Coolier - 新生・東方創想話

最速新聞事情

2011/05/30 23:30:57
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私は射命丸文、幻想郷最速の烏天狗である。
どれくらい最速というと、鬼が杯を空ける速度を1最速とすると、なんと29最速になるのである。尚、ここでヒャッハー鬼共の29倍の速さだぜーあいつらなんて目じゃねー!とは微塵も思ってない事を付け加えておく。

とにかく、私は幻想郷最速なのである。砕けた言い方をすれば、幻想郷に住まう人妖の中で最も速い、ということだ。つまり、私イズナンバーワン。なんと素晴らしい響きであることか。
この喜びを表現しようと風を巻き起こしたら、椛と河童と将棋盤が吹き飛んでいくのが見えたが気にしない。幻想郷最速は細かいことを気にもとめないのである。
さて、幻想郷最速である私だが、実は少々困っていることがある。それは、文々。新聞のネタのことだ。
白状してしまうと、最早私が刊行している文々。新聞は皆に飽きられている。それもこれもネタが切れて記事がマンネリ化しているからだ。寿司屋ならば魚を釣ればいいが、新聞のネタは海を自由気ままに泳いでいる訳ではない。そもそも幻想郷には海が無い。
閑話休題。

とにかく、ネタが無いのである。今は貧乏巫女の食事事情でなんとか記事を保たせているが、それにも限界がある。ここで新たなネタを発見しなければ、文々。新聞は妖怪の山の藻屑となって消えるだろう。山なのに藻屑とか無いわー。
閑話休題。

つまり、文々。新聞を継続して発行するには新たなネタを見つけなければならない。そのためには、今まで考え付かなかったような新境地を開かなくてはならないのだ。
私は考える。幻想郷最速である私が書くべき文面を。
出来れば、私だけにしか書けない記事、と言ったオリジナリティを出したい。他の有象無象の新聞とは一線を画す新聞を作りたいのだ。そこまで考えて、私の脳内に閃くものがあった。
なんという、悪魔的思い付きだろうか。
幻想郷最速である私でなければ困難であり、尚且つ購読者の度肝をぬくネタ。

それは………パンチラである。

そうと決まれば早速行動に移らねば。私は全速で妖怪の山を後にした。その余波で厄神が回転しながら吹き飛び、椛と河童の将棋盤に直撃していたのが見えたが気にしない。幻想郷最速は些細なことにこだわらないのである。




所変わって紅魔館。ここには中々のパンチラ要員が存在している。
まず、門番の紅美鈴。彼女の服装はエキゾチックな大陸風で、スリットから覗く生足が艶めかしい。常日頃からチラリズムを周りに振りまいているだけに、パンチラ要員としては外せないだろう。
次に、パチュリー・ノーレッジ。普段から引きこもっている彼女は、写真に写ること自体が希少である。それがパンチラ写真ともなればなおさらだ。さらには、普段の仏頂面が赤面し、羞恥に歪むところをフィルムに収めることが出来れば言うことは無い。
そして、十六咲夜である。瀟洒な彼女が慌ててスカートを押さえる姿はまさに垂涎だと推測できる。問題は、時を止めて決定的瞬間を逃す事であるが、そこをなんとかするのが私の役目だろう。
ん?当主にその妹はどうした?お子様ドロワに興味は無い。
そうと決まれば早速行動に移るとしよう。この決断の速さも幻想郷最速たる所以である。………すいません嘘です。

とにもかくにも、とりあえずは突撃する。
紅魔館に向かって一直線に飛ぶ。今の私はまさに一筋の彗星、ブレイジングスターだ。真似するな、どこかから聞こえてきそうだが、本家本元がパクリ魔なので問題無いだろう。
そうこうしている内に紅魔館が見えてきた。遠目から確認するに、紅美鈴は今日はシエスタしていないようだ。
速度を落とさず飛ぶ。紅美鈴はこちらに気付いたのか、構えを取りつつ声をあげる。
「止まりなさい!止まらないのならば侵入者とみなし応戦します!」
愚問だ。止まれと言われて止まる奴がどこにいるというのか。……まぁ、私は止まるのだが。
紅美鈴と接触する直前で急停止。そして、勢いを殺しきれなかった風が紅美鈴に吹き付ける。結果、
「え!?ってきゃあっ!!」
………魅惑の桃源郷が私の目の前に顕現した。
スリットが風であおられ、露わになる太ももとパンツ。慌てて隠そうとする紅美鈴。・・・遅いっ!!
パシャリ
紅美鈴に桃源郷を隠される寸前、私はシャッターを切った。
そう、これこそが幻想郷最速である私がパンチラと閃いた理由である。
幻想郷最速である私は反射神経も最速だ。つまり、被写体が自らのパンチラに気付き、慌てて隠そうとするその刹那。赤面する顔とパンツ。この二つをフィルムに収めることが出来るのだ。
速すぎては恥じらいの表情を逃し、遅すぎてはパンツを逃す。二つが同居する奇跡の一瞬。その一瞬を、私は捉えることが出来る。幻想郷最速だからこそだ。
と、いう訳で、今私の手元のカメラには紅美鈴の嬉し恥ずかしパンチラ写真が収まっている。我ながら会心の出来だ。と、
「な、な、な………!」
紅美鈴は顔を真っ赤にしてこちらを涙目で見つめている。………ふむ。
パシャリ
よし、本来の趣旨とは異なるが、これも中々の一枚だ。ついでに新聞にのs「なにしてくれるんですかぁ!!」
ドッゴォォォォォォッッ!!
吹き飛ぶ。衝撃で目がチカチカした。
不覚だ。いくら自分の写真の腕に惚れ惚れしていたとはいえ、先ほどの一撃を避けられないとは。しかしまぁ、好都合だ。
吹き飛ばされたまま、風を吹かせる。
「あ、こらちょっと!待ちなさいっ!!」
愚問だ。待てと言われて待つ奴がどこにいるというのか。……今回は本当に待たない。
風に乗り、一気に加速する。今日のところは一時撤退としよう。ちらりと紅魔館に目をやると、追いかけようとしたのか空に浮かんだ紅美鈴が、私を追いかけてきてまたしても風の余波に吹き飛ばされたらしい椛と激突し墜落したのが見えたが気にしない。幻想郷最速は小さなことを気にしないのである。





さて。自宅で一人ごちる。
今日の収穫は二枚。紅美鈴のパンチラ写真と、赤面涙目写真である。早速これをネタに新聞を作成する。

少女執筆中……

……完成。我ながらいい出来だ。これは購読者の反応が楽しみでならない。
今回のこの新聞の評判が良ければ、またパンチラ写真で記事を書こう。そのためには、再び紅魔館に向かわなくてはならない。
しかし、なにを恐れることがあろうか。私は幻想郷最速の烏天狗、射命丸文だ。ネタのためならたとえ火の中水の中草の中森の中、土の中雲の中あの子のスカートの中である。
どんな障害があっても、私のパパラッチ魂を阻むことは出来ない。邪魔するものがあれば、吹き飛ばし、パンチラ写真を撮るのみだ。
私は決意を新たにしつつ、出来上がった新聞を配るために家を飛び出したのだった。
どうも、タンタンという名の罪袋です。
夢で文ちゃんのパンチラを見ました。そうしたら何故かこうなりました。

こんな駄文に付き合っていただきありがとうございます。願わくば、皆様によいパンチラが訪れますように。
タンタン
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コメント



0.350簡易評価
4.80名前が無い程度の能力削除
もっとパンチラお願いします。
6.90奇声を発する程度の能力削除
こんな記事だらけの新聞なら超読みたい
7.80愚迂多良童子削除
いかがわしいわw
なんとなく、他のキャラの場合も見てみたい気もする。
11.60名前が無い程度の能力削除
これ敵が増えるだけだよなあ
16.無評価名前が無い程度の能力削除
文が嫌われ者確定なのは議論の余地ありなので置いておいて……

>十六咲夜
これはちょっと……