赤い夕焼け。
赤い赤い夕焼けだった。
辺りは荒野で日は西に沈み行こうとしている。
「ここはどこかしら」
少女が呟いた。
「ここは終わった世界よ。そして終わらせないための世界」
少女が夕焼けを背に言った。
「終わり……」
「そう、数多ある並行世界。そのひとつ。もし世界が滅んでいたらってところかしら」
少女はやけに胡散臭い笑みを浮かべて言う。
「なぜアナタがここに一人いるかわかる?」
「わからないわ」
少女は正直に答えた。
「幻想郷は少しでも揺らぐと崩壊してしまう、だから、アナタ。いえ、アナタたちには幻想を夢見てもらっている」
「さまざまなIFの世界があるわ。ただアナタには確実に存在してもらわないとならない。例え、アナタがいないって世界でもね」
「そういったアナタの存在などが揺らぐ世界では私が、いえ、私達がアナタを籠の鳥にしているのよ」
少女はそう言ってまた笑った。
「ちょっと周りをごらんなさい。よく、眼を凝らしてね」
少女が言われた通りに周りを見渡す。
「境界?」
「そう。そしてその境界の瞳はわかるかしら?」
境界の瞳はギョロギョロと二人を見ている。辺りの境界全てが瞳をギョロ付かせている。
「この瞳は私達であり。そしてアナタ達でもある」
「監視よ。あらゆる世界で監視しあってるの」
「もちろんこのような世界のアナタがいなくならないようにね」
「……わからないわ」
少女は境界を見ながら言った。
「全ては幻想のためよ。夢の話をしましょうか」
「こういった世界ではアナタに夢を見せている。例えば、普通の学生として生活する夢。家族の夢。友人との会話の夢。そして、倶楽部活動の夢」
「その夢を通してアナタは幻想を見るのよ。幻想のために」
「幻想とは忘れ去られたもの。忘れるには一度認識されなくてはならない」
「アナタは夢のなかで夢を見る、幻想の夢を」
「矛盾かしら。だけどね、幻想郷という世界が存在するには幻想郷の存在を知らなくてはいけないのよ」
「幻想郷は”ここ”にあると認識しているものがいないと幻想郷は幻想郷たりえない」
「その役目が私。または、アナタ」
少女がまた胡散臭い笑みを浮かべた。
「私がアナタでアナタが私なのよ」
「アナタはアナタで私は私でもあるわ」
「それを選ぶのはアナタ」
「生まれたアナタが夢をみてアナタになるかそれとも私になるか」
「私としては幻想郷の為にこの世界をなかったことにして私の一人となって欲しいわ」
「もちろん、選ばないこともできる。」
「その場合、私ならこの世界ごとアナタもなかったことにしておしまい」
「さあ。アナタは私はどうする?」
そうして日は沈んで世界はなくなった。私は私を選んだ。
八雲紫は”八雲紫”を選んで八雲紫になった。
赤い赤い夕焼けだった。
辺りは荒野で日は西に沈み行こうとしている。
「ここはどこかしら」
少女が呟いた。
「ここは終わった世界よ。そして終わらせないための世界」
少女が夕焼けを背に言った。
「終わり……」
「そう、数多ある並行世界。そのひとつ。もし世界が滅んでいたらってところかしら」
少女はやけに胡散臭い笑みを浮かべて言う。
「なぜアナタがここに一人いるかわかる?」
「わからないわ」
少女は正直に答えた。
「幻想郷は少しでも揺らぐと崩壊してしまう、だから、アナタ。いえ、アナタたちには幻想を夢見てもらっている」
「さまざまなIFの世界があるわ。ただアナタには確実に存在してもらわないとならない。例え、アナタがいないって世界でもね」
「そういったアナタの存在などが揺らぐ世界では私が、いえ、私達がアナタを籠の鳥にしているのよ」
少女はそう言ってまた笑った。
「ちょっと周りをごらんなさい。よく、眼を凝らしてね」
少女が言われた通りに周りを見渡す。
「境界?」
「そう。そしてその境界の瞳はわかるかしら?」
境界の瞳はギョロギョロと二人を見ている。辺りの境界全てが瞳をギョロ付かせている。
「この瞳は私達であり。そしてアナタ達でもある」
「監視よ。あらゆる世界で監視しあってるの」
「もちろんこのような世界のアナタがいなくならないようにね」
「……わからないわ」
少女は境界を見ながら言った。
「全ては幻想のためよ。夢の話をしましょうか」
「こういった世界ではアナタに夢を見せている。例えば、普通の学生として生活する夢。家族の夢。友人との会話の夢。そして、倶楽部活動の夢」
「その夢を通してアナタは幻想を見るのよ。幻想のために」
「幻想とは忘れ去られたもの。忘れるには一度認識されなくてはならない」
「アナタは夢のなかで夢を見る、幻想の夢を」
「矛盾かしら。だけどね、幻想郷という世界が存在するには幻想郷の存在を知らなくてはいけないのよ」
「幻想郷は”ここ”にあると認識しているものがいないと幻想郷は幻想郷たりえない」
「その役目が私。または、アナタ」
少女がまた胡散臭い笑みを浮かべた。
「私がアナタでアナタが私なのよ」
「アナタはアナタで私は私でもあるわ」
「それを選ぶのはアナタ」
「生まれたアナタが夢をみてアナタになるかそれとも私になるか」
「私としては幻想郷の為にこの世界をなかったことにして私の一人となって欲しいわ」
「もちろん、選ばないこともできる。」
「その場合、私ならこの世界ごとアナタもなかったことにしておしまい」
「さあ。アナタは私はどうする?」
そうして日は沈んで世界はなくなった。私は私を選んだ。
八雲紫は”八雲紫”を選んで八雲紫になった。
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