Coolier - 新生・東方創想話

小悪魔ちゃんマジ天使 第1話

2011/06/26 01:06:36
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 朝六時、紅魔館のとある一室に30人程のメイド達が集まっている。

朝の集会が行われているのである。

紅魔館のメイド達は毎朝この集会に出席した後、それぞれの仕事場へ散っていく。



「それでは今日も、がんばりましょー」



 一人のメイドがそう言うと、他のメイド達は声を合わせて返事をし、次々とその場を離れていった。

先ほど発言したメイドだけは動かずにいたが、全員が仕事場へ向かった事を確認すると彼女も行動をはじめた。

 彼女は紅魔館において「メイド長」と呼ばれている。

彼女はメイド達の中で最も偉く、最も強く、そして最もサボり癖のあるメイドだった。

今日も彼女は仕事場に着くと10分もたたないうちに居眠りを始めた。



「メイド長……メイド長!」



 その声に彼女は目を覚ます。彼女はその場で大きく背伸び、続けて欠伸をすると、自身の前に立つ女性を見る。



「ありがとう、咲夜]



「しっかりしてくれないと困ります、美鈴メイド長」



 咲夜と呼ばれたメイドはため息混じりにそう言う。

美鈴の居眠りは紅魔館では日常的な出来事で、その美鈴を咲夜が起こしに行くのも同じく日常的な事であった。

 咲夜は美鈴が好きだった。

咲夜が美鈴に好意を持ち始めたのは、彼女が紅魔館に来てからすぐの事だった。

人外の者が多く住むこの館で、人間の彼女は周囲から差別され、

時には、露骨な嫌がらせをメイド達から受ける事も多くあった。

その時、決まって彼女を助けに入ったのがメイド長の美鈴である。

差別の目を向けるメイド達の中で美鈴だけが咲夜に対して優しかった。

咲夜はそんな美鈴に心を開くようになり、美鈴の傍で仕事をすることが多くなった。



「じゃあ、私は仕事に戻りますので いいですか?寝てはだめですよ」



「は~い」



 それから五分も経たないうちに、彼女は再び夢の世界へ旅立つのだった。

美鈴が居眠りをし、咲夜が起こしにくる。それは紅魔館では日常的なことだった。

しかしその日常的なことが、ある日を境に一切起こらなくなってしまった。

 その日は美鈴の誕生日だった。

咲夜はこの日のため、美鈴にプレゼントを用意していた。

紅魔館では誕生会が開かれたが、そこでは咲夜は渡さなかった。

皆の仕事が終わり、それぞれが自室へ戻った後、咲夜は美鈴の部屋に足を進めた。

咲夜は騒がしいパーティー中に渡すより、静かな場所で、二人きりの時に渡したかった。

美鈴の部屋の前まで来ると、咲夜は部屋の扉が少し開いている事に気が付いた。

隙間から、先客の姿を確認できる。紅魔館の主、レミリアだった。



「咲夜は…」



 レミリアの言葉に、咲夜の耳は部屋の中に引き寄せられた。

元々盗み聞きするつもりはなかったが、自分の名を出されたことで

咲夜は好奇心を抑えられなくなった。



「あの子はずいぶん懐いてるじゃない、妖怪のあなたに」



「そうですかねぇ~」



「あなただけよ、咲夜があんなに心を開く相手は

 あの子が来たばかりの時は、私に対して物凄い警戒していたわ

 それが妖精メイドのいじめも合って、妖怪に対する警戒心はさらに高くなった…

 咲夜に好かれるのは、すごい事なのよあなた」



「そう言われると、そうかもしれませんね

 でも私としては正直邪魔なんですよ、毎日毎日私の居ねむ…仕事を邪魔しに来るし、

 人間ごときが同じ仕事場に居るのもなんか気持ち悪いですし…」



「あら意外、彼女の事嫌いだったの?」



「あたりまえじゃないですかぁ~ 人間なんて私にとっては食料にすぎませんよ」



「あなたけっこうひどいわね…」



 咲夜は顔を青白くして固まっていた。

扉の奥に居るのが、美鈴である事が信じられなかった。信じたくなかった。

しかし、現実に聞こえたのは確かに彼女の声だった。

そして、咲夜は確かに聞いた。自分の事を嫌がる彼女の言葉を。

咲夜はその場から離れたくなり、自分の部屋へ走っていった。

 それから咲夜は美鈴の近くで仕事をしなくなった。

当然、起こしに行くこともしない。だから咲夜は知らなかった。

あれから美鈴が一切居眠りをしていない事に。











 そんな日々が続き、ある日二人が再び一緒に仕事をする時が来た。

美鈴と咲夜の食事の当番の日が偶然重なったのだ。咲夜はそれが嫌だった。

あの出来事以来、咲夜は美鈴に近寄る事がとても嫌だった。

仕事中は出来る限り美鈴から離れていた。しかし今回は、どうしても一緒に仕事をしなければならない。

厨房で肩を並べて作業をしなければならない。美鈴が話しかけてくることもあるだろう。

咲夜は、美鈴の声を聞きたくなかった。

 

「ねぇ、咲夜」



 咲夜が恐れていた通り、美鈴は話しかけてきた。

咲夜は下を向いたまま、返事をしなかった。ただ黙々と作業をしていた。



「最近私に冷たくない?あなた」



「そんなことないですよ」



 視線を下に向けたまま、答えた。



「だって私に話しかけてこなくなったじゃない」



「そうですか?」



「そうよ」



「そうですか…」



 何いってるの?私が居たら邪魔なんでしょ。と、咲夜は心の中でつぶやいた。

咲夜は料理の盛り付けが終わると、レミリアが座る食卓へそれを運んでいった。



「お待たせしました」



 咲夜が料理を運び終えると、レミリアが言った。



「あなたもだいぶ仕事に慣れてきたわね…」



「はい」



「あなたならメイド長になってもいいかもね、目指してみる?」



「あ…」



 咲夜はどう返答すれば良いのか迷い、視線をあちらこちらに動かした。

そしてその視線は、厨房の一人のメイドにとまった。

美鈴が笑みを浮かべて咲夜を見つめていた。咲夜の知っている、やさしい笑みではない。

まるで見るものを見下しているような、そんな顔をしていた。



「お前ごときに メイド長が務まるか」



 咲夜は、美鈴がそう言いたいのだと悟った。

その瞬間、彼女の中から怒りがこみ上げてきた。そして、彼女はレミリアに言った。



「はい、いずれはメイド長の座に着くつもりです」



「そう、楽しみにしているわ」



 食卓を離れ、咲夜は再び厨房で作業を始めた。

数分前とは違い、咲夜の心はすっきりとしていた。

自分の気持ちを裏切った女に、宣言したからだ。メイド長の座を奪い取ると。

気が付けば咲夜は笑みを浮かべていた。



「いつがいい?」



 美鈴の問いに、咲夜の顔から笑みが消えた。



「メイド長…なりたいんでしょ?いつがいい?いつでも受けてあげるわ あ、もちろん仕事中以外で」



 咲夜はしばらく黙っていたが、顔をあげ、美鈴の方を見ると言った。



「今夜」

















































































 紅魔館には、メイド長の下に副長が居るが、それは仕事の功績を認められればなることができる。

しかし、メイド長はどんなに仕事で功績をあげてもなることはできない。ある事をしなけばならないのだ。

それは、紅魔館の主、レミリアの決めたルールだった。

 メイド長は、家事などの仕事の他に特別な仕事を任せられている。

それは、主の外出時の付き添い。つまり、ボディーガードだ。

ただ家事が出来るだけでは務まらない。メイド長には強さが求められるのだ。

 レミリアが決めたルールは、メイド長になるには、現在のメイド長と戦い、勝つこと。

それによって強さを証明しなければならない。勝てばメイド長、元々のメイド長はクビになる。

ただし負けた場合、その戦いを挑んだ本人がクビとなる。これは安易な気持ちで戦い合わないために

レミリアが決めた事だった。



 美鈴は戦いをいつでも受けると言い、



 咲夜は今夜と答えた。



 そしてその日の夜、二人は紅魔館を出て戦いの場に向かった。











































































「負けたらクビ?」







































































「私はそれで終わらせない」







































































「殺してやるよ、人間!」
次回 パチュリーVSレミリア



駄文でゴメンネ
ゴルゴンの首
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コメント



0.130簡易評価
2.無評価玖爾削除
タイトル。おい、タイトル。
3.10名前が無い程度の能力削除
もちろん仕事中意外で>以外

ラヴィ氏より好きよ
4.無評価名前が無い程度の能力削除
締めは小悪魔がしてくれるんだよ…ね…?
そして次回…え…? 咲夜VS美鈴は?
5.50薬漬削除
だまされた
7.50Dark+削除
タグに小悪魔が入ってないことに疑問を感じていたが……
11.70名前が無い程度の能力削除
あの、結構好きです
12.40Ash削除
小悪魔は……?
13.20名前が無い程度の能力削除
最後行開けすぎじゃね?
16.60お値段以上削除
面白いです
好きかも