今宵、美しき夜が始まる。
夜は我らが吸血鬼の世界…。
太陽の出ている時は館の中に居るが、出ていなければこっちのものだ。
私は館を出る。
ああ、月が綺麗だ。
今宵は紅き月。
紅月夜だ。
体が熱い。
体の奥から力が溢れ出る。
熱が迸る。
血が欲しい。
欲しい。
衝動が抑えられない。
人でも襲ってくるか。
今宵、私は空を翔る。
空を切り裂く。
羽根が蠢く。
羽根に力を入れ、さらに加速する。
それはもう、流星のように。
周りの風景が残像する。
しかし、私には良く見える。
月が。
大地が。
光が。
家が。
そして…人が。
私は地表へ降りた。
人々が私を見て…
恐怖する。
対峙する。
闘おうとする。
家族を護ろうとする。
逃げる。
私は一歩前に出る。
人は下がる。
なにやら私に文句をいっている奴がいる。
私は向かってきた人を、殺す。
あはは、血だ。
血だ。
私は人から臓器を取り出す。
臓器だ。
私は手の中でまだ動いている物を見る。
食料だ。
私はそれを貪る。
もはや人では無くなったそれを貪る。
それを見て他の人は…
恐怖の余り、足が竦む。
怒りに我を忘れて私に向かってくる。
どうしようもないと、泣く。
私は笑う。
笑い続ける。
そして、人を殺す。
一人。
また一人。
人を殺す。
そして、臓器を取り出す。
私は食料を得る。
それを貪る。
力が湧き出る。
笑う。
笑う。
笑う。
そろそろ、時間か。
私は残った人の恐怖する顔を見ながら…
紅魔館へ戻った。
笑う。
生き残った人は恐怖する。
今宵の惨劇。
周りに転がる人と呼ばれない物。
そして、一人という………孤独感。
私は………笑った。
残った人の事を思う。
再び笑う。
紅き月が私に言う。
吸血鬼は絶対なる者。
そんな事は既に承知している。
まだ衝動が襲ってくる。
しかし、陽に当たれば吸血鬼といえど、死に至る。
私は衝動を抑える。
私は帰路に飛ぶ。
我が館に着いた。
親友が話してくる。
今日の出来事を簡潔に話す。
親友はクスリと笑う。
私らしいというらしい。
まったく、良くわからない奴だ。
100年近くも書庫に篭って。
挨拶をして分かれる。
私は部屋に戻る。
朝日が昇ってくる。
ああ、また残酷な朝が始まる。
しかし、夜はまた来る。
美しき夜。
そして、私は眠りにつく。
美しき夜が再びやって来るまで………。
その時、また美しき血の花が人の居る所に咲くだろう。
夜は我らが吸血鬼の世界…。
太陽の出ている時は館の中に居るが、出ていなければこっちのものだ。
私は館を出る。
ああ、月が綺麗だ。
今宵は紅き月。
紅月夜だ。
体が熱い。
体の奥から力が溢れ出る。
熱が迸る。
血が欲しい。
欲しい。
衝動が抑えられない。
人でも襲ってくるか。
今宵、私は空を翔る。
空を切り裂く。
羽根が蠢く。
羽根に力を入れ、さらに加速する。
それはもう、流星のように。
周りの風景が残像する。
しかし、私には良く見える。
月が。
大地が。
光が。
家が。
そして…人が。
私は地表へ降りた。
人々が私を見て…
恐怖する。
対峙する。
闘おうとする。
家族を護ろうとする。
逃げる。
私は一歩前に出る。
人は下がる。
なにやら私に文句をいっている奴がいる。
私は向かってきた人を、殺す。
あはは、血だ。
血だ。
私は人から臓器を取り出す。
臓器だ。
私は手の中でまだ動いている物を見る。
食料だ。
私はそれを貪る。
もはや人では無くなったそれを貪る。
それを見て他の人は…
恐怖の余り、足が竦む。
怒りに我を忘れて私に向かってくる。
どうしようもないと、泣く。
私は笑う。
笑い続ける。
そして、人を殺す。
一人。
また一人。
人を殺す。
そして、臓器を取り出す。
私は食料を得る。
それを貪る。
力が湧き出る。
笑う。
笑う。
笑う。
そろそろ、時間か。
私は残った人の恐怖する顔を見ながら…
紅魔館へ戻った。
笑う。
生き残った人は恐怖する。
今宵の惨劇。
周りに転がる人と呼ばれない物。
そして、一人という………孤独感。
私は………笑った。
残った人の事を思う。
再び笑う。
紅き月が私に言う。
吸血鬼は絶対なる者。
そんな事は既に承知している。
まだ衝動が襲ってくる。
しかし、陽に当たれば吸血鬼といえど、死に至る。
私は衝動を抑える。
私は帰路に飛ぶ。
我が館に着いた。
親友が話してくる。
今日の出来事を簡潔に話す。
親友はクスリと笑う。
私らしいというらしい。
まったく、良くわからない奴だ。
100年近くも書庫に篭って。
挨拶をして分かれる。
私は部屋に戻る。
朝日が昇ってくる。
ああ、また残酷な朝が始まる。
しかし、夜はまた来る。
美しき夜。
そして、私は眠りにつく。
美しき夜が再びやって来るまで………。
その時、また美しき血の花が人の居る所に咲くだろう。
しかしながらそれを形にするならば、うんと納得させていただきたい!ただそれだけ。
「首一つ落ちていない」
この彼女の科白があったこそ、その後の邂逅が特別なものになったのだと思いますが。はてさて。
スラブ圏系の吸血鬼は、人食いする様な事、うろ覚えですが読んだ気がするので今回の話は良いと思います。
最後のパチェが、一味効かせてて良かったと思います。
少なくても、血はそんなにとらないような。
取り出したばかりの臓器って、血まみれですよね