「ミカ、湖の中央に島があって、そこに大きな洋館が立っていなかった?」
「いいえ、そんなものはないよ。」
私はびっくりした。ここは未来の幻想郷、当然元いた時代とは違っている。それは分かる。でもあの、ものすごく長命な吸血鬼の館がそう簡単に滅びるとは思えない。人間の咲夜さんはともかく、レミリアやフランドールはどうなったのか。気になって仕方が無い。
「魔理沙、行ってみよう。」
「だがなあ、ここは私たちがもういない時代、知らないほうがいいこともあるんじゃないか。」
魔理沙はうつむきかげんで目をそらし、珍しく弱気な口調で反対する。
「好奇心の強いあんたらしくないわよ。じゃあミカ、あとはお願い。」 私は神社を飛び出した。魔理沙もとりあえず後を追う。
「湖の館、ああ、きっとそれは・・・。」 ミカが何か言ったような気がしたが、私には全部聞こえなかった。
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空を飛ぶ、幾分景色が変わってきているとはいえ、紅魔館への道筋は体が覚えている。
「霊夢! ここであったがえーとウン百年目。」 チルノが両手両足を広げて私の目の前に立ちふさがる。
「ちょっと、今あんたと遊んでいる暇無いのよ。」
「暇ばっかの巫女の癖に! くらえ『アルティメットフリーズ』」
無数の雪玉が飛んでくる。ある玉はいったん私の周りで静止しまた動き出す。別の玉は速度を速めたり緩めたりしながら飛んでくる。ちょっと手ごわい。
要はパーフェクトフリーズの改良版のようだ、しかし、ウン百年目といったわりにはたいしたことは無い。初見で見切り、ノーミスノーボムで撃破。
「うう・・・また負けた~。」 ドリフの爆発後のような服装・ヘアースタイルになった氷の妖精。
「あと千年修行したらまた勝負してあげるわ。」 さっさと紅魔館への飛行コースに戻る。
「おーい霊夢ぅ~。」
「魔理沙。」
「やっぱり少々怖い気もするが、紅魔館がどうなったのか見届けたいんだ。」
「そうね、人間の咲夜さんはもう・・・この世にいないとは思うけど、よく考えたら館がなくなったぐらいで、あの面子が全滅するとも思えないし。」
「そういうことだ、じゃ、言ってみるとするか。」
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湖の中ほどにある島にたどり着くと、ミカの言ったとおり洋館らしき建物は無かった。かわりにこじんまりとした屋敷が建っている。近づくにつれて、子どもたちのはしゃいだり笑ったりする声が聞こえてきた。
「どうやら、保育園とか孤児院みたいになっているようだな。」
人間の子どももいれば、背中に鳥や蝙蝠の翼を持つ子、猫の耳と尻尾のある子、兎っぽい子もいれば、触覚をもった蟲の妖怪っぽい子もいる。みんな遊具にのぼったり、ままごとをしていたり、ごく初歩の弾幕らしきものをぶつけあって、楽しく遊んでいた。
あ、一人の夜雀らしき子がこっちを向いた。ちょこちょこと駆け寄ってくる。かわいい。
「おねーちゃんたち、だれ?」
「このへんにすんでるまほうつかいのまりさと、はくれーじんじゃのみこさんのれいむだよ。」 膝をかがめて魔理沙が答えた。信じられないほど優しい口調だ。意外と子ども好き?
「まほうつかい、しってるよ。それと、えーと、みこさんってなに?」 夜雀系の女の子が首をかしげる。
「えーと、なんつったらいいのかな。」 魔理沙が悩んでいる、困ったような目つきで私を見る。お前から説明してやってくれ、と言いたそうだ。でも私は面白いので助け舟を出さず、しばらく見守ることにした。
「すごいだんまくごっこでじんじゃふっとばしたり、くらいぼむとかしてるひとだよ。」 となりの蛍系の男の子が説明する。
「う~ん、違うけどまあ、そういうことでいいか。」 苦笑する魔理沙。この時代の博麗神社も爆発したりしてたのね。
「それでね、このおうちのひとにあいにきたんだけど。おとうさんか、おかあさん、いるかな。」
「メイリンせんせいならいるよ。」 さらに後ろにいた人間の女の子が教えてくれた。
「そう、ありがとう、しっかりしててえらいね。」 子供たちの頭をなでる。
私と魔理沙は顔を合わせてうなずいた。メイリンとはかの門番、紅美鈴のことかもしれない。そうだとしたら紅魔館の行く末を知っているだろう。
「みんな~おやつですよ~。」 アリスのときと同様、知っている顔が窓から現れた。長命な妖怪だから、外見はほとんど変貌していない。
「やっぱり美鈴じゃないか。」
「誰ですか、いきなり失礼な、あなたたちは・・・あれっ。」
「よっ、何百年ぶりかな、門番。」
「気配やムードからして、霊夢さん、魔理沙さんじゃないですか。いったいどんな禁断の秘術を使ったんですか?」
「まあ、禁断ちゃあ禁断なんだろうけどさ。」
「まあ、積もる話はなかで一緒におやつでもいただきながらしましょう。」 おなかが空いてきた、ちゃっかりご馳走になってしまおう。
「そういうことだ、おやつ二人前追加な。」
「もう、仕方ないですね、この図々しさ、まさしくあのコンビだ~。」 美鈴はそう言いながらも、どこかうれしそうな表情で準備をしに部屋へ戻っていく。
「ね~おねーちゃんたち、すぺるかーどおしえて。」 人妖の子供たちがなついてくる。悪い気分ではなかった。魔理沙が庭の真ん中にみんなを集めさせる。
「はい、みんなちゅうもく~。まずはこころをしゅうちゅうさせてね・・・。」 魔理沙は意外と保母さんに向いているのかもしれない。
「まりさせんせ~、じんじゃふっとばすのやって~。」
「はいはい、いつかきっとな。」
「やらんでいい。」
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子ども達がお喋りしながらおやつを食べている。魔理沙、美鈴、私も一緒だ。この時代のお茶もなかなかのもの。帰りに少しもらえないかしら。
「紫さんの魔法で、昔の時代からやってきたって。壮大な暇つぶしですね。」 美鈴もあっさり信じてくれた。作者の都合?
いつもと変わりの無い、まったりしたお喋りを楽しむ。紅魔館はどうなったのか、といった話題は、二人とも気にかけていないかのように見えるが、私には必死にその話題を避けているようにしか見えない。
きっとこの後、大きな衝撃、悲しみがやってくる。だからその前に、少しでも長く楽しんでいたい。この優しい時間を、少しでも長く味わっていたいのだ。いつか苦痛がやってくる、美鈴は真相を思い出して話すことで、魔理沙はそれを聞くことでだ。私には分かる。私もそうだから。
「それでな、言いにくいんだが、紅魔館は・・・、その・・・、どうしてあんなことに。」 魔理沙がおずおずと尋ねる。ついにくるべきものが来た。
「いや・・・言いたくないんなら別にいいんだぜ。ただ、どうしたのか、と思ったんで。」
しかし美鈴は覚悟を決めたようだった。
「いえ、お二人になら話してもいいでしょうね、お嬢様達も許してくれるはずですし。」
私と魔理沙は美鈴の言葉を聞くことに集中する。 周りの喧騒がすうっと静まっていく。
「そうですね、咲夜さんが亡くなった後、レミリアお嬢様、魂が抜けたようになってしまわれて、それで、それで、自ら青空の下で灰になられました。」
魔理沙も私も黙って聞いている。美鈴は続けた。
「フランドール様もレミリア様の後を追われて、旅立ってゆかれました。
「パチュリー様もこの館を去り、メイド達もみんな辞めてしまい、残るは私一人になりました。」
「でも、私はその事実を受け入れることが出来ませんでした。」
「みんな、何処かへ出かけているだけだと自分に言い聞かせ、それまでこの館を守るのだと思うことにしました。」
「もうよく覚えていませんが、戦争か、災害かで、館が崩壊してしまったんです。あるいは、時空を操って館を拡張していた咲夜さんが死んじゃって、そのひずみか何かだったかも知れません。」
「それでも、何十年も何十年も、門があった場所で、あるはずの無い紅魔館を守り続けました。」
美鈴は涙声になっていくのにも構わず、話し続ける。
「ある日、身寄りの無い妖怪の子どもがここにやってきたんです、私は館への侵入者かと思い、追い払おうとしたんですが、やっぱり可愛そうですし、残っていた門番の詰所に置いてあげることにしたんです。咲夜さんからも、レミリアお嬢様からも、何のお咎めもないので、黙認してくださったんだと思い込むことにしました。」
「それが、この孤児院だか、幼稚園だかの始まりってわけか。」 魔理沙が口を出す。
「そうです、そのうち、どういうわけだか、橋も船も無いのに、人間の子どもまでもが迷い込むか捨てられるかして集まってきました。」
「チルノさんに聞いたら、その人間の子たち、親に捨てられて、一人で泣いていたんで、それで連れてきたそうです。」
ここは湖の真ん中に位置する島である。並みの人間が船を出して行こうとしても、いたずら好きの妖精に惑わされ、結局たどり着けず、気がついたら元いた場所に戻っていたり、最悪の場合、水の妖精に誘惑され、自ら湖面に飛び込み、溺れ死ぬケースもあると言う。やっぱり、人とそれ以外との関係も変わりつつあるのだろう。
「それで、優しい所があるんですね、って言ったら、『別に、湖畔でギャーギャー泣かれてうっとうしかっただけよ。』と顔を真っ赤にして怒ったんですけど、その割には『あのガキ共は元気か?』というようなことを聞くんです。」
いくらか美鈴の表情に明るさが戻ってくる。私達にとっても、あのチルノと美鈴のやり取りが目に浮かんでくるようでほほえましい。
「それで、村の人々も建物を新しく建てたり、食べ物を持ってきたりしてくれて、協力しあう仲間も出来ました。紅魔館はもう無いんだ、と事実を認める余裕も生まれてきました。」 涙を袖で拭く美鈴。
「残念でしたね、ここに来られたのも、未来の紅魔館を見てみたかったんでしょう?。」
「その通り、でも、ちっとも残念じゃない。」
「えっ?」
「紅魔館は、今もしっかりとここにある。違うか?門番。」
ぽかんとした顔で魔理沙の話を聞く美鈴。
「ここにいたって紅魔館は見事に再生した。そう考えちゃ駄目か。」
「そうよ、この館はいままで休眠状態だったけど、今は復活して、やるべきことがある。そう思わない?。」
美鈴は驚いた表情で聞いていたが、やがて笑顔を取り戻す、同時に涙もあふれてくる。今度は悲しみによるものでないことは明白だ。
「そうか、そうですね、たしか紅魔館のメイド達も身寄りの無い人や妖怪の出身が多かったそうです。わたしもその系譜を受け継いでいるのかも。」
「えへへ、レミリアお嬢様、フランドール様、パチュリー様、咲夜さん、リトルちゃん、メイドのみんな、紅魔館はまだ滅んでないそうですって。」
美鈴の視線を追うと、そこにセピア色の写真が何枚も飾ってあった。
レミリアやフランドールが写っている写真、咲夜さんと緊張した面持ちの新人メイド達の集合写真、図書館で、ジト目で抗議の視線を他の面々に放っているパチュリーと、勢ぞろいした紅魔館メンバーの大きな写真。その中で美鈴は駆け足の姿勢で、さらに後姿で写っている。きっとシャッターをセットして一緒に写ろうとしたら間に合わなかったのだろう。
あと、私と魔理沙の写真もあった、写真を左から右へ見ていくにつれて、人間である私や魔理沙、咲夜さんがだんだん大人になって、年老いていくのが見えた。
その後も、まったり、のんびり、お茶をおかわりしながらお喋りに興じたり、子ども達の相手をする三人。
「○○○○○のえほんもらっていくぜ~。」
「もっていかないで~。○○○。うわ~ん。」
二人の子どもが美鈴の方へ駆けてくる。美鈴が絵本を持った子の前に立ちふさがる。
「こらあ、○○○、ほかの子の絵本とっちゃ駄目でしょ。」
「しょうがねえなあー、ほら返すぜ。」 子ども達のやり取りを見て、既視感を覚える私。
「ねえ、この二人、誰かに似てませんか?。」 ニヤニヤした顔で、美鈴が私達に尋ねる。
「さあな。」 魔理沙が帽子で目元を隠しながら言った。
「歴史は繰り返す、ね。」
「本当は、あの子、意地悪したいんじゃなくて、好きな子の気を引きたくてやってるように見えるんですよ。」
「まさしく誰かさんの再来ね。」
「何の話だ?。」 魔理沙はまだ目元を隠したままだ。
「え~ん、メイリンせんせ~。」 今度は別の子が泣きついてきた。
「どうしたの○○、はいはい、またあの子ね。しょうがないわ。」
その子どもの後ろから、銀髪で、ピンクの服を着、蝙蝠の翼の生えている、レミリアを思わせる吸血鬼系の子が歩いてきた。
「ちをすうのは、あいしてるあかしなのよ。わたしの『けんぞく』におなりなさい。○○。」 幼いのに妙に威厳を感じる。
幻想郷の住人は、幼い外見で実は人間以上に長命な存在がごろごろいるが。たぶんこの子は外見年齢と実年齢は近いのだろう。しかし、幼児退行したレミリア、通称『れみりゃ』と言っても通じそうだ。
「ぜったいやだもんねー。」 美鈴の後ろに隠れて言う。
「こらこら、お嬢さ・・・いや○○○○!血は献血のパックしか吸っちゃ駄目って言ったでしょ。」
「うそよ、じょうだんよ、でもきっといつかわたしのとりこにしたげるわ、○○。」
「よけいなおせわですよ~だ。ひっさつ『むそーふいーん』。」 美鈴の後ろに隠れていた子が小型のスペルカードらしきものを取り出し、宣言する。
「やらないか!」 どこでそんな言葉覚えたんだろう。
「ふふっ、あそんであげるわ、『ふやじょうレッド』!」 吸血鬼の子も反撃する。
「おじょ~さまにてをだすやつ、ゆるさないんだから。」
「さつじんドール!」
気がつくと、いつのまにかそこらじゅうにねんどべらやおもちゃの刀、お箸や太鼓のばち等がが宙に浮かんでいて、いっせいに、それまで美鈴の後ろに隠れていた子に襲い掛かる。
その子は美鈴の前に進み出て、空は飛べないものの軽やかな足取りで回避していく。
当然、美鈴はそれらをもろに浴びる。
「○○、あなたきてくれたのね。」
「いっしょうおつかえするとちかいましたから。」
「こらー、またおうちが壊れちゃうでしょ~(泣)。」
「う~ん、人と妖怪が完全に共存できるのは、もう少し先になるかもな。」 とは魔理沙のコメント。
訂正、やっぱ、のんびりまったりじゃなかったかも知んない。美鈴も大変ね。
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日も暮れてきたので、そろそろ帰ることにした。美鈴が記念に、新茶の葉をくれた。美鈴や子ども達に手を振られながら、新生紅魔館を後にする。
「なんつーか、そんなに重苦しいムードにならずに済んだな。」
「そうね、アリスもミカがいれば大丈夫そうだし。」
遠くを見るとルーミアが満足そうな顔で飛んでくる。
「ようルーミア、人でも食ったのか。」 魔理沙が単刀直入に聞く。
「ううん、人間より、いろいろな料理のほうが美味しいって分かったし、それに。」
「それに?」
「村人の中にも、いろいろ弾幕ごっこのし甲斐のある人が多いからね~。」
そうなのか、なら大丈夫だろう。確かに、人間は妖怪に襲われ、あるいは食べられる事を宿命付けられている存在だとしても、平和にどっちも生きていられるならそれに越したことは無い。
ルーミアとすれ違うと、今度はチルノが飛んでいた、さっきの爆発ヘアーはもう元通りだ、素晴らしきかな幻想の力。
「あっ!お前ら~。」
「よう、何百年ぶりかいチルノ、そろそろマスタースパークが恋しいんじゃないか。」
「いや、今回はもう止めとく。」
「なんだよ、いやに素直だな。」
「別に、今日は特別に見逃してやるわ。」
「そうかい、じゃあな。」
「ちょっとまった、二人とも。」 チルノが通り過ぎようとする私達を止めた。
「何よ?」
「え~と、私を何度も落とすのは勝手だけど、あの湖のガキ共いじめたらぜーったい許さねーからな。」
「あたりまえじゃない。」
こいつも安心ね。
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神社に戻ると、すっかり辺りは暗くなっていた。ミカとアリスと紫が出迎える。そして、夕食をご馳走になる。
「なあ紫、どうして私達を未来に送ったんだ。」
「そうねえ、刺激の少ない日常に喝を入れて差し上げようと思った。といえば満足かしら。」
「刺激、足りてるぜ、いろいろとな。」
「ねえねえ紫、私はこう思う。たとえば、幻想郷の危機を救うために、さまざまな時代から強い人を集めて、戦ってもらうために霊夢さん魔理沙さんを呼んだんじゃないか、なんちゃって。」
と、ミカが大胆な仮説を披露した。
「ミカ、それは大げさよ。」 アリスが突っ込む。
「いいえ、その通りよ、そして、もう十分救ってもらったわ。」 紫が意外な答えを出す。
「実はね、運命はちょっとした事でさまざまに枝分かれするの。例えば、地球のどこかで蝶が舞ったために、その反対側で嵐が起こる。わずかな変化が、次のわずかな変化を呼ぶ、それが積もり積もって、全体の歴史すらも変わってしまう。その例え話から、バタフライ効果と呼ぶわ。」
「さすが紫、伊達に年は食ってない・・・イテッ。」
「ナマ言わないの。」 魔理沙の頭上に出来た次元の隙間から、オチ用金だらいが降ってくる。
「あっそれ、ずっと前にパチュリーさんが言っていたと思う。」
私は考えた、そうか、だんだん読めてきた。
「つまり、とんでもない異変が起こる運命を貴方は見てしまったのね、でも、この時点では何も兆候は無い、目に見えない前兆さえも見つからないほどに。だから今、本来この時代にいないはずの私達がうろちょろするだけで、ちょっとの変化が積み重なり、異変の起こるはずだった時代、場所が無事で済む。そういうことかしら?」
「ご名答!さすが博麗の巫女。」
その夜、ずっとみんなで積もる話をした。五人で囲むちゃぶ台は狭かったけれど、その分、普段は知らないみんなのぬくもりを感じたような気がした。
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次の日、紫の隙間に入り、元いた時代に戻った。アリスは最後まで泣きながら見送ってくれた。でもミカがいれば安心だろう。
ようやく懐かしき元いた幻想郷に戻ってきた。やっぱりなじみの雰囲気が一番ね。
魔理沙は魔法の研究とかでさっさと家に帰っていった。私はいつも通り、境内の掃き掃除をし、お茶を飲んでくつろぐ。桜も散り、若々しい黄緑色の葉が茂っている。これもこれで美しい。死ぬときもこんな景色と共に在りたいと、心より願った。
と考えていると、またいつものごとく、吸血鬼とその従者が飛んでくる。
「ねーねー霊夢、『写真機』という道具を手に入れたの、何でも姿形を永遠にとって置けるんだって。」
「知ってるわ、みんなで記念撮影しましょう。魔理沙も呼んだほうがいいわね。」
「お嬢様、あの黒白魔法使いにこんなもの見せるのは危険かと。」
「大丈夫よ、早くよんできて~。」
ついでに、こんな騒がしい仲間達といつまでもいっしょに在りたいとも。
お疲れ様でした。
やっぱりみんな幸せなのが一番ですねぇ
過去、現在、未来と過ぎ行く中、過去しか見ることの出来ない私達ですが
彼女たちと・・・それに続いてゆく魂達に・・永久なる幸せな記憶を・・
美鈴が紅魔館の門番詰所に子供を置く
↓
咲夜さん逝去、レミィとフランが灰に、パチェやメイド達も去る
↓
何らかの原因で紅魔館が崩壊
こんな感じの流れでしょうか?
この辺りの解説がちょっと解りにくかったような気がしなくもなく……。
とはいえ、全体的に楽しく読ませて頂きました。
どこかで見たような新生紅魔館の子供達にニヤリとしてみたり。
時系列としては、紅魔館の面子消滅→紅魔館崩壊→子供保護です。天馬流星さんのSSの通り、大切な人々を失った後、その事実を受け入れられないで、ずっと『紅魔館ごっこ』続けていました。そのため子どもを受け入れても、「勝手にこんなことをしたら咲夜さんたちに怒られる」と考えました。でも当然誰も何も言わない、本当のことにはとっくに心のどこかで気づいていたのでしょうが、それを認めるのが怖くて、『黙認してくれている』と解釈することで心の平静を保とうとした、との解釈です。
堪能しました。GJ
幸せが一番。
貴方に感謝を。
紅魔館のところで目から変な汁が出そうだったぜ
とてもよかったです
チルノも凄くイイ!可愛いですw
タイムパラドックスにしては楽観的なのが新鮮でした!
大体は未来or過去に行くとそれが遠因となって無かったはずの凄惨なことが起こる事が多いのですが、
まさか事故を回避するために未来に送るとは…w
そこは驚愕しましたけど、ストーリーの方は何となく軽すぎたような…
あと何故一日(と言うか一泊)で帰ったのか明確な理由が欲しかったですね。
厭きた、とか分明に書いて欲しかったり、滞在に期日があったとか。
可愛そうって可哀想の間違いですかね…?