美鈴、咲夜、対峙する二人の目は、まるで獣の目の様に暗闇の中で光を放っている。
そして、その二人を観察する目が、さらに二組存在した。
これから戦おうとしている二人の従者を水晶に映して、二組の目はそれを見ていた。
「ねえレミィ、これはどういうことかしら?」
「何が?」
「仲の良かったあの二人が戦おうとしている…」
「ああ、そういえばパチェには話してなかったわね…」
美鈴と咲夜の仲が悪くなり、現在の事態に至るまで、その流れを導いていたのはレミリアであった。
そしてその真実を、彼女はパチュリーに話し始める。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
紅魔館から1キロほど離れた所にある平原で、二人は対峙していた。
一人はメイド服、もう一人は緑のチャイナ服を着ている。
「いいでしょこれ?私の故郷の服なの」
「……」
咲夜は何も答えず、ナイフを素早く取り出すと美鈴の額に投げつける。
美鈴は突然の攻撃にも眉一つ動かさず、軽々とナイフを受け止めた。
「不意打ちなんて卑怯じゃない?」
「私は雑談をしに来たのではありません、さっさと始めましょう」
「…これ、良いナイフね もらってもいい?」
「始めましょうと言ってるんです!!」
咲夜が再び、ナイフを取り出す。
「…ずっとこの日を待ってた」
ナイフを飛ばそうとした咲夜の手が止まる。
「どういう意味です?」
「私はずっとあなたが気にくわなかった…
人間が私達妖怪の館で働いてると考えると、気味が悪くてしかたがなかった
あなたをこの館から追い出す日をずっと夢見てたわ、そして今それが叶おうとしている」
「どうでしょうか…私が勝つかもしれませんよ?」
「これだから嫌いなのよ、人間は
自分の実力をまるで分かっていない あなたが私に勝てるわけないでしょ」
「やってみなければ 分かりません
私は勝つためにここに居るんです」
「随分自身満々だけど、分かってるのかしら?
あなたは私に操られてそこに居るのよ」
「操られて?…」
「そう、これは私の計画なのよ
正確には私とお嬢様のね、私があなたを挑発し、あなたをこの戦いまで導く
そして最終的にあなたをこの館から追い出す狙い…これが私たちの計画よ」
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
美鈴の計画をパチュリーに説明し終わると、レミリアは紅茶を一口飲んで言った。
「美鈴からこの計画に協力してくれと頼まれてね…
ある約束を守る事を条件に、私は協力する事にしたの」
「ある条件?…いや、そんなことより
どうしてこんな事するのよ、これじゃあどちらかの従者を失う事になるわ」
「まぁね、でも…たしかに美鈴の言う通りなのよ
彼女ではあまりにもふさわしくないわ」
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
「ふさわしくないのよ!咲夜!あなたはこの紅魔館には!
ここは悪魔の館、あなたのような人間が居て良い場所じゃないわ!!」
美鈴が戦闘態勢に入ると、それに合わせ咲夜も身構えた。
だが咲夜が完全に態勢を整えるより早く、美鈴の弾幕は咲夜を覆った。
弾幕の一つが咲夜に命中する。一発だけだったが、その威力は咲夜の予想を
はるかに上回っていた。咲夜が態勢を立て直した瞬間…
「うぅううぅぅ…」
咲夜の後ろでうめき声が聞こえた。
咲夜が振り返ると、そこには鬼の様な表情をした美鈴が居た。
その威圧感に、咲夜の反応が数秒遅れる。
(しまった)
美鈴の拳が咲夜の腹に打ち込まれ、咲夜の体は数十メートル程飛ばされた。
(そうだ…こいつの得意分野は…格闘!)
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
「しかし、美鈴の計画を手伝う意味は無かったのかもしれないわ
このままいけば美鈴が勝つでしょうね、実力の差は明らか…」
「レミィは、美鈴が確実に勝つと?」
「それはそうでしょう、美鈴は人間相手でも本気で戦うわ
なぜなら私が美鈴に約束させた条件は”本気で戦う事”だから」
「あなたの考える事はよく分からないわ」
パチュリーは水晶を見つめた。そこにはたしかにレミリアの言うとおり
圧倒的な実力を見せる美鈴の姿があった。しかしパチュリーがより注目したのは
二人の戦い方では無く、表情だった。
パチュリーはしばらく考え込んだ後、レミリアに言った。
「ねぇレミィ、賭けをしない?この勝負 私は咲夜が勝つ方に賭けるわ
”勝った方は負けた方の命令を何でも一つきく”なんてどうかしら」
レミリアはその言葉に驚いた表情を浮かべた。美鈴の勝利を確信していたからだ。
「いいわよ乗ってあげても、でもパチェ、あなたがこんなにも愚かだとは思わなかったわ
私の力は知っているはずよね?"運命を操る程度の能力"その私に賭けで
勝負を挑むなんて…」
「愚か? レミィ教えてあげるわ
魔女との賭けに乗ることがどれ程危険な事なのかを」
二人は水晶に目線を移す。咲夜と美鈴の立場は変わってはいなかった。
美鈴の攻撃を受けるたびに咲夜の体は大きく飛ばされた。
対して美鈴は、咲夜の攻撃に一切怯むこと無く攻め続ける。
怪しく光る水晶に映るのは、美鈴に吹き飛ばされる咲夜の姿。
パチュリーの威勢とは逆に、咲夜の置かれている状況は危機的だった。
美鈴も無傷では無かったが、咲夜の受けた攻撃はさらに多く、勝てる見込みは少なかった。
吹き飛ばされた咲夜は、地面に打ちつけられ、動かなくなった。
「美鈴の勝ちね」
「いや…」
咲夜の体が動き、再び起き上がろうとし始めた。
美鈴はとどめを刺すため、まだ完全に起き上がれていない咲夜に攻撃を仕掛けた。
その瞬間、美鈴の全身にナイフが刺さった。美鈴は痛みに悶えながら後退した。
しかし、咲夜はそれを追ってさらに攻撃を撃ち込む。
レミリアは舌打ちした
「咲夜の誘いに乗せられたわね、美鈴」
「さて、ここで巻き返せるかしら?」
咲夜は連続して美鈴に攻撃を命中させた、しかし、美鈴は倒れなかった。
そして咲夜の隙を見つけると再び反撃を始める。
「あらら、残念だったわねパチェ」
パチュリーは何も言わず黙っていた。
一方、咲夜は美鈴の反撃で再び苦戦していた。体力、精神の限界が近づく。
「パチェ、私が勝ったら何をしてもらおうか考えたんだけど
こういうのはどう?あなたの血を一滴残らず搾り取るの
高く売れるらしいわよ、魔女の血って」
パチュリーの額に、汗が流れた。
「あはははははっ」
笑い声をあげたのは美鈴だった。
「咲夜、これで力の差が分かったかしら?結局あなたが私に勝てるわけなかったのよ」
咲夜は美鈴を睨みつける。
「調子に乗る奴が悪いのよ、人間のくせに、人間のくせに、人間のくせに…」
「黙れ」
「負けたらクビ?私はそれで終わらせない、殺してやるよ、人間!」
「******」
「!!!!!!!!!!!」
「!?」
「?」
うつむいたままパチュリーが呟いた。
「レミィ…」
「ん?」
「お、お願い…命…命だけは…」
ドォン!と音がしてパチュリーの声を掻き消した。
「あら、派手にやってるわね」
水晶の中から見える二人の戦いは、今までで最も激しくなっていた。
その様子にレミリアは驚きながら見ていると、突然強い閃光が出てレミリア達の目を
暗ませた。
「なんて戦い…」
やがて閃光が消えると、戦いは決着がついていた。
勝者は立ち、倒れている敗者を見おろしている。
「これで、私の計画は成し遂げられた」
そう言って、美鈴は笑った。
そして、その二人を観察する目が、さらに二組存在した。
これから戦おうとしている二人の従者を水晶に映して、二組の目はそれを見ていた。
「ねえレミィ、これはどういうことかしら?」
「何が?」
「仲の良かったあの二人が戦おうとしている…」
「ああ、そういえばパチェには話してなかったわね…」
美鈴と咲夜の仲が悪くなり、現在の事態に至るまで、その流れを導いていたのはレミリアであった。
そしてその真実を、彼女はパチュリーに話し始める。
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紅魔館から1キロほど離れた所にある平原で、二人は対峙していた。
一人はメイド服、もう一人は緑のチャイナ服を着ている。
「いいでしょこれ?私の故郷の服なの」
「……」
咲夜は何も答えず、ナイフを素早く取り出すと美鈴の額に投げつける。
美鈴は突然の攻撃にも眉一つ動かさず、軽々とナイフを受け止めた。
「不意打ちなんて卑怯じゃない?」
「私は雑談をしに来たのではありません、さっさと始めましょう」
「…これ、良いナイフね もらってもいい?」
「始めましょうと言ってるんです!!」
咲夜が再び、ナイフを取り出す。
「…ずっとこの日を待ってた」
ナイフを飛ばそうとした咲夜の手が止まる。
「どういう意味です?」
「私はずっとあなたが気にくわなかった…
人間が私達妖怪の館で働いてると考えると、気味が悪くてしかたがなかった
あなたをこの館から追い出す日をずっと夢見てたわ、そして今それが叶おうとしている」
「どうでしょうか…私が勝つかもしれませんよ?」
「これだから嫌いなのよ、人間は
自分の実力をまるで分かっていない あなたが私に勝てるわけないでしょ」
「やってみなければ 分かりません
私は勝つためにここに居るんです」
「随分自身満々だけど、分かってるのかしら?
あなたは私に操られてそこに居るのよ」
「操られて?…」
「そう、これは私の計画なのよ
正確には私とお嬢様のね、私があなたを挑発し、あなたをこの戦いまで導く
そして最終的にあなたをこの館から追い出す狙い…これが私たちの計画よ」
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美鈴の計画をパチュリーに説明し終わると、レミリアは紅茶を一口飲んで言った。
「美鈴からこの計画に協力してくれと頼まれてね…
ある約束を守る事を条件に、私は協力する事にしたの」
「ある条件?…いや、そんなことより
どうしてこんな事するのよ、これじゃあどちらかの従者を失う事になるわ」
「まぁね、でも…たしかに美鈴の言う通りなのよ
彼女ではあまりにもふさわしくないわ」
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「ふさわしくないのよ!咲夜!あなたはこの紅魔館には!
ここは悪魔の館、あなたのような人間が居て良い場所じゃないわ!!」
美鈴が戦闘態勢に入ると、それに合わせ咲夜も身構えた。
だが咲夜が完全に態勢を整えるより早く、美鈴の弾幕は咲夜を覆った。
弾幕の一つが咲夜に命中する。一発だけだったが、その威力は咲夜の予想を
はるかに上回っていた。咲夜が態勢を立て直した瞬間…
「うぅううぅぅ…」
咲夜の後ろでうめき声が聞こえた。
咲夜が振り返ると、そこには鬼の様な表情をした美鈴が居た。
その威圧感に、咲夜の反応が数秒遅れる。
(しまった)
美鈴の拳が咲夜の腹に打ち込まれ、咲夜の体は数十メートル程飛ばされた。
(そうだ…こいつの得意分野は…格闘!)
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「しかし、美鈴の計画を手伝う意味は無かったのかもしれないわ
このままいけば美鈴が勝つでしょうね、実力の差は明らか…」
「レミィは、美鈴が確実に勝つと?」
「それはそうでしょう、美鈴は人間相手でも本気で戦うわ
なぜなら私が美鈴に約束させた条件は”本気で戦う事”だから」
「あなたの考える事はよく分からないわ」
パチュリーは水晶を見つめた。そこにはたしかにレミリアの言うとおり
圧倒的な実力を見せる美鈴の姿があった。しかしパチュリーがより注目したのは
二人の戦い方では無く、表情だった。
パチュリーはしばらく考え込んだ後、レミリアに言った。
「ねぇレミィ、賭けをしない?この勝負 私は咲夜が勝つ方に賭けるわ
”勝った方は負けた方の命令を何でも一つきく”なんてどうかしら」
レミリアはその言葉に驚いた表情を浮かべた。美鈴の勝利を確信していたからだ。
「いいわよ乗ってあげても、でもパチェ、あなたがこんなにも愚かだとは思わなかったわ
私の力は知っているはずよね?"運命を操る程度の能力"その私に賭けで
勝負を挑むなんて…」
「愚か? レミィ教えてあげるわ
魔女との賭けに乗ることがどれ程危険な事なのかを」
二人は水晶に目線を移す。咲夜と美鈴の立場は変わってはいなかった。
美鈴の攻撃を受けるたびに咲夜の体は大きく飛ばされた。
対して美鈴は、咲夜の攻撃に一切怯むこと無く攻め続ける。
怪しく光る水晶に映るのは、美鈴に吹き飛ばされる咲夜の姿。
パチュリーの威勢とは逆に、咲夜の置かれている状況は危機的だった。
美鈴も無傷では無かったが、咲夜の受けた攻撃はさらに多く、勝てる見込みは少なかった。
吹き飛ばされた咲夜は、地面に打ちつけられ、動かなくなった。
「美鈴の勝ちね」
「いや…」
咲夜の体が動き、再び起き上がろうとし始めた。
美鈴はとどめを刺すため、まだ完全に起き上がれていない咲夜に攻撃を仕掛けた。
その瞬間、美鈴の全身にナイフが刺さった。美鈴は痛みに悶えながら後退した。
しかし、咲夜はそれを追ってさらに攻撃を撃ち込む。
レミリアは舌打ちした
「咲夜の誘いに乗せられたわね、美鈴」
「さて、ここで巻き返せるかしら?」
咲夜は連続して美鈴に攻撃を命中させた、しかし、美鈴は倒れなかった。
そして咲夜の隙を見つけると再び反撃を始める。
「あらら、残念だったわねパチェ」
パチュリーは何も言わず黙っていた。
一方、咲夜は美鈴の反撃で再び苦戦していた。体力、精神の限界が近づく。
「パチェ、私が勝ったら何をしてもらおうか考えたんだけど
こういうのはどう?あなたの血を一滴残らず搾り取るの
高く売れるらしいわよ、魔女の血って」
パチュリーの額に、汗が流れた。
「あはははははっ」
笑い声をあげたのは美鈴だった。
「咲夜、これで力の差が分かったかしら?結局あなたが私に勝てるわけなかったのよ」
咲夜は美鈴を睨みつける。
「調子に乗る奴が悪いのよ、人間のくせに、人間のくせに、人間のくせに…」
「黙れ」
「負けたらクビ?私はそれで終わらせない、殺してやるよ、人間!」
「******」
「!!!!!!!!!!!」
「!?」
「?」
うつむいたままパチュリーが呟いた。
「レミィ…」
「ん?」
「お、お願い…命…命だけは…」
ドォン!と音がしてパチュリーの声を掻き消した。
「あら、派手にやってるわね」
水晶の中から見える二人の戦いは、今までで最も激しくなっていた。
その様子にレミリアは驚きながら見ていると、突然強い閃光が出てレミリア達の目を
暗ませた。
「なんて戦い…」
やがて閃光が消えると、戦いは決着がついていた。
勝者は立ち、倒れている敗者を見おろしている。
「これで、私の計画は成し遂げられた」
そう言って、美鈴は笑った。
それとも、ここから本当に小悪魔マジ天使な展開に持っていくのか。だとしたら、大体のオチが読めた気がする・・・。
このシリーズは違和感なく入ってきました。むしろあのころの若干のアングラ感が懐かしくて
いいものを読ませてもらった感じです。
攻撃の手を緩めない主人公勢だからね。^^b
なんたって紅の霊夢の冒頭のせりふ、
「夜の境内はロマンチックね。←エロ」なんてのがあるくらいだもん。^^v
それとここはあくまで作品のコメント欄なんでチャットみたいな使い方はあまりよろしくないかと。
挙式は6月中にできればいいナと思ってます。ジューンブライドです。*^^*
でもラビィさんと私は同レベルではないですよ。彼は叩かれている面が有るようですが一応真剣に書いています。
私は叩かれる事前提で書いてます。あと挙式は7月になるかもです。
ちょwwwチャットに使うなと言われてすぐにwwww
評価は小悪魔がでてくるまで保留させてくださいな
いっぺんマスパ食らったほうがいいと思うwwwチンポにwwwwwww