うー便所いくのめんどくせえー
外で見せる清楚な透明感ある声からは想像も出来ない低い嗄れ声が
白んだ朝の生命を包み込む全世界の無数の布団のひとつから漏れ出た。
時刻は朝4時。豆腐屋さんくらいしか仕事を始めていない。
この時間に目が覚めるということは、それは本格的な覚醒ではなく、
生理現象にオトシマエを付けるべくスクランブルな出撃命令が膀胱から
発信された結果なのだ。
覚悟をきめて起きることにした。すっ!と息を吸って気合を入れる。
・・・が、実際に放たれた音声は「じゅるっ」であった。
よだれをたらしながら寝ていたようだ。
それに気づくと、嗅覚のスイッチがオンになったようにチーズ臭が
鼻を突いた。
枕元にあるティッシュを取ろうと右手を頭上に伸ばす。後もう少し、
あともうすこし・・届かない。精神力の脆弱なものに特有の
うまくいかない→焦燥→怒りというわかりやすい精神変化が彼女の
なかで展開され、「ウッ!!!」と勢いを付けて手を上に振った。
わさっ・・・・
? 頬にサテンの布のような摩擦係数の少ないものが触れた。
眠くてまだうまくあかない眼をこじ開けて見ると、それは
腋に盛大に生い茂るシダ植物の宝庫であった。この長さになるまで放って
おいたのだ。日中の社会活動でこの立派な筆を目にしたものは
一人や二人ではあるまい。
ねむい・・・・
よだれをふかなきゃ・・・・・
ねむい・・・・・・
終わったら腋毛を剃って・・・
終わったらって、何をだっけ・・・・
「ぐーっ ぐーっ」
鼾をかいてまた眠ってしまった。こうしてこの巫女は
敷布団を刺激臭を伴う液体で満たし、なぜか肛門を覆う布に
ふくらみまで作るに至った。月の異変を、八雲紫と連れ立って解決しに行く
2日前の早朝の出来事である。
完
常識一つまともに躾られないアホな親に育てられただけ。
あなたの作品が歓迎されていないのはレートや他のコメントからも明らかです。
次に投稿する際にはその理由をよくお考えになって、場にふさわしい作品にすることを心がけてみてはいかがでしょうか。