「大地が悲鳴をあげているわ」
花を愛する美しい妖怪は、太陽の畑で花たちのざわめきを聞いた。そして、跪いて土に触れた。
「そう……あなたたちはここを守ってくれているのね。」
幾千本ものひまわりは、真っ直ぐに太陽を向いてやわらかく揺れていた。
「ひまわりが居る場所は大丈夫……、こっちの土には毒があるわね。おおかたの見当は付いている。出て来なさい!メディスン・メランコリー! 」
「異変だわ……」夕日に染まる縁側で霊夢がポツリと呟いた。何度も薄めて出がらしになった煎茶は鉄の味がした。
巫女の勘は鋭い。あるいは大地の嘆きが巫女にも届いたのかもしれない。
「さて」白湯を飲み干した霊夢はスッと立ち上がった。「とりあえず今回の異変も解決しましょう。誰から当たって行こうかしら。」
一方太陽の畑では、妖怪が毒人形を睨み付けていた。
「ご存知かしら、メディスン・メランコリー、ひまわりの根はセシウムを、花にはストロンチウムを蓄積する力があるのよ。あなたも随分偉くなったものね。毒人形風情が人類滅亡でも企んでいるのかしら?」
メディスンはブンブンと首を振った。
「は、話が見えないわ風見幽香! そんな毒知らない! 見たことも聞いたこともないわ! 」
「問答無用! 」
幽香が傘を閉じると、先端から大量の弾が飛んだ。
ひまわりの種だ。メディスンの周りでたちまち芽を吹き、茎を伸ばし、大輪の花を咲かせた。
「本当に、何も知らないんだよぅ。」
心を持つ毒人形はへたり込んだ。メディスンの足元の毒は、ひまわりによって浄化されていた。
「そうね、あんたごときにこんなバカげた毒なんて使えやしないわね。」
次の瞬間、メディスンは目を疑った。
「……マスタースパーク」
幽香が太陽の畑を焼き払ってしまったのだ。誰よりも太陽の畑を愛していた幽香が。
紅魔館の図書館の隅にランプが灯り、そこに二人の少女が浮かぶ。
「相変わらず、ここの警備はザルね。」
「あら、せっかく友人として出入りを許しているのに失礼ね。」
「フン」
パチュリー・ノーレッジは顕微鏡を覗いていた。そこには得体の知れない毒が見えた。
「気付いているの? 異変よ。」
「そうね、異変ね。今調べているところよ。」
「そう、で何の異変なの? 誰を倒せばいいのかしら。」
「相変わらず野蛮ね。今回の敵は得体が知れないのよ。」
「どうして……。」
太陽の畑は荒野になっていた。
「これで、いいのよ。」
幽香は薄く笑った。
「ひまわりは毒を吸い取ったら、毒を撒き散らす花になるの。大地を浄化したらすぐに処分しなければいけないの。さぁ……あなたもひまわりの種を植えなさい!早く!」
幽香の傘から溢れる種を、メディスンはあわてて両手で受け取った。
「おやぁ?何の騒ぎでしょう。」トラブルを発見する速さも巻き込まれる速さも幻想郷一の天狗が空から様子を見ていた。
紅魔館入り口の自慢のバラ園が枯れている。メイド長の密かな楽しみであった毒草畑もすっかり枯れて腐りかけている。
「まだ原因がわからないのですか?パチュリー様。」
「そうね。巫女はこの異変をどう見る? 」
「さっぱりだわ……あっわかった! 植物が枯れる異変ね。」
やはり巫女の勘は鋭かった。しかし役には立たなかった。
「幻想郷の大地が、いいえ、ここを含んだ広範囲が見たこともない毒に侵されているの。こんな毒……見たことが無い。手の打ちようが無いわ。」
「大地を毒で汚すなんて、誰がこんなひどい事を……。」
そこへ疾風が通りかかった。
「困った時に颯爽と現れる射命丸! 素敵なオマケ付きの号外ですよ! なんとビックリ魔法の種! これを植えるとアラ不思議。土が浄化されるんです! 」
「あなたが言うと、胡散臭い事この上無いわね。」
紅魔館の知識は、にわかにそれを信じる事ができなかった。号外には、ひまわりが毒を蓄積させ土を浄化させる事、ひまわりの育て方と、毒を蓄積したひまわりはただちに処分する事が説明されていた。
「面白いわ。調べてみましょう。」
パチュリーは汚染された畑にひまわりの種を植えた。
巫女は号外を読んでいた。
「変ね、まともな事しか書いて無いじゃない。もしこれが本当なら大異変だわ。」
「これはまた異な事をおっしゃる……それでは私は忙しい身なのでこれにて失礼!」
天狗は上空へ垂直にスッと昇った。そしてゴチンとしたたかに頭を打った。
上空に居た魔理沙の箒だった。空にはどんな危険が潜んでいるかわからない。
皆さんも飛ぶ時はしっかりと安全確認をしましょう。
「おいおい水臭いなあ。話は聞かせてもらったぜ。これを幻想郷のみんなに配って種を植えさせればいいんだな? 半分よこしな。幻想郷最速の勝負はまだ付いて無いはずだぜっ」
「全く……懲りない魔法使いですねえ。」
たちまち種は幻想郷中に広がり、かつて無いほどのひまわりが咲き誇った。
「ふむ、人里には私から呼びかけてみよう。」
「私も人里中をひまわりでいっぱいにします! うれしい! 私にも異変解決ができるんですね。」
人里と繋がりの深い上白沢慧音と稗田阿求である。
謎の物質で汚染された地域は、たちまちひまわり畑となった。
メディスンは、ひまわりを育てながらふと幽香に聞いた。
「で、この毒ってほっとくとどのくらい危険だったの? 」
「草木も生えぬ不毛の地となり、疫病が流行って人類滅亡ってとこかしら。」
振り返って笑う幽香の顔は泣き顔にも見えた。
「人間(しょくりょう)に滅亡されちゃ困るでしょう? 」
放射性物質を十分に吸収したひまわりを、幽香はマスタースパークで跡形も無く焼き払った。
誰が何のためにこんな事を……。それは幻想郷でも永遠の謎となったが、かくしてひまわりによって人類と幻想郷は守られたのである。
色々言いたい事はあるんですが、私もSSの体裁とかは詳しく分からないので、取りあえず1つだけ。
幽香という妖怪が花に毒を吸わせた挙げ句、それを処分してしまう。
ひまわりが土壌浄化に有益だとかは関係なく、その部分がすごい違和感ありました。
いかがでしょうか?これは貴方が作りたかった作品の理想像でしょうか?
きっと、何かが足りなかったり、余計な描写があったりとかしませんか?
何かが足りなかったり、繋ぎが思い浮かばなかったら、一度他の作品を読んでみるなり、少し自分としては辛いでしょうが、大幅に問題点の前後の文を削ったりしてみるといいでしょう。
決して自分に妥協を許さず(私が他人のことを言うのはおかしいですが)自分で作った作品に満足できるまで考え抜いて下さい。
素人風情が長々と失礼しました。
テストと執筆、お疲れ様でした。
次回に期待しています。
ささっと雑に適当にどうでもいいって書き上げて投げ捨ててしまった感じに見えました。
随所の表現に他には無い面白みがあったので、それだけにすごく残念。
そのサイトの人が放射性廃棄物の扱いを教えてくださいと書いてあるから、マスパで焼く方法を提案してるの?
ひまわりってそんな力があるんですね。
確かに意外な効能で面白かったんですが…作者様が「意外な事実を提示する」ことで満足してしまい、その事実を「お話にする」ことを忘れてしまったように思います。
人の魂に届くのは「蘊蓄」じゃなくて「物語」、ってどこかのマンガも言ってます。
起承転結…でなければ最大の『見せ場』を意識するだけで、ぐんと惹きつけられる物語になるのではないでしょうか?
アイデアの着眼点がすばらしかっただけに、貴方の「お話」を楽しみにしています。
ぶつ切りになってしまっているシーンを自然になるようにつなぎ合わせ、1つ1つのシーンをもうちょっと深く掘り下げると良いお話になるように感じます。
それに時には真似ることも大切だと思いますよ。
自分の色を出す勇気が~とおっしゃられてますが、この作品は悪い意味で独自色の出ている作品です。
無難であることと、雑であることはまた別です。まずは無難な文章を書こうとされてはいかがでしょう。
評価の50点はアイデア50点、ストーリー0点でつけさせていただきます。
はじめは2、3人で書きましょう
支離滅裂です
ウンチク物で明らかな矛盾書いたらいけないよ
努力むなしく守られなかったor誰かの能力で画期的な処理法を思いついたとか
無理やりでも納得できるオチをつけないと成り立たない
勢いだけで空回りしてしまったと感じました。
場面場面が薄く物足りません。
だけど、貴方のやる気は大いに期待してます。
次回こそ、唸らせてくれるような作品を投稿してくださるのを楽しみに待っています。
この作者さんに限ったことじゃ無いけど、横書き小説の書き方ぐらい把握してから投稿して欲しい。
推敲の重要性分かってるなら何故しない。
十分な推敲が出来てないなら世に出すべきではない。
作品がかわいそうだ。
内容は着眼点が面白くてGOODでした。これからの期待を込めて……
不謹慎とは思わないがまずくないか?と思ってたのだけど、あとがきのハッピーエンドを願う作者さんの心に触れたことで気にならなくなった。これからも応援してるんだからね