Coolier - 新生・東方創想話

キッキングバニー★キュリオリティズ~  東方蹴兎霖  第ニ話

2011/07/09 22:12:11
最終更新
サイズ
9.11KB
ページ数
1
閲覧数
932
評価数
4/20
POINT
300
Rate
3.10

分類タグ


「しかし、今までも博麗神社で落ち合う事が多かったのに何で一緒に行ってなかったんだろうな」
「そりゃ、今まで僕が声をかけてなかったからね」
キリサメの問いに僕が答える。

「そうか。なぁ、何で声かけなかったんだ?」
「いやそれは・・・」
仲良し女性二人組の中に男が割って入るのは、そりゃ抵抗感があるってもんで。

と、先に歩いてた河城がふいに足を止める。
「うん、どうした?」
「いや、あれ・・・」
「うん?あー」

目の前には見上げるほど大きな岩があって、道をふさいでいた。

「来るときはこんなの無かったよな」
「まぁ、何処かから飛んできたんだろ。幻想郷にはよくあること」
キリサメと河城が交互に口を開く。

「しかし困ったね。遠回りになるが引き返すか・・・」
そう僕が言いかけると、

「ふっふっふ。こんな時の武闘家キリサメさんですよ?」
キリサメが胸を張って、そう答えた。

「いや、いくらキリサメでもこの大岩は・・・」
「だーいじょぶ大丈夫。ああ二人とも、ちょっと離れてて」
そう言うとキリサメは、腰を落として片手を前に突き出した体勢のまま目を閉じた。
そして意識を集中させ・・・

「はああああああああっ!」

ドカン!

「まぁ、ざっとこんなもんだよ」
「・・・すごいな、これは」
目の前を塞いでいたあの大岩が、原型を留めないほどに粉々になっていた。
「ふふん、武闘はパワーとスピード、そしてハートですよ?
でだ、森近」
「うん?」
「さっきの話の続きだけどな。しょうがねー、明日からも一緒に行ってやるぜ!」



 第ニ話 いやな人登場、あと爆砕点穴とか発明家の本領発揮とか


「・・・そ、そりゃどうも」
キリサメの提案に、僕は苦笑して答えた。

「こう言う事もあるだろうし、私が一緒のほうがいいからな!うん」
「なんだよ偉そうに。
なぁ森近、こんなのと無理して一緒に良く必要ないんだぞ?」
あまりにも天狗になっているキリサメに、河城が釘をさすように言った。

「じゃあ明日から二人で行くか、河城」
「そうだな、そうするか」
僕と河城は二人でそう言い、親指を付きだした。

「いやいや、そこは三人で一緒に行こうぜ?
というか明日からにとりと二人で、私を迎えに来たらいいじゃないか」
「それこそキリサメが呼びに来いよな。
なんでいつもあたしが仕事の時に呼びに行ってるんだよ」
「だって仕事以外なら私の方が顔出してるぜ?」

「それ単にキリサメが遊びたいだけだろ・・・」
二人の会話に、思わず僕は口を挟んでいた。

「というか、二人は長い付き合いなんだっけ?」
「おうっ、もう1年以上の大親友だぜ」
嬉しそうにキリサメが言う。

「いや1年ってあんまり長い付き合いでもないような・・・」
「・・・にしても今日はあっちーぜ」
「え、もうその話題終わり!?」

相変わらずキリサメはフリーダムである。

「こいつの性格、いちいち気にしてたら負けだぞ?森近」
気持ちを察したのか、河城がそう口を開いた。

「そうだ冷たい物!冷たい物食おうぜにとり!」
「唐突だな・・・まあいいけどね」
「なぁなぁ、どこで食べる?というか何を食べよう、にとり」
「そこでなんであたしに振るかなー・・・」

ごもっともである。

「いいじゃんいいじゃん、いつものことだろ?」
「なんだよもー、食いたいのはキリサメなんだから自分でかんがえろよなー」

相変わらず凸凹コンビというか、「振り回す方」と「付き合わされる方」ってかんじである。

「だいたいあたし金ないっての。とっと基地に行って涼んだらいいだろ」
「あはは、おやつ買うくらいのお金も持ってないのかよー。
まーでもそうだな、さっさと向かうかぁ」

「基地」、というか正確には僕の住居兼店舗なのだが、今はキッキングバニーの本拠地ということになっている。

そして

「おはよー」
まるで自分の家のように我が物顔で住み着いているのが、我々キッキングバニーの隊長こと幸せウサギの因幡てゐである。
頭には兎の耳、ピンクのワンピースを着て、河城よりさらに小柄でどう見ても10才未満の幼女に見えるのだが、実はおそろしく長生きしているらしい。幻想郷に都市伝説として語られてるぐらいだから、それも当然か。
もっとも逆にこの姿だからこそ、異性を意識せずに家に住まわせていられるとも言えるのだけど。

「おはよー・・・って、たいちょー、今起きたんですか?」
「んー、それでのど乾いたからアイス食べたくなってー」
にとりの問いに、隊長が答える。
確かに、その手にはアイスの棒が握られていた。

「食べたくなってー、って何処から!?」
「んー、例によってししょーから送ってもらったよー。箱で」

そうなのだ。
よくわからないがこの幸せウサギには師匠のような人がいて、かなりのお金持ちらしく彼女が頼むだけで色々な物が届けられる。

「みんなも食べるー」
「あ、いいんですか?」
「さすが因幡ちゃん!ふとっぱらだぜ」
隊長の提案に、僕とキリサメは喜ぶが。

「・・・あたしは遠慮しとく」
なぜか河城はそれを拒んだ。何故だろうと思っていると・・・

「じゃー、りんのすけくんときりりんの分は給料からひいておくねー」
「金とるのかよ!」
にべもなくそういう隊長に、すかさずキリサメが突っ込む。

「思ったとおりか・・・」
にとりは気がついていたらしい。

「相変わらずいやな人だなあ・・・」
「たいちょーさん権限だよー、くふくふ」
僕の言葉にも、隊長は一切動じる様子がない。
周囲に幸せをもたらすウサギは身内には厳しい、いやな人だった。

「それにしても寒いねー」
「外は熱いよ!」
隊長の言葉にキリサメが突っ込む。

「そりゃ、これだけ冷房きかせてれば・・・しかしいつの間に部屋にこんな改造を」
僕が尋ねると、
「ああ、それこの間あたしが頼まれて作った」
返答が帰ってきたのは、隊長からでなく河城からだった。
彼女は機械いじりの好きな発明の天才で、色々な道具を作る。
しかし彼女は以前も話したが妖怪、それもあの河童であった。
僕が知っている河童のイメージとはかなり違うのだが。

「というか、いい加減布団たたみません?」
「んー、敷きっぱなしでいいよー、めんどくさいし・・・」
「いや冷房の効きが違うんですって。
効率悪いの見せつけられるの落ち着かないですよ」
河城は自分の発明品に絶対の自身があるのか、普段でも道具に頼りすぎるというか、変な所にこだわりがある。

「でも布団以外はそんなに散らかってませんね。一応掃除とかはしてるんだ」
感心したように僕がそう言うと、
「お掃除やさん呼んでるから大丈夫だよー」
隊長らしい発言が帰ってきた。

「徹底的に自分で何かする気はないんですね」
これには、河城も呆れていた。

でも、この隊長がいるおかげで助かってるのは事実である。
骨董品屋を始めてはみたものの泣かず飛ばずで食べるものも困ってた一月程前、
彼女の仕事を手伝う条件で住まわせ、以降主に食糧面の援助をしてもらっている。
ただ・・・

「ん、どったの森近くん?」
「いえ、前から訊こうと思ってたんですが何で僕の所に?」
「んー、キッキンのことー?」
隊長は自分で作った組織なのに、フルネームでは覚えてないらしい。
「そういうの気になるものなのー?」

「いや、因幡ちゃんの存在から何から気になるところばっかりで、
むしろどっから気にしていいんだって感じだぜ」
キリサメがそう突っ込んだ。

「名前の由来とかね」
河城も言葉をつなげる。
「ちゃんと理由はあるよー?人の恋路の邪魔者を、私に変わって蹴るからだよー」
「いえ、それは分かるんですけどキュリオリシティーズの方が」

「んー・・・てきとう?なんとなく?」
「いやいやいや、骨董品屋のことをキュリオリシティーズと言うからでしょうが!」
思わず僕が突っ込んだ。
「だいたい、一緒に仕事をするにあたり名前だけでも何処かに残しとこうと言い出したのは
隊長でしょう!」
「そうだっけー、忘れたー」

本当にたいちょーはいやな人だ。

「でもこういう人助けな組織を運営してるんだから、なんだかんだで因幡ちゃんはエライぜ!?」
キリサメがフォローにならないフォローをした。

「そうなると、ひょっとして森近をパートナーに選んだ理由の方も・・・」
河城が疑問を口にした。が、その回答は今の流れでは嫌な予感がする。

「・・・だから、なんとなく?」
「本当にいやな人だなぁ!」
「飽きたらやめるかもねー」
隊長はそう言って、周囲にお花畑エフェクトが見えそうな笑顔を浮かべた。

「バイト代が!」
キリサメが切実そうな声をあげた。
「だいたい二人はなんでバイトなんかしてるのー?」
「金くれよ因幡ちゃん!」
「じゃ、いってらっしゃーい」
隊長はそう言って手を振った。

「というか、たまにはたいちょーも一緒に外に出ません?」
河城がそう提案したが、
「えー、とけちゃうよー」
隊長はあからさまに嫌そうな顔をした。

「さいですか。んじゃ行ってきます」
「あ、森近くーん」
「はい?」
出かけようとする僕を、隊長が引き止めた。

「二人のこと、よろしくー」
「あ、はぁ・・・」
まぁ一応二人にとっては僕が上司、だからねぇ・・・


そうして僕ら三人は里へと向かっていた。
「このワケわかんなさは、なんだかんだでオモシロイけどな」
「まあね。じゃ、巡回はじめようか」
キリサメの言葉に、僕がうなづく。

「そだな。あー、かったるー」
「おいおいにとり、因幡ちゃんの口癖が移ったかい?」
河城の言葉にキリサメが突っ込む。
「働かずにお金貰えたらいいなぁとは思うよ、ほんと」

そんな感じで、
何はともあれ、いつものように人の恋路を助け、邪魔者を排除する仕事に・・・
と思っていたのだけど。

「ひいいっ!」
「ご、ごめんなさーい!」

どういうわけか今日は恋人たち近づくなりおびえられ、逃げられた。
たまに河城やキリサメが「やりすぎて」迷惑かけることも少なくないが、それにしてもこの避けられ方は普通じゃない。

「・・・ちょっと聞きに行ってくるか」
河城が口を開く。

「三人で聞き込み、ってことかい?」
「いや、こういう場合は女の方がいいだろ。
森近、悪いけどそこで待っててくれ」
「あ、私も行くぜ」
そう言ってキリサメは河城とその場を離れた。

しばらくして。

「おー、話聞けたぞー」
「んー・・・」

戻ってきた二人は、なんだか釈然としない表情であった。

「どうだった?」
「とりあえず、別のなにかと勘違いされたっぽいな」
僕の問いに、河城がそう答える。

「別の何か?」
「何でも囲まれて絡まれたとか言ってたけどな・・・・」
「んー・・・」

結局よくわからず、三人で顔を見合わせていた、その時。

「お?」
キリサメが向いた方に顔を向けると、悲鳴やら騒ぐ声やらが聞こえてきた。

「行ってみるか」
「だな」
河城とキリサメが声の方に動き、僕がその後を追った。
すると・・・

「みなさん、やってしまいましょう!」
そんな女性の声が聞こえてきて。

「な、何だこれー!」
僕は思わず声を上げていた。

そこには謎の集団がいた。いや謎集団以外に表現のしようがなかった・・・
続きです。
きりさめけ
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.220簡易評価
2.50名前が無い程度の能力削除
突っ走って下さい、貴方の二次創作を最後まで。俺はその姿を見届けたい
ついでに言えば何故キリサメがカタカナなのか聞きたい
3.無評価名前が無い程度の能力削除
正直やめてほしいです
6.10名前が無い程度の能力削除
うん
7.10名前が無い程度の能力削除
はい
16.10名前が無い程度の能力削除
何故こんなものを書いたんだ・・・・