「鍵山雛の子育てパニック!?」の続き、というより後日談のようなものです。
「どうにもおかしい…」
自宅のテーブルに突っ伏して、にとりはそうつぶやいた。
「おかしい、やっぱりおかしい…」
おかしい、という言葉が何度も何度も出てくる。
何がそんなにおかしいのかというと
「何で、雛にバレてたんだろう…言ったこと無かった筈なのに…」
そしてまた、おかしいと何度もつぶやくのだった。
きっかけはひょんなことだった。
数日前、雛と一緒に歩いていたとき、突然風が吹いて帽子が飛ばされてしまった。そして雛に拾ってもらった。それまではいい。
しかし問題は次の言葉だ。雛が帽子を渡す時に言った言葉。
「大切な帽子なんでしょ?気をつけなきゃだめよ…そうそう、この帽子ってわたしの髪の色に少し似てるわね。
それが理由で大切にしてくれてるんだったらうれしいな♪」
「ひゅい!?」
雛の言葉に、素っ頓狂な声を出してしまった。
図星である。にとりが特に帽子を大切にしていたのは、まさに雛の言うとおりの理由だ。
ただ、驚くのには訳がある。
(おかしいな、言ったこと無いのに)
理由が理由なので、雛にはもちろん、他人には一切口外したことは無いはずである。もし言ってしまったら、恥ずかしさのあまり爆発するかもしれない。
それを雛は見事的中させた。
しかも
「あら、ひょっとして図星だった?だったら嬉しい♪」
「あ、いや…」
「…違うの?」
「え、その…」
嬉しそうに抱きついてきたかと思えば、次は悲しそうな目をして聞いてくる。こちらを揺さぶってきているのだ。
にとりは確信した。
(間違いない、バレてる…しかも遊ばれてる…)
誰も知らない筈の秘密を知られた恥ずかしさと、いいようにからかわれている悔しさと、悲しそうな目をしている雛って可愛いかもという想いとが、
頭の中でぐるぐると渦巻いていた。
「そ、そうだよ!大好きな雛とおんなじ色だから大切なんだよ!」
すっかり顔を赤くして、やけっぱちにそう言い放った。
それを聞くや、ふふふ、といたずらっぽく笑ってぎゅっとにとりを抱きしめる雛。どうやらやっぱりバレていたらしい。
「おかしいよー何でバレてたんだよー」
頭を抱えて、本日何度目になるかという、おかしいを言うにとり。
バレていたのはもう仕方ないとして、いつ雛に話してしまったのか、まったく心当たりが無い。どれだけ頭を悩ませても、まったく思い出せない。
…ピンポーン
「あ、はーい」
頭をぐるぐる悩ませていたとき、玄関で呼び鈴が鳴った。誰が尋ねてきたかというと
「いらっしゃい、雛。さあ、入って入って」
「はい、おじゃましまーす」
問題の相手、鍵山雛本人である。今日は雛がにとりの家に泊まりに来る約束をしていたのだ。
そして、にとりにはとある計画があった。
(どうしてバレたのか、絶対につきとめてやる…)
雛はまったく知らないその計画を心に秘め、にとりは雛を出迎えた。
「ところで雛、その袋は何?」
「ああこれ?まあ、あとのお楽しみってことで♪」
雛がにとりの家に泊まること、またその逆はしばしばあることなので、お互いの生活品は大体お互いの家に置いてある。だから、普段は
手ぶらであることが多い。
今日は手ぶらでは無かった。赤、もしくは橙色の何かが入った袋を雛は持ってきている。
しかし、にとりにはもっと気がかりなことがあった。
(あの顔…帽子のときとおんなじ…)
袋の正体が何なのか、それをはぐらかした雛の顔が、似ていた。帽子のときと同じ、いたずらっぽい顔。
その顔に少し警戒心をもったにとりではあったが、雛は気付く素振りもない。
そして
「ちょっと汗かいちゃったから、お風呂借りてもいい?…そうだ、にとりも一緒に入りましょうよ」
「え、あ、いいよ。入ろう」
いつもと変わらない笑顔でそう言った。
まだまだ残暑が続くこの季節、雛がお風呂に入りたがるのはよくあることだ。一緒に入ることも普通のことだった。
(…考えすぎかな?)
警戒したものの、これと言って雛に変わった様子はない。いやでもまてよ、と悩みながら風呂場へ向かうにとりと、ルンルン気分で風呂場へ向かう雛であった。
「いい気持ちだね…」
「うん…」
長方形の浴槽に横に並んで、二人は極楽極楽、といったような顔でそう言った。
少し窮屈ではあるが問題無い。いつもこうやって入っている。
しかし今日は、そのいつもが崩れることとなる。
「ねえ、にとり」
「ん、何?って、わわ!?」
声をかけられたかと思うと、雛に引き寄せられ、気付いたらにとりは雛を背に、その膝の上に座らせられていた。
雛の両腕はにとりの腰に回り、抱きしめるかたちになっている。
「こうすれば窮屈じゃないでしょ?」
「ひ、ひな!?」
耳元でささやかれ、上ずった声で返事をしてしまった。
確かに窮屈さは解消されるが問題はそこではない。
にとりは、とりあえずこの状況を打開しようと、雛の腕の中から逃れようとする。
「あ、動いちゃだめよ」
「で、でも、恥ずかしいよ!」
そうだ、恥ずかしい。恥ずかしすぎる。このままの状態であり続けたら、本当に爆発してしまいかねない。
でもそうは言うものの、正直なところ、本当は…
「本当は嬉しかったりして♪」
「そうそう、本当はふかふかで…って、ひゅい!?」
何を口走っているんだ!と心の中で自分に怒鳴りつける。
しかし問題は別の所にあった。
「ホントに嬉しかったんだ。わたしも嬉しいな♪」
そう言って、片方の手を腰にまわし、もう片方の手で頭を撫でてくる後ろの厄神。
もとはと言えば、彼女に誘導尋問されるかたちで口走ってしまったのだ。
(しかもこの声の感じ、またおんなじだ…)
帽子のとき、謎の袋のときと同じ、いたずらっぽい声。顔は見えないが大体分かる。要は同じ顔をしているのだろう。
(ということは、また確信犯だな…)
何故バレているのか分からない。しかし、バレているのは確実だ。バレている理由を探ろうと思っていたのに、逆にやられてしまった。
また頭がぐるぐる回ってきた。そんなにとりの様子にはかかわりなく、雛は抱きしめる腕の力を強めてきた。
「お互い嬉しいんだったら、これからはこうして入りましょうね♪」
「…うん」
本人の目の前で嬉しいと言ってしまった以上、もうこう答えるしかできなかった。
「いいお湯だったわね~」
「…そうだね」
湿り気の残る髪をタオルで拭きながら、上機嫌で言う雛。
一方、にとりは少しふらふらしていた。どうにも火照りがおさまらない。きっと長風呂のせいだと心の中で自分に言い聞かす。
「じゃあ、そろそろ晩御飯の用意するわね」
「あ、はーい」
少しぼーっとしていたら、雛がそう言って台所へと向かっていった。
手持無沙汰になったにとりは、雛が家に来る前と同じようにテーブルに突っ伏した。
(あーあ、してやられちゃったな…)
何故秘密がバレていたのか、それを探るつもりでいたのに、逆にまた秘密を明かされてしまっていた。敗北である。
(ミイラ取りがミイラだな…そう言えば河童のミイラって昔あったな)
冗談交じりに、やや自嘲気味にそう思う。実際のところ、まさにそのことわざの通りである。
(これからずっとああやってお風呂に入るのか…うう…)
嬉しいような、恥ずかしいような。また体が熱くなってくる。
そうこう考えているうちに、少しうとうとしてきた。まどろみが心地よい。
(そういえば、何で帽子の秘密がバレたのか気になってあんま…り…寝て…な…)
もう頭も上手く働かず、まどろみに全てを委ねるにとりであった。
夢を見ていた。
自分は小さな子どもになっている。テーブル越しに雛がいて、何やら怒っている。
「ちゃんと残さず食べなきゃだめでしょ。ほら、あーんして」
目の前には自分が子どもの頃嫌いだった人参。雛がスプーンでそれを差し出しているのだ。
食べなきゃだめでしょなんて言われても嫌なものは嫌だ、と子どもっぽいことを考える。あ、子どもか。
しかし雛は諦めず、口の前にスプーンを出し続ける。
そして、自分もついには観念して
「あ、あーん…」
と口をあける。
「にとり、ご飯の準備ができたわよ」
「ふぇ?」
雛に揺すられ、にとりは目を覚ました。どうやら眠ってしまっていたらしい。
時計を見るに、小一時間といったところだった。
「起きたばっかでご飯食べられる?」
「あ、大丈夫だよ」
少し適当に返事をしてしまった。というのも、先ほどの夢が気になっていたからだ。
(変な夢…わたしが子どもで、雛がまるでお母さんみたいだった…そういえばそんなこともあったっんだっけ)
以前、自分が子どもになってしまったとき世話をしてくれたのが雛だったらしい。まったく憶えていないのだが。
(ひょっとして、記憶のかけらだったのかも)
頭の奥の方に眠っていた記憶が、夢の中で現れたのかもしれない。
そんなことを考え込んでいるうちに、目の前には晩御飯が並べられていた。それらに目をやると、にとりは驚愕した。
(う、人参…しかもたくさん…)
混ぜご飯、肉野菜炒め、きゅうりの酢の物、煮物、それら全てに人参が入っていた。
子どもの頃嫌いだった人参。今は食べられるようになったが、苦手意識はまだある。
はっと思いだした。雛が持ってきたあの袋、もしかすると
「ねえ、雛が持ってた袋に入ってたのって、ひょっとして人参?」
「ええ、にとりって野菜と言えばきゅうりばっかでしょ?たまには他の野菜も食べないとって思って」
でもって何でピンポイントで人参だよ!?とにとりは心の中でつっこんだ。野菜にも色々あるだろうに、よりによって自分の苦手な人参とは。
(ん?ピンポイントで人参?もしかして…)
嫌な予感がする。人参が苦手とは雛に言った記憶が無い。
「ひょっとして、人参苦手だった?」
(やっぱりかあああああ!)
いたずらっ子のように笑う雛に、にとりは内心絶叫した。
知る筈の無い自分の味の好み。だが雛はそれを知っていたかのような笑みを浮かべる。
帽子のときやお風呂のときと同じパターンだ。
「食べられないんだったら、あーんってしてあげようか?」
「ちょっと、子ども扱いしないでよ!…ってあれ、子ども…扱い…」
自分の言い放った言葉に、ふと気が付く。嫌いな人参、それを雛があーん、とする、子ども扱い、そしてさっきの夢…
にとりの中で、一つの仮説が組み立てられる。
「ねえ雛。ひょっとしてわたしが子どもになってたとき、人参が嫌いって言ってた?」
「ギクッ…さ、さあ、どうだったかしらね…」
にとりの質問に、雛は明らかに動揺した。目をそらしてしまっている。冷や汗をかいているのがわかる。
「わたしが帽子に込めてた意味や、今日のお風呂のことも、子どもだったときにわたしが喋ったんじゃないの?」
「え、えーっと…」
「ひ~~~な~~~?」
「あ、あはははは…」
問い詰めるようににとりにじっと見つめられ、乾いた笑い声をあげる雛。
そしてついには観念して、全てを話し出す。
「に、にとりの言う通りよ。帽子のことはにとりから話してもらったし、お風呂は子どものにとりが喜んでたし、人参はたまたま料理に出したら…」
「はぁ、もういいよ」
ため息をついて、雛が話すのを制す。聞く限り、全部自分から暴露していたらしい。
何やってんだ子どものわたし。おかげで今ものすごく恥ずかしいじゃないか。
「まあ、全部自分で秘密を明かしてたようなものだし、仕方ないか」
「そう、仕方のないことだったのよ。じゃあ、あーんってしてあげる。というかさせて」
もうこのことはお終い、と言わんばかりに話を変えた雛。動揺した顔は消えており、じっとにとりを見つめる。
じゃあ、ってどういうことだ、話に全然つながりが無いじゃないか、とにとりは内心つぶやいた。というかじっと見てくるその目が少し怖い。
「し、しなくていいよ!雛ちょっと目が怖いよ!」
「…ちぇ」
不満そうに口をとがらせる雛に、にとりは思わず苦笑する。そんなにしたかったのか。
ふとここで、にとりにある不安がよぎる。
「ところでさ、わたし他に何かバラしてなかった?」
子どもの純真さで、まだ秘密を明かしてはいなかっただろうか。特に重要なことだったら問題だ。それが不安なのである。
雛はそれを聞いて
「さあ、どうだったかしらね~♪そんなことより早く食べないと冷めちゃうわよ」
と上機嫌そうにはぐらかす。間違いなくまだ何かを隠していた。
(…油断しないようにしないと)
雛がいつ仕掛けてくるか分からない、と気を引き締めるにとり。
だがまずはそれよりも、雛の作ってくれた料理を食べることにする。せっかくの料理が冷めてしまってはもったいない。
人参も食べられないわけではないので問題ない。
「「いただきます」」
二人は声を揃えて挨拶をし、食事を始めた。
食事の途中、雛が本当にあーん、をしようとしてきたが流石に拒否した。いくらなんでも恥ずかしすぎる。
そして食後、一緒に歯を磨いたり、にとりの発明品について談笑したりしていたが、雛は何も仕掛けてこなかった。
楽しい時間を過ごす内に、にとりはいつしか警戒することをすっかり忘れ去っていた。
「あ、もうこんな時間…」
雛が時計に目をやると、短針が夜の12時にさしかかろうとしていた。
楽しい時間と言うのはあっという間に過ぎてしまうものだ。
「そろそろ寝ましょっか?」
「うん、そだね…」
若干眠そうに言う雛に、にとりも少し眠たそうに答える。そして二人は寝室に向かった。
それぞれ寝間着に着替え、同じ布団に入りこむ。泊まりのときはいつもこうやって眠っている。
その度に、にとりは頭を悩ますのであるが。
(うう…きょ、今日こそは…で、でも…)
雛に気付かれないように、背を向けて横になっている。それでもなお気取られまいと、極力体は動かさないようにし、呼吸も静かさを心がける。
さて、そこまでして何を悩んでいるのかというと
(今日こそは絶対に、あ、あこがれの、おやすみのちゅうを…)
よしっと心の中で意気込んで、ごろんと寝返りをうち、雛に向かい合う。雛は目を閉じていた。
雛の顔を見つめること約5秒。息が詰まる。
(…だ、駄目だ!)
再びごろんと寝返りをうって雛に背を向け、ぶはっと息を吐き出した。結局何もできなかった。
(ああもうわたしの馬鹿馬鹿!へたれ河童!あと一歩なのに~)
雛に自分の顔を向き合わせるところまではいつもいけるのだが、その先がどうにもならない。
雛の心地よさそうな寝顔を見、規則正しい静かな寝息を聞いていると、緊張が高まってどうしても踏み込めないのだ。にとりにとってその一歩は、
アームストロング船長の一歩よりも大きなものだった。
今日も今日とて、その一歩を踏み出せないでいる自分を叱っていた。
その時だった
「ふふっ♪」
「へ?」
突然雛のやさしい笑い声が聞こえてきた。それと同時に、頬に何やら柔らかくて暖かい感触を感じた。
これはもしや…
にとりの時間が止まった。
「これが、子どもの貴女が最後に教えてくれた秘密…ってあれ、にとり?」
雛が少々顔を赤らめながらそう言うものの、にとりには何の反応もない。
にとりの体を揺すって呼びかける雛。
「にとり、にとり~、にとりってば!」
「はっ!」
少し大きめの声で呼びかけられて、ようやくにとりは我に返った。そして雛の方を向いて、早口で喋り始める。
「ひひひひひ雛さん、いいいいい一体ななななな何をなにををを」
「何って、おやすみのちゅうよ。貴女が前にしてくれたね♪」
その言葉に、にとりは雷にうたれたような感覚をおぼえた。
なんということだ、悩みに悩みぬいていたアームストロング船長を、子どもになっていたときに軽くひとっ飛びしていたらしい。しかも憶えていない。
にとりの中に悔しさのような感情が渦巻く。ずっとあこがれていたそれを、知らないうちに既にしてしまっていたのだ。
「ねえ、にとり…」
「ひゅい!?ひ、雛!?」
そうこうしている内に、雛は艶やかな声を出して顔を近付けてきた。
そして
「わたしだけにさせておくなんて、不公平なことはしないわよね?」
そう言って目を瞑り、軽く唇を前につき出す。
これはまさしく
(し、しろってことか!?しかもほっぺじゃなくて「そっち」に!?)
問題のアームストロング船長は知らないうちに飛び越えてしまっていた。であるならば、今さらその一歩を迷うのはあまりにも情けないと思う。
第一、雛にここまでさせておいて引き下がるのは、最早へたれというレベルではないかもしれない。
にとりは意を決した。
「お、おやすみの…」
静かにささやいて、そっと唇を寄せた。
「あらあら、にとりってば甘えんぼうさんね♪」
「う、うるさいな!」
あの後、体から煙が出てるんじゃないかってくらい体が熱くなった。
きっと顔も真っ赤だろうから、それを隠すために雛の胸に顔をうずめている。そしたら、またからかわれてしまった。
(うーん、寝られるのかなあ…)
布団に入る前には眠気は確かにあった。しかし先ほどの衝撃が強すぎて、頭はすっかり覚醒、眠気はすっ飛び、寝られそうな要素が見当たらない。
(ま、いっか。目を瞑ってればその内眠れるでしょ)
雛という心地よい抱き枕もいることだし、何とかなるだろう。
そう思っていたら、その抱き枕、もとい雛が話しかけてきた。
「そうそうにとり。言い忘れてたんだけど」
「何?」
「実はおやすみだけじゃなくて、おはようのときにもね…」
「はい?」
もじもじしたような話し方の雛に、にとりは、はっきり言うように、という意味を込めて相槌をうった。
いや、実際には雛が何を言わんとしているか大体分かっている。分かっているからこそ少し怖くもあった。ホントに何やってるんだ子どもの自分。
「してもらったのよ…おはようの、ちゅって」
覚悟していた通りだった。どうやら子どもの自分は、アームストロング船長の遥か彼方まで踏み出してしまっていたようだ。月面着陸ではなく、火星着陸だ。
しかしそれは雛の話しぶりから既に覚悟済み、問題は次の言葉だった。
「だから…期待してるね♪」
その一言は、にとりの脳天を貫いたかのような衝撃を与えた。
期待してるね、その言葉が何度も何度も頭の中で壊れたテープレコーダーのごとく再生される。
「ちょ、雛、それってどういう!?」
雛の胸にうずめていた顔を起こし、雛の顔を覗き込む。
しかし
「すぅ…すぅ…」
安らかな顔で、柔らかな寝息を立てている。
(た、狸寝入りだ…絶対狸寝入りだ…)
こんな短時間で都合よく眠れるわけが無い。十中八九狸寝入りだと思うのだが、雛はずっと目を開けずに寝息を立て続けている。
そしてその間にも、期待してるね、がにとりの頭の中で木霊する。
(やれってことか…うう…でも…ああ…)
今夜のにとりは、本当に眠れそうになかった。
にとりの弱点を知りつつからかう雛が最高に可愛かったです。
最後の布団のシーンやお風呂のシーンは卑怯だと思う。
次回作も期待しています。
もうやめて雛、相手(にとり)のLPは(ry
そして、さりげなく縦読みw
にと雛ですもの
ちゅっちゅしなきゃちゅっちゅ