Coolier - 新生・東方創想話

東方終焉記 -第二話-

2011/05/06 16:47:02
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妖怪の山の梺、ふと霊夢が立ち止り、こんなことを言い出した。
 「ねえ妖夢、そういえばこんな事件しってるかしら?」
 妖夢と呼ばれた白髪の少女ははっとしたように聞き返した。
 「――事件……ですか?」
  妖夢は人間界から少し離れた白玉楼という場所で暮らしている。そこは死んだ人間がたどり着く世界であり普段から妖夢はそこで主に仕えている。
 そのため人間界には本当に用事が無い限り来ることが無いのだ。よって妖夢は人間界の自情に疎い。
  そして霊夢はこう続けた。
 「先日、この場所で人間の遺体が発見されたの。でもね、その遺体の様子が少しおかしかったんだって――妖怪に食べられた形跡は一切なくかわりに皮膚という皮膚が全て綺麗に剥がされた上に脳が抜き取られてたの」
 「――霊夢さん、私はあまりそういう話が得意じゃなくて」
 しかし霊夢は妖夢を無視して話を続けた。 
 「でね、これを人間の仕業と見た人里の人達は集会を開いて犯人を特定しようとしたの。でもね、人里からは誰も消えてなかったんだって」
 「つまりそれは遠くから来た参拝客の遺体だったのでは?」
 「うん、人里の人達もそう思っったんだけどどうもその遺体からは多少の霊気が出てたらしいの。不思議に思って人里の人達は山の医者の元へ遺体を運んで身元の特定をお願いしたんだって」
 そう言ってる間に霊夢はまた歩き出した。妖夢は霊夢と並ぶように歩き、そして大きな大木の前で二人は立ち止まるとまた霊夢が話し始めた。
 「山の医者はその遺体を見た瞬間血相を変えて他の部屋に運んだらしいわ。その先を見た人はいないらしいけど、死んだ人間が誰だったか知りたくない?」
 「でもその先を見た人間はいないのでは?」
 「そんなの簡単よ、ほらそこの木の根本に変なシミがついているでしょう?そこにまだ少しだけど霊気が残っているわ。あなたも確認してみなさい」
 そういうと霊夢は目の前の大木の根元を指差した。そこには確かに血がこびりついたようなシミが見受けられる、妖夢はそこに恐る恐る近づいて躊躇いながらも手を当てようとすると。
 「大丈夫よ、別に何も怖くないわ?」
 霊夢は妖夢の背中を後押しするように声をかけると妖夢の手に自分の手を当て木のシミに押し付け、そして自分の手を離してこう言った。
 「ほら、かすかに感じるでしょ、解る?」
 妖夢は木に手を当てながら霊気を確認してみた、かすかにだが確かに霊気が残っているのを感じる。この霊気は…まさか――!? 
 その瞬間妖夢は後ろに大きく跳躍しようとして気づいた。
 「足が!?」
 妖夢の足に草が巻きつくように絡まっていて動けないのだ。
 「どう?解ったでしょ、その遺体が誰のものだったか」
 言葉を発し終わった霊夢は一瞬で妖夢の懐に入り込み妖夢の胸に手を当てた。
 「――無想封印」
 「お前は一体!霊夢さんは!?」
 妖夢の叫びも虚しく次の瞬間妖夢達のいた場所から半径50m四方が光に包まれ――消滅した。
 
 午後一時二十分
 白玉楼の屋敷の縁側、西行寺幽々子は目を覚ました。
 「よく寝たわ~。妖夢はまだかしら?」
 屋敷の中、妖夢の気配は無い。恐らくまだ帰ってきてないのだろうと決めつけ、
 「そういえば戸棚に干物があるって言ってたかしら、お腹が空いたから何かたべたいわね」
 妖夢の言葉を思い出し、ゆゆこは戸棚に向かい歩き出した。戸棚をあけると妖夢が言った通り魚の干物が置いてあり、横の机の上に書き添えが置いてあった。
 「幽々子様へ あとで菓子を買ってきたら一緒に食べませんか?それまでお腹を空かせておいて下さいね。そういえば今日が何の日か覚えていますか?」
 それを見てゆゆこはため息をつきながら干物を取り出すことなく戸棚を閉め、
 「馬鹿ねえ、忘れるはずないでしょ?今日は妖夢、あなたが初めてこのお屋敷に来た日よ……」
 そう言い、ゆゆこは台所に行きお湯を沸かす準備をしながら
 「あの子も大きくなったものね、昔は何をするにも私にべったりだったのに」
 ゆゆこが感傷に浸っていると不意に居間から何かが落ちて割れたような音が聞こえた。音につられてゆゆこが居間に行ってみるとどうにも写真立てが落ちたらしい。
 割れて飛び散った写真カバーであったガラスを避けながらゆゆこが落ちた写真立てを拾ってみるとそこには幼き頃の妖夢と傍らには全く成長してないように見えるゆゆこと剣を携えた老人が写っている。
 その写真の中、妖夢の胸のあたりに割れたガラスが刺さっていた。
 「妖夢…何か嫌な予感がするわね、あの子大丈夫かしら」
 ゆゆこがそうつぶやいた時、庭に影が一つ落ちた。妖夢のものだ。
 妖夢は怪我でもしたのだろうか、頭部の半分と顔の一部を手ぬぐいか何かの布切れで覆っていて表情の判別がつきにくいがどうにも笑っているように見える。そして妖夢は菓子袋と思われる袋を足元に置きこちらへと歩きだした。
 「あら、妖夢。お使いは済んだかしら?」
 心配を隠して取り繕いながらもゆゆこが縁側まで出向いて己が従者にそう声をかけた瞬間、庭に下りた妖夢が刀を抜いてこう言った。
 「ゆゆこ様、私の為に死んでください――」
そう言って妖夢は自らが主、西行寺幽々子に切りかかった。
東方終焉記の第二話です、皆さん既にお気付きかと思いますがこれは幻想郷が滅びを迎える物語です。
一話一話を出来るだけ早く更新させるために容量が小さいですがどうか許して下さいm(_ _)m
三章は現在半分辺りまで完成してますが一応10日までには絶対にうpする予定です、だんだんと作品自体の容量も大きくしていく予定なので今後ともよろしくお願いします。
>>延期で12日までくらいになりそうです、次は容量とか結構大きく行くのでご期待ください。
俺@暇人
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コメント



0.250簡易評価
2.10Dark+削除
それでもこの量は少ないかと……
中々点数を入れる気にならないです……

後の展開、頑張ってください!
10.無評価名前が無い程度の能力削除
だから場に合った作品を出さないと読者の為にも自分の為にもならないと何度言えば(ry
14.無評価ダスティ=A削除
うーんまだ起承転結の起の途中という印象がありますね。分量が少な目で連投するくらいなら10~20kb程度の分量を書きためてからの方が注目されると思いますよ。速筆は良いのですがやっぱりこの量とストーリー進行じゃ評価出来ない人も多いでしょうし
15.無評価名前が無い程度の能力削除
いわゆる、東方で書く意味があるのかというやつだな、これは。
16.10名前が無い程度の能力削除
成長があまり見られませんね。

ま、次に期待します。