ヨウムは立ち上がり、走った。走って走って走って、いつしか滴る汗で
上半身はぐっしょりといつもの緑色の衣服が張り付いた。
下半身は偶然ふんどしのみだったので、走るにはちょうどよかったのかもしれない。
尻に食い込む白い布が、走る動作によって右の尻、左の尻と交互に寄せるしりの肉によって
こすれ、ヨウムの張りのある丸い尻は白から桃色へとその色を変えていった。
一時間ほども走っただろうか。太陽は空の真上に燦燦と照りつけている。
ヨウムは楢の巨木の下で涼むことにした。
シャムッ・・ シャムッ・・歩を進めるごとに足の形に土が沈み、足を上げるとゆっくりと
元の高さに戻った。ヨウムの尻はやわらかい。汗ばんで紅潮したのも手伝い、
さながらみずみずしい桃であった。巨木の周りの腐葉土は、この炎天下にあっても
湿ったままだ。ヨウムはその木陰の下で、たったまま両膝に手のひらを突いた。
ふっと駆け抜ける川からの涼しい風。灼熱の日光からの逃避という安堵感。
そしてヨウムのぷるんとした尻。
完
とはいえ、なかなか前衛的な空想の文章具現化だと思いました。
特に最後の一文はなんか判らんけど良い。
ちょっとした清涼感を覚えてしまった事に対して若干納得のいかない自分もいるんですけどね。
しかしホント何だろうこの爽快さ。
不愉快なような清々しいような…。
あなたの作品は見ないように気を付けます。