Coolier - 新生・東方創想話

ちびっこクオリティ

2005/05/19 07:52:11
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元ネタ・絵版3天田 聖 氏投下の「ちびっこ」「ちびまりしゃ」



「フフフ、遂に念願の品物を入荷できたぞ」

夏も近づく5月下旬、魔法の森の緑が映える。
そんな空気を打ち消すかのように万屋『香霖堂』の店主は不気味な笑いを浮かべていた。
それもそのはず、彼は以前からお得意様に頼まれていた薬を遂に手に入れたのだ。
そのお得意様は暇潰しに来るどこぞの巫女と違い、目に付いたものを片っ端から買い占める貴婦人なのだ。
そんなお方からの依頼ならば、莫大な報酬は約束されたも同然。
コレさえあれば香霖堂はしばらく安泰。まだ見ぬ妖しいアイテムを入荷できる。
「今日はお得意様がこの品物を買いに来る日。ギリギリ間に合ってよかったよ」
「お望みどおり、お得意様の私が参上してやったぜ香霖」
「まっ、魔理沙!!」
そこに現れたのはお得意様には程遠い客、いつもツケと偽り品物を盗っていく魔理沙だった。


しまった、このままでは薬をお得意様に買わせるという予定が狂ってしまう。
流石は魔理沙、僕の行動などお見通しというわけか…
「今日は品物をゴッソリ戴いていくぜ」
「魔理沙、君はツケも払わず、とことん僕の商売を邪魔する気なのかい?」
「こんな妖しいものにコインいっこは勿体無いな。というわけで没収だぜ」
魔理沙は霖之助の言葉などお構いなし、強奪する品物の品定めに集中している。
「君は一発痛い目にあわせないと分からないようだな」
「香霖のものは私のもの、私のものは私のものだろ?」
霖之助は上着を脱ぎ戦闘態勢に入る、商品を守るためならば魔理沙と一戦交えることもやむなし!
「盗人め!正義の拳覚悟しろ!」
「へっ、私と弾幕りあう気か香霖?痛い目にあわせてやるぜ!」


気合一閃、魔理沙に正義の拳をお見舞いすべく突撃する霖之助。
だが相手は幻想郷でも1・2を争うスピードを持つ魔理沙、それに比べれば霖之助の動きなど鈍重なものだ。
「遅いぜ遅いぜ、欠伸が出るぜ」
魔理沙はそれをひらりとかわし、マジックミサイルを叩き込む。
「魔理沙の魔法は見切った!」
間一髪ミサイルを避ける霖之助。
だが彼の眼前には、既におびただしい数のマジックミサイルが迫っていた!
「なにぃ!」
「私を舐めると痛い目にあうぜ!」
「ぎゃああああ」
それはマジックミサイルの嵐。霖之助はなすすべもなくその嵐に飲み込まれてしまった。
「勝負あったな、肉片でも残っていればいいんだが」



半壊した香霖堂。そこに彼のボロボロになった衣服が散乱していた。
「案の定だぜ香霖。私に勝つなんて10年早い…」
「甘いよ魔理沙、今の僕をいままでの僕と同じだと思わないことだね」
「なっ、変わり身だと!」
「君のマジックミサイルは動きが単純。こんな愚鈍な弾は夜目でもかわせるのさハハハ!!」
私のマジックミサイルが愚鈍だと…?
ふざけやがって…香霖のクセに生意気な!マスタースパークで白玉楼までぶっ飛ばしてやる!
「くたばれ香霖!マス…」
私はマスタースパークを詠唱する間、見てはいけないものを見てしまった。
褌一枚の香霖が世界を蹂躙する。これが…幻想郷というものなのか…?
「ダメだ!マスタースパークが間に合わな…ぎゃあああああああ!」



「初めから素直に薬を買い取っていればよかったんだよ、魔理沙」
腕を組み、褌をなびかせその顔に不気味な笑みを浮かべながら、ピクピクと痙攣する魔理沙を見下ろす霖之助。
「さぁ、たーんとお飲み…」
霖之助は魔理沙が動けないことをいいことに薬を強引に飲ませてしまうことにした。
実際、霖之助もこの薬をまだ使ったことがなかったので、魔理沙を実験台にしてしまったのだ。
仮にまがい物だったら最後、香霖堂はつぶれされてしまう。
だが、その心配も杞憂に終わりそうだ。
魔理沙の体に異変が起き始める。それを見届けた霖之助は、
「すばらしい…まさにこれこそ幻想郷。早速営業に出かけるとしようか…」
と、商売道具を背負い紅魔館に向かっていった。

「ふふふ、すぐに戻ってくるからね。いい子にしてるんだよまりしゃ」





「あら、あなたは確か香霖堂の?」
「今日は営業に来ましたよ」
霖之助は紅魔館に着くなり、門番に構うことなくさっそく品物を広げることにした。
一応営業ということもあり服は着ている。それ以前に人として当然のことだが。
「うー、だれもここで露店開いていいなんて言ってないんですが」
「まぁまぁ、別に買ってくれといっているわけじゃないんだ。大目に見てくれ」
「ダメよ。そんな品物を私の許可無く館の前で広げるなんていい度胸ね」
「お、お嬢様!?」
霖之助の前に出てきたのは、この館の主であるレミリア・スカーレット本人であった。
門番の記憶が確かならば本来このような場所に自ら出向くなどということは無いはずなのだが。
「お嬢様がわざわざお出でになるなんて…光栄だね」
「貴方、こんなところにまで営業なんて余程売り上げが少ないのかしら」
「さすがは紅魔館のお嬢様、全てお見通しという訳ですね」
「…でも貴方の店まで出向く手間が省けたわ。見せてちょうだい」
そういうと霖之助は妖しげなアイテムをレミリアに紹介していく。外界の御菓子、掘れ薬さらには鬼の酒まで選り取りみどり。
そう、レミリアは香霖堂の上得意様なのだ。いつも咲夜に内緒で妖しいアイテムを買い漁る。これがレミリアショッピング。
「あなた、いつもながらいい仕事してるわね。下々の者には勿体無い…」
「お褒めにあずかり光栄です」
「ここでは寒いでしょう。門番、彼を私の部屋へ案内しなさい」
「は、ハイッ!お嬢様ッッ!!」


「咲夜、例の紅茶を3人分お願いね」
「例の…かしこまりました」
「あのーお嬢様、私そろそろ持ち場に戻りま…」
「私のお茶には付き合えないというの、美鈴?」
レミリアの殺気の篭った視線が突き刺さり、死を覚悟する美鈴。
死を回避する唯一の方法、それはお嬢様に素直に従うことだけだった。
「めめめめめっそうもございません。喜んでお供します!」
「素直でよろしい。それでこそ門番よ」
「いい部下を持ちましたね、レミリアさん」

「ところで貴方、これが例の品物かしら」
「さすがレミリア様、お目が高い。さっそくお買い上げでございますか」
「買い占めたいところだけど…物には試供品というものがあるでしょう?」
「早速ご使用になられますか。どうぞお試しください」
「ありがとう。それよりも貴方は紅茶に口をつけないようにするのよ」
「…恐れ入ります」

「美鈴、コレを飲みなさい。とびっきりの栄養剤よ」
「あああありがたくいたたただきます」
問題ない、舞い上がっている美鈴はこの薬を疑いもせず飲むわ。
レミリアの陰謀を知らない美鈴は、言われた通り青い錠剤を口に放り込む。
「…なんか体中が熱いんですけど」
「薬が効いてる証拠よ。紅茶でも飲んで落ち着きなさい」
「はい、いただきます…」
「どう?私と飲む紅茶の味は」
返事がない。紅茶に口をつけた直後に美鈴は熟睡してしまった。
「さすがは香霖堂の極上紅茶『麻酔』ね、こんな品物どこで手に入れるのかしら?」
「それは企業秘密ですので、申し訳ありませんがお答えできません」
「まぁいいわ、買い占めればいいだけの事。それにしてもこの薬…想像以上よ」




「あれ。私いつの間に寝ちゃったんだろう」
気がつくと美鈴はレミリアのベッドの上に居た。
お嬢様はいつもこんないいベッドで寝てるのか、私なんて寝藁なのに…とうらやましく思う。
「あら美鈴、おはよう」
「お、おはようゴザイマスっ!」
「ふふふ、かわいいわね貴女…食べちゃいたい」
「?、なにを言ってますかお嬢様?」
まずい…紅 美鈴貞操の危機!何とかごまかして逃げなくては…
あれ、なんかお嬢様がいつもより大きい?私より身長高かったっけ?
「さすが香霖堂。こんな素敵な品物があるなんて」
服のサイズも合ってない。靴もぶかぶかだ。コレはいったい…
「さぁ、一緒に寝ましょうね美鈴ちゃん」
「えええええええ!!」


レミリア様に万が一があってはならないので部屋の中も巡回する咲夜。
「お嬢様、もうお休みになられ…」
咲夜は我が目を疑う、お嬢様の隣にどこかで見たことのある女の子が寝ているではないか。
「あなた…美鈴?」
「た、たすけてください咲夜さ~ん」
そこに居る幼女は紛れもなく門番の美鈴だった。
「コレはいったい…」
レミリアは小さくなった美鈴を抱きかかえてスヤスヤと眠っている。まるでぬいぐるみを抱く様に。
おのれ美鈴め、門番の分際でお嬢様と一緒のベッドで寝られるなんて・・・!
「どうしちゃったの貴女、またパチュリーさんの魔法?」
「今回はクスリですぅ~」
あの香霖堂か…それよりもお嬢様は私よりも門番を選んだということなのか…!?
こんなことならば私も紅茶を飲んで意識を失っておけばよかった。こんな場面を見なくて済んだのに。
咲夜は無念の涙と門番への殺意を必死に堪え、お嬢様の安眠を妨げまいと部屋を後にすることにした。
「あなたも楽しそうだから、一晩お嬢様と一緒に寝てなさいな」
「た、助けてさくやさ…ぎゃ~絞まる絞まる!」
「あ~、にげないでよ~れーむー」
「お嬢様…」

その晩、咲夜は悔しさのあまり一晩中泣き明かしたのだった。




「ところでこーりん、いつになったら元にもどれるんだ?」
「さあね。しばらくそのままでも良いんじゃないかな」
クスリのせいで小さくなり、一向に元に戻る気配のない魔理沙は香霖堂に居座っている。
こんな可愛い姿を霊夢やアリスに見せたら間違いなく拉致されるだろう。
「手足がみじかくなってうごきにくいぜ。本がおもくてしょうがない」
うむ、コレはよい眺めだ。小さい魔理沙も大変良い。苦労して薬を仕入れた甲斐があるというものだ。
「どれ、一緒に本でも読もうか」
「ひ、ひとりで読めるぜっ!」
「まぁまぁ、遠慮するな」
霖之助は真っ赤になった魔理沙をひざの上に乗せ、一緒に本を読む。それはまるで父娘のような光景だった。
「たまにはこんな経験も悪くないだろう?」
「なんか…なつかしい」
途端に大人しくなった魔理沙。父親を思い出しているのだろうか。
霖之助と魔理沙はその日一日、一緒に本を読んだり妖しいアイテムで遊んで過ごした。
「今日もうちで晩御飯を食べていくといい。先日大きな取引に成功してね、ご馳走するよ」
「せっかくだから、ごちそうになるぜ」

「……こんな可愛い魔理沙を食べたいなんて口が裂けても言えないな」



小さいまりしゃを独り占め。これが霖之助の野望がちょっぴりだけ満たされた晩春の一日でした。


幼女ってこうですか?わかりません!
またやった、咲夜さんに刺されても構わなかった。こーりんこーりんエロいよこーりん。
今回は新絵版開設記念ということで一発小話を。足りないところは妄想で補(ry


天田 聖 氏投下の絵版26からイメージをいただきました。
その上書いてる最中に61が投下された為、妄想が追加されました。なにこの劇薬。
刺し身
http://www.icv.ne.jp/~yatufusa/
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コメント



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4.70名前が無い程度の能力削除
いや、誤字だって分かってるけど掘れ薬…惚れ薬ですよね。

レミリアにはけーねにほら(千本針の山
7.無評価刺し身削除
フリーレスで補足するのは反則ですが、敢えてここで補足

掘れ薬は惚れ薬ではありません。読んで字の如s(Caved
15.無評価上泉 涼削除
>小さいまりしゃを独り占め。これが霖之助の野望がちょっぴりだけ満たされた晩春の一日でした。
 ちょっぴりという事は、幻想郷総幼女化計画とかトンデモな野望を霖之助はまだまだ内に秘めてるのだろうか……。

 いやしかし、掘れ薬というのが掘りたくなる薬なのかそれとも掘られたくなる薬なのかなどといういらん事が気になって気になって仕方が無い私はどうかしているのかも知れません。
18.80沙門削除
>腕を組み、褌をなびかせその顔に不気味な笑みを浮かべながら、ピクピクと痙攣する魔理沙を見下ろす霖之助。
 そうか、やっぱり霖之助の兄貴の戦闘服は、褌一枚がこうしき設定なんだ。僕まだきたえたりないや。っうかゲラゲラ笑いながら読ませていただきました。ごっつあんです。