妖夢は困惑した。
なぜなら今宵行うはずの月見と称した宴会が、もう終わってしまったのだから。
「君と見る月は」
「あらあら、もうみんな寝ちゃったのね~」
「幽々子様。あなたの仕業ですか?」
「ん~どうして~」
「お屋敷のお酒を飲んで、みんな寝てしまったじゃないですか」
「うんそうよ。薬師から買った(胡蝶夢丸)の効果を強化したのを溶かしたお酒よ」
「一応聞きます。なぜこんなことを?」
私は微笑みながら答える。
「さて、なぜでしょう?」
「…私にはわかりかねます」
「いいわ。こっちへいらっしゃい」
私は屋敷の裏手の桜の前に連れて行った。あの妖忌が「西行妖のつぎに美しい桜」と褒めたものである。
「さて妖夢。これを覚えているかしら?」
「…これは」
「そう。桜点」
あの春雪異変のときの、ほんの少しの残り。
「これは桜点のなかでもとても霊力が強いもの。そう、季節外れに桜を一つ、短い間開花させるくらいね」
「…ということは」
「そう。季節外れの桜を、二人で見ましょう」
「はい」
「お茶は用意してあるわ」
「…すみません」
「いいのよ」
パァァァと。
桜が、秋の夜に舞う。
普段は見られない、まさに奇跡の光景。
まんまるの月を背景に、桜が舞う。
それはそれは、とても幻想的な光景だった。
「幽々子様」
「なぁに?」
「………ありがとうございます」
「うふふ。きにいってもらえて嬉しいわ」
「あのぅ…幽々子様」
「…わかってる。また来年も、ね」
「はい!大好きです幽々子様!」
来年は、雪でも降らせてみようかしら。雲の合間に見える、十五夜の月と雪、そして桜。
でも。
それより、愛する妖夢と月を見られることが、一番幸せだ。
そして、そんな私たち二人がいるこの光景は、
きっと、一番幻想的な光景なのだ。
こんなに月が美しいのだから。
そっと窓を開けて、秋の澄んだ空気をすいながら。
「今宵は、月を眺めてみませんか?」
なぜなら今宵行うはずの月見と称した宴会が、もう終わってしまったのだから。
「君と見る月は」
「あらあら、もうみんな寝ちゃったのね~」
「幽々子様。あなたの仕業ですか?」
「ん~どうして~」
「お屋敷のお酒を飲んで、みんな寝てしまったじゃないですか」
「うんそうよ。薬師から買った(胡蝶夢丸)の効果を強化したのを溶かしたお酒よ」
「一応聞きます。なぜこんなことを?」
私は微笑みながら答える。
「さて、なぜでしょう?」
「…私にはわかりかねます」
「いいわ。こっちへいらっしゃい」
私は屋敷の裏手の桜の前に連れて行った。あの妖忌が「西行妖のつぎに美しい桜」と褒めたものである。
「さて妖夢。これを覚えているかしら?」
「…これは」
「そう。桜点」
あの春雪異変のときの、ほんの少しの残り。
「これは桜点のなかでもとても霊力が強いもの。そう、季節外れに桜を一つ、短い間開花させるくらいね」
「…ということは」
「そう。季節外れの桜を、二人で見ましょう」
「はい」
「お茶は用意してあるわ」
「…すみません」
「いいのよ」
パァァァと。
桜が、秋の夜に舞う。
普段は見られない、まさに奇跡の光景。
まんまるの月を背景に、桜が舞う。
それはそれは、とても幻想的な光景だった。
「幽々子様」
「なぁに?」
「………ありがとうございます」
「うふふ。きにいってもらえて嬉しいわ」
「あのぅ…幽々子様」
「…わかってる。また来年も、ね」
「はい!大好きです幽々子様!」
来年は、雪でも降らせてみようかしら。雲の合間に見える、十五夜の月と雪、そして桜。
でも。
それより、愛する妖夢と月を見られることが、一番幸せだ。
そして、そんな私たち二人がいるこの光景は、
きっと、一番幻想的な光景なのだ。
こんなに月が美しいのだから。
そっと窓を開けて、秋の澄んだ空気をすいながら。
「今宵は、月を眺めてみませんか?」
後、今日夜に外へ出かけたら月が驚くほど輝いていてマジで感動した
でも貴方の文章で満足しました。
綺麗な小説をありがとうございます。
でもいつか、月の綺麗な夜に、このSSを思い出して月を眺めてみたいと思います。