妹紅は今日も服をボロボロにして帰ってきた
「妹紅。少しは縫う私の身にもなってくれ」
上白沢慧音は半ば怒りながら彼女の服を修繕している
ちくちくと針で服を縫っている姿を妹紅は見ている
どうやら裁縫が終ったようだ、服を畳みながら文句を言っている
「ほら、出来たぞ。まったく、いつも破いてくるんだから」
「はは。ありがと、慧音」
「もう服は破らないようにすること、分かったな」
慧音は布団に入りつつ少しばかり不機嫌そうに言った
「分かったよ。おやすみ」
そして次の日の朝
「それじゃあ行ってくる、慧音」
「妹紅、今日も行くのか?気を付けろよ」
「気を付けなくてもどうせ私は死なないよ」
と言い妹紅はひらひらと手を振って外に出ていった
藤原妹紅―――彼女は不老不死、今は蓬莱人。元人間だ
彼女は今上白沢慧音の家で生活している
「体は良いが破れた服を縫うのは私なんだがな…」
妹紅が去った後慧音は一人ごちていた
-----------------------
妹紅はいつもどうり竹林へやってきていた
そこには二人の女性が居る
「輝夜、今日こそお前を殺してやる!」
「あら。たかが人間にそんなこと出来るかしらね」
「つべこべ言わずにやるぞ!」
そういうと妹紅は黒髪の少女の元へ飛んでいった
蓬莱山輝夜、八意永琳。彼女達もやはり蓬莱人。不老不死だった
その中の二人は昔から顔を合わせれば殺し合いをしている
なぜそんな不毛な争いをしているか―――それは二人にしか分からない
「ほら、どうしたの?今日は動きが鈍いわね」
「うるさい、今日はちょっと調子がわるいんだ!」
そういうと妹紅はスペカを取り出した
「不死『火の鳥 -鳳凰天昇-』」
そのスペカに輝夜も答える
「もういい加減見飽きたわそれは。 神宝『ブリリアントドラゴン』」
妹紅のスペカは避けられ輝夜のスペカが妹紅に襲いかかる
しかし妹紅は笑っていた
「―――『今日こそ殺す』って言ったろ?」
妹紅は更にスペカを掻い潜り『直接』殴りに行った
「今日は私の勝ちだな!輝夜」
だが輝夜は微動だにしない
「はぁ…甘いわね 難題『仏の御石の鉢 -砕けぬ意思-』」
輝夜は突如もう一枚スペカを取り出すと発動をさせる
それは妹紅の頭にぶつかり鮮血が飛び散り妹紅は地に落ちていった
「今日も私の勝ちね~。永琳、帰りましょ」
「はい、姫様」
頭をかち割られ地に臥せる妹紅は動くことも言葉を返すこともできなかった
-----------------
そして夜。
「妹紅今日は遅いなぁ…」
いつもは夕方には毎回ボロボロの姿で帰って来ていた要はこんなに帰りが夜遅くになることはなかったのだ
その時外でドサッという音がし、慧音を慟哭させる
「…妹紅か?」
慧音が戸を開けるとそこには八意永琳と倒れた妹紅の姿があった
妹紅の白い髪は血と肉により深紅に染まっている
「確かに届けたわよ、あなたのお姫様」
そういうと永琳はすぐに飛んでいったしまった
慧音はすぐに妹紅の方へ駆け寄り彼女を抱き起こした
「妹紅!大丈夫か!?」
もぞもぞと動く辺りまだまだ大丈夫そう
「あー慧音?体は大丈夫だけど…また服ボロボロにしちゃった」
そう言われ慧音が下を見ると服の白い部分は赤く染まり所々に大穴が空いている
「妹紅…またか」
慧音はそう言うとにっこり微笑み妹紅に頭突きを繰り出した
「むべっ!」
頭突きの音が夜空に響く
その音は二軒先まで聞こえたそうで
-----------------
「妹紅。起きろ」
そのまま気絶していた妹紅は慧音に揺り起こされた
「風呂に入って血を流さなきゃな」
「はいはい」
そして風呂場で血などを落としさっぱりとした妹紅の髪を慧音は梳かしていた
「妹紅の髪は綺麗だな、たまにはいじってみないか?」
「嫌だ」
その長く白い髪には常に火符が結ばれている
只の人間であった妹紅はそれらがないと何も出来ないのだ
「あと髪が大分長いが切らないのか?これの長さはおかしいぞ」
「…この髪は誓いだよ」
そのまま妹紅は言葉を続けた
「あの時誓ったんだ。目的を達成するまで髪は切らないってね」
妹紅は真面目な顔つきで答えていた
「そうか、なら良いんだ……」
しばしの沈黙が流れた
「終わったぞ、妹紅」
「ん、ありがと。じゃあ寝ようか」
だが布団に入ろうとした妹紅を慧音が止める
「なぁ……只の人間に戻りたいとは思わないのか?」
妹紅は少しのあいだ考えてこう答えた
「昔はちょっと思ったさ。そして家を没落させ、自分をこんな体にした輝夜を憎んで憎んで憎みきった」
更に言葉を続ける
「でもな、ずっと生きてたからなんでこんな事になったのかも考えられたしあの時のことも少しは分かった…でも何よりも慧音に会えたからな。今は後悔してないよ
妹紅は照れくさそうに笑いながら話していた
「さて、もう寝よう慧音。もう遅い」
そう言うと少し赤くなった顔を隠すようにすぐ布団に潜り寝てしまった妹紅に聞こえぬように慧音は呟いた
「いつかは笑ってすごせるように...な」
---------
「おや?今日は行かないのか、妹紅」
「昨日言っただろ、少しはあいつのことがわかったって。」
妹紅は手を腰に当て言葉を続ける
「だからさ、昔をグダグダいうより今のことを考えたほうが良いかな…って」
「そうか…ならこれからは村の仕事も手伝ってもらおうかな。」
「はは、何でも来い!ってね」
それから妹紅は妖怪が村に来ないよう監視したり竹林をパトロールするという仕事を始めるようになった
「あー…いい天気だ。そいじゃ今日も行きますかね」
そしてそのうちに霊夢達と出会うのはまた別の話…
「妹紅。少しは縫う私の身にもなってくれ」
上白沢慧音は半ば怒りながら彼女の服を修繕している
ちくちくと針で服を縫っている姿を妹紅は見ている
どうやら裁縫が終ったようだ、服を畳みながら文句を言っている
「ほら、出来たぞ。まったく、いつも破いてくるんだから」
「はは。ありがと、慧音」
「もう服は破らないようにすること、分かったな」
慧音は布団に入りつつ少しばかり不機嫌そうに言った
「分かったよ。おやすみ」
そして次の日の朝
「それじゃあ行ってくる、慧音」
「妹紅、今日も行くのか?気を付けろよ」
「気を付けなくてもどうせ私は死なないよ」
と言い妹紅はひらひらと手を振って外に出ていった
藤原妹紅―――彼女は不老不死、今は蓬莱人。元人間だ
彼女は今上白沢慧音の家で生活している
「体は良いが破れた服を縫うのは私なんだがな…」
妹紅が去った後慧音は一人ごちていた
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妹紅はいつもどうり竹林へやってきていた
そこには二人の女性が居る
「輝夜、今日こそお前を殺してやる!」
「あら。たかが人間にそんなこと出来るかしらね」
「つべこべ言わずにやるぞ!」
そういうと妹紅は黒髪の少女の元へ飛んでいった
蓬莱山輝夜、八意永琳。彼女達もやはり蓬莱人。不老不死だった
その中の二人は昔から顔を合わせれば殺し合いをしている
なぜそんな不毛な争いをしているか―――それは二人にしか分からない
「ほら、どうしたの?今日は動きが鈍いわね」
「うるさい、今日はちょっと調子がわるいんだ!」
そういうと妹紅はスペカを取り出した
「不死『火の鳥 -鳳凰天昇-』」
そのスペカに輝夜も答える
「もういい加減見飽きたわそれは。 神宝『ブリリアントドラゴン』」
妹紅のスペカは避けられ輝夜のスペカが妹紅に襲いかかる
しかし妹紅は笑っていた
「―――『今日こそ殺す』って言ったろ?」
妹紅は更にスペカを掻い潜り『直接』殴りに行った
「今日は私の勝ちだな!輝夜」
だが輝夜は微動だにしない
「はぁ…甘いわね 難題『仏の御石の鉢 -砕けぬ意思-』」
輝夜は突如もう一枚スペカを取り出すと発動をさせる
それは妹紅の頭にぶつかり鮮血が飛び散り妹紅は地に落ちていった
「今日も私の勝ちね~。永琳、帰りましょ」
「はい、姫様」
頭をかち割られ地に臥せる妹紅は動くことも言葉を返すこともできなかった
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そして夜。
「妹紅今日は遅いなぁ…」
いつもは夕方には毎回ボロボロの姿で帰って来ていた要はこんなに帰りが夜遅くになることはなかったのだ
その時外でドサッという音がし、慧音を慟哭させる
「…妹紅か?」
慧音が戸を開けるとそこには八意永琳と倒れた妹紅の姿があった
妹紅の白い髪は血と肉により深紅に染まっている
「確かに届けたわよ、あなたのお姫様」
そういうと永琳はすぐに飛んでいったしまった
慧音はすぐに妹紅の方へ駆け寄り彼女を抱き起こした
「妹紅!大丈夫か!?」
もぞもぞと動く辺りまだまだ大丈夫そう
「あー慧音?体は大丈夫だけど…また服ボロボロにしちゃった」
そう言われ慧音が下を見ると服の白い部分は赤く染まり所々に大穴が空いている
「妹紅…またか」
慧音はそう言うとにっこり微笑み妹紅に頭突きを繰り出した
「むべっ!」
頭突きの音が夜空に響く
その音は二軒先まで聞こえたそうで
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「妹紅。起きろ」
そのまま気絶していた妹紅は慧音に揺り起こされた
「風呂に入って血を流さなきゃな」
「はいはい」
そして風呂場で血などを落としさっぱりとした妹紅の髪を慧音は梳かしていた
「妹紅の髪は綺麗だな、たまにはいじってみないか?」
「嫌だ」
その長く白い髪には常に火符が結ばれている
只の人間であった妹紅はそれらがないと何も出来ないのだ
「あと髪が大分長いが切らないのか?これの長さはおかしいぞ」
「…この髪は誓いだよ」
そのまま妹紅は言葉を続けた
「あの時誓ったんだ。目的を達成するまで髪は切らないってね」
妹紅は真面目な顔つきで答えていた
「そうか、なら良いんだ……」
しばしの沈黙が流れた
「終わったぞ、妹紅」
「ん、ありがと。じゃあ寝ようか」
だが布団に入ろうとした妹紅を慧音が止める
「なぁ……只の人間に戻りたいとは思わないのか?」
妹紅は少しのあいだ考えてこう答えた
「昔はちょっと思ったさ。そして家を没落させ、自分をこんな体にした輝夜を憎んで憎んで憎みきった」
更に言葉を続ける
「でもな、ずっと生きてたからなんでこんな事になったのかも考えられたしあの時のことも少しは分かった…でも何よりも慧音に会えたからな。今は後悔してないよ
妹紅は照れくさそうに笑いながら話していた
「さて、もう寝よう慧音。もう遅い」
そう言うと少し赤くなった顔を隠すようにすぐ布団に潜り寝てしまった妹紅に聞こえぬように慧音は呟いた
「いつかは笑ってすごせるように...な」
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「おや?今日は行かないのか、妹紅」
「昨日言っただろ、少しはあいつのことがわかったって。」
妹紅は手を腰に当て言葉を続ける
「だからさ、昔をグダグダいうより今のことを考えたほうが良いかな…って」
「そうか…ならこれからは村の仕事も手伝ってもらおうかな。」
「はは、何でも来い!ってね」
それから妹紅は妖怪が村に来ないよう監視したり竹林をパトロールするという仕事を始めるようになった
「あー…いい天気だ。そいじゃ今日も行きますかね」
そしてそのうちに霊夢達と出会うのはまた別の話…
でも何か物足りない感じでした。次に期待します
生きがいを見つけるというのは素晴らしいことですよね。たとえ阿僧祇の歳月が過ぎてしまうとも、何か一所懸命に(あるいは一生懸命に)打ち込めることがあるというのは、救われる心地がするようなものでしょう。若干、展開が急で驚かされた部分はありましたが、とまれ面白いかったです。またお会いしましょう。
では。
ゲームに出てくるNPCの会話を聞いているような感じでした
ただ、ちょっとあっさりかな~。
よくある内容で面白みに欠けるというか、もっと妹紅と慧音の関係を掘り下げて欲しかった。
次回作に期待します!
久しぶりに書いたのでどうなるかと思いましたがそこまでひどい評価は頂きませんでしたね…
話に少しホロッと来てくださったかたはありがとうございます
キャラに躍動感が無い…のはどうにかしたいですね。