「はいどーも、皆さんこんにちはー!
本業は新聞記者なのになぜか司会役が板についてこういう機会であれば大抵司会役に抜擢されること射命丸文でーす!」
「はいこんにちは。私も似たような境遇なんでしょうかね。解説の稗田阿求です。どうぞよろしく。」
彼女らの後ろには大きなディスプレイが。その画面の中には大きな「クイズ!サトオネア!」という文字が躍っている。
開場も全体的に照明を大胆に使い、賑やかである。
「さて、今回のSSn」
「あきゅーんちょっぷ!」
画面が乱れましたが、お気になさらずに。
「さーて、今回の番組の題名にも書かれており、問題の出題者である、古明地さとりさんの登場です!」
彼女たちから少し離れたところにある、七色に光る扉の奥から、小さなシルエットが浮かぶ。
その両サイドからスモークが吹き出し、それが晴れたとき、ついに彼女の姿があらわになった。
「こんにちは。古明地さとりです。どうぞよろしく。後、トイレ行きたいなら解答者登場の後にCM入りますからその時に行ったほうがいいですよ、文さん。」
「ちょっと!いきなり爆弾発言をしないで下さい!これは文字に乗せて読者の皆さんにm」
「さとりんちょっぷ!」
映像が乱れましたが、よそ見をしてください。
「地上波に乗せて視聴者の皆さんに見られるんですからね!だからホントにやめてください!」
「ではさとりさん。今回のSSはどんなネタなんd」
「あきゅーんちょっぷ!」
「さとりんちょっぷ!」
「「二人合わせてー」」
「ツインクロス!」「ダブルクラッシュ!」
ててーん、という効果音が似合いそうな微笑ましい光景であった。
最後以外コンビネーションがピッタリのつっこみに、観客は惜しみない拍手を送る。
「ではさとりさん。今回のクイズ番組はどんなコンセプトなんですか?」
「あなたには、あれ何だっけ?ほら、あれ。あー!喉まで出かかってんのにー!っていう経験はないかしら。」
「無いですね。」
「阿求さん、あなたは特殊なんです。ええ、よくありますねえ。」
「今回は、そんな感じの問題をたくさん出題するわ。
わたしが解答者たちの奥深くに仕舞われた記憶を読み解き、クイズにするの。
もちろん、記憶にあることしか問題に出さないから完全に答えられないということはないわ。」
「おお!さすがさとりさん。これは解答者たちも堪らないでしょう。では、その解答者達の登場と行きましょうか!さあ、どうぞ!」
さとりが出てきた扉と同じところに、今度は4人の影がうつる。
そして、そこから登場したのは…
「全てを勘で乗り越え、多くを救った英雄!ラッキーガールこと博霊霊夢!!」
「優勝賞金はいくらかしら?」
「彼女のレーザーと努力は絶えることがない!非凡な普通の魔女、霧雨魔理沙!!」
「おー!まばゆいなー。なんか照れるぜ。」
「摩訶不思議空間紅魔館を統制しきる女!パーフェクトメイド長、十六夜咲夜!!」
「どうぞよろしくお願いしますわ。」
「現在絶賛活躍の場を拡大中!ミラクル現人神、東風谷早苗!!」
「こんにちはー!見えますかー!私しっかり映ってますかー!」
いつもの人間組であった。
「さて、こうして解答者たちの顔ぶれがそろったわけですが、どうなんですか阿求さん。」
「実はですね、事前にペーパーテストを行っていまして、その結果をもとにして彼女たちは選ばれたんですよ。」
「ほほう!つまり、選ばれし精鋭というわけですね!」
(一部無い)胸を張る4人。誇らしげである。
「いえ、そういう訳ではなく、番組を面白くするために正答率が50%に近い4人を選んだんですけどね。」
「あやや、そうなんですか…。じゃあ、選ばれなかった人はとても出来が良かったか悪かったかって感じですね。」
胸勢、いや虚勢が崩れていく瞬間であった。とくに咲夜の落ち込みっぷりが豪快だったとさとりは後程語った。
「さてところで、早苗さんなんかはこっちに来て日が浅いから、紅魔異変とか体験してないから不利なんじゃないですか?」
「大丈夫です!私、全作品全難易度グッドエンディング見ましたから!」
「えーと、早苗さん?作品とか難易度ってはたしてなんのことをおっしゃってるんですか?」
「大丈夫よ。ちゃんと全員の記憶にある事から出題するから。」
「ああ、さっきそんなことを言ってましたね。」
「文さんって結構鳥頭なんですか?もしかして50%を下回ったグループでは…」
「やめて!心へのダメージはやめて!」
「では、わたしは問題のために彼女たちの心を読むんで、CM入れてください。はいそれでは皆さん、リラックスしてー、雑念を除いてー。
あ、スタッフの誰か女子便所一つ確保してくださいね、彼女のために。」
「だからそういう発言はやめろって言ったじゃないですかぁ!!!」
「文さん、あんたCMに出て自分の新聞宣伝するって言ってたじゃないですか、しょんべん垂れてる場合じゃないですよー」
「椛ィ!スタッフのくせに出てくるんじゃねえ!あと下ネタ禁止!」
「それじゃ、私が求聞史紀の宣伝をしとくんで、行っていいですよー。」
「ごめんありがと!すぐ戻るからねー」
「文さーん、準備終わりましたよ。もう問題出題できますよー。始めましょうよ。」
「心の代わりに空気を読んでっ!」
「それでは第一問、行ってみましょう!」
「それでは東方文花帖からの出題です。」
「おお、私の作品ですね。本ですか?ゲームのほうですか?」
「ゲームのほうですね。
さて、譫妄「イントゥデリリウム」というスぺカが同作品にありますが…」
解答者たちは(え、そんなのあったっけ。いやあったはずだ。あれ?それじゃ誰のスペカだ?)といった顔をする。
「その時に流れている音楽名を答えて下さい!」
困惑する霊夢。頭をひねる魔理沙。目をつむる咲夜。考える人のポーズをとる早苗。
反応は千差万別だが、悩んでいるというのは共通であった。
「ああ、ありましたねえ、そんなスペカ。」
「手帳を見ながら、いかにも『私知ってましたよ』といった顔をするのはやめてください。」
「私の前でははったりは無意味ですよ。」
「さて、第一問にしては難しくありませんかねぇ。」
「話を逸らしましたね。そうですね、でもこの曲名の英語部分は単純な単語ですし、曲名自体は特徴的ですからね。」
「あと、どうやら皆さんの思考によると、スペカを覚えてないのは最初のほうだったからだと考えて、前半の曲に狙いを絞っていますね。」
「見事な解説、二人ともありがとうございます。それでは解答のほうを見ましょう。どうぞ!」
霊夢 ≪風の循環 ~ Wind Tour≫
「残念ですね、それは前半過ぎましたね。」
「え、うそ!」
「というか、霊夢さんはこの問題のやつを、誰のスペカだと思ったんですか?」
「うーん、レティかチルノとか?あいつらのスペカ片仮名でしょ。」
「あーあ、あそこの観客席のお人形さん、すねてますよー。」
「というかチルノやレティに譫妄なんて言葉似合わないですね。」
「それでは魔理沙さんはどうなんでしょう…」
魔理沙 ≪天狗様が見ている ~ Black Wing≫
「嬉しいですねー、様付けなんて。」
「なんかの小説かアニメと間違えてませんか?」
「あと確かに天狗の羽は黒いですけどねえ。」
「え!?違うのか?」
「次いってみましょー!」
咲夜 ≪天狗が見ている ~ Black Eye≫
「おお!流石咲夜さん、正か」
「違いますよ」「間違いですね」
「「嘘ぉ!」」
文だけでなく咲夜本人も驚く。
「文さん、あなたは一つ目小僧か何かなんですか?」
「はあ、いったい何を…あ!これは咲夜さん惜しいですねー。」
「あー、放心してますね。彼女だけ時が止まっていますが、これは能力とは別でしょうね。」
「詰めが甘いところを見せたくなかったんでしょうね。」
「最後に、はたしてこの問題に正解者は出るのでしょうか?最後の希望、早苗さんの解答をどうぞ!」
早苗 ≪東の夜の眠らない国≫
「…。」
「…。」
「…。」
(…どやっ)
「貴女に最後の希望なんか託したのが間違いでした。」
「いや、答えが思いつかなかったらネタ解答をするのは当然のことですよ!」
「ああ、そうきましたか。」
「早苗さん、正しくは『東の国の眠らない夜』ですよ。」
「ああ、素だったんですね。」
「…え、ほんと!?…いやこれもネタです!」
「だから私の前でははったりは(ry」
「気を取り直して第二問!」
「それでは、「綱降幻権神臨飯現」を並び替えてスペカにして下さい!」
またしても皆膠着状態になった。
早苗なんかは(神奈子様、この声は届いていますか、どうか答えを…え、ダメ?正々堂々しろって?)などとやっている。
「うわあ、これはなかなか難しいというか、いやらしいというか…」
「アナグラムですね。しかも漢字だけ。」
「宗教っぽい言葉なので、熟語でペアを作れないのがつらそうですね。」
「それでは解答を見ていきましょう!どうぞー!」
霊夢 ≪幻神「飯綱権現降臨」≫
「おおっと、これは!どうなんですか?」
「正解です。おめでとうございます。」
「ここで正解来ましたー!この難問を制したのは霊夢!!」
「おや、魔理沙さんと咲夜さんがやばいといった顔をしていますね~。」
「ところで霊夢さん、やはり飯綱権現をご存じで?」
「いいや、勘よ。」
「ですよねー。では次行ってみましょう!」
魔理沙 ≪権現「幻綱飯神降臨」≫
「まあ、彼女なりに頑張ったんでしょう。」
「魔理沙さん、幻綱飯神って何を奉っている神様なんですかー?」
「うっ、うるさい!次行け、次!」
「強く言われたのでそれでは…」
咲夜 ≪降臨「現幻飯権綱神」≫
「すごい壮大な神様が誕生しましたね。」
「文さん、彼女にはそっとしてあげて下さい。彼女の心を壊さないためにも。」
「…なんか不公平だぜ。」
「では、最後に、期待はしていませんがどうぞ!」
早苗 ≪綱幻権飯「現人神降臨」≫
「…うわぁ」
「…うわぁ」
「…うわぁ、さすがにネタに走り過ぎです。」
「というかどこから“人”の文字を持ってきたんですか。」
「「」の左側のとってつけた感がある文字の並びに哀愁を感じますね。」
「というか、巫女としてこれはどうなんですか。」
「詳しくは巫女じゃないんで問題ないです!」
「きっと今頃頭を抱えている神様が2人いることでしょう。では次の問題に行きましょう!」
「それでは次は花映塚からの問題です。花映塚ではボスアタックの時、人に応じてそれぞれ何かの言葉が出てきますよね?」
「そうですねー。私なら“物言えば唇寒し秋の風”ですね。」
「では、ラスボスである四季映姫ヤマザナドゥの場合の言葉を書いてください!」
「ずいぶんと簡単ですね。“狡兎三窟”とか“月に叢雲 花に風”とかさらに難しいのもあったでしょうに。」
「ああ、そんなのもありましたねぇ。」
「文さんしったか乙です。確かに何でも正確に覚えてしまう阿求さんにとっては、こう語呂がいいこの言葉は少々簡単に感じるでしょう。」
「ほうほう。」
「ですが、うろ覚えの人は大抵こう思います。『あれ、順序どうだったっけ?4つの単語は覚えているのにー!』とね。」
いかにも図星といったような反応を示す解答者たち。
「ああ、すごくよく分かります。ええ分かりますとも。」
「へえ、そういうもんなんですかね。」
「あんたにゃ一生、いや来世でも分からないことでしょうね。さて、それじゃ解答を見ていきましょうか、どうぞ!」
霊夢 ≪天知る 地知る 人知る 我知る≫
「残念ながら、不正解です。」
「あらら、でもこれ惜しいですよね?」
「ええ、非常に。きっと、天地人をベースに考えたんでしょうね。」
「あと、〆は自分自身とかがかっこいいかなと考えていました。」
「ちょっと、勝手に詮索しないでよ!」
「さて、では魔理沙さんはどうでしょうか?」
魔理沙 ≪我知る 人知る 天知る 地知る≫
「はい残念でしたー。」
「彼女は視点がどんどん大きくなっていくのがかっこいいと考えるようです。」
「な、なんのことなんだぜ?」
「フェードアウトですね、分かります。」
「別にそこまで動揺するような恥ずかしいことではないと思うんですがね。あとフェードアウトの意味とはちょっと違いますよ。では次へ」
咲夜 ≪天知る 地知る 我知る 人知る≫
「おっと、これは今度こそ…?」
「正解です、おめでとございます。」
「さあ、来ました!正解です!なぜ思い出せたのですか?」
「私がどれほど彼女に苦しめられてきたことだか…
私は一回も負けないでクリアというパーフェクトなプレイに挑戦していた…
EASYを選ぶのはプライドが許さないのでNORMALモードだった。ちなみに私はハードシューターだと自負しているわ。
なのに!あいつはぜんぜんダメージを食らわない!5分たっても今だライフは5のままだった…
私はどれほど彼女に挑んだことだろう…しかし、彼女は倒れなかった…
そんな屈辱的な過去は心の奥底にしまった筈だったんだけど、やはり忘れきれていなかったのね、私…」
「えーと、イージーとかライフとか、何のことを言っているんでしょうね?では最後ですね、どうぞ!」
早苗 ≪天知る 地知る 我知る 人知る≫
「…。」
「…。」
「…、これは夢ですか?」
「ちょっと!私は確かに分からないと諦めたときはネタ解答に走りますが、自信があるときは普通に答えますよ!」
「えっと、何で自信があったんですか?」
「私だって、どれだけ彼女に苦しめられてきたことだか…
EDの内容も問題で出るかもしれないから、全キャラでクリアしようとしていたんですよ…
だけど、苦手なキャラとかあるじゃないですか。特に妖夢さんなんか、チャージが遅くて遅くて…
しかもC4は実用性には欠けると知らなかった私は…もう分かりますよね。
あ、ちなみに没になったネタ解答は≪みそ知る ぶた知る けんちん知る…
「はいもういいですよー。」
「全体的にトラウマな出来事は思い出しやすいっぽいですね、あと早苗さん、≪ペン知る≫は面白かったですよ。」
「没ネタまだあるんですか…」
「では次の問題にでも行きますか。」
「私思ったんですけど、これストーr…番組の展開速度が遅くないですかね。」
「そうですねー。正解率があまりにも低いですしねー。」
「ここからは速押しクイズにするのはどうですか?」
「お!いいですね。解答者の皆さん、どうですか?」
「かまわないわよ。」「別にいいんだぜ。」「ええ、いいわ。」「大丈夫だ、問題ない。」
「ということで、さとりさんいいですね?」
「あ、でも待ってください。そのためには問題を大量に用意しないと…そろそろ作者がネタ切れd」
「あややキーック!」
ネーミングこそは最初の二人と同じような技だが、威力は全然違った。なにせ風の力をフルに活用した回し蹴りなのだから。
会場の天井に『トムとジェリー』のネコのほうのように自分の型の穴をあけて、さとりは飛び立っていった。
穴からこぼれ出す日光によってレミリアが灰になりかけている。
「えーと、さとりさんがいなくなったので問題が出せないですね、それじゃ今日はここまでということで。」
「今日の結果はちゃんと記録しておきますから、また次回から続行しましょう。」
「以上、何故かいじられキャラになっていたような射命丸文と、」
「口調でさとりさんと区別がつかないので出番が少ないように見える稗田阿求がお送りしました。それでは次の作品でお会いしm」
「チェイサー!」
天井に窓が一つ増えました。
さらに差し込む日の光によってフランドールが苦しんでいる。美鈴はどちらに日傘を差すべきかで迷って右往左往している。
「それでは、次の番組でお会いしましょう!」
「椛、カメラもマイクももう回ってないよね?よし、トイレに超特急ね!」
本業は新聞記者なのになぜか司会役が板についてこういう機会であれば大抵司会役に抜擢されること射命丸文でーす!」
「はいこんにちは。私も似たような境遇なんでしょうかね。解説の稗田阿求です。どうぞよろしく。」
彼女らの後ろには大きなディスプレイが。その画面の中には大きな「クイズ!サトオネア!」という文字が躍っている。
開場も全体的に照明を大胆に使い、賑やかである。
「さて、今回のSSn」
「あきゅーんちょっぷ!」
画面が乱れましたが、お気になさらずに。
「さーて、今回の番組の題名にも書かれており、問題の出題者である、古明地さとりさんの登場です!」
彼女たちから少し離れたところにある、七色に光る扉の奥から、小さなシルエットが浮かぶ。
その両サイドからスモークが吹き出し、それが晴れたとき、ついに彼女の姿があらわになった。
「こんにちは。古明地さとりです。どうぞよろしく。後、トイレ行きたいなら解答者登場の後にCM入りますからその時に行ったほうがいいですよ、文さん。」
「ちょっと!いきなり爆弾発言をしないで下さい!これは文字に乗せて読者の皆さんにm」
「さとりんちょっぷ!」
映像が乱れましたが、よそ見をしてください。
「地上波に乗せて視聴者の皆さんに見られるんですからね!だからホントにやめてください!」
「ではさとりさん。今回のSSはどんなネタなんd」
「あきゅーんちょっぷ!」
「さとりんちょっぷ!」
「「二人合わせてー」」
「ツインクロス!」「ダブルクラッシュ!」
ててーん、という効果音が似合いそうな微笑ましい光景であった。
最後以外コンビネーションがピッタリのつっこみに、観客は惜しみない拍手を送る。
「ではさとりさん。今回のクイズ番組はどんなコンセプトなんですか?」
「あなたには、あれ何だっけ?ほら、あれ。あー!喉まで出かかってんのにー!っていう経験はないかしら。」
「無いですね。」
「阿求さん、あなたは特殊なんです。ええ、よくありますねえ。」
「今回は、そんな感じの問題をたくさん出題するわ。
わたしが解答者たちの奥深くに仕舞われた記憶を読み解き、クイズにするの。
もちろん、記憶にあることしか問題に出さないから完全に答えられないということはないわ。」
「おお!さすがさとりさん。これは解答者たちも堪らないでしょう。では、その解答者達の登場と行きましょうか!さあ、どうぞ!」
さとりが出てきた扉と同じところに、今度は4人の影がうつる。
そして、そこから登場したのは…
「全てを勘で乗り越え、多くを救った英雄!ラッキーガールこと博霊霊夢!!」
「優勝賞金はいくらかしら?」
「彼女のレーザーと努力は絶えることがない!非凡な普通の魔女、霧雨魔理沙!!」
「おー!まばゆいなー。なんか照れるぜ。」
「摩訶不思議空間紅魔館を統制しきる女!パーフェクトメイド長、十六夜咲夜!!」
「どうぞよろしくお願いしますわ。」
「現在絶賛活躍の場を拡大中!ミラクル現人神、東風谷早苗!!」
「こんにちはー!見えますかー!私しっかり映ってますかー!」
いつもの人間組であった。
「さて、こうして解答者たちの顔ぶれがそろったわけですが、どうなんですか阿求さん。」
「実はですね、事前にペーパーテストを行っていまして、その結果をもとにして彼女たちは選ばれたんですよ。」
「ほほう!つまり、選ばれし精鋭というわけですね!」
(一部無い)胸を張る4人。誇らしげである。
「いえ、そういう訳ではなく、番組を面白くするために正答率が50%に近い4人を選んだんですけどね。」
「あやや、そうなんですか…。じゃあ、選ばれなかった人はとても出来が良かったか悪かったかって感じですね。」
胸勢、いや虚勢が崩れていく瞬間であった。とくに咲夜の落ち込みっぷりが豪快だったとさとりは後程語った。
「さてところで、早苗さんなんかはこっちに来て日が浅いから、紅魔異変とか体験してないから不利なんじゃないですか?」
「大丈夫です!私、全作品全難易度グッドエンディング見ましたから!」
「えーと、早苗さん?作品とか難易度ってはたしてなんのことをおっしゃってるんですか?」
「大丈夫よ。ちゃんと全員の記憶にある事から出題するから。」
「ああ、さっきそんなことを言ってましたね。」
「文さんって結構鳥頭なんですか?もしかして50%を下回ったグループでは…」
「やめて!心へのダメージはやめて!」
「では、わたしは問題のために彼女たちの心を読むんで、CM入れてください。はいそれでは皆さん、リラックスしてー、雑念を除いてー。
あ、スタッフの誰か女子便所一つ確保してくださいね、彼女のために。」
「だからそういう発言はやめろって言ったじゃないですかぁ!!!」
「文さん、あんたCMに出て自分の新聞宣伝するって言ってたじゃないですか、しょんべん垂れてる場合じゃないですよー」
「椛ィ!スタッフのくせに出てくるんじゃねえ!あと下ネタ禁止!」
「それじゃ、私が求聞史紀の宣伝をしとくんで、行っていいですよー。」
「ごめんありがと!すぐ戻るからねー」
「文さーん、準備終わりましたよ。もう問題出題できますよー。始めましょうよ。」
「心の代わりに空気を読んでっ!」
「それでは第一問、行ってみましょう!」
「それでは東方文花帖からの出題です。」
「おお、私の作品ですね。本ですか?ゲームのほうですか?」
「ゲームのほうですね。
さて、譫妄「イントゥデリリウム」というスぺカが同作品にありますが…」
解答者たちは(え、そんなのあったっけ。いやあったはずだ。あれ?それじゃ誰のスペカだ?)といった顔をする。
「その時に流れている音楽名を答えて下さい!」
困惑する霊夢。頭をひねる魔理沙。目をつむる咲夜。考える人のポーズをとる早苗。
反応は千差万別だが、悩んでいるというのは共通であった。
「ああ、ありましたねえ、そんなスペカ。」
「手帳を見ながら、いかにも『私知ってましたよ』といった顔をするのはやめてください。」
「私の前でははったりは無意味ですよ。」
「さて、第一問にしては難しくありませんかねぇ。」
「話を逸らしましたね。そうですね、でもこの曲名の英語部分は単純な単語ですし、曲名自体は特徴的ですからね。」
「あと、どうやら皆さんの思考によると、スペカを覚えてないのは最初のほうだったからだと考えて、前半の曲に狙いを絞っていますね。」
「見事な解説、二人ともありがとうございます。それでは解答のほうを見ましょう。どうぞ!」
霊夢 ≪風の循環 ~ Wind Tour≫
「残念ですね、それは前半過ぎましたね。」
「え、うそ!」
「というか、霊夢さんはこの問題のやつを、誰のスペカだと思ったんですか?」
「うーん、レティかチルノとか?あいつらのスペカ片仮名でしょ。」
「あーあ、あそこの観客席のお人形さん、すねてますよー。」
「というかチルノやレティに譫妄なんて言葉似合わないですね。」
「それでは魔理沙さんはどうなんでしょう…」
魔理沙 ≪天狗様が見ている ~ Black Wing≫
「嬉しいですねー、様付けなんて。」
「なんかの小説かアニメと間違えてませんか?」
「あと確かに天狗の羽は黒いですけどねえ。」
「え!?違うのか?」
「次いってみましょー!」
咲夜 ≪天狗が見ている ~ Black Eye≫
「おお!流石咲夜さん、正か」
「違いますよ」「間違いですね」
「「嘘ぉ!」」
文だけでなく咲夜本人も驚く。
「文さん、あなたは一つ目小僧か何かなんですか?」
「はあ、いったい何を…あ!これは咲夜さん惜しいですねー。」
「あー、放心してますね。彼女だけ時が止まっていますが、これは能力とは別でしょうね。」
「詰めが甘いところを見せたくなかったんでしょうね。」
「最後に、はたしてこの問題に正解者は出るのでしょうか?最後の希望、早苗さんの解答をどうぞ!」
早苗 ≪東の夜の眠らない国≫
「…。」
「…。」
「…。」
(…どやっ)
「貴女に最後の希望なんか託したのが間違いでした。」
「いや、答えが思いつかなかったらネタ解答をするのは当然のことですよ!」
「ああ、そうきましたか。」
「早苗さん、正しくは『東の国の眠らない夜』ですよ。」
「ああ、素だったんですね。」
「…え、ほんと!?…いやこれもネタです!」
「だから私の前でははったりは(ry」
「気を取り直して第二問!」
「それでは、「綱降幻権神臨飯現」を並び替えてスペカにして下さい!」
またしても皆膠着状態になった。
早苗なんかは(神奈子様、この声は届いていますか、どうか答えを…え、ダメ?正々堂々しろって?)などとやっている。
「うわあ、これはなかなか難しいというか、いやらしいというか…」
「アナグラムですね。しかも漢字だけ。」
「宗教っぽい言葉なので、熟語でペアを作れないのがつらそうですね。」
「それでは解答を見ていきましょう!どうぞー!」
霊夢 ≪幻神「飯綱権現降臨」≫
「おおっと、これは!どうなんですか?」
「正解です。おめでとうございます。」
「ここで正解来ましたー!この難問を制したのは霊夢!!」
「おや、魔理沙さんと咲夜さんがやばいといった顔をしていますね~。」
「ところで霊夢さん、やはり飯綱権現をご存じで?」
「いいや、勘よ。」
「ですよねー。では次行ってみましょう!」
魔理沙 ≪権現「幻綱飯神降臨」≫
「まあ、彼女なりに頑張ったんでしょう。」
「魔理沙さん、幻綱飯神って何を奉っている神様なんですかー?」
「うっ、うるさい!次行け、次!」
「強く言われたのでそれでは…」
咲夜 ≪降臨「現幻飯権綱神」≫
「すごい壮大な神様が誕生しましたね。」
「文さん、彼女にはそっとしてあげて下さい。彼女の心を壊さないためにも。」
「…なんか不公平だぜ。」
「では、最後に、期待はしていませんがどうぞ!」
早苗 ≪綱幻権飯「現人神降臨」≫
「…うわぁ」
「…うわぁ」
「…うわぁ、さすがにネタに走り過ぎです。」
「というかどこから“人”の文字を持ってきたんですか。」
「「」の左側のとってつけた感がある文字の並びに哀愁を感じますね。」
「というか、巫女としてこれはどうなんですか。」
「詳しくは巫女じゃないんで問題ないです!」
「きっと今頃頭を抱えている神様が2人いることでしょう。では次の問題に行きましょう!」
「それでは次は花映塚からの問題です。花映塚ではボスアタックの時、人に応じてそれぞれ何かの言葉が出てきますよね?」
「そうですねー。私なら“物言えば唇寒し秋の風”ですね。」
「では、ラスボスである四季映姫ヤマザナドゥの場合の言葉を書いてください!」
「ずいぶんと簡単ですね。“狡兎三窟”とか“月に叢雲 花に風”とかさらに難しいのもあったでしょうに。」
「ああ、そんなのもありましたねぇ。」
「文さんしったか乙です。確かに何でも正確に覚えてしまう阿求さんにとっては、こう語呂がいいこの言葉は少々簡単に感じるでしょう。」
「ほうほう。」
「ですが、うろ覚えの人は大抵こう思います。『あれ、順序どうだったっけ?4つの単語は覚えているのにー!』とね。」
いかにも図星といったような反応を示す解答者たち。
「ああ、すごくよく分かります。ええ分かりますとも。」
「へえ、そういうもんなんですかね。」
「あんたにゃ一生、いや来世でも分からないことでしょうね。さて、それじゃ解答を見ていきましょうか、どうぞ!」
霊夢 ≪天知る 地知る 人知る 我知る≫
「残念ながら、不正解です。」
「あらら、でもこれ惜しいですよね?」
「ええ、非常に。きっと、天地人をベースに考えたんでしょうね。」
「あと、〆は自分自身とかがかっこいいかなと考えていました。」
「ちょっと、勝手に詮索しないでよ!」
「さて、では魔理沙さんはどうでしょうか?」
魔理沙 ≪我知る 人知る 天知る 地知る≫
「はい残念でしたー。」
「彼女は視点がどんどん大きくなっていくのがかっこいいと考えるようです。」
「な、なんのことなんだぜ?」
「フェードアウトですね、分かります。」
「別にそこまで動揺するような恥ずかしいことではないと思うんですがね。あとフェードアウトの意味とはちょっと違いますよ。では次へ」
咲夜 ≪天知る 地知る 我知る 人知る≫
「おっと、これは今度こそ…?」
「正解です、おめでとございます。」
「さあ、来ました!正解です!なぜ思い出せたのですか?」
「私がどれほど彼女に苦しめられてきたことだか…
私は一回も負けないでクリアというパーフェクトなプレイに挑戦していた…
EASYを選ぶのはプライドが許さないのでNORMALモードだった。ちなみに私はハードシューターだと自負しているわ。
なのに!あいつはぜんぜんダメージを食らわない!5分たっても今だライフは5のままだった…
私はどれほど彼女に挑んだことだろう…しかし、彼女は倒れなかった…
そんな屈辱的な過去は心の奥底にしまった筈だったんだけど、やはり忘れきれていなかったのね、私…」
「えーと、イージーとかライフとか、何のことを言っているんでしょうね?では最後ですね、どうぞ!」
早苗 ≪天知る 地知る 我知る 人知る≫
「…。」
「…。」
「…、これは夢ですか?」
「ちょっと!私は確かに分からないと諦めたときはネタ解答に走りますが、自信があるときは普通に答えますよ!」
「えっと、何で自信があったんですか?」
「私だって、どれだけ彼女に苦しめられてきたことだか…
EDの内容も問題で出るかもしれないから、全キャラでクリアしようとしていたんですよ…
だけど、苦手なキャラとかあるじゃないですか。特に妖夢さんなんか、チャージが遅くて遅くて…
しかもC4は実用性には欠けると知らなかった私は…もう分かりますよね。
あ、ちなみに没になったネタ解答は≪みそ知る ぶた知る けんちん知る…
「はいもういいですよー。」
「全体的にトラウマな出来事は思い出しやすいっぽいですね、あと早苗さん、≪ペン知る≫は面白かったですよ。」
「没ネタまだあるんですか…」
「では次の問題にでも行きますか。」
「私思ったんですけど、これストーr…番組の展開速度が遅くないですかね。」
「そうですねー。正解率があまりにも低いですしねー。」
「ここからは速押しクイズにするのはどうですか?」
「お!いいですね。解答者の皆さん、どうですか?」
「かまわないわよ。」「別にいいんだぜ。」「ええ、いいわ。」「大丈夫だ、問題ない。」
「ということで、さとりさんいいですね?」
「あ、でも待ってください。そのためには問題を大量に用意しないと…そろそろ作者がネタ切れd」
「あややキーック!」
ネーミングこそは最初の二人と同じような技だが、威力は全然違った。なにせ風の力をフルに活用した回し蹴りなのだから。
会場の天井に『トムとジェリー』のネコのほうのように自分の型の穴をあけて、さとりは飛び立っていった。
穴からこぼれ出す日光によってレミリアが灰になりかけている。
「えーと、さとりさんがいなくなったので問題が出せないですね、それじゃ今日はここまでということで。」
「今日の結果はちゃんと記録しておきますから、また次回から続行しましょう。」
「以上、何故かいじられキャラになっていたような射命丸文と、」
「口調でさとりさんと区別がつかないので出番が少ないように見える稗田阿求がお送りしました。それでは次の作品でお会いしm」
「チェイサー!」
天井に窓が一つ増えました。
さらに差し込む日の光によってフランドールが苦しんでいる。美鈴はどちらに日傘を差すべきかで迷って右往左往している。
「それでは、次の番組でお会いしましょう!」
「椛、カメラもマイクももう回ってないよね?よし、トイレに超特急ね!」
正直、舌端現象という言葉自体が舌端現象になりかねません!
そんなわけで、ゆるゆるな空気が合いました。映姫さんのは完全に天地人と思い込んでいたっす。
スカスカですし、クイズネタをやるにしてももう少し上手くできなかったのかと。
地の文の少なさもなんだかなぁという感じです。
私には合いませんでした。
早苗さんがネタ担当なのかー。
全体的にちょっと薄味でしたね。
今後に期待してフリーレスで。