使いなのだ。
あぁ、アリスはかわいい。
あのとき、そう春のころだったか。今でも思い出せるあの胸の高鳴り。
そう、私はアリスに胸の内を伝えたんだ。
アリスは最初、拒んだ。
「さきに逝く貴女を前にして、貴女の望まない事をしない自信が無い。貴女を、さきに逝くときに残される私への罪悪感で苦しませるのは耐えられない」
「だから、素敵な人間の相手を探して。妖怪との恋に、ハッピーエンドなんて考えられない…」
「私も貴女が大好き。だから貴女に一番幸せに…なってほしいの」
「だから…もう…忘れて」
「そっ…そんなのは、いやだ!」
そして私はその場で種族魔法使いになる呪文をー
「魔理沙。魔理沙!」
「おおすまん。少し考え事を、な」
「私のこと?」
「おう!もちろんだぜ!」
それから過ごした幸せな日々。
永遠の幸せを享受した私たちは、今でも、そしていつまでも幸せに暮らすと、そう決めたのだ。
「あぁ、神社で援軍だな。いいぜ。やってやんよ!」
「ちょっと魔理沙それって…」
今は二人で共同研究をしている。やっと自立人形の手がかりがつかめそうだからだ。
昔の目的とは違う自立人形。子供は欲しいが、その研究はあとまわしだ。
「んにゃ。まあ引き受けるが、頼みがあるぜ」
「ああ、別にいいけど」
「じゃあ一つ目。神社は何とかするから、お前らはこの異変ー音楽消失?を何とかしてくれ。どうも調子がでない。まぁ出来る範囲でいいからさ」
「りょーかーい。メリー。予定が出来たわよ。お菓子はお預けね~」
「はーい。分かりましたよーだ」
「ああ、二人とも一つ聞きたいことがあるのだけれども」
「ん~?ああ、あれか」
「あれって何ですか?」
「稗田阿求のことよ」
「阿求さん?阿求さんはいい人よ。私たちを家に置いていてくれるし」
「~違うのよ。
今年はちょうど紅霧異変から70年。病弱で阿礼乙女の阿求が生きているはずが無いのよ。それこそ、蓬莱の薬や魔法、種族変化でもしない限りはね。で、どう?彼女は人間かしら?」
「でも、見た感じは普通に人間してますよ。ていうか人間ですよ。でもなぜか不老でね…」
「悩んでもしょうがないぜ!さあ、神社に行くんだぜ!」
私すっかり空気になってたよ。
「じゃあ貴女たちは、そうねぇ、音は波だから…永遠亭にいって、優曇華にでもきいてみたら?」
「はい!そうさせていただきます!」
「よっし、がんばるぜーーーーーーーーーー!!!」
私は蓮子と拳をコツンってやって、アリスとともに飛び出した。
私の恋人とともに、親友を助ける冒険へと。
9.どこかで
「さあ、白玉楼の曲もゲットしたし、次はー」
ゴツン。
「痛っ!なにすんのよ~」
「どうもこうもない。音楽ばっかり…」
「私は音楽が存在意義よ」
「あっそ!」
「そういや警備の方はどうなってんの?」
「ああ、きちんとやってくれてる。まあ彼女はやつらを怨んではいないようだがな」
「後は…」
「おっさんなら出かけたよ。あの二人は何時でも寝てるよ」
「違うは。音楽よ」
「ああもう!音楽音楽音楽って五月蠅い!」
「で、奪還できんの?私の作品」
「私のって、彼女が作ったんでしょ」
「ああ、警備係の姉妹は、そんなとこまで似てるからね」
「会ったことあるのか?」
「貴女は?」
「会うはずだった。と言おう」
「私は絶対無理だけどね」
「私は暫く紅茶でも飲んでる」
「私は…とりあえず、音楽のコピーでもしてようかな~」
「ふん。勝手にしろ」
「私」は「彼女」をおいて廊下に出た。
存在するはずだった世界を思い、涙を流しながら。
前作からの続きです。
この話もオリジナルスペルがでてきます。(すこーし)
2STAGE VS三人の魔女
0.誰かの独白 IN ???
「さて…ここまでは異変の解決者の動きは私が追いましたが、もうひとつのほうがおろそかなような気がします。
そろそろ向こう側の話も入れるべきでしょうか。どう思います?は……?」
隣の彼女は寝てしまったようだ。むにゃむにゃ言いながらよだれを垂らして……
-よだれを垂らして?
「うっうわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
「いやそんなそんな私の努力!6時間の頑張りの集大成が!今よだれの藻屑となって消えて逝きました!」
「もう知らない!私も寝る!寝る寝る寝る寝る!!!」
1.博麗神社で大変なことが起きてしまいました IN 咲夜
私は紅魔館のメイド長だ。お嬢様のためには、命を捨てる覚悟がある。
私が神社に早苗と来た時は、異変……音楽が突如無くなるという異変を解決しに来たはずだ。
なのに……いつの間にか、神社に出現した黒いの……ルーミアみたいに闇に包まれた変なのとたたかってるし。
無尽蔵としかいえない体力のそいつはいくら攻撃しても1ピチュもしないし、即出のスペルをくっつけた変なスペル使うし。
ほらまた黄色く光った。またまた機械の合成音的なのが聞こえてーー
月姫亡霊「永夜返し ~参分咲~」
つい一時間前までは、なまえもくっつけてたのに。めんどくさくなったのだろうか。
ていうかその前に脳とかそれに準ずるものがあるのかな?しゃべってるけど。しゃべったーーーーーーー。
なんて考えながら私を狙ってくるピンク弾をグレイズもしっかりいただきながらよける。
二つとも確かに単体では強いが、二つも使用するとそれぞれが弱くなることに、とっくに気付いていた。私は。
ーそう。私だけ。
時を止める能力。体力を使うけど、水分補給ぐらいならしても大丈夫かな?なんてしてるうちにいつの間にか皆倒れてるし。
初期いたのは、たしかー
霊夢、妖夢、早苗、あと騒霊と夜雀と私
現在戦闘中なのは
私。以上。皆神社に寝かせてある。三十分ぐらい前から一人なのさ。
時を止めて休憩できる私と違ってあいつらは休めないからね。
ああ素晴らしい私の能力。
なんて考えても寂しいものは寂しい。
辛いんです一人で変なのと戦うのなんて、助けてほしい。
私は叫ぶ。お嬢様と会う前のように孤独と恐怖に負けて。絶望感に苛まれながら。
「誰か助けてぇー!!」
私は紅魔館のメイド長だ。お嬢様のためには、命を捨てる覚悟がある。でもー
もうどうしようもない。
助けて。
狂っています。
くるってーーいます。
2.鋭き⑨ IN 「私」
「さっきは大変だったねチルノちゃん!」
「…そうだね大ちゃん」
「どーしたのかーおてての怪我がいたいのかー?」
「いや、違うよルーミア」
ルーミアは首をかしげる。当然だ。いつもなら「いや今日は調子悪いだけよ!だってあたいはさいきょーだもん!」などと仰るチルノ嬢である。
「ねぇ、大ちゃん」
「何?チルノちゃん」
「大ちゃん。いや、大妖精」
「どーしたんだチルノ?いきなり改まった口調でさー」
「ねえ、大妖精。 貴女ーーー
ーーー大妖精じゃないでしょ?」
「え?何言ってるのチルノ。どー見ても大ちゃんじゃん」
「いや。大ちゃんじゃないよルーミア」
「………」
「さっきあの二人と戦ってたとき、最初はやる気満々だったのに、いつの間にか変にまじめになっちゃった。なんで?何時も大ちゃんは誰にも丁寧に話したりしないんだよ?なんで?貴女は誰?」
「そーなのかー」
「いや、違うよチルノちゃん。私はー「いや」
「貴方は大妖精じゃない。だって、
ほんとに大ちゃんなら、あたいがこのー」
チルノは腕の怪我を見せる。
「こんな些細な傷を負っただけでも、心配してくれる。家で治療しようって言ってくれる。あの二人の言うことなんか無視してでも止めるよ。あたいはバカで⑨なんて呼ばれるし、頭悪いかも知んないけど、大ちゃんのことならそれぐらいは解る付き合いだよ。ねえ、貴女は誰?誰なの?」
「そーいえば、確かに大妖精はチルノ大好きで心配性で、丁寧な言葉使いもしないぞー?」
「そんなわけないでしょルーミアちゃん。私は図書館とかではきちんと丁寧に話してるよ」
「そこだよ大妖精。大ちゃんはどこでも丁寧に話すんだ」
「アハッさっきと言ってることが違うよチルノちゃん」
「あれは嘘」
「うそなのかー」
「………」
「なんで(図書館では)なの?貴女が図書館でしか大ちゃんに会わないからじゃないの?もう一回聞くよ。貴女は誰?答えてくんないと、大ちゃん助けるために貴女を倒してでも聞き出すよ」
「たおすのだー」
「まさかチルノちゃんにばれるとは思いませんでしたよ」
「誰?」
「図書館司書見習いの、小悪魔です」
「こぁちゃんかー」
「何でこんなことしたの?内容によってはあたい怒るよ」
「知りません」
「へ?」
「パチュリー様に頼まれたんです。大妖精に変身して、皆と居るようにって」
「へーそーなのかー」
「大ちゃん今どこ?」
「もうすぐ来ます。ここらで待ち合わせてるんです。大ちゃんと」
「次からはもうやめてね」
「わかってますとも。それでは」
小悪魔は去って行った。
「あ!」
「どーしたんだーチルノちゃん?」
「あそこ見て!」
「おーい!みんなぁあああぁあ!」
「チルノちゃんルーミアちゃん来たよー!」
「はぁ、なんなのさこの展開」
「いいじゃないのっておわぁっ!お前蛙凍らせてるやつだな!」
「あ、チルノちゃんだ!」
ミスティア、リグル、なぜか諏訪子、なぜか神奈子。
そして、大妖精。
「皆来たのかー」
「うるさい。さっさと博麗神社行くぞ」
さすがに蛇の神には逆うことはできないが。
「ねえ、大ちゃん」
「何?チルノちゃん」
「あたい腕怪我しちゃった」
「うわ!大変だよチルノちゃん早く手当てをしないと!」
慌てふためく大妖精を見て、「ああ、やっぱり大ちゃんはこうでないと」と思ったチルノであった。
3.動く大図書館 IN むきゅー
私は基本、図書館からでない。でる必要がないからだ。
魔法使いは基本2種類に分かれる。
一つは仲間を求める。魔理沙などはまさにこの好例である。
魔法使いは、その性格により、本来孤独に生きる。
彼ら彼女らは、魔法の道を進むにあたって、仲間を求めたり、要は孤独が嫌いなのだ。これは性格の問題といえる。
もう一つは孤独に生きる。
自らの研究に没頭し、他人とかかわらずに一人で魔法の道、研究の道をひたすらつき進む。
自立人形完成を目指すアリスはその好例だったが…
彼女には、最愛の人が出来たのだ。霧雨魔理沙という。
今年は、あの紅霧異変が起きてから、だいたい70年。あの頃は人間だった者たちも、皆その運命を乗り越えた。
霊夢は 巫女の怪しい力で(くわしくしらない)
魔理沙は 種族魔法使いになり(私も手伝った)
咲夜は 吸血鬼に(レミリアが言うに、不完全らしいが)
早苗は なんと神に(もともと現人神だし、今でもフレンドリーだけど)
妖夢はこの際置いておく(千年生きるって聞いたし)
ーつまりだ!
パワーバランス的に、おかしいのだよ!
妖怪が異変を起こし、人間が解決する。という一連の流れがいまはもうほぼ無いのだ。
70年前。
確かに人は妖怪を恐れ、敬い、同時に博麗の巫女を信頼していた。
今。
霊夢を信頼してるが、前よりも妖怪を怖がらなくなった。
先月。
マリーだかウサギだか何だかが幻想郷に来た。
その際に宴会をした。私も出席した。
どこで行ったか。人里。それでいいのかい幻想郷よ?
子供たちとの会話を思い出す。
「ねえねえおねーちゃんはさ、まほーつかいなの?」
「ええ、そうよ」
「じゃあ、あのすごい人みたいにドカーン!ってするよーかいなの?」
「いえ、そんな暴れたりはしないわ」
「じゃあ人形とか操るよーかいっておねーちゃんなの?」
「いいえ、そんな賑やかな妖怪でもないの。私はね、火水木金土日月をあやつれるのよ」
「え?」
「まあ、魔法よ」
「ふーん。すごーい!」
お姉ちゃんだって。百年以上生きてるけど。
まあ、スキマ妖怪もだいじょうぶって言ってたし、まあ気にすることもないだろう。
ここは、魔法の森。森の奥の…7色+2色魔法使いたちのところでティーパーティによばれた。
体は弱いのだが、今日は調子いいのでね。本も取り返したし。
しかし日差しが眩しい。辛い。歩けない。
あ、そうだ。日に対抗するといえば。
月符「サイレントセレナ」
これで暫くは大丈夫。
帰りは博麗神社に寄って帰ろっと。
そういえば小悪魔はそろそろばれてる頃だろうか。
私の作戦は、うまくいくのだろうか。
4.怒りの亡霊 IN レンコンうさぎいり
「ほぁぁあぁ!」
ボケッとしてたらいきなり弾幕に囲まれて、危うくピチュるところだったが、なんとかよけられた。
何だろう今の。凄い静かになって、垂直の弾幕がいきなり飛んで来たんだけど。
「メリー。いまのはなにかしら?」
「さあ、誰かの弾幕っぽかったけど」
その後も身構えるも弾幕など飛んでこず。
「キ、気のせいよねそうよね蓮子」
「う、うんそうよそうに違いないわ」
私は思考する。
-この幻想郷に来てから、色々な事があった。
人里でわざわざ私たちのために宴会してくれた。
紅魔館で本を借りた。なんて題名だっけ?
白玉楼では、お料理を作った。外の世界の料理はまた格別だって言ってたっけ。
永遠亭のお嬢様に、人類が月に行ったと言ったら、珍しく慌ててたっけ。
霧の湖で、チルノや大妖精と鬼ごっこで遊んだ。結果は大勝利だった。
山までいった時は文に「貴方達のようないい人は何時でも山に来てください」なんて言われたなぁ。
地霊殿のお風呂きもちよかったな。
命蓮寺でもらったカマンベルチーズ。こんなものも幻想郷にあるのかとおどろいた。
太陽の畑とか、守矢神社とか、マヨヒガとか、行ったこともないところもまだまだたくさんある。
だから、それ故に幻想郷に来て良かったと、そう思うのだ。
狭い狭い幻想郷と言ったのは、果たしてだれだったか。
とてもそうとは思えないけどね。
「メリー」
「なあに蓮子」
「魔理沙さんたちに伝えたらどうしようか」
「いいんじゃない別に。その時決めましょう」
「そうね。私はお菓子食べたいわ」
とその時ー
「あれぇ?こんなところで会うなんて珍しいわねー」」
「あ、あなたは」
「わたしよわたし、西行寺幽々子よ。おひさしぶりね~亡霊さんたち」
「貴方だって亡霊じゃないですか」
「あ、そうだお菓子あるけど食べない?」
「ごまかさないでください!お菓子っなんですか?」
「ごまかしてないわよ。お煎餅よお煎餅」
「それじゃあいただきます」
~少女談笑中&食事中~
「あ、そうだ。ねぇ二人とも」
「はい?」
「なんですか?」
「妖夢知らない妖夢。あの子もうお昼の時間なのにまだ帰ってこなくて」
「あ、妖夢さんならまだまだ帰ってこないと思いますよ」
「何故?」
「さきほど博麗神社にあらわれた変な黒い物体と戦って、見事やられてしまいました」
「なんですって?!」
「あなたたちなんでそんな重要なことを言わないのよ。全く…」
「えっと、あの、その、すいません」
「まあいいのよ、悪く思わないでね」
「では、私たちさきをいそぐので」
「わかったわ、魔理沙とアリスによろしくね」
「はい!さよーなら!」
・・・・ ・・・・・
「生きてるってことは死に誘えるってことよね。うふふ…それより妖夢ったら、主人に心配をかけるなんて…全く…」
「今すぐそっちに行くから待っててね…妖夢!」
幽々子は、空に向かって飛び出した。ただ、従者を守るために。
5.パルパルパルパルパルパルパル INパルパル
ああ妬ましい妬ましい。妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい。
ねえ、聞いてよ誰か。
たすけてって聞こえたの穴の中から。
まじかっ!って思って行ったらね、
しーんとしてるの。おもに穴の中が。
いらいらした。すごいいらいらした。
暇すぎてやることが無いのが妬ましい。暇のあまりあいうえお作文作ってた自分がこれまた妬ましい。おまけにわけわからん。妬ましい。
ねーあそんでよパルー。
たいへん残念ながら忙しいんですよこいし。てかパルーってなぜ?
まあいいじゃんそんなの、それより遊ぼうよ。
しかし今は仕事中なので、新しく出来たお友達さんのとこでも行ったら?
いいよ、パルーの言うとおりにフランちゃんのとこでもいくから。
数時間前の会話もまたあいうえお作文だったのにいまさら気が付いたのさ。妬ましい。ってあいつは!
「あの、パルーさん」
「なんですさとり。あとパルーはやめて」
「地上へ行ってきてください」
「はい?」
「めんどくさいって想ってますね。いいでしょう。助けてって連絡がきたんです」
「誰から?」
「お燐の友達のコードネーム1(ダイダイ)」
「それってもしや、(ちぇん)って子?」
「言わないほうがいいと想います」
「てかだったらさとり行けばいいじゃん」
「嫌」
「嫌ってねぇ、私も嫌だよ」
「頼みましたよー」
「頼まれん!」
「もうしょうがありませんね。想起「マスタースパーク」!あと、さきにペットたちがそちらに向かってますからね」
「ああもう」
スペルに追い立てられて私は地下をでた。妬ましい。
ところでどこ行けばいいんだろ?
可能性として、
1 紅白の神社(本命)
2 妖怪の山 (たぶん)
3 …場所がもう思いつかない。ああ妬ましい。
まあ近い神社から行けばいいんじゃない。そんな急ぎの雰囲気じゃなかったし。
ところでなぜかここら静かだな?なぜだろう?理由が解らん。妬ましくおもいはべりつるなり。
昔みたいないいかたしたのが妬ましい。こんなしゃべり方する恥なやつは、この幻想郷に一人もいないと思う。
いたら一度会ってみたい。
6.ご主人君ときたら。 IN ナズーリン
「ふぁっ。ふぁ。ファックション!!」
「どうしたんだ小傘。くしゃみなどして、花粉の季節じゃないぞ」
「噂だよう。きっとわきちの噂されたの」
「君は実に馬鹿だな。君のような弱い妖怪が噂になるわけないだろう」
「ふーんだ!ナズーリンだってそんなにわきちと変わらないじゃん!」
「…私、本気出せば強いよ」
「出さない本気はないと同じです!プンプンプンプン!」
目の前で小傘がわめいているのを見かね、ダウジングロッドで×マークを作り、
「まあまあ」などと言ってみる。
すると小傘は不思議なことに黙ってしまっていた。ラッキー。
「ナズーリンごめんまたなくしちゃった。宝塔。五面」
「違くないかい?確かに貴女は五面だが」
-訂正します。五面→御免
「昨日どこへ行ったんだい?」
「えっと、人里行って、道具屋行って、神社行って帰って来た」
「ご主人君は確か寺に住んでるんだろう。何故神社に行ったんだ?」
「暇だから」
「神社ってどこの?」
「どっちも」
「…ではいくぞご主人」
「え、私も?」
当たり前だ。なくしたのは御主人君だろ?
じゃあせめて手伝ってくれ。
「わきちは待ってる。ぬえ待ち!」
「手伝えよ」
「あ、誰かがわきちの助けをまっt(ry」
「おい!」
「キャハ!ごめーん」
7.いやいやさとり IN
---さっきパルスィを地上に行かせた。なぜ私は行かなかったか。
「--私は、地上が怖い…」
地底の住人にも嫌われた、この能力。心を読むということ。
誰が喜ぶだろうか。隣に自分のすべてをー秘密さえも読み切ってしまうなどという妖がいても。
70年ほど前の、異変。あのとき来た人間たちも、内心では気味悪く想っていたのだ。たぶん。
隣にいてほしくない。友人恋人知り合いさえも居ない私。それでもいてくれるのは妹とペットたちだけだ。そのペットさえも私を可能な限り避けていて。
私の世界はこの場所だけ。この地霊殿のみが私の世界。さっきパルスィにあうのにどれだけ緊張したか。
ああ、私も心を閉じた方がいいのか。無意識を操って、なにも感じず、過ごせばいいの?
-いや、私にはそれすらできない。一度付いたイメージは簡単には覆せないから。
幸せな時間。そんなものはない。最後に楽しんだのはいつなんだ?
皆に嫌われた私。
友達ー吸血鬼の妹だったか?がいるこいし。
神社に良く行くお燐。
寂しくないお空。
私は机の上にある手紙を開いた。お燐が持ってきてくれた、私宛に届いた、お誘いの手紙。
「 古明地さとり様
明日こいし様を我が家にお招きしたいと思います。
こいし様の安全は私たちが全力でお守りします。
もちろん火焔猫燐様や霊烏路空も来てもらってもかまいません。
もしおこしになるならばお返事ください。
レミリア・スカーレット 」
OKの了承を貰った3人?は喜び勇んで出かけていった。
-そして私はいつもと同じく、ひとり。
ひとりは寂しくない。もう慣れっこだ。
いわば、巫女が空を飛ぶ。
魔法使いが魔法を使う。
それと同じに、さとり妖怪は孤独なのだ。
しかしそれでもー「失礼します」
ん?
何か声がしたような?
「不躾ながら参上しました。十六夜咲夜です。お嬢様が貴女の名前を書き忘れたそうで慌てていたので、改めて参上しました」
「え?じゃあ私も…」
「えぇ、もちろん」
「…いいんですか?私は覚り妖怪ですよ」
「なにを仰るんですか。そんなのどうでもいいことです。だって、幻想郷はすべてを受け入れるんですから」
どうでもいいこと。
きっと彼女らも後で後悔することだろう。
しかしそれでもー
「解りました。じゃあ準備してから…ありがとうございます」
「いえいえ、では…館でお待ちしています」
わたしは、喜びにうちふるえながら、とりあえず着替えの服を探し始めた。
ーもしあの時
相手の心を読めば…
ドアを開けていれば…
私が落ち着いていれば…
そしたらあんなことにはならなかっただろうか?
8.魔法使い二人 IN 霧雨魔理沙
「弾幕はパワーだ。というわけでいざ勝負!」
「やめてよ魔理沙。家が崩れるし、何よりこの後を考えるとパワーは無駄にしない方がいいわ」
「むぅ。アリスが言うならねぇ…」
目の前でがくがくブルブルしてる亡霊さん×2はもとから闘志が無いようだ。弾幕出来んのか?
アリスが好きだぜ。
私には二つの道があった。
種族魔法使いか人間か。
普通の魔法使いと自負するならば、やはり人間であるべきなのだろう。
でも、私は魔法使いであるまえに、霧雨魔理沙である。
恋色の魔法使いなのだ。
あぁ、アリスはかわいい。
あのとき、そう春のころだったか。今でも思い出せるあの胸の高鳴り。
そう、私はアリスに胸の内を伝えたんだ。
アリスは最初、拒んだ。
「さきに逝く貴女を前にして、貴女の望まない事をしない自信が無い。貴女を、さきに逝くときに残される私への罪悪感で苦しませるのは耐えられない」
「だから、素敵な人間の相手を探して。妖怪との恋に、ハッピーエンドなんて考えられない…」
「私も貴女が大好き。だから貴女に一番幸せに…なってほしいの」
「だから…もう…忘れて」
「そっ…そんなのは、いやだ!」
そして私はその場で種族魔法使いになる呪文をー
「魔理沙。魔理沙!」
「おおすまん。少し考え事を、な」
「私のこと?」
「おう!もちろんだぜ!」
それから過ごした幸せな日々。
永遠の幸せを享受した私たちは、今でも、そしていつまでも幸せに暮らすと、そう決めたのだ。
「あぁ、神社で援軍だな。いいぜ。やってやんよ!」
「ちょっと魔理沙それって…」
今は二人で共同研究をしている。やっと自立人形の手がかりがつかめそうだからだ。
昔の目的とは違う自立人形。子供は欲しいが、その研究はあとまわしだ。
「んにゃ。まあ引き受けるが、頼みがあるぜ」
「ああ、別にいいけど」
「じゃあ一つ目。神社は何とかするから、お前らはこの異変ー音楽消失?を何とかしてくれ。どうも調子がでない。まぁ出来る範囲でいいからさ」
「りょーかーい。メリー。予定が出来たわよ。お菓子はお預けね~」
「はーい。分かりましたよーだ」
「ああ、二人とも一つ聞きたいことがあるのだけれども」
「ん~?ああ、あれか」
「あれって何ですか?」
「稗田阿求のことよ」
「阿求さん?阿求さんはいい人よ。私たちを家に置いていてくれるし」
「~違うのよ。
今年はちょうど紅霧異変から70年。病弱で阿礼乙女の阿求が生きているはずが無いのよ。それこそ、蓬莱の薬や魔法、種族変化でもしない限りはね。で、どう?彼女は人間かしら?」
「でも、見た感じは普通に人間してますよ。ていうか人間ですよ。でもなぜか不老でね…」
「悩んでもしょうがないぜ!さあ、神社に行くんだぜ!」
私すっかり空気になってたよ。
「じゃあ貴女たちは、そうねぇ、音は波だから…永遠亭にいって、優曇華にでもきいてみたら?」
「はい!そうさせていただきます!」
「よっし、がんばるぜーーーーーーーーーー!!!」
私は蓮子と拳をコツンってやって、アリスとともに飛び出した。
私の恋人とともに、親友を助ける冒険へと。
9.どこかで
「さあ、白玉楼の曲もゲットしたし、次はー」
ゴツン。
「痛っ!なにすんのよ~」
「どうもこうもない。音楽ばっかり…」
「私は音楽が存在意義よ」
「あっそ!」
「そういや警備の方はどうなってんの?」
「ああ、きちんとやってくれてる。まあ彼女はやつらを怨んではいないようだがな」
「後は…」
「おっさんなら出かけたよ。あの二人は何時でも寝てるよ」
「違うは。音楽よ」
「ああもう!音楽音楽音楽って五月蠅い!」
「で、奪還できんの?私の作品」
「私のって、彼女が作ったんでしょ」
「ああ、警備係の姉妹は、そんなとこまで似てるからね」
「会ったことあるのか?」
「貴女は?」
「会うはずだった。と言おう」
「私は絶対無理だけどね」
「私は暫く紅茶でも飲んでる」
「私は…とりあえず、音楽のコピーでもしてようかな~」
「ふん。勝手にしろ」
「私」は「彼女」をおいて廊下に出た。
存在するはずだった世界を思い、涙を流しながら。
>「違うわ。音楽よ」ではないかなと。
ストーリーは楽しめたのですが、全体的に地の文が少なく、物語を並立展開して正しく理解するには、もう少し描写が欲しいかな、と思います。
・・・もしかすると私の読解力の無さが問題かもしれません。
そうだったら首吊ってきます。
最初の人は誰だったんだろう?東方消音異変
見てきます!