このSSは東方Projectの二次創作です。
このSSには作者の独自解釈や独自設定、オリジナルキャラクターが登場します。
以上の事が苦手な方は注意してください。
尚このSSでの「「」」の会話は作中ではすべて英語で話しています。
小町「あー今日もいい天気だねぇ。」
そんなことをつぶやきながら人里をブラブラ歩く。
もちろんサボりではなく、ただの休憩である。
とりあえず団子でも食べて一休みしようかと思っていたが何やら広場の方が騒がしい。
暇つぶしにはなるかなと思い、とりあえずのぞくだけのぞいて見る。
早苗「え、えーと・・・マ、マイネーム イズ サナエ・コチヤ」
老爺「「それはいいから、ここはいったいどこなんだ!」」
老婆「「私達は早く家に帰りたいのよ。」」
慧音「うーん。何を言っているのかさっぱり分からん。早苗どうなんだ?」
早苗「すみません。私にも全然分かんないです・・」
なるほど、外国の外来人を見つけたのは良いものの誰も英語が話せない、そんな所か。
仕方がない。あたいが人肌脱ぐとしよう。
小町「「そこのお二人。いったいどこから来たんだい?」」
老爺「「ああ、やっと話が通じた。私達はアメリカから温泉に入りに日本に来たんだ。」」
老婆「「だけど、温泉に行くために山道に入ったら、人が空を飛んでいたり、訳の分からない化け物がいたりもうたくさん。早く家に帰らしてちょうだい。」」
二人共英語が話せる人間(死神だけど)がいた事に安心したようだ。その表情から安心が伺える。
小町「「それは災難だったね。ここは幻想郷。忘れ去られた神々や妖怪や妖精が住む楽園さ。」」
周りの人間達は、あたいが英語が話せることがよっぽど意外だったらしく皆目を丸くしている。
これであたいが普段サボってばかりではないと理解してくれたことだろう。
老爺「「妖怪や妖精だって?そんな物が本当に・・・」」
二人共顔を見合わせ、とてもじゃないが信じられないといった顔で聞いてくる。
小町「「でも、実際に会ったんだろ?普通の人間が空を飛ぶ訳ないだろう。」」
老婆「「それは、そうだけど・・・じゃああなたも人間じゃないの?」」
小町「「いやいや、あたいはただの死神さ。」」
死神と言った瞬間二人を顔が一気に青ざめる。妖怪や妖精も見たこともない外の人間に死神と言う存在は刺激が強すぎたか。
小町「「あーでも安心していいよ。あたいが地獄に連れていくのは死んだ人間だけだからね。幸いあんた達二人はまだ生きてるし死線も出てない。」」
お婆ちゃんなんかもう泣いてるし。仕事とは言え毎度の事嫌われたもんだ。
慧音「すまないが、どういった状況か説明してくれないか?大体予想はつくが・・・」
小町「いやね。温泉入りに来たらこっちに迷い込んだらしくてね。それであたいが死神だって言ったらお婆ちゃん泣きだしっちゃてさ。あんたら神社まで送ってってくんない?一応あたいが説明しとくからさ。」
慧音「私は別に構わないが・・・」
お前はどうなんだ?と慧音が早苗の方を向く。
早苗「私も別に構いませんけど・・・あんまり英語話せませんよ?」
慧音「それでも私よりマシだろう。小町すまないが説明を頼む。」
あいよとだけ返事をして老夫婦の方を向く。さてどう説明したものか・・・
小町「「二人とも、今からこの二人が里外れの神社まで連れて行ってくれる。そこに行けば元いた世界に帰してくれる。送ってくれる二人も神社に居る巫女もれっきとした普通の人間だ。安心していい。」」
説明はしたものの二人共まだ素直には信じられないと言った感じか。こっちも全員普通の人間と嘘をついているから仕方ないと言えば仕方ないのだが。
小町「「信じられないならそれでいいさ。でもここでじっとしてるよりかはマシだと思うけどね。夜になればこの辺も妖怪がうろつきだす。」」
今はまだ昼すぎ。夜が来るにはまだ時間がある。二人は顔を見合わせてヒソヒソ相談している。
老爺「「・・・分かった。連れて行ってくれ。」」
小町「二人とも連れっててくれってさ。」
慧音「わかった。あとはまかせてくれ。」
それでは行きましょうと早苗がもの凄くぎこちない英語で案内している。
さて、あたいは当初の予定どうりに団子でも食べるとしよう。
団子屋の主人がさっきのやり取りを見ていたらしく団子を一本おまけしてくれた。
いいことをした後の団子はいつもよりうまい。
しばらくすると慧音と早苗が戻ってきた。
慧音「さっきはすまなかったな。本当に助かったよ。」
早苗「びっくりしましたよ。英語スラスラ話せるんですもん。どこで覚えたんですか?」
小町「最近は国同士の交流が盛んだからね。自分の担当地区でも死んだ外国人を連れて行けるよう、共通語である英語を覚えることが死神の間で義務図付けられたんだよ。もっとも仕事中に英語を話したのは初めてだけどね。」
早苗「死神も大変なんですね。私なんて学校で習っただけなんで全然です。」
慧音「ということは、いつも魚を売りに来ている死神や閻魔様も英語が話せるのか?」
小町「部署とか関係無しに死神は全員英語なら話せるよ。閻魔様達は最低五カ国覚えるのが義務だからね。本当大変だよ、あの人たちは。」
ちなみに幻想郷には海が無い。そのため海の妖怪である人魚や海坊主は三途の川で生活している。
地獄の閻魔達は三途の川での生活を許す変わりに人魚や海坊主達に三途の川で海の幸を取ることを命じた。
そして集まった海の幸は三途の川から作られた塩と共に死神が人里まで売りに行っている。
ちなみに、どうして川で海の幸が取れるかと言うと川である以上海と繋がっているので問題ないのである。
そして幻想郷では、塩や海の幸は死神から買う以外に手に入れる方法が無いため売り上げは中々だったりする。
早苗「小町さん!今度私にも英語教えてくださいよ。やっぱり幻想郷でもこれからは英語が必要だと思うんです。」
慧音「確かにな・・・これからは外国の外来人が迷いこんでくることも増えるだろう。それに英語が話せたら日本語が話せない妖怪とのコミュニケーションも取りやすくなる。うん・・・悪くないな。どうだ?いっそのこと寺子屋で教師をやらないか?」
早苗「うーん。私は子供の中に混じって勉強というのは、ちょっと・・・」
慧音「いやいや。気にすることはないぞ。私も一生徒として教えを請うつもりだ。」
小町「ちょっと、ちょっと。勝手に話を進めないでよ。一応あたいにも仕事があるしさ・・・」
頼ってくれるのはありがたいが流石に仕事をほっぽりだす訳にはいかない。
早苗「そんなこと言って、顔むちゃくちゃにやけてますよ。」
早苗がジト目でこっちを見てくる。どうやら予想以上に顔に出ていたらしい。
慧音「確かにそうだな・・・死者をあの世に送るというのは輪廻転生に関わる重大な仕事だ、それなのに私と来たら自分の未熟さを棚に上げ他人に無理を・・・」
涙目になりながら慧音がつぶやく。
小町「あーいやいや。そこまで気にしなくていいからさ。」
普段サボってるのにそこまで思いつめられると流石に心が痛い。
早苗「え?でも小町さん今日もサボってたんじゃ」
一言多い小娘には、とりあえずでこピンを食らわせておく。
小町「仕方ない。毎日は無理だけど仕事が休みの時ならやってあげよう。」
慧音「本当か!!!」
よほど嬉しかったのか、慧音に目をキラキラさせながら両肩をつかまれた。
ちなみに早苗は涙目になりながらおでこを押さえていた。
小町「こっちも用意とかあるからさ、またあとで連絡するよ。」
そう言って上機嫌の慧音とおでこが赤い早苗と別れた。
小町「さてさて、どうしたもんかねぇ。」
自分が教師。他人に勉強を教えることに自信がある訳じゃない。むしろ不安だらけだ。
でもせっかく自分を頼ってくれたのだ、ここで引き受けなければ女が廃る。
とりあえず営業所に帰ったら同僚達から教本と単語カードを借りるとしよう。
どうせ皆ほとんど使っていないだろう。ただ絶対に皆にからかわれるだろうなぁ。
四季様はなんていうだろうか?一応閻魔や死神は情が移らないようにと現界との交流は禁じられている。
でも、四季様だって説教しにしょっちゅう現界行ってるし、プリズムリバーのライブを見に行くのに有給使ってる死神や博打しに人里行ってる死神もいるから大した問題じゃないだろう、多分。
他人に教える以上、自分も少し勉強しなおしておこう。間違った事や中途半端な事を教師が教えることはできない。
これからはあたいは小町先生なんだから。
小町先生。うん。悪くない響きだ。自然と笑みがこぼれる。
小町「さーて、これから忙しくなるぞー。」
仕事の合間に教師をするのだ。これからは体力温存のために昼寝の時間を増やすしかない。
これからの出来事に期待半分、不安半分胸に秘めながらお気に入りの昼寝場所であたいは眠りについた・・・
おわり
このSSには作者の独自解釈や独自設定、オリジナルキャラクターが登場します。
以上の事が苦手な方は注意してください。
尚このSSでの「「」」の会話は作中ではすべて英語で話しています。
小町「あー今日もいい天気だねぇ。」
そんなことをつぶやきながら人里をブラブラ歩く。
もちろんサボりではなく、ただの休憩である。
とりあえず団子でも食べて一休みしようかと思っていたが何やら広場の方が騒がしい。
暇つぶしにはなるかなと思い、とりあえずのぞくだけのぞいて見る。
早苗「え、えーと・・・マ、マイネーム イズ サナエ・コチヤ」
老爺「「それはいいから、ここはいったいどこなんだ!」」
老婆「「私達は早く家に帰りたいのよ。」」
慧音「うーん。何を言っているのかさっぱり分からん。早苗どうなんだ?」
早苗「すみません。私にも全然分かんないです・・」
なるほど、外国の外来人を見つけたのは良いものの誰も英語が話せない、そんな所か。
仕方がない。あたいが人肌脱ぐとしよう。
小町「「そこのお二人。いったいどこから来たんだい?」」
老爺「「ああ、やっと話が通じた。私達はアメリカから温泉に入りに日本に来たんだ。」」
老婆「「だけど、温泉に行くために山道に入ったら、人が空を飛んでいたり、訳の分からない化け物がいたりもうたくさん。早く家に帰らしてちょうだい。」」
二人共英語が話せる人間(死神だけど)がいた事に安心したようだ。その表情から安心が伺える。
小町「「それは災難だったね。ここは幻想郷。忘れ去られた神々や妖怪や妖精が住む楽園さ。」」
周りの人間達は、あたいが英語が話せることがよっぽど意外だったらしく皆目を丸くしている。
これであたいが普段サボってばかりではないと理解してくれたことだろう。
老爺「「妖怪や妖精だって?そんな物が本当に・・・」」
二人共顔を見合わせ、とてもじゃないが信じられないといった顔で聞いてくる。
小町「「でも、実際に会ったんだろ?普通の人間が空を飛ぶ訳ないだろう。」」
老婆「「それは、そうだけど・・・じゃああなたも人間じゃないの?」」
小町「「いやいや、あたいはただの死神さ。」」
死神と言った瞬間二人を顔が一気に青ざめる。妖怪や妖精も見たこともない外の人間に死神と言う存在は刺激が強すぎたか。
小町「「あーでも安心していいよ。あたいが地獄に連れていくのは死んだ人間だけだからね。幸いあんた達二人はまだ生きてるし死線も出てない。」」
お婆ちゃんなんかもう泣いてるし。仕事とは言え毎度の事嫌われたもんだ。
慧音「すまないが、どういった状況か説明してくれないか?大体予想はつくが・・・」
小町「いやね。温泉入りに来たらこっちに迷い込んだらしくてね。それであたいが死神だって言ったらお婆ちゃん泣きだしっちゃてさ。あんたら神社まで送ってってくんない?一応あたいが説明しとくからさ。」
慧音「私は別に構わないが・・・」
お前はどうなんだ?と慧音が早苗の方を向く。
早苗「私も別に構いませんけど・・・あんまり英語話せませんよ?」
慧音「それでも私よりマシだろう。小町すまないが説明を頼む。」
あいよとだけ返事をして老夫婦の方を向く。さてどう説明したものか・・・
小町「「二人とも、今からこの二人が里外れの神社まで連れて行ってくれる。そこに行けば元いた世界に帰してくれる。送ってくれる二人も神社に居る巫女もれっきとした普通の人間だ。安心していい。」」
説明はしたものの二人共まだ素直には信じられないと言った感じか。こっちも全員普通の人間と嘘をついているから仕方ないと言えば仕方ないのだが。
小町「「信じられないならそれでいいさ。でもここでじっとしてるよりかはマシだと思うけどね。夜になればこの辺も妖怪がうろつきだす。」」
今はまだ昼すぎ。夜が来るにはまだ時間がある。二人は顔を見合わせてヒソヒソ相談している。
老爺「「・・・分かった。連れて行ってくれ。」」
小町「二人とも連れっててくれってさ。」
慧音「わかった。あとはまかせてくれ。」
それでは行きましょうと早苗がもの凄くぎこちない英語で案内している。
さて、あたいは当初の予定どうりに団子でも食べるとしよう。
団子屋の主人がさっきのやり取りを見ていたらしく団子を一本おまけしてくれた。
いいことをした後の団子はいつもよりうまい。
しばらくすると慧音と早苗が戻ってきた。
慧音「さっきはすまなかったな。本当に助かったよ。」
早苗「びっくりしましたよ。英語スラスラ話せるんですもん。どこで覚えたんですか?」
小町「最近は国同士の交流が盛んだからね。自分の担当地区でも死んだ外国人を連れて行けるよう、共通語である英語を覚えることが死神の間で義務図付けられたんだよ。もっとも仕事中に英語を話したのは初めてだけどね。」
早苗「死神も大変なんですね。私なんて学校で習っただけなんで全然です。」
慧音「ということは、いつも魚を売りに来ている死神や閻魔様も英語が話せるのか?」
小町「部署とか関係無しに死神は全員英語なら話せるよ。閻魔様達は最低五カ国覚えるのが義務だからね。本当大変だよ、あの人たちは。」
ちなみに幻想郷には海が無い。そのため海の妖怪である人魚や海坊主は三途の川で生活している。
地獄の閻魔達は三途の川での生活を許す変わりに人魚や海坊主達に三途の川で海の幸を取ることを命じた。
そして集まった海の幸は三途の川から作られた塩と共に死神が人里まで売りに行っている。
ちなみに、どうして川で海の幸が取れるかと言うと川である以上海と繋がっているので問題ないのである。
そして幻想郷では、塩や海の幸は死神から買う以外に手に入れる方法が無いため売り上げは中々だったりする。
早苗「小町さん!今度私にも英語教えてくださいよ。やっぱり幻想郷でもこれからは英語が必要だと思うんです。」
慧音「確かにな・・・これからは外国の外来人が迷いこんでくることも増えるだろう。それに英語が話せたら日本語が話せない妖怪とのコミュニケーションも取りやすくなる。うん・・・悪くないな。どうだ?いっそのこと寺子屋で教師をやらないか?」
早苗「うーん。私は子供の中に混じって勉強というのは、ちょっと・・・」
慧音「いやいや。気にすることはないぞ。私も一生徒として教えを請うつもりだ。」
小町「ちょっと、ちょっと。勝手に話を進めないでよ。一応あたいにも仕事があるしさ・・・」
頼ってくれるのはありがたいが流石に仕事をほっぽりだす訳にはいかない。
早苗「そんなこと言って、顔むちゃくちゃにやけてますよ。」
早苗がジト目でこっちを見てくる。どうやら予想以上に顔に出ていたらしい。
慧音「確かにそうだな・・・死者をあの世に送るというのは輪廻転生に関わる重大な仕事だ、それなのに私と来たら自分の未熟さを棚に上げ他人に無理を・・・」
涙目になりながら慧音がつぶやく。
小町「あーいやいや。そこまで気にしなくていいからさ。」
普段サボってるのにそこまで思いつめられると流石に心が痛い。
早苗「え?でも小町さん今日もサボってたんじゃ」
一言多い小娘には、とりあえずでこピンを食らわせておく。
小町「仕方ない。毎日は無理だけど仕事が休みの時ならやってあげよう。」
慧音「本当か!!!」
よほど嬉しかったのか、慧音に目をキラキラさせながら両肩をつかまれた。
ちなみに早苗は涙目になりながらおでこを押さえていた。
小町「こっちも用意とかあるからさ、またあとで連絡するよ。」
そう言って上機嫌の慧音とおでこが赤い早苗と別れた。
小町「さてさて、どうしたもんかねぇ。」
自分が教師。他人に勉強を教えることに自信がある訳じゃない。むしろ不安だらけだ。
でもせっかく自分を頼ってくれたのだ、ここで引き受けなければ女が廃る。
とりあえず営業所に帰ったら同僚達から教本と単語カードを借りるとしよう。
どうせ皆ほとんど使っていないだろう。ただ絶対に皆にからかわれるだろうなぁ。
四季様はなんていうだろうか?一応閻魔や死神は情が移らないようにと現界との交流は禁じられている。
でも、四季様だって説教しにしょっちゅう現界行ってるし、プリズムリバーのライブを見に行くのに有給使ってる死神や博打しに人里行ってる死神もいるから大した問題じゃないだろう、多分。
他人に教える以上、自分も少し勉強しなおしておこう。間違った事や中途半端な事を教師が教えることはできない。
これからはあたいは小町先生なんだから。
小町先生。うん。悪くない響きだ。自然と笑みがこぼれる。
小町「さーて、これから忙しくなるぞー。」
仕事の合間に教師をするのだ。これからは体力温存のために昼寝の時間を増やすしかない。
これからの出来事に期待半分、不安半分胸に秘めながらお気に入りの昼寝場所であたいは眠りについた・・・
おわり
世知辛いっすなぁ。