Coolier - 新生・東方創想話

恋、しちゃって、吸血鬼

2011/06/10 17:06:06
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御機嫌よう。私の名前は、レミリア・スカーレット。
夜に君臨する恐怖の象徴。
いわゆる、吸血鬼ってやつよ。


いきなりだけど、最近とても暇なのよ。


吸血鬼って職業なわけじゃないし。
なんか適当にやること探して暇をつぶすのが日課なの。
日課っていうか、それしかやることがないの。


博麗神社に行くのも飽きてきたし。

フランをいじくるのも飽きてきたし。

なんだか最近紅茶の味にも飽きてきた。


そうそう、最近のマイブームは紅茶じゃなくて、血を吸うことなのよ。
まぁ、通りすがりの妖精メイドにやってたら、誰も近づかなくなってきたんだけどね。

でも、血を吸うことだけじゃ、私の暇はつぶせない。

あぁ、暇がつぶせると思ってフランを開放したのになぁ。
私のことが嫌いらしいからしばらくは弾幕戦で遊べると思ったけど、なんだかすぐになついちゃったし。
フランの弾幕はデタラメ過ぎて、美しいけど芸に欠けるのよね。
まぁ、そこがフランらしいけど。

で。

咲夜は律儀すぎてつまんないし。
美鈴は平凡すぎてつまんないし。
パチェは寡黙すぎてつまんないし。

あぁ、なんだか面白いことないかなぁ~。





あ、そうだ!恋愛してみよう!





いいこと思いついちゃった~♪
最近本で読んだのよね。
と~ってもいい暇つぶし。
相手は……

あれ、相手は男じゃなきゃいけないんだっけ。
う~んどうしよう……
男。
男なんているかしら?
この幻想郷に、私にふさわしい男の人……


いいや、確か、恋は心が一番大切だ。
この際、男じゃなくてもいいよね。
お互いが愛し合うこと、それが恋愛の必須条件。
問題は、その「必須条件」だけど。

まぁ、なんとかなるでしょ。




――――――――――――――――――――




さあて、屋敷の中を探索中。
一番最初に会った人に、告白してみよう。
どんな反応が見れるかな?

あ、咲夜!

そういえば、人間のメイドの血って飲んだこと無いわね。
妖精メイドと違って甘かったりするのかしら?
……というわけで。


かぷ。

んく。んく。んく。

ぷはぁっ。


ごちそうさまでした。


うん。普通においしかった。
咲夜の血は、とても綺麗な血でした。

ありゃりゃ、咲夜大丈夫?ごめんね、後ろからいきなり首元に噛み付いたりして。
……なんだかすっごい顔赤いよ?大丈夫?
血を吸われたときに快感が生まれるって俗説あるけど……
あれ、まったくのデタラメなのよね。
ってことは、血、吸いすぎたかしら?


おっと、当初の目的を忘れる所だった。


ええと、告白のときに言うセリフ……
本で読んだはず。なんだっけなんだっけ……
あ、思い出した!



咲夜!私と一緒になって!



あ、咲夜倒れた。

お~い。
大丈夫~?
めっちゃ顔赤いけど大丈夫かな?


意外と楽しいわね。コレ。
でも、咲夜と恋愛は無理だったみたい。


次のターゲットは、誰かな?




――――――――――――――――――――




そういえば、魔法使いの血も吸ったことが無いわね。
と、いうことで、紅魔館の地下図書館に来てみました。

あ、パチェ!

正面からお願いすると、断られるので。
本に気をとられてるこのスキに~


かぷ。

んく。んく。んく。

ぷはぁっ。


ごちそうさまでした。


……パチェ、鉄分足りてないんじゃない?
パチェの血は、なんだか薄味でした。

あぁ、やっぱり顔赤くなってる。
貧血かな?
血、吸いすぎたかな?
妖精メイドのときは全然大丈夫だったのになぁ。
妖精って血が多い生き物なのかしら?


あ、もちろん、当初の目的は忘れてないわよ。ええ。


ええと、告白のときに言うセリフ……
本で読んだはず。なんだっけなんだっけ……
あ、思い出した!


パチェ!私のものになって!


ありゃ、顔隠さないでよ。
私は真剣なのよ。
あ、もしかして気分悪い?
貧血なら仕方ないか。
パチェは元から血が少なさそうだし。
ゆっくり休んで頂戴。


パチェも無理だったかぁ。
……なんか小刻みに震えてる気がしたけど、本当に大丈夫かしら?

んじゃ、


次のターゲットは、誰かな?




――――――――――――――――――――




あ、吸血鬼の血も吸ったことが無い!
……まぁ、自分の血を吸うわけもないしね。
と、いうことでフランの部屋に来てみました。

ま、さすがにドアから入るわけだし、不意打ちはできないわね。

ノックをしてから部屋へ侵入。


ふ~ら~ん~。


と、声をかけたら、いい返事が帰ってきた。
そうです、私がお姉様です。
いきなりなんだけどさぁ、ちょっと血ィ吸わせてくんない?

あ、いいの?
まじで?
他の人はみんな嫌がってたよ?
他の人……っていっても妖精メイドだけど。

んじゃ、遠慮はせずに……


かぷ。

んく。んく。んく。

ぷはぁっ。


ごちそうさまでした。


……人間ばっかり食べてるせいかしら。
なんかメチャクチャ濃かった。
私の血の味もこんな味なのかしら?

あぁ、やっぱりフランは大丈夫ね。
ん?ちょっとくすぐったかった?
それくらいは我慢しなさいね。


おっと、当初の目的。フランにも一応。


ええと、告白のときに言うセリフ……
本で読んだはず。なんだっけなんだっけ……
あ、思い出した!


フラン!私と一夜を過ごしましょ!


……ええと、自分で言っておいて意味がよく分からない。
一夜って、だんまくごっこでいいのかしら?


久しぶりにしましょうか。フラン。

手加減はしないわよ?




――――――――――――――――――――




ふわぁ。
よく寝た。
昨日はええと……

咲夜とパチェに告白した後、フランとだんまくごっこ。
そんな感じだった気がする。

んで、今は日が沈む7時ごろ。
今日は博麗神社に行ってみよう。
霊夢に告白したら、どんな反応が見れるだろう。
今からなんだか楽しみだ。



さぁ、今日も恋愛頑張るぞ!




――――――――――――――――――――




やってきました、博麗神社。
2ヶ月くらい来てなかった気がする。
あんなに足げなく通っていたのにぷっつりと行かなくなってしまった。
あれから一回も霊夢に会ってないなぁ。

少しぐらい心配してもいいと思うんだけどなぁ。
……紅魔館に、私に会いに来るとか。
ほら、なんか最近来なくなったから心配で……って感じで。

まぁ、そこら辺が霊夢なのかしらね。

中に入りましょ。



……っと、洗濯物を干してる霊夢発見。
午前中にやっとけよ。もう夜になるぞ。

あ、霊夢。おはよう……じゃないや、こんばんは……というか、久しぶり。
あら、あんまり驚かないわね。

え?私のことすっかり忘れてた?
あんなに足げなく通ってたのに?


ぐすん。


……まぁいいわ。今日はちょっと用事があって来たのよ。

え?何?あぁ、神社に入れってことね。
たいしたものが無いのは知ってるから、何も出さなくてもいいわよ。
今までロクなもんが出てきた覚えが無いからね。
お願いだから、豆腐とか生大根とか玄米とかお茶請けに出さないでね。

反応に困るわ。




――――――――――――――――――――




わぁ、久しぶりだ。
博麗神社の中に入ったのは何ヶ月ぶりだろう。

いや、2ヶ月なんだけどさ。こう言う台詞は定番じゃん?
いちいち突っ込まなくてもいいよ霊夢。

私の分のお茶はいらないから。
あなたは自分のだけ持ってきなさい。



ふぅ。
ちょっと一人きりの間に思考タイム。


今日ここに来るまでの途中に気づいたことが一つだけあります。
さて、それは何でしょう。
自分に問いかけてみる。
答えは簡単。


……私、恋愛は出来てるのかしら?


なんだか恋愛というものがイマイチ分からない。
そもそも恋愛なんて、実際に見たわけでもない。
この前地下図書館に立ち寄ったときにバッタリ出くわした魔理沙から聞いた単語、「恋愛」。
あの後パチュリーに「恋愛についての文献はある?」と聞いて、すぐに手渡された3冊の本。
その本から知っただけに過ぎない。

何回も読み返したから知識は完璧なはず。

ただ問題は、3冊とも全然内容が違ったことだ。
あの後、なんで内容が違うのかパチュリーに聞いてみた。
返ってきたのは、「恋愛なんて人それぞれよ。」という言葉だった。


あぁ、そうか。
だったら私は私の恋愛をしてみよう。
なんだ、結論は簡単に出たな。
だって人それぞれなんだから。

……私は吸血鬼だけど。



おぉ、ちょうど霊夢が戻ってきた。

……あぁ、用事?
あ、うん。

ええと、告白のときに言うセリフ……
本で読んだはず。なんだっけなんだっけ……
あ、思い出した!


霊夢!私を抱いて!




……。




うわっちゃー!
熱いって熱いって!てか痛い!
お茶吹くな!

……え、意味?

知らない。

なんだその表情。
いや、別に喧嘩売ってるわけじゃなくて。
純粋な乙女の気持ちですよ。






……追い出されちゃった。
なんか変なこと言ったかなぁ。
顔赤くなってたけど。
私は真面目なのになぁ。

……もしかして、台詞間違えた?
いやいや、そんなことは無いはず。
確かに告白するシーンで使われてた、はず。
その後のページが無かったことが妙に気になったけど。

ちょっと戻ったらパチュリーに聞いてみよう。


あぁ、血ィ吸うの忘れてた……
巫女の血とか吸ったことないのに~




――――――――――――――――――――




紅魔館に戻りました。
で、今、門の前にいるわけですよ。
目の前に門番がつっ立ってるわけですよ。


……。


……。


……起きろや。


……起きろ~!


……殺すよ?



やっと起きた。

うん、寝てませんとか0、1秒でバレる嘘つくなや。
寝てたよね?……うむ、素直でよろしい。


……あのさぁ。
恋愛ってしたこと、ある?

いや、何その。
この世に無い物体を見るような目でこっちを見るのはやめて頂戴。
なんか私変なこと言った?
聞いてるだけよ。


あら、美鈴もないの?


まぁ、ルックス的にもなさそうよね。
胸はあるけど。
……そこがちょっと悔しいけど。



あ、そうだ!

あのさぁ、血ィ吸わせてくんない?


って、言った瞬間に逃げるってのは反則じゃない?
すでにコレ、独り言だよ?



なんだか虚しくなってきた。
減棒してやる。
……そういえば、美鈴に給料って出てるのかしら?


なんか、どんどん謎が増えていってる気が……




――――――――――――――――――――




ただいま~。
すぐに追い出されちゃったから、予定より早く帰れたわね。
……でもその割には疲れたな。

部屋へ戻ろう。







さて、部屋に着きました。
扉を開けます。
即座にベッドにダイブ。


暇だなぁ。

……恋愛に飽きたら、また暇になるんだろうなぁ。

咲夜は、メイドの仕事があって。
パチュリーは読書に明け暮れてて。
美鈴は門番の仕事があって。

みんな暇じゃなくていいなぁ。




……待てよ?
門番って、メチャクチャ暇な仕事じゃないのかしら?
美鈴、もしかして超暇人?



よし、思い立ったときに行動すべし。
思い切りよく扉を開けて、大声で……



ちょっと、妖精メイドでいいから誰かいない~?


……あ、ちょっと、そこのアンタ!
美鈴を今すぐ私の部屋へ連れてきなさい。
いいわね?



部屋へ戻ります。



うぇっへ、大声でいきなり叫んだからなんか喉が変。
でもとりあえずもう一度ベッドにダイブ。


なんだ~、暇な奴いるじゃん。
暇なら暇ですと言ってくれればいいのに~。
ま、言えるわけないのは分かってるけどさ。
実際、紅魔館に門番なんていなくてもいいのよね。

……じゃ、なんで美鈴いるのかしら。



……。



おっと、ノックの音。
美鈴ね?入っていいわよ。


なんだか、怯えてるみたい。
……あ、血?いや、血はもういいわ。なんか不味そうだし。
……え、減棒?あれ聞こえてたの?いや、別にそういう話で呼んだわけじゃないんだけど。
何の話かって?それはね……


あなた、門番やってて暇じゃないの?


いやいや、そんなキラキラした目で見られても……
聞いてるだけだから。
……って言った瞬間にしょぼくれるのもやめようね。
聞いてるだけだから。


あぁ、やっぱり暇なんだ。
それで、毎日の生活は充実してる?


……え?充実してるの?
暇なのに?
いや、確かに咲夜だっているし、訪問者もたまにいるけど……
暇なんでしょ?
なんで?
え、自分でも分からない?

……分かったわ。
戻って頂戴。
ありがとう。



ばたん、と、ドアの閉まる音。



さて、美鈴はいなくなりました。
とても不審そうな顔をして部屋を出て行きました。
とりあえず、ベッドに再びダイブします。



うん。

ぜんっぜんわからん。

考えてみりゃあ私、ニートに近い。
美鈴はあれでも仕事はあるのよね。
でも門番なんて仕事、あってないようなものじゃん。
私が日々の生活に高望みしすぎなのかしら?

……いや、そんなことはないはず。

あと、今気づいたけど、フランも考えてみりゃあ暇人よね。
私とおんなじですることなさそうだし。



今日は眠いから、明日フランの部屋へ行ってみましょう。
とりあえず、今日分かったことは……


美鈴に給料は出てるってことくらいかしら。




――――――――――――――――――――




ふわぁ。
あら、今日は2時に起きちゃった。
日はしばらく沈みません。

ええと、今日はフランの部屋へ行く予定だったかしら。
別に外に出るわけじゃないし、行きましょうか。

早起きは三文の徳って言うし……なんか違うな。
兵は神速を尊ぶ……も、違うな。
速さが足りない!!!……方向性を間違えたか。


何考えてんだ私。




――――――――――――――――――――




そういえば、紅魔館の財政状況ってどうなってるのかしら。
なんてことを考えながらフランの部屋へ。

ノックをしてから部屋へ侵入。


ふ~ら~ん~。


あら、やっぱりまだ寝てた?
ちと早かったか。
……フランって、寝るとき部屋に鍵かけないのね。
近くまで行ってみよう。

寝息が聞こえる。
かわいい。
フランの寝顔を見るのはもしかして初めてじゃないかしら。
ああ、なんだか幼くていいなぁ。
かわいいなぁ。

……あ。

おはよう。

目覚めはどうかしら?
もしかして、寝ぼけてる?


あ、そうだ!


ええと……ひざまくら。
ちょっと甘えなさい。
うん、そんな感じそんな感じ……で、ええと。

フラン、好きよ。




……。


……。


……だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


なんか違う!
こんな感じのことを恋人同士でやってた気がするけどなんか違う!


何でこうもうまくいかないのかぜんぜんわかんねぇーーー!


はあっはあっはあっ……
私、こんなに、はぁっ、ストレス、たまってた、かしら……






……ふぅ。






……状況確認。
前方に、何が起こったのかわからない、といった感じの顔をしたフラン。
廊下のほうから気配、多分咲夜。
さて、どうすればいいか……



シンキングターイム。



1、状況を説明して理解してもらう。
2、開き直ってフランに迫る。
3、逃げる。


1は……
正直言って咲夜にどう説明すればいいのか分からない。
というかどんな風に説明してもヤバいような気がする。なんとなく。

2。
暇かどうか聞きに来た。だから聞きたい。
でもそんな状況じゃない気がする。
フランまだ寝ぼけてるし。


……うん。
消去法から言っても3しかないよね。
逃げる、うん逃げよう。
問題はどこから逃げるか。
廊下からは咲夜が来る……ってことは


窓しかないわよね。


ふっふっふ……吸血鬼だから日中は外に出れないと思ったアナタ!
ここに私専用、秘密のマジックアイテムがあります!
このバッジを着ければなんと!
日中でも外に出ることができます!

……20秒だけ。

ハァ、誰に話しかけてるんだ私。
闇を閉じ込めてあって、一時的に日光を遮断するだけの装置。
そんなもの、いくらでもあるというのに。



……そろそろ頃合いかしら。


窓をがらっと開ける前に、フランをそこら辺に押しやります。
日光当たったらヤバいからね。
フランの部屋に窓があってよかったわ。
自分から開けることは無いけれど、その、誰か用の入り口だとかなんとか。
そういえばこの前奇妙な魔法使いが美鈴に追い出されてたわね……


っとと、そんなこと考えてる場合じゃない。
咲夜の気配が結構近づいてきてる。


さぁ、スイッチオン!
おっしゃ作動した!
わぁお、前が見えねぇ!

手探りで窓探して……開けて……
あわわ急いでやらないと時間間に合わない。

……開いた!いざ外に……



なんか前方から気配が急接近してくるかと思えば。

いつの間にか対象は目の前にいたりして。

大激突したりして。



強制的に部屋の中に戻されました。
頭がぐわんぐわんする。
いってえ。
メッチャいってえ。

誰かと思ったら、美鈴……あなた……

がちゃ、と音がして後ろから咲夜。




ありゃ、チェックメイト。




――――――――――――――――――――




状況説明会。


フランから、どうぞ。


……あ、やっぱりまだ何も把握できてない?
とりあえず、気づいたら私と美鈴が頭抑えてて、咲夜が部屋にいた。
そんな感じね?




では、美鈴。
なんだかフランの部屋から叫び声が聞こえて、窓から侵入したと。
侵入、というか突撃ね。
で、まさか窓の前に誰かいるとは思わなかったと。
まぁ、そりゃそうよね。
窓から入ってくるのは、ちょっと非常識だったかもしれないけどね。




最後に、咲夜。
同じく、フランの部屋から叫び声がしたので駆けつけたと。
入ってみたら……フランの説明のときと同じね。
で、私が何故叫んでいたか知りたいわけね。




はい。
なんて説明すればいいのかな。
私はフランに、最近暇?って聞きたかっただけ。
叫んでたのは……そうね、恋愛のせいかしらね。
出来なくて。
全然うまくいかなくて。

あれ?やっぱり意味わかんない?
まぁ、自分でも分かってないから、他人に理解してもらうのも無理な話か。
せっかくだから、相談があるの。




最近、メッチャ暇なんだけど。




いやほら、打ち明けちゃうけど、すっっっっっごく暇なんだよね、最近。
もはやニートといっていいくらいやること無いし。
暇だし。
暇だし。
ちょー暇だし。
暇なせいで暇だから、暇なのよ。
……分かる?



なんだかみんな楽しそうでいいなぁ。
美鈴もなんで毎日に充実してるのか分からないし。
フランも地味に楽しんでそうだし。
咲夜は元から仕事あるし。


みんなだけずるい。




……ちょ、何でみんな笑うの?

え、今の状況?
まぁ確かに、ある意味楽しいけど……
みんなで話するのって、久しぶりだったわね。
……そうね、家族って感じよね。
家族。
なんだかいい響き。
やっぱり、他の人と関わること、それが大事。
だから私も博麗神社に通ってたわけだし。

なるほど、関わりさえあればいいのか。
納得納得。
確かに、暇じゃなくなるわな。


私は、孤独に生き過ぎてた。
今となっては、そうなる理由になる必要はまったくない。
そう分かってたからこそ、性格も変わってきたような気がしたのに。
また逆戻りしちゃって。
あきれるわね、ほんとに。


せっかくだから、円陣組んで、お話しましょ。
時間だってたっぷりあるから。
ほら、咲夜、主人の命令は素直に聞くものよ。
美鈴はやる気マンマンよ?
……あ、美鈴の場合は少し違う?
よく分かんないなあ。

あ、最初に話してほしいことがあるんだけど。いいかしら?


その……


恋愛、について教えてくれない?




――――――――――――――――――――




ふわぁ~。
なんだか眠くなってきちゃった。
あの後じっくりお話しをして、気づけば4時間くらい経っていて。
流石に自室に戻りました。

ベッドにダ~イブ。

楽しかったなぁ。
あんなの、久しぶりだったなぁ。
疲れたなぁ。
疲れたから……やっぱり眠くなってきたなぁ……


恋愛。
説明してもらったけども……もういいや。
執着する必要もなくなったわけだしね。

そうだ、さっき咲夜にも言われた!
恋愛なんて、いつでも出来る!
今を生きよう!


あぁもう眠たくて何も考えられない……


……。




――――――――――――――――――――




ふわぁ。
結局寝ちゃったよ。
今、何時だ?
とりあえず、起きましょう。

……。

……。

……今、思ったけど。


色々あって、納得したことかもしれない。
でも、私。


暇なもんは暇なのよね。


あぁ、なんだか面白いこと無いかなぁ~




あ!そうだ!




いいこと思いついちゃった~♪
と~ってもいい暇つぶし。




用意をしなくちゃね。さて……




私の名前は、レミリア・スカーレット。
夜に君臨する恐怖の象徴。
中身は……ただの暇人、ってか暇吸血鬼。


今日も、暇を潰しにいきましょう。
「パチュリー様!」
「……うるさいわね咲夜。いきなりどうしたの?」
「お、お嬢様の部屋から、このような本が……」
「それ、私があげた本よ。恋愛指南本と、恋愛小説と……もう一冊」
「……パチュリー様、この本は」
「それ以上は言っちゃダメよ」
「いやでもお嬢様が読んじゃあダメな気が」
「大丈夫、部分的に消しといたから。それに、年齢的にはOKよ?年齢的にはね……」

――――――――――――――――――――

どーもみなさんこんにちは、Dark+です。
本作品が3作目となります。どうしてこうなった。
展開が速いのは相変わらずです。

「読んで頂いて、ありがとうございました。」と言えばいいのか。
「読んで頂きましたが、はい、すみませんでした。」と言えばいいのか。
まぁ、読んでみてちょっとでも面白いと感じていただければ嬉しいです。

一作目の感じをレミリアでやってみよう!ってところから勢いで書いちゃった感じ。
途中から迷走し始めて、一度はお蔵入りになりましたが、引っ張り出してきました。いや、僕の書く紅魔館作品はとにかく話が迷いだす。
さすがに次の作品は真面目な奴になるはずです。

多分。



ああ、なんだか、こんな感じのばっか書いてるなぁ……

追記:「博麗」の誤字直しました。いやぁ、作品書いてる途中で気づいて直したんですが、一番最初の方の文章だけ直してなくて……すいません、ありがとうございました。
そして、この作品に点数を入れた下さった皆様、ありがとうございました。励みになります。
せせると
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コメント



0.570簡易評価
3.90奇声を発する程度の能力削除
こういう感じも良いですね
読んでて穏やかな気持ちになれました
4.無評価名前が無い程度の能力削除
博例の誤字でマイナス要素が強いかもしんない
10.30名前が無い程度の能力削除
読むの辛い。
12.70名前が無い程度の能力削除
レイアウトのせいか、かなりスラスラ読めました。
私はPCですが携帯でも読み易いように考慮されてるのかな?
お嬢様の悪戯に振り回される周囲の人物達の様子がコミカルに表現されてますね。
ほのぼのとしており癒されました。

ただし終盤、恋愛に執着する必要はなくなった云々の部分でちょっと共感できなかった事と、冒頭と結末でレミリアの変化が見られないのが物足りなく感じました。
例えば行動やしぐさに成長を感じるようなちょっとした違いがあれば幼い吸血鬼が少し大人になりました的なテーマができて良かったかも。(この辺は完全に私の趣味です)

次回作も楽しみにしています。
14.50愚迂多良童子削除
なるほど、たらしの技術によって、レミリアはカリスマたりえるのか。
16.無評価Dark+削除
>>3
ありがとうございます!こういうコメントは励みになります!
まだまだ未熟ですが頑張っていこうと思います。

>>4
上の追記の通り……
ミスは絶対しないようにしていきたいです。すいませんでした。

>>10
多分、行間が開きすぎってことですよね。友人にも言われました。
この話を一回詰めてみたんですが、全部レミリア視点なので詰めるとなんだかよく分からなくなっちゃって。それで行間をもう一度空けて。
ただ、それでもバランスというものは考えたほうが良いかな、と反省。
これからの作品でこういう感じのものを書くことがあったら、気をつけたいです。

>>12
その通りで、1作目のほうで「携帯からだとこれぐらいの改行の方が読みやすいなと思いました」というコメントがあったのが、行間を空けた主な理由です。
で、ちょっとやりすぎてしまった部分があるのは反省点です。

「冒頭と結末で主人公の心情などが変化している」
これが!やりたかったけど出来なくて、恋愛のところも自分自身で納得いかなくて、一回没にしたんです。あなたとまったく同じ意見。
ただ、後半おおまかに変えて「一応オチはついたな」ってことで納得して、載せました。
まだ未熟だな自分……

たくさん書いて、たくさん試行錯誤して頑張っていきます!次回作も楽しみにしています、という言葉はとても励みになります。ありがとうございました!

>>14
カリスマはブレイクしてようが、してなかろうがおぜう様はかわいいからいいんだ!
咲夜とレミリアの組み合わせは結構好きです。おぜう最高!咲夜最高!

……でも幻想郷で一番かわいいキャラはルーミア。異論は認めない。(蛇足?)


100点を文句無く入れられる。そういう作品が第一目標。
頑張れ、自分。